新スーパー洋子・緑川高校⑤「男子バスケットボール部」の巻

同じパターンのお話を毎回書いていて、申し訳ありません。
次は、いよいよサッカー部、そして、最終回のつもりです。
最後までお付き合いくださると、うれしいです。

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3日ほど観察に来たが、毎回3人ほどが、
顧問の先生にビンタを食らっている。
ここもそうかと洋子と3人はうんざりとした。
1年生をみると、5人ほどが、体育館の壁に正座をさせられている。
しかも、体育倉庫の運動棒を横に並べ、
その上での正座だ。

「ここもひどいね。」と冴子は言った。
「見ただけで、痛そうだよ。」と和也と恵美は言った。

顧問の遠藤が、そばに来たとき、
洋子は、聞こえるように言った。
「あんなこん棒の上に正座させたって、強くならないのに。
 ビンタくれても、やる気なくすだけよ。
 恐怖でうまくなったりしないよ。
 だから、プレイが、萎縮してるのよ。
 こんな選手なら、あたし一人で、勝てちゃうな。」

横にいた顧問の遠藤が、顔色を変えた。
「おい。お前の名と、クラスを言え。」
「1年B組 倉田洋子です。」
「さっき、自分一人で、我が部員5人に勝てると抜かしたな。」
「はっきり言いました。」
「休憩がてらやってやってもいいぞ。」

「どうせなら、レギュラー出してください。
 あとから、あれは2軍だったなんていい訳聞きたくないですから。」
「おのれえ。では、レギュラーを出してやろう。
 ただし、我々は、全国2位の実力だ。それを承知の上か。」
「はい。世界にはいけないことを知っています。」

遠藤は、その言葉で、激怒した。
「お前が負けたらどうする。」
「学校を辞めます。」
「わかった。我がチームが負けたら、俺が学校をやめよう。
 あいつらがいいと言ったら、部も解散してやろう。」

冴子たちは、ひそひそと話していた。
「剣道とバスケはちがうよ。」
「うん。人数が一人なんて、どうする気だろう。」

顧問の遠藤は、集合をかけた。
「ああ、ここにいる1年女子が、わが部を侮辱した。
 正座やビンタでは、上達はしないそうだ。
 そして、なんと、5人相手に自分一人で勝てるという。」
部員達は、ざわざわし、笑い声が広がった。
「しかもだ。レギュラー5人を出して欲しいという。
 そして、負けたら、自分は学校を辞めるそうだ。
 それに対し、俺は、負けたら、俺が学校を辞めると言った。
 そして、部も解散してやると言いたいが、
 これは、お前達の同意がなければならない。
 どうだ、負けたら、部が解散になってもよいと思うもの手を上げろ。」
ほとんどの部員が、笑いながら「オー!」と手を上げた。

一人挙げないのがいた。
部長の山口五郎だ。
「なんだ、山口。何が言いたい。」
山口は立った。
「当然我々は、勝つでしょう。
 しかし、自分は、その倉田さんの言葉に一部賛成です。
 先生のビンタや、運動棒の上の正座は、あまり意味がないと思います。
 そんなのがなくても、俺達気合が入ります。
 とくに、ビンタからは、屈辱しか生まれません。
 もらってみれば、わかります。」
「何お。」と遠藤は、山口の胸倉をつかんで、強烈なビンタを食らわせた。

「そのビンタが、なんの意味もないと言ってるんですよ。」
洋子は言った。
そのとき、いつもの50人と、練習のなくなった剣道部、柔道部の80人ほどが、
キャラリーに入ってきた。
「なんだ、お前達は。」遠藤は、怒鳴った。
「応援です。それと、勝負の証人です。」とだれかが叫んだ。
「ふんっ。男バスの強さをとくと見て行け。」と遠藤は言った。

「試合時間は何分だ。」遠藤は荒々しく言った。
「20分。」
「よし、レギュラーは入れ。腰抜けの山口の変わりに、太田。」

洋子は、制服姿だった。
レギュラーは位置に着いたが、構えもせず、でれんと立っているだけだった。
全く話にならないという体(てい)だった。
全員身長が185cmは超えている。190cmを超える選手は、森井と2人いる。

レギュラーの5人は言っていた。
「ほとんど、ノーマークだ。200点はとらないと恥だぞ。」
「楽勝だ。あの女にシュートはさせない。0点に抑える。」
「当然だ。すべて、速攻でいき、女の度肝を抜いてやる。」
「まかせろ。」
と5人のレギュラーは言っていた。

ジャンプボールとなった。
洋子に対し、部でもっとも背の高い198cmの森井が立った。

笛が鳴った。
ボールが上がる。
次の一瞬、レギュラーの5人は、度肝を抜かれた。
ジャンプボールを、洋子が、高々とジャンプし、マイボールにしたからだ。
198cmの森井に対して、信じられないことだった。

洋子は、ボールを取った位置でドリブルを始めた。
選手が、すごい勢いで、洋子のボールを盗みにきた。
洋子は、さっとかわした。
かわされた選手は、「え?」と思った。
洋子の動きが見えなかった。

洋子は、ここから始動した。
すごい速さのドリブルで敵陣に進んだ。

体勢を低く構え、右手左手体の前後自在にドリブルをしていた。
ボールなど少しも見ていない。
そして、猛烈な速さで、レギュラーたちの間を風のように抜けていく。
レギュラー達は、全く洋子についていけない。

3枚で阻止しようとすると、洋子は身を180度翻し、手を変え、
別の場所に飛んでいく。
レギュラーの5人は腕を広げ、必死で洋子を捕まえようとするが、
抜けるとときの洋子が見えないのだ。
速い。床を突くボールが見えない。
常に、洋子の手の中にあるように見える。

背の高い森井がガードするが、森井は、左右どちらを抜かれたのかわからなかった。

観客100名以上は、洋子のドリブルに魅了されていた。

5人は、目標200点などと言ったことが、たまらなくはずかしく思えていた。
ボールに触りもできないでいる。

選手達は焦った。
速攻をしたいが、ボールをとれない。
どうしても、何をしてもつかまらないのだ。
ボールを手に入れない限り得点はない。
5人の焦りは募った。

ポイントは、まだ、0対0。
ボールを触らずに点が入るわけはない。

時間は10分を過ぎた。
ボールは、洋子が持っているので、コートの外に出ない。
つまり笛が鳴らない。
完全な休息なしである。
しかも、自分達は、必死で洋子を追っている。
全力疾走を10分続けているようなものだ。
それに、洋子のフェイントに、左右前後に脚の筋肉を使う。
これが、きつい。
太ももは、すでに、ぱんぱんに腫れている。

滝のように汗をかいていた。
それなのに、洋子は、汗一つかいていない。
それが、5人に大きなプレッシャーを与えていた。
5対1で追っている。5の方が絶対の有利なのに、
自分達は、ぜーぜーと息を荒くしている。

「すごいな。」
「ああ、あんなドリブルワークみたことがない。」
観客の中でそんな声がした。

こんな試合はやったことがないと、レギュラーは思っていた。
試合では、必ず、ファウルがあったり、
ボールを外に出たりし、笛が鳴る。
それが、貴重な休息時間となっているのだ。
その休息時間が全くないのである。
ボールが来ないからと休んでいる暇はない。
休んでいるところに、必ず洋子は、すごいスピードで迫ってくる。

それにしても、洋子はなぜシュートを打たない?
洋子を0点に押さえるつもりだった。
今、自分達は、その反対のことをされている。
洋子は、レギュラーを屈辱の0点に押さえる気だ。
そして、1本シュートを決めて勝つつもりだ。
なんてことだ。それに、今頃気がつくなんて。

もし、洋子がシュートを打っていたら、何点取られただろう。
思うだけでも恐ろしかった。

これでも、俺達は、全国2位なのか。
こんな情けない俺達が全国2位でいいのか。
5人は、同様に、自分に問いかけていた。

ある部員は、たまらずに、反則覚悟の体当たりを試みた。
洋子は、ボールと共に、高々とジャンプして、選手の頭上を超えて行った。

時間は、15分を過ぎようとしていた。

時間が17分を過ぎたとき、5人は完全にバテていた。
意識が朦朧としてくる。
脚が限りなく重い。
ただ、気力だけで動いていた。
こんな動きで、自分達がボールを奪える訳がない。
時間は、あと2分。2分もある。
それが、絶望的な長さに思えた。
とうとう1人が倒れた。
やがて、2人目、3人目が倒れた。
あと30秒というところで、残り二人が倒れた。

時間は、あと10秒。
洋子は、フリースローラインまでドリブルし、ボールを構えた。
リングを見た。
あと2秒というときに、高々とボールをスローした。
ボールは、綺麗にネットを抜けた。

20分がたち、笛が鳴った。

2対0。洋子の勝ちである。

5人は、大の字になったまま動けなかった。

「洋子がこんな勝ち方をするとは、思わなかったな。」
「これこそ、かんぷ無きままに、叩きのめされたという感じだな。」
「選手にとって、これ以上屈辱的な負け方はないよ。」
ギャラリーでそんな声がしていた。

顧問の遠藤も、これほど無残な負けを見たのは初めてだった。
しかも、たった一人の女子にやられた。
完全な敗北である。

5人が這うようにして集まったとき、遠藤は、洋子に言った。
「お前の勝ちだ。
 我がチームが、これほど惨めに負けたのを見たことがない。
 俺一人が学校を辞めるだけでよかったものを、
 俺が下手に、皆を集めて怒らせてしまった。そのため、
 このバスケット部まで解散にしてしまった。

 倉田。お前が、ここに来た目的はなんだ。」

洋子は、言った。
「ビンタや無駄な暴力を、部活からなくすためです。
 遠藤先生は、正当な意見を言った山口さんにビンタをしました。
 公的な場で、聞いてみましょうか。遠藤先生のビンタは正当であったか。
 いかがですか。」

遠藤はうつむいていた。
「あのビンタは、するべきでなかったと思っている。」

「先生はご存知でしょうか。私は、サッカー部で40発のビンタをうけ、
 その夜に自殺をした、倉田健二の妹です。」と洋子は言った。

それを聞いて、遠藤の顔色が変わった。
そして、3年生全員の顔色が変わった。
「私は葬式に見えた遠藤先生のお顔を覚えていました。
 しかし、遠藤先生は、健二の家族の顔など、覚える意味などなかったのでしょうね。
 遺族の顔を覚えていてくださったのは、山口さんだけだったと思いました。」

「そうか、そうだったのか。だから、それほどに、ビンタや体罰を憎んでいたのか。」
遠藤は言った。

「兄の事件で、学校は少しでも反省し、暴力的な指導を自粛していると期待してきました。
 それが、全然です。現に私の目の前で、山口さんがビンタを受けました。
 部員に意見を聞いたのは先生です。
 それなのに、意見を言った山口さんにビンタをしました。

 その意見が間違っていたからではなく、先生が気に入らない意見だったからです。
 それなら、部員に意見など始めから求めなければいいのです。
 これでは、部員は、先生に何も言えません。
 学校は、サッカー部の40発のビンタを隠蔽しました。
 遠藤先生も、事実をご存知だったのでは、ありませんか。」

「ああ、知っていた。」
遠藤は部員の前で、嘘はつけなかった。

遠藤は、膝を折り、両手をついて、部員の方を向いた。
「すまん。この通りだ。俺は、顧問も学校も辞める。
 倉田をうらんでくれるな。
 おれは、倉田の兄さんを死なせた40発のビンタを見たんだ。
 なのに、止めようとしなかった。
 そして、学校から口止めをされ、保身ために、口止めに従った。
 そのビンタが原因で、倉田の兄さんが自殺をしたのは、俺にとっては明白だ。
 それなのに、俺は、何の反省もなく、暴力的な指導をして来た。
 ある先生の40発のビンタを知っていて、黙っていた罪もある。
 悪いのは、すべて俺だ。申しわけない。すまなかった。」

そして、洋子に向かって言った。
「口止めに従った俺は、罪びとであり、もはや生徒を教える資格はない。
 君の兄さんの死は、学校が招いたものだ。
 学校が責任をとり、君のご家庭に、多額の賠償と慰謝をしなければならない。
 私は、これから、その意見を校長にすることで、君の家族への侘びとしたい。
 すまなかった。この通りだ。」
遠藤は、洋子に深々と頭を下げ、そして、去って行った。

ギャラリーの観客は、遠藤の言葉をしっかり聞いた。

呆然としている部員に、洋子は言った。
「みなさん、今のバスケットボール部は、解散ですが、
 やがて、新バスケットボール部ができる予定です。
 それは、暴力的な指導がない部です。
 その部が出来るまで、もう少し私に時間をくださいますか。
 そして、新しいバスケットボール部ができたら、また来てくださいますか。」

「ほんと?」と山口が言った。
「はい。山口さんもそのときは、是非力を貸してください。」
「ああ、もちろんだ。みんな、よかったな。」と山口が言った。
「ああ、よかった。」とみんなはうれしそうに声を上げた。

洋子は、見物の約100人に、
「みなさん、ありがとー!」と手を振った。
「よかったな。すごかったよ。」
そんな言葉を残して、みんなは去って行った。

外へのドアを出ると、冴子、和也、恵美の3人が待っていた。
「お疲れさん。今日私達で、お疲れの洋子にアイスクリームおごるからね。」
と冴子は言った。和也も恵美も笑っている。
洋子は、それが、とてもうれしく思った。

すべてをビデオカメラに撮っている人物の影は、
今日も、あった。


つづく

■次回予告■

次は、いよいよサッカー部です。
兄のかたきと思っている顧問のいる部です。
洋子は、万感の思いで戦います。

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ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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