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ウルトラ美容師<第4話・前編>「ウエディング・ドレスをあなたに」

前、後編の2話完結です。読んでくださると、うれしいです。

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<第4話> 「ウェディング・ドレスをあなたに」


テレビ放送局TTBのディレクター森本敦が、
助手の遠藤勉を連れて、赤坂のある美容室を訪れた。
そこは、世界に誇るカリスマ美容師、大畠賢三の美容室だ。
忙しそうな店内であったが、奥の間に通された。

やがて、大畠賢三が現れた。
背は、175cm位で、年は40歳代後半だが、
若々しく、30歳代にも見える。
黒いズボン、黒いシャツの上に、光沢のあるオシャレなベストを着ていた。
森本と遠藤は立った。
「どうも、大畠先生、お忙しいところすみません。
 TTBの森本です。」
そう言って、森本は名刺を出した。
一同座ったところに、茶が出た。

森本が言うには、こうである。
この度、日本のカリスマ美容師6人を集め、「全国カリスマ美容師チャンピオン大会」を開き、全国放映したい。
北九州、大阪、名古屋、東京、仙台から、ナンバー1の美容師を集める。

大畠は、うなずきながら聞いていた。
まんざら悪い顔をしていない。
「で、一人足りませんな。さっき6人とおっしゃった。街は、5つですね。」
大畠は聞いた。

「もう一人、ある人物に来てもらうつもりです。
 その美容師は、世にカリスマを越える『ウルトラ美容師』などと呼ばれていまして、
 しかし、どうもいかがわしい。薄汚い美容室で何をしているかわからない。
 客をその気にさせる術が巧みで、大金を稼いでいるらしいのです。
 我々は、日本はおろか、世界五指に入るといわれている大畠先生に、
 ウルトラなんとやらの化けの皮をはがしてもらいたいというのが、
 番組のもう一つのねらいのなんです。
 大きなホールの舞台で、6人の美容師が並んで、腕を振るっていただく。
 ごまかし様がありません。そんな、企画でおります。」
森本は、そう言って、大畠の顔色をうかがった。

「結果は、目に見えていますな。」大畠は言った。
大森は、やった!という表情で、
「そうですとも。先生にかかっては、ひとたまりもありません。」
と、目を輝かせた。
「勘違いされておられますな。」
と、大畠は、大森を見た。
「私を入れた5人の美容師たちは、己の未熟を嫌と言うほど見せつけられ、
 もう立ち直れず、自滅をしますよ。
 自分が恥ずかしくて、最後まで、競技に参加できず、
途中でハサミの手が動かなくなるでしょう。
 
 私を世界の五指に入ると言ってくださったが、高杉修さんの右に出る人は、
 世界にいない。世界どころが、100年に一人出るか、出ないかの、
 不世出の天才です。
 技能はもちろんのこと、美容に対する考えが、まるで違う。
 その真似は、私達には到底できない。
 私が、憧れ、尊敬して止まない方を、
 よく調べもしないで、放送局ともあろうものが、何を考えているのです。
 それとも、5人の美容師が、圧倒され、己を恥じ、
再起不能になるのを、見たいのですか!」
大畠は、怒り、テーブルをドンと激しくたたいた。

森本敦と助手の遠藤勉は、けんもほろろに追い返された。
外に出た二人。
「大畠先生がああまで、おっしゃるからには、ほんとにすごい人なんでしょうかね。」
遠藤が言った。
「大阪の佐伯忠は、そうは言わなかったぞ。
 売名の上手い怪しい奴だと言っていたじゃないか。」
と森本。
「そうですね。」遠藤は腕を組んだ。
「遠藤君。ウルトラ美容師高杉修に1週間、張り付いてくれないか。
 奴のイカサマを暴き、裏をとってくれ。
 写真は撮らんでいい。もし、ウルトラがほんとに大天才なら、
 局は、大やけどをするからな。」
「はい。わかりました。」



その日の、7時ごろ、有香は、修の美容室に入り、2階に上がって行った。
すると、白衣の修が狭いところでラーメンを食べている。
有香は、修を見るのが初めてであった。
「あ、あ、あ、あ。」と有香は指を差し、「修さんですか。」と言った。
「ああ、びっくりした。今、即席ラーメンに全神経を集中してたんだよ。
 なんで、有香が、ここにいるの?」修は言った。
『あたしのこと知っていてくれてる。やっぱり、修さんだ。』
「わあ~、超イケメン。ああん。あたし一目惚れー。」
「もうすぐ、お客がくるからね。うがいして、歯を磨かないと。
 ああ、後半、ラーメンに集中できなかった。」
「ごめんなさい。あたしが洗うわ。」有香は言った。

しばらくして、ドアのベルが鳴った。
「あたしもついて行っていい。」と有香。
「いっしょに聞いて。相棒だから。」
相棒と呼ばれ、有香は、キャーと喜んだ。
遠藤勉は、ビルの壁に、ピタリと耳を付けていた。

入って来たのは、78歳くらいの白髪の男性だった。
修は、丸椅子を勧めた。
自分は、作業台の椅子を出してすわり、有香は、靴コーナーの椅子に座った。

「高倉洋二といいます。」
「私は、高杉修といいます。あそこにいますのが、相棒の白金有香です。」
「丸椅子におかけください。」
修は、勧めた。

高倉氏は語った。
「私の妻は、難病で、出会ったとき、妻はすでに車椅子でした。
 しかし、私は、妻の淑子に恋をし、周囲の反対を押し切って結婚しました。
 美しい妻でした。
 結婚式を挙げたかったのですが、計画をした日、妻の容体が悪くなり、
 私はとうとう、妻のウェディングドレスを見ることが出来ませんでした。

 妻は、結婚後も、ずっと車椅子でしたが、この45年幸せでした。
 しかし、2か月ほど前から、妻の容体が悪化し、あと5日ほどの命と言われました。
 そこで、私は、妻の最後に、ウエディングドレスを着せてやりたいのです。
 病気のせいで、妻の体のあちこちが曲がっています。
 話もろくにできません。
 もちろん昔のように美しくありません。
 しかし、そんな妻に似合うウェディングドレスを着せてやりたいのです。
 そして、少しでも、綺麗に見えるメイクと、ヘアーをお願いします。
 そして、車椅子でもいい、バージンロードを歩かせてやりたいのです。

 式が終わったら、1泊の旅行をし、妻の最期を看取ってやりたいと思います。
 妻でも着られる、ウエディングドレスと、
私の正装を作ってくださいますでしょうか。」

「わかりました。お引き受けいたします。
 一つ。お相手を見ないと、私は服が作れません。
 そして、奥様から、直接ご依頼を受けたく思います。」
「それなら、明日、我が家に来てくだされば、叶います。」
「では、夜の7時に参ります。」

高倉が帰っていった。
有香が泣いていた。
「どうして、泣いてるの?」修は聞いた。
「だって、おじいちゃんの心が、優しくて。」
「そうだね。だから、最高の結婚式にするんだ。」
修は、上を見上げた。

美容室の外で、遠藤も泣いていた。
そして、自分の張り込みの目的の反対のことを願っていた。
『ウルトラ美容師さん。どうか、その名に劣らず、
 素晴らしい美容をしてください。』

次の日、有香と一緒に、修は、大倉淑江に会いに行った。
斜めになった介護ベッドに、淑江はいた。
昔、美しかったという面影はあった。
「淑江さん。私にウエディングドレスを作って欲しいと願われますか。」
修は言った。
淑江は、うなずきながら、やっとの声で『お願いします。』と言った。
そして、修の方へ、手を差し伸べた。
修は、その手を両手で取り、しっかりと淑子を見た。


■次回予告■

ドレスも仕上がり、結婚式です。
高杉修、入魂のウエディング・ドレスです。


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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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