新スーパー洋子・緑川学園③「剣道部の巻」

「剣道部の巻」

「じゃあ、やってみろ。お前が勝ったら、剣道部の看板をやろう。
 剣道部は当然解散でよい。俺は、学校を辞めてやる。
 そのかわり、お前が負けたら、剣道部を侮辱した罪で、学校をやめろ。」
「いいです。では、一番強い人と、1本勝負でどうですか。」
洋子は、言った。

このとき、観客達が入ってきた。
その数50人は超えていた。
「お前らはなんだ。」と顧問の大沢は言った。

「ああ、言わば応援と、証人です。」と誰かが言った。
「ふん、いいだろう。この女が負けた証人になれ。」

「女、名を聞こう。」と大沢が行った。
「1年B組 倉田洋子です。」と洋子は言った。

大沢は、部員達に言った。
「そういうことだ。剣道部代表が負けたら、お前達は、ここでもう剣道をやれない。
 それで、いいか。」

「いいです。俺達にはむかおうなんて、頭狂ってますよ。」
「たまには、こんなお楽しみがあってもいいですよ。」
1年生から3年生まで、口々にそういった。

しかし、その中で、一人だけが、口を閉ざし、額に汗を流していた。
立原豊、3年、剣道部の主将である。
天才剣士とよばれ、1年生のときから、先輩にも負けたことがない。
小柄で、背が158cmである。
この豊だけが、洋子に言い知れぬ怖さを感じていた。

顧問は、部員を道場の隅に正座させた。
「強い部員を出す必要もないが、女は、負けたら学校を辞めると言っている。
 その覚悟に応えて、こちらも主将を出そう。立原、いいか。」

立原は、最前列にいた。そして、立った。
「すいませんが、自分は、その倉田さんに勝てません。
 勝てる気が全くしません。辞退させてください。
 彼女は、とてつもなく強いです。
 こんな試合やめてください。やれば、剣道部はなくなります。
 お願いです。やめてください。お願いします。」
そう必死で言ったのだった。

全員信じられないとの顔を主将に向けた。
全日本高校チャンピオンのあの立原が…。
顧問の大沢は火のように怒った。
「立原、貴様!それが、主将の言うことか!」
とすごいビンタを往復2発食らわせた。

「ああ、やった。見た。」と観客が言った。
「別に悪いこと言ってないじゃないですか。どうしてビンタなんですか?」
「これじゃ、意見も言えないじゃないですか。」
観客が口々に言った。

洋子は、言った。
「何かというとすぐビンタ。
 自分の腹立ちを人へのビンタで晴らしているだけでしょう。
 あたし負けませんからね。どうせなら先生とやりたい。
 先生がいちばん強いんでしょう。」

洋子の言葉に、
「何い!」と大沢は、洋子をにらんだ。
「俺を、日本代表と知っての言葉か。」
「日本の何の代表ですか。日本ビンタの会の代表ですか。」
(観客が笑った。部員の一部も、笑いそうになったのをこらえた。)
「何おう…。あがれぃ!」大沢の怒りは頂点に達した。

洋子は1段高い剣道場に上がり、靴下を脱いだ。

50人の観客は、固唾を飲んで見ていた。
「おい、完璧に先生怒らせちゃったよ。」
「やべえ。倉田がいくら強いからってさあ。無理だよ。」
観客は、真っ青になっていた。
一方40人からいる部員は、立原以外、にやにやしていた。

「防具は?」と大沢。
「いりません。」と洋子。
「何を?」と大沢はいい、
「では、俺もいらん。」と言って自らも胴をとった。

3年生の3人が、審判に立った。
二人は、礼をして、正眼に構えた。

大沢は、この生意気極まりない女の喉に「突き」を食らわすつもりだった。
体は怒りに燃え、女が何を食らおうと、それは、女の自業自得と思っていた。
剣の道は、その逆であらねばならなかった。
怒りに燃えたときほど、自分を静めねばならなかった。

見合う時間が、8秒、9秒、とたち10秒となったとき、
大沢が足を出した。
目にも止まらぬ足裁きで、竹刀の先が、洋子の喉に伸びた。
「突き。」と大沢は叫んだ。

その声と重なるように洋子の「突き。」の声がして、
洋子の竹刀は、大沢の竹刀をわずかに払い、剣先が大沢の喉に伸びた。
両者同時の「突き」に見えた。

主審が「突き。」と洋子に手を上げた。
副審2名も同じ判定をした。

判定をするまでもなく、
大沢は、大の字になって、完全に気絶していた。
洋子は、しゃがみ、竹刀を納めて礼をした。

観客50人は、「おおおお。」と唸った。
その後、なぜかしーんとしていた。
あまりにもすごい試合を見て圧倒されていた。

正座していた中の3年生の一人が、洋子に言った。
「お互い防具のない同士、『突き』は、ひどいのじゃないか。」

「何をいうんだ。」と主将の立原が立ち上がった。
「倉田さんは、先生が面でくるなら面で、コテでくるならコテで受けるつもりだったんだ。
 先に『突き』で行ったのは先生の方なんだよ。
 まだ1年生の女子で、剣道の腕も確かめない相手に、防具なしの状態で、
 『突き』を最初に出すなんて、みんなどう思う。
 しかも、先生は全日本代表の現役だ。その先生の『突き』に手加減はなかった。
 言っておくが、倉田さんが、手加減をしてくれたんだ。
 さもなくば、先生は死んでいたよ。

審判をしていた江口も言った。
「先に『突き』へいったのは、先生だ。
 倉田さんは、それを見て後から、『突き』に行った。
 後から『突き』に行って、倉田さんの方が早かったんだよ。
 彼女が幸い強かったからよかったが、
 口だけのはったりの女の子なら、先生は、その子を殺していたよ。
 先生に手加減はなかった。そんなことするのは大人じゃない。
 先生でもない。剣道は、『道』だろう。先生には『道』のかけらもない。」
江口は、言いながら、悔し涙を流した。

「剣道の天才と言われる立原が、あんなに止めたのに、俺達は信じなかった。
 立原の方が俺達より数段、相手を見る目があるのに、俺達は、立原を信じなかった。
 先生のせいだけじゃない。俺達みんなが、増長していたんだよ。」
副将の杉原が言った。

部員はシーンとなった。

「じゃあ、あたしは、これで。」
洋子は、そう言って、剣道部の看板をはずした。そして、言った。
「この看板は、いずれお返しします。そのときは恐らく『新・剣道部』として。
 顧問なしの部です。みなさんで、暴力のない部にしてください。
 それまで、私に、もう少し時間をください。」

洋子は、50人と去って行った。
 


部員達は、大きく安心して、防具をまとめて、道場に礼をして去って行った。
顧問の大沢を介抱するものはいなかった。

大沢は、一人道場で大の字になっていた。

洋子の手加減で、大沢は、本当は部員達が話しているときに、
意識が戻っていたのだった。

「部員達の言うとおりだ。まだ力を知らない相手に、
 いくら生意気だろうが、突きを出すなど、俺はまるで殺人鬼だった。
 まして、自分は、日本代表の実力で、倉田に対し、手加減もしなかった。
 手加減をしてくれたのは、逆に倉田の方だった。
 さもなくば、俺は死んでいた。
 倉田の方が、遥かに剣道の道の先を行っている。
 俺は、長年剣道をやってきて、剣の道の何も学んでいない。
 恥ずかしいことだ。人を指導する資格など、到底ない。」

大沢は、部員の信頼を完全に失ったことを思った。
1年の女子に負けたからではない。先に『突き』を放ったからだ。
天才と謳われる立原の言葉を信じて、したがうべきだった。
自分が信頼される前に、自分は部員を少しも信頼していなかった。
おまけに、皆の前で、立原に往復ビンタを振るうとは。
立原、すまなかった…。

大沢は、己の情けなさに、男泣きに泣いた。

しばらくして、大沢は、起き上がった。
「先生、もう大丈夫ですか。」と声がした。
見ると、そばに主将の立原豊が、正座をしていた。
「俺を心配して、そばにいてくれたのか。」
「はい。」」
大沢は、うれしかった。
「ありがとう。俺は、いろいろ考えてみる。
 自分は、間違っていたと思う。」
大沢は、そう言った。
「いつか、剣道部に、戻ってきてください。」立原は言った。
「俺が心を入れ替えたとき、また来るよ。」
大沢と立原は、にっこりと笑顔を交わした。


つづく


■次回予告■

次回は柔道部です。
退学をかけて戦う洋子の相手はだれでしょうか。
いっしょに見に来る観客は、増えるばかりです。

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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