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GID事務主査・江崎陽子②「正夫と陽子が出会う」

陽子の女性としての到達度から、
女子トイレ、女子更衣室の使用は、当然とされた。

その日から、1週間ほど経った。

陽子は、自分に対する職員のタイプは、3通りあると思った。

①偏見をおくびにも出さないように、細心の注意を払って、接してくる人。
②偏見を隠せず、不自然な態度で、接してくる人。(悪気はない。戸惑いである。)
③気さくに話しかけてきて、周りに人がいないと、ずけずけと質問をしてくる人。
 
洋子は、その中で、③の人たちが、一番接しやすかった。
飲みにいったりすると、陽子の隣を占領して、陽子と話したがる。



6年生の学級担任である高坂茂男は、③のタイプだった。
30歳を過ぎたばかりで、熱心な教師だった。

ある日の放課後、高坂茂男は、事務室へ来て、
「江崎さん。ちょっと、相談したいんですが。」
と言った。
「場所を変えますか。」と江崎が言うと、
「是非に。」と茂男は、言う。

だれもいない応接室に行った。
「実は、私のクラスに、相原正夫くんという子がいまして、
 私は、彼はGIDではないかと思っているんです。つまり、MtFです。」
(MtFという言葉を知っているなんて、先生は、かなり勉強しているなと、陽子は思った。)

「まあ、どんなところが?」と陽子は聞いた。

「歩き方、仕草は、女の子です。書く字も女の子です。
 自分のことは、一応『ぼく』と呼んでいます。
 で、ある体育の時間、その子は、見学をしていて、
 教室に一人残っていました。

 そのとき、ある女子の服を着てしまって、
 それを、クラスの男子1人に見られてしまいました。
 幸い、その子は、いい子で、言いふらしませんでしたが、
 私だけに、こっそり教えてくれました。

 それから、音楽の時間に、唯一仲のいい女子に、
『自分は女の子になりたい。』と言ったそうです。
 江崎さん、これどう思いますか。
 実は、来月から、個人面談がありまして、親に言おうか迷っているんです。」
茂男は、そう言った。

(そういう子のためにも、私はカムアウトしたのだ。)
陽子は、茂男が、自分に相談してくれたことが、うれしかった。
しかし、ここは不用意な発言をしては、ならない。

陽子は、言った。
「女の子の服を着たのは、女装子=服装倒錯かもしれないし、
 いきなりGIDと決め付けることは、できないと思います。
 仲良しの女の子に「自分は女の子になりたい。」と言ったことも、
 軽い気持ちで言ったのかもしれない。
 動作、仕草が女の子みたいだというのは、女姉妹の多い子に見られるし、
 今のところ、GIDだとは、決められないと思います。
 ただ、女の子文字を書くというのは、かなりGID的だという気がします。」

「その子に、もう少し聞いて見ましょうか。」と茂男。
「それは、危険です。私達素人が、下手に聞くと、
 子供の場合、暗示にかかってしまうことがあります。
 『君、女の子になりたいって思ったりする?』なんて聞くと、
 自分は、そういう子だとの思いを高めてしまうこともあります。

 こちらからの直接的な質問は避けて、
 あくまで、その子が自分から言うようにすることが、大切です。」
と陽子は言った。

「じゃあ、親に言ってみましょうか。」と茂男。

「受け入れる親と、受け入れない親がいるの。
 ADHDや高機能自閉症だって、すごい剣幕で怒る親がいます。
 専門家でもない先生が、何を言うか。みたいな調子で。」

「じゃあ、どうすればいいんですか。」と茂男。
「私が、休み時間なんかで、さりげなく接してみます。
 この件では、茂男先生より、あたしの方が、少し経験者ですから。」
陽子は言った。
「お願いします。」と茂男は頭を下げた。
(もう6年生だし、見過ごすこともできるのに、いい先生だなと陽子は思った。)

相原正夫は、6年生で友達がいなかった。
昼休みは、全児童が外に出る学校の決まりだった。
友達のいない子にとっては、迷惑な決まりだった。
しかし、従わないわけには、いかない。

相原正夫は、いつも一人で飼育小屋で、ウサギを見たり、
花壇の花を見たりしていた。
とても可愛く、女の子のような顔立ちの子だった。
髪も長めにしていた。

陽子は、2、3日様子を見て、
正夫が、花壇の菜の花の陰に身を沈めていたとき、
何気なく、正夫の隣にしゃがんだ。

「全員外に出なきゃいけないなんて、いい迷惑じゃない?」と聞いた。
「あ、事務室の江崎陽子さん。」と正夫はうれしそうに言った。
「まあ、あたしの名前覚えてくれていたの?」
「はい。始業式のときのお話を聞いて、うれしかったから。
 学校で、ただ一人、ぼくをわかってくれる人だと思いました。」

「もう少し、詳しく聞かせて?」
「ぼく、男でいるの嫌です。女の子になりたい。
 始業式の日、先行きのことを考えて、実は、死を考えていました。
 でも、江崎さんが学校に来てくれました。
 江崎さんは、とっても美人で、女らしくて、ぼく希望をもちました。」
「そう。ありがとう。美人と言ってもらえてうれしいわ。」
「江崎さんと、すぐにでもお話ししたかったけど、できませんでした。
 だから、今、ぼくのそばに来てくださって、すごくうれしいです。」

「ね。担任の高坂茂男先生といっしょに一度、お話しない?
 高坂先生は、あなたのことわかってくださる先生よ。」
「はい。ぼく、高坂先生大好きです。お願いします。何もしないと、何も始まらないから。」
正夫は、陽子を見て、少し笑った。
賢そうで、前向きな、いい子だなと、陽子は思った。


つづく

■次回予告■

担任高坂と陽子そして正夫の3人で、相談をします。
高坂は、正夫の母と個人面談をします。
思ったとおり、正夫の母は、立腹し帰ってしまいます。

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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