良夫と礼子のスワップ⑥「絶妙なカップル」最終回

健太のお誕生日が、3日後の日曜日だった。
良夫は、礼子を招待し、みんなに紹介することになった。

良夫は、女の子のお友達と言っていたが、
家族みんな、ガールフレンドだと思い、
興味200%で、楽しみにしていた。

当日、家族は、何か緊張していた。
そして、良夫とやってきた礼子を見て、
みんな、ぽかんと口を開けた。
「きれい…。」と健太。
「うん。すごい美人。」と五郎。

「みなさん、はじめまして、五十嵐礼子といいます。」
と礼子は挨拶をした。
母の敏子が、
「まあ、良夫に、こんなお綺麗なお友達が。びっくりだわ。
 でも、礼子さんに初めてお会いした気がしません。なぜかしら。」と言った。
「あ、ぼくもそう。いつもいっしょにいた人みたい。」と健太。
「うん。不思議。」と五郎。

由紀一人がわかっていた。
『それにしても、こんなステキな人が、お兄ちゃんとしてがんばっていたなんて。
 礼子さん。大変な努力だったろうなあ。』
由紀はそう思っていた。

良夫と礼子は、エプロンをして、お誕生日の料理を作り始めた。
すばらしい連携プレイ。
礼子にとっては、勝手知ったる他人の家で、
良夫から、何を言われても、さっと出す。
「片栗粉とって。」と良夫。
礼子は、下の扉を開けて、「はい。」という呼吸のよさ。

由紀は、料理を二人に任せて、二人の息の合った料理を見ていた。
お兄ちゃんは、モテないタイプだけど、やさしくて、頼もしい。
礼子さんは、お兄ちゃんの良さを、みんな理解してくれてる。
お兄ちゃん、よかったね。
由紀は、そんな言葉を心で兄に投げかけた。

やがて、豪華なスペアリブ、カナッペ。サンドイッチ。
その他、ヨーグルト、パフェなど並んだ。
「わあ、すごい!」と健太は言った。

楽しい食事が始まった。
由紀は、礼子の隣だった。
こっそり言った。
「お兄ちゃんは、鼻をかく癖があるんですよ。
 でも、この3ヶ月、ありませんでした。」
礼子は、目を見開いて、
「ああ、じゃあ、由紀さんは、何もかも・・・。」
由紀を見て言った。

「礼子さんが、どれだけがんばったか、あたしが一番よく知っています。
 最後の方は、お兄ちゃんの上を行ってましたよ。
 健太に読み聞かせまでしてくださった。」
「わあ、由紀さんが誉めてくださると、あたし、最高にうれしいです。
 どうも、3ヶ月たくさん教えてくださって、ありがとう。」
と礼子は、頭を下げた。
「こちらこそ。」
と由紀もにっこりして、二人顔を見合わせて笑った。

その後、バースデーケーキにろうそくを立て、
みんなで、ハッピーバースデイの歌を歌った。

礼子一人がいるだけで、家は、花が咲いたように賑やかになった。

「お姉ちゃん、また来てね。」
とお別れのとき、健太が言った。
「うん、来る。また、あたしを呼んでくださいね。」
と礼子は、言った。
「毎日、来てくれてもいいよ。」と五郎が言ったので、みんなで笑った。



さて、礼子の家では、遠藤と竹中の誕生日が近いので、
同じ日にお祝いをすることになった。
礼子は、男のお友達を招くことをみんなに伝えた。

遠藤は、それを聞いて興奮した。
「お嬢様に、男のお友達だって。それってつまり。」と遠藤。
「ボーイフレンドでしょうね。『彼』と言い直してもいい。」と竹中。
「わあ、会ってみたい。すごく、楽しみ。」
「お嬢様、最近、人を見る目がおありだから、意外な人かもよ。」
「はじめてよね。彼を連れてくるなんて。」
「そうね。楽しみ。」
と二人で、興味200%でいた。

子供達も同じ。
悠太「ねえねえ、男のお友達って、好きな男の子のこと?」
四郎「多分ね。」
美沙「まだ、そこまで言うのは早いんじゃない。
  「好きに成りかけてる、男の子じゃない?」
三人「どっちにしても楽しみ。」と言った。

誕生日のお料理は、全部二人で作ると礼子は言った。

やがて、礼子は良夫といっしょに来た。
みんな、ダイニングで待っていた。

「大川良夫さんです。」と礼子は言った。
良夫は、礼子より2cmほど背が低い。
決してハンサムではない。

皆、一様に思ったことは、やさしそう、たくましそう。
そして、もう一つ。
まるで、つい最近までいっしょだった人のように、
親しみを感じた。

「ああいう男の子を友達にするとは、礼子も目が越えてきたね。」
と雄三は言った。
「はい、特別なやさしさと、頼もしさを感じます。」
と早苗は言った。

悠太が来て、良夫にぶら下がった。
「ねえ、お兄ちゃん、お姉ちゃんと同じくらいお料理が上手なの。」
「お姉ちゃんの方が、上手かも。」と良夫は言った。
「悠太。あたし、全然、かなわないのよ。」と礼子が言った。

厨房で、良夫と礼子は、コック服を着て、
料理を始めた。
竹中と遠藤が見にきた。
「わあ、二人の息がぴったり。」と遠藤が言った。
竹中が二人に言った。
「良夫さん、お嬢様。ちょっと試験を。
 これ、新しいソースです。今までのものに、もう1つ何かを入れています。
 当たったら、もう大変です。」
竹中はそう言って、冷蔵庫からお醤油のようなソースを出し、
小皿にとって、二人に渡した。
良夫と礼子は、記憶を共有しているので、
ニンニク、レモン汁、黒砂糖は、すぐに言えた。

「あと1つ。何かしら。
 なんか、とても食欲をそそります。」と礼子。
「酸味が少し。」と良夫。

「これしかない。」と良太は言った。
「あたしも、これしかないと思う。」と礼子。
「わあ、当てられそう。絶対わからないものなのに。」と竹中。
隣で、遠藤が冷や冷やして聞いていた。
「礼子、せーので言おうか。」と良夫。
「ええ、いいわよ。せーの、『梅干!』」と二人。
「わあ、そうです!」と竹中は拍手をした。
遠藤は、いつのもように、飛びあがって喜んだ。
「さすが、お嬢様のお友達。あたし、感服しました。
 お嬢様も、よくぞここまで。」
と竹中は言った。

二人は、うれしくてたまらなかった。

テーブルにみんなそろって、会食になった。
「わあ、豪華だね。」と雄三が言った。
「私なんかが、出る幕ありませんでした。」と竹中が言った。
ケーキは、食事の後だった。

会食の中で、良夫は言った。
「竹中さんは、火傷をなさったと聞きましたが、
 もう、すっかりいいんですか。」と良夫は言った。
「ええ、あのときは、お世話になりました。」と竹中は言った。
そして、自分の言葉にはっとした。
遠藤が、すぐ言った。
「あの時は、お嬢様に助けられたのよ。」
「あ、そうです。お嬢様、お世話になりました。」と竹中はいい直した。
竹中は、ふっとそんな気がして言ってしまったのだった。

竹中は、目の前の良夫に、鼻の頭を、ちょっとかく癖を見た。
ここ3ヶ月くらいのお嬢様の癖だった。
今の、お嬢様には、その癖がない。

そうか、そうだったのか。
竹中は、思った。
だから、良夫に特別な親しみを感じるのだ。
そして、お嬢様は、どこかで、大変な努力をして、
やさしくて、頼もしいお嬢様になって帰ってきた。

「竹中さん。なに考えてたの。」と遠藤が言った。
「うん、ちょっとね。後で教えてあげる。」竹中は言った。

食事のあと、バースデイ・ケーキが運ばれ、
ろうそくを立て、みんなで歌を歌って、ケーキを食べた。

誕生日会が終わり、
駅までの道、礼子は、良夫と歩いていた。
「竹中さん。私達のこと、気がついたみたい。」と礼子は言った。
「どうして、わかったんだろう。」と良夫。
「由紀ちゃんも、あたし達のこと知ってた。」
「そうなの?!」
「わかっていて、あたしに何もかも教えてくれたの。」
「どうして、わかったんだろう。」
「良夫には、鼻の頭をちょっとかく癖があるのに、私がいた3ヶ月それがなかったって。」
「そうか、竹中さんもそうだね。」
「良夫は、竹中さんといるときが、一番多かったでしょう。」
「うん、そう。」
「だからだと思う。」礼子は言った。



竹中から、話を聞いた遠藤は、びっくり仰天した。
「じゃあ、あのチョコレートをくれたときからね。」と遠藤。
「あたしもそう思う。」と竹中。
「お嬢様、同じくらいやさしくて、たくましい人になって帰ってきた。」と遠藤。
「それは、お嬢様が、どこかのご家庭で、 
 大変な努力をして、やさしさとたくましさを取り戻したのだと思う。」と竹中。
「だから、良夫さんに会って、初めての人に思えなかったんだ。」遠藤。
「多分、そう。」竹中は言った。



駅への道で、良夫は言った。
「あの最後の日の夢の中で、女の人声がしたでしょう。」
「うん、した。」
「ぼくね、もっとモテるようになりたいですって言ったの。
 そしたらね、女の子みんなからモテなくても、
 ステキな女の子一人に好かれれば、それでいいでしょう、って言われた。
 そして、その願いは、もう叶っていますよって。
 ぼく、そのとき、礼子のことが心に浮かんだ。」

礼子は、にこっとした。
「叶ってるよ。あたしのこと心に浮かべてくれて、正解。
 良夫は、あたしのこと、どうなの。」
「好きだよ。ずっと前から。
 でも、綺麗な礼子は好きだったけど、心の方は初め好きじゃなかった。」

「いつから、心も好きになってくれたの。」

「ぼく達が、入れ替わった初めの日。
 礼子は、すごいショックの中にいたと思う。
 後で、ぼくが助けに来たでしょう。
 ぼくは、あのとき、礼子がふてくされて、怒って、
 逃げ出してるかもしれないと思ってたの。

 そうしたら、
 礼子は、洗濯物をちゃんと取り込んで、
 苦労して、畳んであった。
 なんとかしなくてはと、必死にやってくれてた。
 そのとき、礼子の心も好きになった。
 礼子は、ぼくのこと、いつ好きになってくれたの?」

「同じ、あの日。良夫が、助けに来てくれて、
 ショーガ焼きを、二つの中華鍋を両手にもって、
 瞬く間に作ってくれたでしょう。
 それ見て、カッコイイなと思ったの。
 それが、初め。」

そうか、そうだったんだと、二人は思った。

駅のそばに来ていた。
「話してると、すぐ駅に着いちゃうね。」と良夫が言った。
「今日は、ありがとう。明日、学校で会えるね。」
「うん。みんながこっそり見に来ると思うけどね。」と良夫は笑った。
「あれ、まいっちゃうわよね。」と言って、礼子も笑った。

駅は、夕日に照らされて、
良夫と礼子を、オレンジ色に染めていた。



<おわり>


■次回予定■

すいません。未定です。

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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