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再投稿・ケーキ屋さんの由紀夫①「すばらしい子」

新しい作品を、書けませんでしたので、過去のお気に入りを再投稿します。
このお話は、とてもポジティブに書けているように思います。
全6話を、2話ずつ3回に分けて投稿します。
読んでくださるとうれしいです。

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「ケーキ屋さんの由紀夫」

第1話「すばらしい子」

町外れに、小さな「シャロン」というケーキ屋さんがあった。
大杉隆志がケーキをつくり、妻の英理子が、店の一切をやっていた。
地の利があまり良くなく、お店には、たまにお客が入るていどだった。
だから、家の暮らしは、やっとやっとだった。

二人には、由紀夫という子供がいた。
その由紀夫は、母英理子が学校へ行くたびに、「素晴らしい子」ですと言われていた。
1年生のときにいわれ、2年でもいわれ、3年生の新担任にも言われた。

担任は若い男の先生だった。
英理子は、思いきって聞いてみた。
「あのう、1年生のころから、素晴らしいと誉めてくださったのですが、
 家にいるときはそうも思えないんです。
 学校で、一体どのようにすばらしいと言っていただけるのでしょうか。」

担任は、少し宙を見て、言葉を選んでいるようだった。
「そうですね。学習成績や運動能力は文句なしで、それだけではないのです。
 一口に言えば、由紀夫くんが一人いれば、クラスが明るく平和になるのです。
 明るく、ユーモアがあって、素晴らしい判断力と、意志の力をもっていて、考えも深いです。
 そして、やさしくて、クラスで孤立している子がいると、すぐに誘って、
 みんなの中に入れてしまいます。

 学級では、1番の人気者ですし、学年中に知れています。
 担任として、もし、クラスのなかに由紀夫君がいると、みんな大喜びします。」
「家では、ほんとに、普通の子なんですよ。
 それより、あの子は、女の子に見えますでしょ。
 そのことで、いじめられたりしないかと、心配しています。」

すると先生は笑った。
「確かに、女の子にみえますが、由紀夫君の力量はそれを遥かに越えています。
 そんな由紀夫君をいじめる子なんて、学年中探しても一人もいませんよ。
 由紀夫君は、どんな困難も乗り越えていける子ですよ。」

母の英理子は、安心して家に帰った。
さっそく夫の隆志に行った。
「へーえ、あいつ、それほどのものなの?
 家では、ぜんぜん普通の子っだけどな。女の子にみえる以外は。」
「そのことでも聞いたの。いじめられませんかって。
 そしたら、先生笑ってらした。由紀夫の力量は、それを遥かに上回っているって。」
「ふーん。親の目なんて、いい加減だな。」
「あの子は、笑顔が特別に可愛いわ。」
「俺もそう思う。」
と言って、二人は笑った。

そこへ、女の子みたいな男の子が帰ってきた。
目が大きく、とても可愛い顔をしている。髪の毛を肩まで伸ばしていた。
「遊びにいってっくる。夕飯までには、帰るからね。」
とランドセルをほおり投げて外へ出て言った。

「あの子がねえ。」と英理子は行った。
「ほんとな。」と隆志が言った。



由紀夫は高校2年になった。
お店は、なんとか貧しいながらやってこれた。
そこに、大きな不幸がやってきた。
母の英理子ががんになり、わずか3ヶ月で他界した。
死のベッドで、英理子は、由紀夫の手を取った。
「父さんをお願い。由紀夫、あなたがいれば母さんは安心。お願い。」
「母さん。わかった。ぼくがんばる。がんばるから、安心して。」
英理子は、由紀夫の手をにぎったまま、息を引き取った。
「母さん。」「英理子。」と泣きはらす二人を残して、英理子は永眠した。

葬儀に5日ほどかかった。
明後日から店を空けるという朝。
「父さん、これにサインして。」と由紀夫が書類をだした。
それは、高校の退学届けだった。
「由紀夫これ…。」と隆志は由紀夫を見た。
「ぼく、明日から、母さんの仕事をする。だから。」
「いいのか。」と隆志は言った。
「勉強はいつでもできるでしょう。でも、このお店は、待ったなしだもの。」
由紀夫はいった。
隆志は、意志の固い由紀夫のことを知っている。
隆志は何も言わずにサインをした。

「父さん。明日からぼく、女の子になる。小さいころからなりたかったの。
 それで、店に出て母さんの代わりをする。母さんのお店の服があるし、だいじょうぶだよ。」
「そうだなあ。店員は女の子の方がいい。由紀夫それでいいのか。」
「うん。だから、父さん。今からぼくを、由紀子って呼んで。家でも女の子でいたいから。」
「わかった。由紀夫、いや、由紀子の言うことは、父さんはなんでも聞くよ。」

「じゃあ、父さん。今日美容院に行って、女の子の髪型にしてもらうね。
 それから、遠くからケーキを買い来る人もいるから、
 あたし、ドライアイスをサービスにいれるといいと思うんだ。」
「うん、それはいい。親切だな。でも、ドライアイスはどこで手に入る?」
「あたし、もう手配してあるの。明日の朝届くと思う。
 父さんは、ケーキ作りに専念して。経理もあたしがやるから。」
「うん。わかった。」
隆志は、由紀夫が家庭で見せなかった、「力量」というのに一つ触れた気がした。

次の日から、髪を女の子風にした由紀夫は、薄く化粧をして、
母のユニホームを着て、頭にスカーフをかぶった。
ユニホームはえんじ色。それに、白いエプロン。頭のかぶりものはエンジ色。
だれが見ても、可愛い女の子だった。

由紀夫は、小さい黒板に、ドライアイスのサービスがあることを書いて、
表に立てかけた。イラストが上手な由紀夫の字は、洒落ていて、楽しいものだった。

若い由紀夫の笑顔は100万ドルだった。
小さい子には、アメを上げた。
お客の家までの時間を聞いて、ドライアイスを入れた。

次に、由紀夫は、それぞれのケーキの説明書を作った。
各ケーキの味わい方、何からできているかを、絵入りで説明したものを、ケーキの箱に入れた。

そして、「今日のケーキ」として、あるケーキを少し多めに作り、1割引きで売った。
また、5枚集めれば、1割引きというカードを作り、それを渡した。

そのうち、前は閑散としていた店は、
いつも客がいる店に変わっていった。




第2話「やってきた裕美」

「父さん、今月も2割り増しだったよ。」と由紀夫は言った。
「ほんとか。2ヶ月連続で、4割4部の伸びじゃないか。」
「そうだね。」と由紀夫は可愛い笑顔を見せた。

隆志は、由紀夫のすばらしさを改めて思い知った。
妻を失い、悲しみに一時やる気の失せていた隆志だったが、
由紀夫の前向きな姿勢と、アイデアに、
希望と、やる気が、湧いてくるのを感じた。
由紀夫は、すばらしい子だ。どんな困難も乗り越えていく子だと言った先生たちの言葉を思い出した。



10月になり、お店は安定して来た。
遠いとところから、車でやってくる客も増えた。

ある日、店が6時に終わって、由紀夫がごみ出しに店の角にきたとき、
「大杉くん。」との声があった。
由紀夫は、一瞬、女の子を思い浮かべた。
振り向くと、ジーンズを履いて、草色のサマーセーター、
ストレートの髪を、肩まで垂らしる子がいた。

顔立ちが可愛い。
「あの、君、女の子?」と由紀夫は聞いた。
「ううん、男。大杉君は、ぼくのこと知らないと思う。
 でも、ぼくは、君のこと良く知ってる。」
「なんか、あたしに、話があるのね。
 じゃあ、これから夕飯作るから、手伝ってくれる。
 そして、父さんといっしょに3人で食べよう。」
「いいの?初対面なのに?」
「君が悪い人に見えないもの。いいよ。」
由紀夫に言われ、その子は、ケータイをかけ、家に夕食がいらないことを告げた。

由紀夫は、その子を家に入れた。
そして、母の部屋に行き、楽なワンピースに着替えた。
そして、その子にも、ワンピースを渡した。
「これ着た方が、君に似合うよ。」とその子ににこりとして言った。
その子は、一瞬ためらった。だが、由紀夫が何もかも理解してくれている気がした。
「ありがとう。うれしい。」
「お名前教えて。」
「裕美。川田裕美。」
「裕美かあ。いいな。女の子にも使えるじゃない。
 あ、あたしは、由紀子。ニックネームだけど。
 今から裕美は、女の子になるのよ。自分のことは、『あたし』って呼ぶの。」
「ええ、いいわ。あたし自分のこと、あたしって呼ぶ方が呼びやすい。」
裕美はなめらかな女言葉で言った。
『ははん、裕美は心も女の子かな。』と由紀夫は思った。

キッチンのテーブルで、3人で焼肉定食を食べた。
「由紀子の料理はおいしいなあ。」と隆志は言った。
「全部、母さんに教わったものよ。」と由紀夫。
「それは、わかっているけど、一味違う。毎回夕食が楽しみだよ。」
「ほんとに、おいしい。」と裕美も言った。
「おっと、そちらの彼女は?」と隆志は言った。
「裕美といいます。」
「由紀子の友達?」
「あたしからの一方的な友達です。」と裕美は言った。
「高校生?」
「高校やめて、ニートしてます。」

「そうなんだ。今の学校は、行きにくいところだからな。勉強より、友達関係が大変だ。」
「そうなんです。それに、あたし男だから。」と裕美は言った。
「え?」と隆志は、ご飯を噴出しそうになった。
「男の子だったの。由紀子より、ずっと女らしいよ。そうだったのかあ。」
「中学のときから高校でも、ずっといじめられていました。」
「無理もない。裕美ちゃんだっけ。それで、学校いけなくなったんだね。」
「はい。」
「裕美ちゃん自身、女の子になりたいって思ってるの?」
「はい。生まれたときから。」 

「じゃあ、さあ、家でじっとしてるのは、体によくないから、うちで、少しバイトしない?
 もちろん、女の子として、由紀子のとなりでね。1日3時間くらい。
 週何日でもいい。由紀子、今うちアルバイト雇える余裕ある?」
「フルタイムは無理。時給800円として、一日3時間。週3日なら払える。」と由紀夫。

「なら、どう?おじさん、裕美ちゃんは、少し外へ出た方がいいと思うんだ。」
「うれしいです。やらせてください。問題は、両親だけです。」と裕美。
「ご両親、むずかしい人?」と隆志。
「簡単じゃないかもしれない。あたしが、女みたいなこと恥ずかしいと思ってるみたい。」
「今日、あたしといっしょに行こう。あたしから、裕美のご両親に話す。」と由紀夫は言った。
「俺も、行った方がいいんじゃないか。」と隆志。
「うん。大人がいると、重みが出るし、父さんも来て。」由紀夫は言った。



裕美の家は、「シャロン」の店から歩いて20分くらいの、
サラリーマン家庭のようだった。
時刻は、8時を過ぎていた。
裕美は、男の服に着替え、初め一人で家に入って行った。
そして、一人で事情を話し、お店の人が来てくれていることを話した。
お父さんの忠雄は、冷静な人だった。母の千鶴子は、お父さん任せな人だった。

由紀夫と隆志は、裕美に呼ばれ中に入った。
ダイニングのテーブルに忠雄と千鶴子がすわり、
面と向かって、真ん中に由紀夫、両脇に裕美と隆志が座った。

裕美の父忠雄がいった。
「ニートで何もしないでいる裕美が、アルバイトをするということには賛成なのです。
 ただ、女性の姿をして、女店員として働くということに、抵抗があります。」

「お気持ち、十分にわかります。」と由紀夫は言い、
「あの、お父様がたに、私は、女子と映っていますでしょうか。」と言った。
「はい、可愛いお嬢さんと拝見しています。」と忠雄。
「私は、男子です。」
「え?」と裕美の両親は、目を見張った。


つづく(次回は、「両親への説得」です。

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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