スーパー洋子「星野ヶ丘野球部の巻」③「勝負3対3」

<第2話> 「勝負3対3」


「監督ですね。」洋子は、言った。
「ああ、吉川だが。」
「私は、倉田洋子という、しがない時間講師です。」
「用はなんですか。」
「野球部員が、毎日寝不足で、授業中ほとんど寝ています。
 彼らに、ちゃんと睡眠時間を与えて、授業中寝ないようにさせてください。」
「睡眠時間は、ちゃんと与えている。
 10時にミーティングを終えて、起床は5時だ。
 7時間は寝かせている。」
「現実は違います。ミーティングを終えても、
 もっと強くなりたい子は、その後自主トレを、夜中の1時までやっています。
 監督は、ご存知でしょう。」

「知っているが、それは、本人の意志でやっていることだ。
 私が、止めさせる問題ではない。」
「授業中寝たって、ろくな睡眠はとれません。
 練習にも集中できない。
 だから、野球部は、弱いんですよ。」
「なんだと。野球部を侮辱するのかね。」
吉川は、顔色を変えた。
「事実を言ったまでです。
 これじゃあ、せいぜい準優勝止まり。優勝はほとんど望めません。
 睡眠不足は、動体視力を著しく落としますからね。
 あたしみたいな女でも、
エース・ピッチャーのボールを軽く打てるでしょう。
 あたしの投げたボールに、彼らは、かすりもできないでしょう。
 私は、高校でソフトボールを授業で習っただけですけどね。
 寝たりしないで、ちゃんと授業を受けましたから。
 寝不足では、こんな私にも勝てない。」

監督の吉川秀樹は、血の気の多い人間だった。
洋子の言葉が、吉川の怒りに火をつけた。
「そこまでの侮辱を受けたのは初めてだ。
 やってみてもいいですよ。」
「3対3でいきますか。
 私が3人に投げる。
 私が、3人分打つ。」
「いいだろう。野球部が勝ったら、どうする。」
「私は、学校を辞めます。
そして、寝不足でも勝てるという監督のお考えを認めます。」
「では、野球部が負けたら、私が、監督を辞めましょう。
あなたに負けるような野球部なら、解散にもしましょう。」

「レギュラーは、教育委員会事務室と学校で集めた子達でしょう。
 教育委員会と学校を説得できますか。」
「できるとも。それより、ご自分が負けたときのことを考えるべきですな。」
「じゃ、やりましょう。」洋子は言った。
吉川は、野球部が負けることなど、微塵も考えていなかった。
ただ、この生意気な時間講師に、思い知らせてやりたかった。

吉川は笛を吹いて、部員を集めた。
「あー、ここにいる先生がだな、
 お前達が、寝不足のために、練習に身がはいらず、
 お前たちが、弱いという。
 これでは、優勝は絶対望めないそうだ。
 それで、お前たちと3対3の勝負をすることになった。
 先生は、負けたら、学校を辞めるという。
 俺は、野球部が負けたら、監督を辞め、
 野球部も解散でいいと言った。
 どうだ、それでも、いいか。」

部員達は、にやにや笑った。
「俺たち、去年甲子園準優勝ですよ。
 その先生本気なんですか。」
「狂ってるとしか思えません。」

「本気ですとも。あたしが投げるボールに対して、
 一番打てる子を3人出してね。
 あたしが打つときは、エース・ピッチャーを出して。
 それから、あたしの投げるボールを捕るのは、最高のキャッチャーであること。
 じゃないと恐くて捕れないでしょうからね。」
洋子は、言った。

野球部員は、ゲラゲラと笑った。

「先生が辞職をかけてのことだ。そうしよう。」と吉川。
洋子が言った。
「念のため、言っておくわ。
 奨学金もらってる人立って。」
1から3年生まで、30人くらいが立った。
「あたしが勝ったら、あなた達、もう野球はやめるのよ。
 この学校で野球ができなければ、奨学金も授業料免除もなしだからね。
 他の学校なんか、もう取ってくれませんよ。
 実家に帰って、家の手伝いでもするのよ。わかってる?」

30人は、にやにやとした。
「わかってますよ。もう一生野球止めます。
 俺たちが負けたらですけどね。」
彼らは、顔を見合わせ、また、にやにやとした。
洋子はさらに言った。
「みなさん。あたしに負けることも考えてる?
 絶対勝つと思って、生返事でOKなんかしちゃだめよ。」
「わかりました。負けたときの覚悟もできています。」
ある部員が言った。

「監督もそうですか。負けることもあると覚悟はできていますか。」と洋子。
「できていますよ。勝敗は兵家の常ですからね。」
吉川はそう言って、口の端でにやっと笑った。
「負けてから、あたしに謝りに来るなんて、見苦しい真似しませんね。」
「は~~~い。」と連中は言った。
「監督もですか?」
「は~~~い。」と監督も連中の真似をしたので、全員は、ゲラゲラと笑った。
「監督。大人げもない。その返事は、なんですか!」
洋子は、厳しく言ったが、
吉川は、あえてか、他所を向いていた。

ボールとバットが用意された。
見学の部員50人近くが、ベンチ辺りに座った。

洋子が、先に打つことになった。
洋子は、一番重いバットを選んだ。
ピッチャーとキャッチャーが位置についた。
アップの投球を始めた。

『ピッチャーの小林は、来年はプロになる器だ。
 そのボールが、どんなものか、見るがいい。』
吉川は、そう思い、ニヤニヤしていた。

ピッチャーの小林健治は、身長が189cmあり、がっちりしている。
その小林が、高いところから、オーバーで投げ下ろす直球の威力は、
半端ではない。最高、159キロを出している。
また、小林の真骨頂は、フォークだった。
すとんと鋭角に落ちるボールは、プロでも打てないと言われていた。

洋子が、バッターボックスに入り、ピッチャーにバットを向けて言った。
「いいかい。初球を打つわよ。ピッチャー返し。
あなたの右耳をかすめるからね。
 怪我するんじゃないわよ。」
「は~~~い。」
とピッチャー小林は、先ほどのバカにした返事を真似て言った。

『相手は女だ。120キロで十分だと思うが、
一応140あたりで驚かせてみるか。』
小林は、そう思い、振りかぶって投げた。

速い球が矢のように来た。
そのとたん、洋子は、体を開いて、バッドを土に立てた。
洋子は、激怒していた。
「おい。小林!人を小馬鹿にすんのもいい加減にしなよ。
 監督はね。来年プロに入るあんたの球が、どんなもんか、
 あたしに見せて、度肝抜かしてやろうとウキウキしてんのよ。

 それなのに、今のチョロイ球は何よ?
監督のメンツつぶす気なの?
 次は、本気で投げな。
 あたしも本気で打つよ。
 あんたの右耳、行くよ。」

監督の吉川は、ギクリとした。
自分が思っていたことを、ズバリ言われた。
自分のにやけた顔から、心を読まれた。
それは、不愉快であり、恥ずかしくもあった。



■次回予告■
洋子の本気の打撃を見て、小林は、恐怖の底に落ちます。
次は、洋子が投げる番です。
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ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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