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メルヘン「トミーおばあさんの贈り物」(完結編)

<第1話>前編をまだお読みではない方は、
そちらを先に読んでくださると、うれしいです。

=============================== 

<第2話>「トミーおばあさんの贈り物」(完結編)


「その鏡はね。」とトミーは言った。
「その人の、心がそのまま映るの。」
「どういうこと。」トモは、聞いた。
「トモが、女の子に映ったのなら、トモは、本当は女の子だということ。
 外見は、男の子だけど、心は、女の子よ。」
「ぼくも、自分のことそう思ってた。ぼく、本当は女の子だって。」
「きっと、そうよ。」トミーは、やさしげに笑った。
若いトミーの笑顔は、特別にステキだと、トモは思った。

「そうだ、あたしが、一番魔法使いらしいものを見せてあげる。」
トミーは、小屋の奥に、トモを連れて行った。
そこには、いかにも魔法使いらしいものがあった。
大きなカメがあり、下から、火が燃えている。
カメの中に、どす黒い液体が、ぐつぐつ煮えている。

「これ、なあに。」トモは聞いた。
「何にでも効く、薬よ。
 カエルの干したのや、蜘蛛や蛇、
 コウモリの羽、ミミズ、いろんなものが入っているの。
 あたしは、童話作家であり、医者でもあるの。
 この薬、何でも治せるけど、この国では、使わせてくれない。」
「ぼくが、女の子に成れたりする?」
「トモは、病気じゃないから、治せないよ。」
「そう、残念だな。」

「ぼく、まだ、学校帰り。
 このままじゃ帰れない。どうしよう。」
トモは言った。
「あの鏡の裏を返せば、黒い鏡になるの。
 それに映せば、元に戻るわ。」
「もう、帰らなくちゃいけないから、元に戻るね。」
「ええ、それが、いいわね。」若いトミーは言った。

トミーに案内されて、友夫は、あのバス停に来た。
そして、トミーにさよならを言った。

その日から、バス停近くの椅子に、トミーがいなくなった。
それでも、友夫は、毎日のように、バス停のある道を通った。
しかし、トミーの姿はなく、トモは、その内バス停に行かなくなった。

それから、3年が経った。
友夫は、中学1年生になった。
友夫は、3年ぶりに、トミーおばあさんを見つけたのだった。
「トミーおばあさん。どこに行っていたの。」
友夫は声をかけた。

トミーおばあさんが、友夫を見た。
おばあさんが、そこに見たのは、セーラー服を着た、髪の長い女の子だった。

「あら、トモなの?女の子だわ。」
トミーは驚いた顔をした。
「お医者さんにいって、私の心が女の子だって、診断してもらったの。
 その診断で、学校へは、女の子として、通えるようになったの。
 女の子になるための治療もしているの。」
トモは、瞳を輝かせて言った。

「それは、よかったこと。
 どこのステキなお嬢さんかと思ったわ。」とトミーは言った。
「ありがとう。あたしが、4年生のとき、
 トミーさんが、あたしの心は女の子だって言ってくれなかったら、
 決心つかなかったと思う。
 あの時はありがとう。」
「そうなの。あたしも役にたったのね。」
おばあさんは、嬉しそうに笑った。

それから、おばあさんは、またいなくなった。
5年が経った。
トモは、高校2年になり、綺麗な娘になった。
そして、コウジというボーイフレンドが出来た。

「ね、そのおばあさんが、まだいたら信じる?」とトモは言った。
「ああ、ほんとにいたらね。」コウジは言った。
日曜日の午後、トモは、おばあさんのことを思い出し言った。
高校になって、通学路が変わり、
トモは、おばあさんのことを忘れていた。
あれは、夢だったのかも知れないと思うようになっていた。
しかし、ふとおばあさんのことを確かめたくなり、
バス停まで、何度か見に行った。

今日もコウジと見に来た。
しかし、バス停のところに、椅子はあったが、おばあさんはいなかった。
「やっぱり、夢だったのかなあ。」
トモは言った。
すると、今まで、信じようとしなかった、コウジが言った。
「トモは、おばあさんの小屋まで行ったんだろう。
 トモの心は女の子だと、初めて言ってくれた人だろう。
 小屋で、一人死んでいたりしたら、あまりにも気の毒だ。
 小屋を探そう。」
コウジの意外な言葉に、トモは、驚きながらうなずいた。

神社の森、お寺の森、森というところを、みんな捜し歩いた。
そして、とうとう見つけたのだった。
煙突から煙の出ていない小さな小屋。

「あそこ。煙突から煙が出ていないわ。」
「だったら、余計行ってみなくちゃ。」

二人は、小屋の前にやってきた。
トモは、心臓がドキドキした。
コウジが、そっと玄関の木のドアをあけた。
中に、人の気配はなかった。
ごちゃごちゃあったものが、すっかり片付いていた。
妖しいぐつぐつ煮えているカメもなかった。
鏡もなかった。
あるのは、おばあさんが書き物をしていたテーブルとイス。

テーブルの上に封筒に入った手紙があった。
「親愛なるトモへ」
封筒にそう書かれてあった。
それを見て、トモは、涙をこぼした。
トモは、コウジに見せた。
「わあ、ほんとだ。おばあさんは、いたんだね。読んでごらんよ。」
「うん。」

親愛なるトモへ。

若い人はいいね。いろんなものに興味を持って、
成長していく。
それなのに、私のような年寄りは、同じことにばかりに興味を持つのさ。
トモは、私の全てだったのよ。
トモを毎日見ることが、私の楽しみだった。
日に日に大きくなる。それを、どんなにうれしいと思ったことか。
こんな私に、生きる楽しみを与えてくれたトモには、
大きな、感謝をしています。

トモが4年生のとき、私に話しかけてくれた。
あんなに嬉しかったことは、なかったの。
だから、私は、魔女なら絶対教えてはいけない私の小屋を、
トモに見せてしまった。
トモが、本当に女の子の心を持っているのか、知りたかったの。
トモは、女の子の心を持っていた。

私は、魔女の劣等生でね、何にも魔法を使えない魔法使いだった。
ただ一つ、魔法の鏡を作ったことが、私の全て。
私は、今日で100歳になるの。
それまでに、もう一つ、魔法を作りたかった。
だから、バス停の椅子に座らない日が増えた。

心が女の子である子の、体も女の子にする魔法。
出来たかどうかわからないの。
(だって、試すことができないから。)
100歳になった私は、遠いところへ行かなければならない。
トモ。あなたが、いつこの小屋を見つけて、
この手紙を読んでくれるかわからない。
でも、できれば、あなたが若くて、一番きれいなときに、
見つけて読んでほしいと思っています。

今度の魔法は、あの気持ちの悪いお薬ではありません。
あなたが、この手紙を開いたときに魔法が始まり、
あなたが、この手紙を読み終わったときに、私の魔法は終わります。

では、私に生き甲斐をくれたトモ。
心から愛したトモ。
ありがとう。

頼りない私の魔法が効きますように。

トミー。


トモは涙で瞳をいっぱいにして、読み終えた。
「トモ、おばあちゃんの魔法がかかったように思う?」コウジは聞いた。
「思わない。おばあちゃん、できたかどうかわからないって書いてあった。
 でも、おばあちゃんの心が嬉しい。」
トモは、両手で顔を覆って、泣き始めた。

「トモ。トモの声が、違って聞こえるよ。」コウジは言った。
「ほんと?」
トモは、そう言って、そっと胸に手を当てた。
そして、はっと顔を上げた。
体を触った。
体のラインが違う。
トモは立った。
「コウジ、少し後ろを向いていて。」
トモは、下半身を触って、びっくりした。
思わず、スカートの中を確かめた。

「コウジ、あたし、体も女の子になってる。
 おばあちゃんの魔法が効いたんだわ。」
「ほんと!すごい。わあ~!ほんと?」
「うん。後で、ちゃんとお医者さんに行くけど、間違いない。
 あたしに男の子のものがなくなっていて、女の子のものがある。」
「わあ、それはすごいや。」
コウジは、トモを抱いて、くるくる回した。
「あたし、うれしい。」
トモは、涙ながらに言った。

トモは、椅子に座って、おばあちゃんの手紙を封筒に入れた。
それを、胸に抱き、
小屋の小さな窓から差して来る陽射しを見た。
そして、しみじみと言った。

「おばあちゃん。ありがとう。」



<おわり>
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ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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