三丁目の魔女⑥「コピーロボット・麗子」最終回

最終回です。このお話は、書き終わるのが、少し淋しい気がしています。
私の子供のころ、隣の隣に綺麗なお姉さんがいました。
そして、私は、そのお姉さんに、ほのかな恋心を抱いていました。
この作品を書いているとき、いつもそのお姉さんのことを思い描いていました。
さて、最終回、読んでくださると、うれしいです。

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麗子と二人で、シャワーを浴びて、
麗子も五郎も気楽な木綿のワンピースに着替えた。
麗子は、白、五郎は、水色。

五郎は、あと1時間もすると、夕食の時間なので、
男に戻るのが、辛かった。

麗子が、ハーブティーを入れてくれて、
キッチンのテーブルで飲んでいた。

「お姉さん、ぼく、ほんとに男に戻れるの?」と五郎は聞いた。
「1秒で戻れるわよ。」
「ほんと?じゃあ、よかった。もうすぐ、夕食の時間だから。」

「あたし、もうすぐ任務が終わるの。」と麗子は言った。
「任務って?」
「あたしの正体知りたいでしょう?」
「うん。魔法使いだと思ってる。」
「ちょっと違うの。
 あたしは、五郎の孫の孫の孫の孫の孫のそのまた孫なの。
 その未来から来たの。」
「じゃあ、お姉さんとぼくは血がつながってるの?」
「うん、そう。」
「わあ、すごい。」
「あたしの時代では、なんでもできるの。
 男になったり女になったり、子供になったり大人になったり。
 背を高くしたり、低くしたり。
 美人になるもの、ハンサムになるのも超簡単なの。
 だから、美人であることなんて、何の価値もないの。
 誰でもすぐなれるんだもの。」

「ああ、わかってきた。誰でも美人になれるなら、希少価値じゃなくなる。」
「だから、この時代に来たの。
 この時代は、いろんな個性があって、たくさんの価値がある。」
「うん、そうだね。」
「そこで、あたしの先祖の五郎ちゃんが、女装が好きってわかってたから、
 五郎ちゃんのそばに引っ越してきたの。
 16年前に来て、五郎が、16歳になるのをずっと待ってた。
 そして、五郎ちゃんの夢を叶えるのが、あたしの任務。」

「任務って?」
「あたしは、本物の麗子のコピーなの。
 いろんな変身機能を搭載された、成長型ロボット。」
「そんなのあるの?」
「うん。みんな、仕事とか苦しいことは、コピーにさせたりする。
 でも、あたしは、五郎といっしょに女装したり、
 セッ・クスしたりだから、すごく楽しかったけど。」
「じゃあ、ぼくの目の前にいるお姉さんは、いなくなっちゃうの。」
「うん。でも、代わりに本物の麗子が家族で来る。
 麗子の家族は、永住の時代として、この時代を選んだの。」

「ぼく、今、目の前にいるお姉さんと別れるの辛い。
 お姉さんが、ロボットでも関係ない。」

「いつでも会えるのよ。」
麗子は、そういって、五郎の前にコンパクトを置いた。
「これを五郎に渡して、あたしの使命は終わり。」

五郎は、そのコンパクトを開けてみた。
「それは、五郎の時代の、ス△ートフォンに似せて作られてるの。」
五郎は、コンパクトを開いて、いろいろ操作してみた。
たくさんの女の子の姿が、カタログ的に出てくる。

「一人の女の子を選択すると、五郎は、瞬時にその子になれる。」
「ほんと!」
五郎は、試しに、制服を着た女子高生を選んでみた。
その瞬間、五郎は、その女子高生になった。
「わあ、すごい。」
五郎は、鏡を見にいって、そう叫んだ。

「お友達っていうページを出して。
 どれかを選択すると、五郎のそばに現れるの。
 あたしが、その中にあるから、それを選択してくれれば、
 あたしは、いつでも五郎のとなりに現われる。」
「じゃあ、いつでもお姉さんと会えるんだね。」
「コピーのあたしの方だけど。」麗子は言った。

「雑誌で、可愛い子を見つけたら、その写真を撮れば、
 サンプルの中に、一人増えるの。
 五郎が、元に戻りたいときは、『変身終了』ボタンを押せば、
 瞬時に元に戻れる。」

「試してみていい?」
「うん。もう時間だし。」
五郎は、変身終了ボタンを押した。
その瞬間、五郎は、元の五郎に戻った。

「わあ、すごい。ヘアスタイル変えたり、洋服変えたり、自由なんだね。」
「うん。そうなの。あたしのおじいちゃんが、そのコンパクトを、
 先祖の五郎のために作ったの。」
「そうなんだ。このコンパクト、使えるのぼくだけ?」
「五郎と血のつながった人なら使える。」

「わあ、超貴重品だね。失くしたらどうしよう。」
「安心して。コンパクトは、持ち主の五郎のところへ、自力で戻ってくるの。」
「充電は?」
「電池は、100年電池。」
「わあ、うれしい。これで、お姉さんと別れても平気。ありがとう。」

五郎は、席を立った。
麗子も立った。

「ときどき呼んで。あたし、五郎が大好きだから。
あたしは、子供になったり、男の子になったり女の子になったりして、
 ずっと五郎ちゃんのそばにいたの。
 16年間、五郎ちゃんばかり見つめてきたの。」麗子は言った。
「そ、そうなんだ。知らなかった。ありがとう。
 ぼくは、16年間、お姉さんに憧れ続けてきた。」
五郎は、涙を頬に流した。
麗子も泣いていた。
二人は、抱き合って別れを惜しんだ。



家に帰ると、美紀が、手ぐすねを引いて待っていた。
美紀は、五郎の服の袖を引っ張ると、五郎を自分の部屋へ入れた。
「さあ、お兄ちゃん、説明して。
 あたし、全部見てたんだから。
 あの髪の長い超可愛い子、お兄ちゃんだったんでしょう?
 そして、麗子さんが、魔女だったんでしょう?」

五郎は、大体の説明をして、美紀にコンパクトを見せた。
「わあ~、すごい。血がつながっていればいいなら、あたしも使えるのね。」
と美紀は、目を輝かせた。
「うん、そうだと思うよ。」
美紀は、コンパクトをいじりながら、
「わあ、この人、モデルの浅井ルカじゃない?
 じゃあ、これを選択すれば、あたし、浅井ルカになれるの?」
「うん、やってみれば。」
美紀は、浅井ルカを選択した。
そのとたん、美紀は、浅井ルカになった。
美紀は、姿見を見ながら、
「きゃーっ!ほんとだ。あたし、浅井ルカだ。超、脚長い。」
と興奮して言った。
五郎も、超美形のモデルを目の前にして、どぎまぎしてしまった。

美紀は、元の美紀に戻った。
「お兄ちゃん、コンパクト、ときどき貸してね。」
「いいよ。」
「お兄ちゃんが、女の子になりたがるの、黙っててあげるからね。」
と美紀が言った。
「約束だよ。」
「うん。」美紀は、笑った。



翌日は、日曜日だった。
五郎は、朝食を食べて、麗子の家を見に行った。
すると、小早川という表札に、5人の家族の名前が書いてあった。
その中に、「麗子」もあった。
『本物の麗子の家族が引っ越してきたんだ。』五郎は思った。

コピーロボットの麗子は、どこでどうしているのだろう。
五郎は、任務を終えたロボットの麗子が、未来都市のどこかで、
動かずに寝ている姿が心に浮かんだ。
それが、悲しく思えてならなかった。

昼になった。
五郎は、もう一度麗子の家を見に行きたくなり、玄関を出た。
そのとき、麗子の家から、家族5人が、そろってお出かけのようで、やってきた。
五郎は、道路に面した車置き場で、5人を見ていた。
五人は、近所の人にするように、五郎に笑顔で会釈をして言った。
麗子も同じだった。

『ああ、コピーのお姉さんではない。』
五郎は、たまらなく淋しくなり、涙が出そうだった。

家族の後ろ姿を見つめていた。
すると、麗子が家族を止めて、一人こちらに走って来た。
そして、にこにこしながら言った。
「五郎ちゃん、あたしのコピーロボットRGの願いで、
 RGとあたし、同化したの。だから、あたし、RGでもあるの。
 RGの持っている五郎ちゃんの16年間の記憶、全部あたしのものになったのよ。」
「じゃあ、昨日のことも、みんな知ってるの?」
「うん、スリのおばあちゃん助けたことも、ベッドの中のこともね。」
麗子は、ちょっとウインクをした。
「わあ、ほんと。それ、うれしい!」と五郎は、飛び上がった。

「それとね。」と麗子は、周りを確かめ、
「未来のことを知らせるのは、絶対タブーなんだけど、こっそり、これ。」
麗子は、バッグの中から1枚の写真を五郎に見せた。
ウエディングの写真で、新郎と新婦が、手をつないで走るように階段を上って来ている。

「あ、ウエディング・ドレスの人、お姉さん?」
「そう、あたし。新郎は?」
「あ!ぼくだ!」と五郎は、麗子を見て目を輝かせた。
「当たり!」麗子は、こぼれるような笑顔を見せた。
五郎は、胸の奥から喜びが湧き上がり、
「ヤッター!」と叫んだ。
「じゃあね。」と麗子は、写真を持って、笑いながら、走って行った。

お姉さんは、昨日のお姉さんでもあるんだ。
ぼくのこと全部わかってくれてる。
最高の人だ。

ずっと未来の人と結婚できるなんて、
その仕組みが、わからなかったが、
きっとそのうち解明されるのだろうなと思った。

麗子の家族を見ると、ちょうど曲がり角を曲がって見えなくなった。
だが、麗子がもう一度顔をみせて、
五郎に投げキッスを送った。

五郎は、にっこりとした。
幸せな気持ちが、胸一杯に広がった。


<おわり>


■次回予告■

新作を投稿したいのですが、まだ十に分できていません。
無理なときは、過去の作品を再投稿いたします。

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 おかげさまで、今も高目で安定しています。
 今日もポチをくださると、うれしいです。






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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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