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再投稿「うつけの雪姫」<第6話>

私は、過去に投稿した作品を何度も読んで、
少しずつ加筆したり、無駄を省いたりしています。
そこで、オリジナルとは、少し改良したと思えるお話を、
ここに再投稿したいと思います。
(全編ではなく、ある1話です。)
今回は、「うつけの姫君・医学を学ぶ」のお話です。
読んでくださると、うれしいです。

=========================== 

「うつけの雪姫・医学を学ぶ(第6話)」


うつけ姫が11歳の時、一人でふらりと城の医師洪庵を訪れた。
洪庵は、小さな城である藤之城の抱え医師であったが、
その道では、名の知れた名医であった。

「先生、わたくしに、医学を教えてくだいませ。」
雪姫はそう言った。
洪庵は困った。
城では3番目の地位にいる姫である。
しかも、うつけと呼ばれる姫に、医学を教えて何になろう。
10年教えても、何も得るものがないであろう。

「姫様、なぜに医学を学びたいと思いなさる。」洪庵は聞いた。
「戦は、人を殺すもの。医学は人を生かすもの。
 人を殺すものは、人を生かす法も学び、
 命の尊さを知るべきじゃと思いました。」

『ほう、うつけの姫としては、まともなことを言う。
 どうせ、講義の内容もわからず、3日で逃げ出すであろう。』
そう思って、洪庵は、承諾をした。

姿勢を正している洪庵にたいし、
姫は、背を丸め、アゴをだして口をぽかんと開け、
目だけは、洪庵を見ている。

洪庵は、医学の中で、いちばん難しい「序論」と、
「健康論」について語った。
『これなら、2日と持つまい。』と思った。
姫の姿勢は、うつけそのものであったが、
綺麗に澄んだ瞳が洪庵に向けられていた。

1時間がたった。
『内容もわからぬであろうに、よく辛抱をして聞いているものだ。』
と洪庵は思っていた。

「姫様、少しはおわかりか?」と洪庵は聞いた。
「何も分かりませぬが、先生のお声が心地ようて、聞き入ってございます。」
「もうすこし、いたしましょうか。」と洪庵。
「先生にお疲れのありませぬよう、私は、いつまででも、聞きとうございます。」

洪庵は、それから、もう1時間講義をした。
雪姫は、口のよだれを拭きながら、口を開けて聞いていた。

「姫、本日は以上です。何か分かったことがありますか?」
「私は、うつけゆえ、何もありませぬ。ただ、序論にて、1つだけ思いました。」
「ほう、何をでございますか。」

「人の身体は、宇宙に似て、神秘なる法則で動いております。
 もし、内なるものの一つが欠けても、全体がうまく働きませぬ。
 しかし、人間には、更なる神秘を思いました。それは、ある器官が傷ついても、
 周りの器官が、自らの役目を越えて、損なった器官を補うことです。
 これは、まるで、城で役目をいたします、我らが心得と思いました。」

洪庵は、驚いて雪姫を見つめた。
序論には、いろいろ小難しく理屈が述べられているが、結局は、
『人の身体は、宇宙のごとし。』と書いてあるだけである。
そこから、ここまでの結論を導き出すのは、並大抵ではない。
雪姫の言ったことは、講義を重ね、最後の結論として、
わかってほしいことであった。

「姫様。明日も今日のように、2時から4時まで、
 講義をいたしましょう。」洪庵は言った。
「ほんとうでござりまするか。ありがとうございます。」
姫は、顔を嬉々とさせて、頭を下げた。



1年がたった。
洪庵は雪姫の卓抜な理解力を見抜き、講義は止め、書を読ませた。
その方が早い。
そして、姫の空いた時間に洪庵の医務室へ来させ、医療を実地に教えた。
姫は、乾いた砂に水が染み入るがごとく、全てを1回で吸収した。
週に1度、農家の村を往診に回るが、洪庵は、護衛と共に、姫を必ず同伴させた。
農民の実態を見せるためでもあった。

病にある農民は、ワラ小屋など、ひどいところで寝かされていた。
そんなところの悪臭は、耐えがたいものである。
だが、姫は、その悪臭に、顔色一つ変えなかった。
治療が終わって、小屋の外に出た。
「姫は、あの悪臭に、顔色一つ変えなかったのは、なぜです。」と洪庵は聞いた。
「私が顔色など変えれば、病人に気兼ねをさせます。
 それが、病人の心の負担になると思いました。」
洪庵は、うれしそうにうなずいた。


忍者の里「木の実の村」では、
今、雪姫と同年の一人のくノ一が、村を発とうとしていた。
雪姫のお守りで、疲れ果ててしまった早苗は、
体力の限界を感じ、もっと若くて元気なものをと、
上に訴え出た。
そこで、「木の実の村」に要請がきた。
くノ一の中で1番である、顔も可愛い茜が選ばれた。

「茜。くれぐれも気をつけるのじゃ。
 姫は、神出鬼没、ふっと思ったらいなくなる。
 木の上にも平気でのぼる。
 なにより、『うつけ』と評判である。
 うつけと呼ばれる姫じゃ。意地もさぞ悪かろう。
 茜、とにかく耐えるのじゃ。
 忍たるお前は、耐えることには、秀でておろう。」
と、茜の母は言い聞かせた。

村を出た茜は、替えの衣類を風呂敷にもって、
城へ向かった。
名を名乗り、中で、腰元の着物を着せられた。
早苗につれられて、いざ、雪姫と対面の時、
障子を開けてみると、雪姫はいなかった。

「この頃は、洪庵先生のところじゃ。」
と早苗は言った。
「姫のうつけには、ほんに、困ったものじゃ。
 洪庵先生の足手まといになるだけじゃというに。
 茜も、覚悟をするのじゃ。」と早苗は言った。

洪庵の医療室は、水曜日、一般の農民に開放している。
順を待ってすごい行列である。
年配の医師、そして、美しい白衣の医師。
その人が、うつけの雪姫だろうか。
(とても、うつけに見えなかった。)

早苗は、洪庵の医務室に近づいたとき、
その悪臭に、思わず袖を鼻に当て、下がってしまった。
茜も耐えがたい悪臭を嗅いだが、
忍者の心得として、それを表情に出すことはしなかった。

「姫、その患者は、背中にひどい腫れがある。
 一刻を争う。患部を切開して、膿を吸い出してやれ。」
「はい。」と雪姫は言った。

悪臭の主は、木の寝台の上にいる若者のようだった。

雪姫は、その若者をうつ伏せにして、
背中にこびりついている布をそっとはがした。
それだけで、15歳くらいのその患者は、痛みにばたばたする。
背の布をとると、皮膚がただれて、ひどいあり様である。

更なる悪臭が周りの者を襲ったが、
姫は、顔色一つ変えなかった。

「少し、痛みますよ。がまんなさいませ。」
雪姫は、そう言って、小刀を近づけた。

「周りの方々、この人を押さえてください。」
「わかりました。」と家族が言って、若者を押さえた。
雪姫は、迷うことなく、患部に小刀を入れた。
「うわあー。」と患者が暴れた。

忍者である茜が見ていられないほどだった。

雪姫は、メスを入れた周辺をもみ出し、
次には、驚くことに、マスクを外し、
その患者の患部に唇を当てたのだった。
そして、膿を吸った。
吸ったものは、器に吐き、水でうがいをして、
また、膿を吸いにいった。
恐らく家族でさえ、気持ちが悪くてできそうもないことを、
姫様がやっている。

姫は、吸出しを4回やった。
すると、患者のあばれようが、収まって来て、
静かになった。

患者の父親と思える人が、雪姫に聞いた。
「膿を口で吸うなど、気持ち悪くはございませんか。」
雪姫は、にっこりして、
「患者の方々が少しでも楽になられるようにと、
 その一心でやっています。気持ち悪さなど、
 思う隙間は、ありません。」と言った。

姫の言葉に周りの者や茜も、感動した。
「うつけの姫様などと、とんでもない。
 姫様は、慈悲に満ちた方だ。」
茜は思った。

患者は、軟膏を塗られ、さらしの包帯をまかれた。
「痛くなったら、また来てください。」
雪姫は、にっこりと言った。
「ありがとうございます。ありがとうございます。」
そう家族は言って、去って行った。

茜は、これからお仕えする雪姫を見て、
胸の中に、喜びがあふれた。
雪姫の姿が眩しくさえあった。



■次回は、「うつけの雪姫『御前試合』の2場面です。
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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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