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新作・メルヘン「トミーおばあさんの贈り物」(2話完結)

メルヘンチックなお話を書きました。2話完結の短いものです。
読んでくださると、とてもうれしいです。

============================== 

トミーおばあさんの贈り物


大原友夫は、小学1年生。
大きなランドセルを背負って、
大きな黄色い帽子をかぶって歩いていた。
帽子が大きく見えるのは、友夫が髪の毛を伸ばしているからで、
顔は、小さい方だった。

友夫は、時々通学路を遠回りして、
バス通りの道を行く。
そこに、友夫の大好きな洋服屋さんがあり、
そこのウィンドウに飾られている服を見るのが好きだった。
そこには、春らしいピンクの子供用のワンピースがある。
スカートにたくさんフリルがついた、可愛い服だ。

友夫は、その服が好きだった。
自分が女の子だったら、あの服が着られるのに。
あの服を着るために、女の子になりたいと思った。
友夫が、女の子になりたいと思ったのは、このときからだった。

洋服屋さんに来るのは、楽しいことだったが、
友夫は、通り向かいのバス停から少し離れた背もたれのある木の椅子にいる
おばあさんが恐くてならなかった。
すごく年をとったおばあさんで、顔は縦にも横にもシワがある。
鼻が高くて堀が深くて、ツバ広の黒い帽子をかぶっている。
そこから、肩までの白い髪を垂らしている。
杖を前に立てて、そこに両手を置いている。
たいていは、黒か灰色の薄汚れたマントを着、マフラーをしていて、
通りを通る人を見ている。

友夫は、そのおばあさんが魔女だと思って、恐くてしかたがなかった。
しかし、恐いもの見たさというのだろうか、
何度も何度も見てしまうのだった。

友夫は、ピンクのドレスを見に来て、うっとりと眺め、
おばあさんを見て、「ひー。」と逃げるように去って行くのだった。
おばあさんは、毎日いた。

友夫は、4年生になった。
やっぱり、あの洋服屋さんが好きだった。
今度は、ショーウィンドウではなく、お店の中に入って行った。
ほとんどは、女の子の服のコーナーを見て回った。
店の中は、たくさんの服があってうれしかった。
この頃、友夫は、はっきりと、自分は女の子になりたいと思っていた。
というより、女の子なのに、間違って男の子に生れて来たのだと思っていた。

バス停のそばのおばあさんは、今も変わらずにいた。
だが、4年生の友夫は、おばあさんを、もう魔女だなどと思わなかった。
サンタクロースの正体を知ったときだった。
この世に、魔女なんかいるわけはない、
そう思って、おばあさんを、恐く思わなくなっていた。

それよりも、1年生のときから、
ずっと顔を見て来たおばあさんに親しみを覚えていた。
そこに、おばあさんがいることが、うれしく思えていた。
いつか、お話をしたいと思うようにさえなった。

4年生が終わるころ、友夫は、とうとう実行した。
洋服屋さんを出て、友夫は、初めて通りを渡った。
そして、おばあさんの椅子の横に立った。
「おばあさんは、ここで何をしてるの?」と友夫は聞いた。
「通りの人を見ているのさ。」
友夫は、初めておばあさんの声を聞いた。
思ったより、ずっと綺麗な声だった。

「通りの人を見て、おもしろいの?」
「ああ、おもしろいとも。」
「そうなの?」
「例えば、ぼくちゃんが、1年生のとき、
 向かいのショーウインドウのピンクのワンピースを見ていた。
 可愛い子だなあと思った。
 その子が、毎日少しずつ大きくなった。そして、今は4年生。
 ずいぶん大きくなったなあって、それだけでも幸せな気持ちになるんだよ。」

「おばあさん、ぼくが、女の子の洋服をずっと見ていたのを知ってるんだ。」
「ああ、知ってるよ。」
「変な子だとは、思わなかった。」
「思わなかったよ。」
「どうして?ぼく、あの服着たかったの。」
「そうだろうね。その気持ちは、ようくわかるよ。」
「どうして、わかるの?」
「私を、おばあさんって呼んでくれたね。」
「うん。」
「私は、本当は、おじいさんなんだよ。
 子供のときから、女の子になって、女の子の服を着たかった。
 大人になったら、治ると思ってた。
 でも、こんな年になっても、まだ、女になりたいという気持ちは変わらない。」

「おばあさん。ぼくも、女の子になりたい。」
「わかるよ。4年間も、ぼくちゃんを見て来たからね。」
「ぼく、おばあさんのこと、魔女だと思ってたんだよ。」
「あら、あたしは、魔女だよ。」
「あは、残念だけど、信じない。
ぼく、サンタクロースだって、正体を知ったもの。」
「そうかい。不思議なものを信じなくなったのかい。
 それは、残念なことだね。」
「不思議なことってあるの?」
「あるさ。じゃあ、あたしの家に来てみるかい?
 あたしが、魔女だって思うから。」
「ほんと!ぼく行く。」
友夫は、目を輝かせた。

おばあさんと友夫は、神社の森を抜け、お寺の森を抜け。
幾つか知らない森を抜け、やっと人のいない森に着いた。
そこに、煙突から煙を出した、小さな小屋があった。
「ここが、あたしの家だよ。」
友夫は、興味津々中へ入った。
すると、小さな黒猫が、おばあさんに飛びついて来た。
「ちょっと待っておくれ。」
おばあさんは、友夫にそう言うと、
小さな机を前に座った。
子猫は、机の上に乗って、おばあさんにニャゴニャゴ言っていた。
「ああ、そうかい。そうだったの。それで、ああ、なるほどね。」
などと言いながら、髪に羽ペンを走らせている。

「おばあさん、それなあに。」
友夫は聞いた。字は、外国語のようだった。
「子猫のミミの言うことを聞きながら、物語を作っているのさ。
 あたしは、童話作家なんだよ。」
「魔女ではないの?」
「童話を書いて暮らしているんだよ。
 魔女だけでは、暮らしていけないからね。」

「そうだ、ぼくちゃんに、魔女の証拠を見せる約束だね。」
「うん、そう。」
「そこの大きな鏡を見てごらん。」
そう言われて、友夫は、鏡を見た。
そして、はっとした。
そこには、女の子の服を着た自分が映っていた。
服だけではなく、髪は長く、上から下まで女の子だった。
「わあ、すごい、おばあさん、ぼく、女の子に映ってる。」
「映っているだけじゃないよ、自分を見てごらん。」
友夫は自分を見た。
すると、自分は、鏡の通りの女の子になっていた。
「1時間だけだけどね。自分のなりたい子になれる。」
「それでも、すごい!」
友夫はうれしくて、飛び上がったり、くるくる回ったりした。

「おばあさん、やっぱり魔女なんだね。
 おばあさんも、自分を映して。何かになって。」
友夫は息を弾ませて言った。
「じゃあ、あたしは、若いときの自分になろうかね。」
おばあさんは、自分を映した。
友夫は見た。おばあさんは、20歳くらいに若い、とても綺麗な人になった。
黒いシャツ、黒い長いスカート。
前髪のあるショートの髪。
鏡を離れても、おばあさんは、娘になった。
友夫は、綺麗なおばあさんをみて、胸をときめかせた。
「若い娘さんをおばあさんなんて呼べない。
 なんて呼べばいいの?」
「あたしの名は、トミーなの。そう呼んで。」
「ぼくは、友夫。どうしようかな。」
「トモって呼ぶわ。」
「うん。そうして。」
友夫はすっかり興奮した。

二人は、夢中でいろんなお話をした。


■次回予告■

次で「完結」です。
最後はどうなるか。
みな様のご想像の通りです。
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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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