新スーパー洋子・緑川高校④「柔道部の巻」

「柔道部の巻」

洋子と3人が、皆に告げず、こっそり柔道部に来たとき、
一人の部員が、先生に徹底的に投げられている。
その部員は、ほとんど無抵抗だ。

洋子は、そっと1年生の部員に聞いた。
「投げられているのは、誰ですか?」
「主将の加藤真一先輩。」
「なぜ?」
「先生に意見したんだ。
 先生の暴力的な指導が続けば、我々も剣道部のように廃部になると。」
「じゃあ、あたしにも、責任があるわ。」

洋子は、大きな声で、「まってください!」と声をかけた。
顧問の城山は、投げの手をとめて、洋子を見た。
城山は、洋子のそばにきて、
「ははん。お前だな。剣道部をつぶした女は。」
「はい。加藤先輩は、先生に投げられて、極限に来ています。
 これ以上やると、筋肉が破壊され、使い物にならなくなります。
 私に少しの責任があるなら、
 加藤先輩の代わりに、私を投げてください。」

「いいだろう。お前を投げてやろう。」
「私は部員ではありません。だから私は戦いますが。」
「いいだろう。時間は?」
「参ったをするまでです。または、気絶をするまで。1本勝負ではありません。」
「負けた方はどうなる?」
「私は、学校を辞めます。」
「よし、俺が負けたら、顧問も学校もやめてやろう。
 柔道部も解散でもよい。
 お前ら、いいか!」と部員に声をかけた。
「決まった。柔道部も解散してやろう。
 ただし、俺が初めに『まいった』をしたならな。
 いいか。柔道は、剣道のようにまぐれではいかんぞ。」
城山はニヤリとした。

洋子は、Tシャツと新しい柔道着を部員から借りた。

加藤は、やっと城山のしごきから免れた。
加藤は、心で、洋子を応援していた。
城山の暴力的なやりかたに、洋子を内心応援しているものは、一人や二人ではなかった。

城山と洋子は見合った。
小柄な洋子は、城山の半分しか背がないように見えた。

「初め!」の合図がかかった。
ここからは、審判なしのデスマッチだ。

城山が、少し出て、洋子の襟をつかんだ。
そのとたん、城山は、高く宙に舞い、1本背負いを食らった。
洋子は、城山が宙にあるときから、懇親の力で、城山を畳にたたきつけた。
「おおおおお。」と部員は、声を出した。

「ううっ。」と城山は、痛みに顔をしかめた。
城山は、1本背負いで、これほど激しく畳にたたきつけられたことはなかった。
城山が背中を抑えて、やっとの思いで立ってくると、また背負い投げ。
城山は、同じ場所を、強烈に畳にぶつけた。

「すごい。先生は、日本代表だぞ。」
「ああ、信じられない光景だ。」
部員は話していた。

城山は、ぶるると首を振り、信じがたい目を洋子に向けた。
『なんだ、この女は?技が見えん。』城山は心で言った。

城山は、1本背負いを嫌い、低く入って来た。
洋子はそれ以上低くなり、豪快な巴投げを打った。
城山の巨体が、宙に3m浮かび、後方5mは飛んだ。

この時点で、すでに城山に疲れとダメージの限界が見えた。
城山は、悪夢を見ている気がした。
『こいつなら、剣道場破りをしたこともうなづける。』

城山は、巴のダメージを今度は、立ちの姿勢で向かって行った。
洋子は、ここで基本技、出足払いを打った。
相手の足が出て、畳につくときその足を払う。
相手が、それで重心を崩したところに、投げをうつ。

「見事だな。」
「ああ、タイミングが絶妙だ。」
部員は言っていた。

城山は見事にかかり、よろけたところを、
洋子に、両手で、もろに畳に打ち付けられた。
城山はかろうじて立った。そこをすかさず、1本背負い。
この出足払いと1本背負いのセットを3本やられた。

城山は、息をぜいぜいと荒くついていた。
対して、洋子は、息一つ乱してない。
城山は、投げられたときに休むことができなかった。
それは、今さっき、主将加藤に1秒の休みも与えず、投げ続けたからだ。

城山が、気を取り直し、果敢に洋子に向かって行ったとき、
洋子から、信じられない大技がでた。
山嵐だ。見事に決まった。
「おおおおお。」と部員達は声を上げた。
限られた人間しかできないと言われる、幻の大技であり、
1度受けたら、普通の柔道家では、起きあがれないという。

「すげ!見たか!」
「見た、生まれて初めて見た!」
1、2年生は興奮した。

山嵐をまともに受けた打撃は、1本背負いの比ではない。
城山は、必死で、うつぶせになった。
『世の中に、こんな強い女がいるのか。オリンピックにもいない。』
城山は、深く後悔した。
自分が学校を辞めるといったこと。柔道部を解散すると言ったこと。
自分の絶対の勝利を疑わず、自分の辞職も、柔道部の解散も、露ほども考えていなかった。
だが、その事態が、もう目の前に見えていた。

城山は、寝技に持ち込み、休憩したかった。
だか、洋子の技は、起きたと同時にやってくる。
あまりにも綺麗な技で、寝技の隙もない。
柔道着も乱さず、直す時間も与えない。

投げられたとき、意味もなくこうして動かないのは、約束違反だ。

やっとの思いでたった時、洋子の大外刈がきた。
これを食らうときつい。
また、倒れる。
起きると、また、大外刈。
それを、何本も食らった。

厳しい学生時代の柔道部でのしごきでも、これほどやられたことはない。
城山は、ほとんど限界に来ていた。
あのとき、洋子は言った。
『動けなくなった選手に刺激を与えると、筋肉がだめになる。』と。

その言葉を聞かず、俺は怒りにまかせ、加藤を投げ続けるつもりだった。
洋子が、代わるといったから、やめたまでだ。
さもなくば、俺は、最優秀な部員を再起不能にするところだった。

洋子は、俺が身動きがとれなくなっても、せめて来るだろう。
加藤がやられる様を見て、怒りに燃えているはずだ。
そして、俺の筋肉は、ずたずたに壊れる。
もう選手生命はない。

まさか、この小さな女が、これ程に強いとは思わなかった。
剣道部がやられたことを、肝に銘ずるべきだった。

考えている城山に、また、1本背負いがかかった。
伸びている加藤を、持ち上げ投げようとした俺は、
動けなくても「まいった。」をする資格はない。
あの場で、加藤は、顧問の俺に対し「まいった。」を言えなかったからだ。

その後、1本洋子になげられた城山は、そのまま動けなくなった。
『これ以上やられると、俺の柔道生命は終わる。』

「先生。先生を持ち上げて投げていいですか。
 先生は、柔道ができなくなりますが。」
洋子は言った。
「俺に、『まいった。』を言う資格はない。
 なぜなら、この状態から、加藤を投げようとしたからだ。」城山は言った。

そのとき、加藤が、駆けつけ、そばに座った。
「先生。『まいった。』をしてください。
 俺のことはいいです。俺は、倉田さんの止めで、助かったんですから。
 先生は、日本を代表して世界で戦う使命があります。
 俺にしたことなんか、忘れてください。」
加藤は、そう言って、涙を頬に流した。

加藤の言葉が、城山の心の奥まで届いた。
城山は、思わず目に涙を溜めた。
「加藤、すまなかった。そして、ありがとう。
 俺は、間違っていた。一から出なおそうと思う。」
城山は、そう言って、洋子に、「まいった。」をした。

二人の言葉を、部員全員が聞いた。
泣いている部員も多くいた。
部員が数人来て、城山の体を、道場の正面に運んだ。

洋子は、道場の開始線にもどり、礼をして、柔道部の看板を取った。
そして、しーんとして正座している部員に言った。
「この看板は、新柔道部として、近々お返しします。
 それは、暴力指導のない、新しい柔道部です。
 それまで、もう、少しだけ、あたしに時間をくださいますか。
 柔道着は、洗ってお返しします。
 では、失礼します。」
洋子は、制服の入った紙袋を持って、
涙ぐんでいる冴子、和也、恵美といっしょに去って行った。

「そうか、あの子のしていることが、はっきりわかった。
 この学校の、暴力指導を排除し、
 俺達だけで運営できる部を作ることなんだ。
 俺達は、互いに励まし合える部に、絶対しような。」
加藤が言った。
みんなが、「おう!」と言った。

「あの子は、一人で戦っているんだ。
 あたらしい柔道部ができるまで、せめて、応援しようよ。」
「ああ。そうだな。」
とみんなは、言った。

外で、恵美は行った。
「城山先生は、今日で変わったと思う。
 学校辞めなくてもいいんじゃないかな。」
「今日、最後泣いちゃったよ。」と和也。
「あたしも、明日からの先生、ちがうと思う。」と冴子は言った。
洋子は言った。
「あたし、始めから、どの先生も辞めて欲しいなんて思ってないの。
 お辞めにならなくて済むように、実はある先生と相談中なんだ。」
「え!ほんと?誰先生なの?」と3人は言った。
「あたし達に一番近い先生。」と洋子。
「じゃあ、担任の工藤先生?」と和也。
「内緒よ。工藤先生ってものすごく頼もしい先生なの。
 今日も、道場のギャラリーで、ことの一部始終をムービーに撮ってらした。」
「わあー、気がつかなかった。」
とみんなは、声を上げた。


つづく

■次回予告■

次は、男子バスケットボール部です。
今までの格技とちがい、洋子はどう戦うでしょうか。

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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