スーパー洋子・桜台高校①「3人の困った女子生徒」

今回も新作ができず、スーパー洋子の、私のお気に入りを再投稿します。
全4話ですので、2話ずつ合体して、2回に分けて投稿します。
一度お読みになったものかと思いますが、再び読んでくださるとうれしいです。

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<第1話>

いつものように、上司近藤百合子にさんざん説教をされ、
洋次は、参っていた。
お腹の調子が悪い。
朝一番からこうだ。いやだなあと思いトイレに立った。
この頃、トイレに行くのも、楽じゃない。

さあがんばろうと、トイレのドアを開けると、ここは出版社ではない。
自分の格好を、鏡に映してみると、
紺のジャンパースカートに、紺のボレロ。
「うわ~、これ女子高生の卒業式の服みたいじゃない。」
 髪も乙女チックな頬までのストレート。前髪あり。
 これでは、益々、女子高生だ。背も低い。」
洋子になった洋次は、がっくりきて、
下唇を出して、ふーと前髪に息をかけ、前髪の一部を飛ばした。

ちゃんと、スーパー洋子になってくれてるのかな、
と洋次は心配になった。

トイレから出ると、女子高生達がいる。
ここは学校か。
そばにきた、女の子に聞いてみた。
「ねえ。ここ、なんていう学校?」
「はい、桜台高校です。」
まさかと、洋次は思った。
あの天下の女子高の名門、桜台高校か。
1学年80人しかいないのに、毎年T大に40人近く入るという恐ろしい学校だ。
中には、すごい子がいるだろうなあと思った。
天才的な子もいるかも知れない。

洋子(以下、洋子)がそんなことを考えていると、
「あ、倉田先生。校長との打ち合わせお願いします。」と事務の人に言われた。
えええ?自分は、先生なの??。
この名門校の?それは、いやよ、と洋子は思った。
だったら、もうちょっと大人びたスーツかなんか着ていたい。

校長室に入ると、頭の半分はげた校長にソファーを勧められた。
「えー、倉田先生に半年の契約で担任をお願いしたいのは、
 3年生のA組なのですが、B組より1ランク優秀な生徒のクラスです。
 しかし、大変問題のあるクラスでしてねえ。
 お恥ずかしい話、我が高校の正規の職員に担任の持ち手がなく、
 仕方なく、外部からの講師の先生に担任を受け持っていただいて来ました。
 ところが、この半年、みな1ヶ月ともたず、辞めていかれました。
 中には、即日お辞めになった先生もいます。」
校長は汗を拭き拭き話していた。

「しかし、桜台高校と言えば、天下の名門ではないでしょうか。
 何が問題なのでしょう。」
と、洋子は聞いた。
「それが、学年で成績トップ3の3人組がおりまして、
 その3人が、担任降ろしをするんですなあ。
 先生に難問をつき付け、困らせる。
 こんな問題が解けない先生は、教師の資格はない、
 などと先生を非難し、追い出してしまうんですよ。
 高慢ちきで、生意気極まりないヤツラでして。
 あ、申し訳ない。教師たるもの、言葉が過ぎました。

 それで、倉田先生には、それを覚悟の上で臨んでいただきたいのです。
 決して、生徒の挑発に乗ることなく、
 上手く身を守っていただきたい。
 そんな事情で、先生には、時間給6000円という、
 高額をお支払いしている次第です。」
「トップ3の3人ですか。この桜台で。
 それは、大変なことです。天才だと困りますけど…。
 わ、私みたいな小娘につとまるんですかあ?」
と洋子は、中学生みたいな口調で言った。

「面談で、引き受けてくださったのは、倉田先生お一人なんです。」
「あ、あたし、面談なんかしてたんですかあ?」と洋子。
「はい。引き受けてくださると。ただ、3人の生徒のことは、初耳かと…。」
「初耳ですとも!」
校長は小さくなった。
あらまあ~と洋子は思い、前髪をふーと吹き飛ばした。

しかし、洋子は悟った。自分が変身するのには、必ず使命がある。
その3人をどうにかせよというのが、その使命かと思った。
「はい、わかりました。若輩者ですが、やらせていただきます。」
洋子は言った。
「ああ、ありがたい。1日でも長くお続け願いたい。」校長は言った。
「1日でもですかあ?」とまた洋子は中学生のようないい方をした。
「いや、今のは、より長くという意味でして…。」
校長は、また汗を拭いた。
「はあ~?はい。」と洋子は言った。

洋子は職員室の先生に紹介され、挨拶をした。
先生達は、洋子の若さに驚いたようだった。
「だいじょうぶかな。」
「新米のほやほやにみえるし。」
「1日でも、もってくれたらいいな。」
そんなささやきが、洋子の耳に聞こえた。
(洋子は、耳もスーパーである。)

そして、3年A組の出席簿を持って、教室に行こうとした。
「倉田先生、気をつけてください。」
「無事を祈ります。」
「生徒のペースに乗ってはだめですよ。」
と何人かの男の先生に言われた。
「はい。」「はい。」「はあ。」
と洋子は答えた。

はあ~、これはめんどくさそうだなあ…と洋子は思った。

洋子は教室に入った。
教室は静かで、みんな、受験用の問題集など出して勉強している。
「なんだ、おとなしいじゃないの。」と思った。
しかし、後ろに三人だけ、立って話をしている。
その話が、洋子には聞こえた。
「うわあ、見てアイツ。まるで中学生じゃない。」
「あれじゃあ、あたし達にやられて、1日ね。」
「朝のホームルームだけで、終わりよ。」
三人は、にやにやして、洋子を見た。

洋子の姿を見て、かすかにざわざわとしたが、すぐに止んだ。
ほとんどの生徒が勉強に夢中だ。
担任が来たのに、勉強をやめようとしない。
3人は、席に戻ろうともしない。
「私は、倉田洋子です。本日よりこのクラスの担任です。どうぞよろしくね。」
と洋子は言った。
「出席をとります。名前を呼ばれたら、手を上げて、『はい!』と言ってね。
 手が挙がらない子は、欠席としますよー。いいでちゅかあ。」
洋子は、生徒がこちらを向かないので、幼稚園児に話しかけるように言った。

ほとんどの生徒が洋子の言葉を聞いていない。
洋子は、むかっと来たので、40人の名を、すごい速さで呼んだ。
(おー、やっぱ、スーパー洋子になってる。と安心した。)
たまたま洋子の言葉をしっかり聞いていた生徒、12人が何とか手を上げ、はい、と言った。
「今日の出席12名。欠席28名。あらあら。
 はい、朝のHR、これで終わりでちゅよ。時間がくるまで、自由にちてね。
 私は、28名の家庭に、確認の電話をしにいきまちゅからね。
 28人か。うんざりでちゅう。」
そう言って、教室を出ようとした。

すると、5人位が、手を上げた。そのうち、一人が言った。
「先生、あたし手を上げませんでした。だけど、います。出席にしてください。」
洋子は言った。
「だめでちゅ。あなたは、私が説明をしているとき、T大の入試問題の世界史の問題を解いていたじゃありませんか。
 朝は、出席をとるのでちょう。どうして、返事をしなかったのでちゅ?」
「すいません。自分の勉強をしていました。」とその生徒。
「だったら、学校なんか来ないで、家で勉強すればいいでちゅ。」
と洋子。さらに、
「私は、一生懸命私の目を見て聞いていて、なおかつ私の言う速さについて来れない子なら、
 ゆっくりとその子に対してだけお名前を言います。
 あなたは、そういう子でちゅか。」
「ちがいます。」その子は言葉なく座った。

別の生徒が立ち上がった。
「先生は、どうしてそんな赤ちゃんに話すような話し方するんですか。
 私達バカにされているみたいです。」
洋子は答えた。
「みなさんが、幼稚園児並みのマナーしか知らないからです。
 担任の先生が来て、何か話をするときは、最低先生に顔を向けて聞くべきです。
 小学校1年生でもできますよ。
 人の顔を見ないで話を聞く。失礼なのは、あなた方でちゅ。
 28人に電話をします。そのときに聞いてみますね。
 ご家庭で、そういうマナーを学んでいないのですかと。
 天下の桜台の生徒も、地に落ちたものでちゅね。」

そう言って、洋子が教室を出ようとすると、欠席扱いのほとんどが、洋次に詰め寄ってきた。
「先生。お願いします。家庭連絡だけはやめてください。これから、ちゃんとやります。」
と一人が言う。
「どうちて?」
と洋子はとぼけて言った。
「家で、叱られます。」
「だって、私の話を聞いてなかったんでしょう。家で叱られて当然でちゅよ?
 はい、私を通して。28件も電話があるのよ。私の身にもなってよ。」
洋子は言った。

「先生、あやまります。明日からちゃんと先生の顔を見て、お話を聞きます。
 だから、今日だけは許してください。」
生徒達がそこまで、言った。
「全員ですか。ふてくされている人は、手を上げなちゃい。」
すると、3人手を上げた。

「あらまあ。いるの。全員じゃなきゃ、だめでちゅ。」
洋子は全員を、座席に返した。
不思議なことに、その3人を非難する生徒がいない。
3人さえ、謝れば、自分達は助かるのに。

言わば、この3人は、クラスのボス的存在なのかと、洋次は見た。

大村夏子、木下朱実、加藤ユカ。
写真入の生徒カードを見ておいたので、洋子は全員の名を知っていた。
『ははあ、この3人か…。』洋子は思った。

「大村さん、なぜ、ふてくされてるの?」
洋子は優しく聞いた。
「先生の資格がない人に、先生ヅラされるのが、嫌だからです。」
と大村は、横を見ながら言った。
『早速来たか。』と洋子は思った。

『挑発してるつもりなのかもしれないけどね。』
と洋子は、心でにんまりとした。
「じゃあ、木下朱里さん、加藤ユカさんも、同じ考えなの。」
二人は、「はーい。」とふてくされたいい方をした。

洋子は、また幼稚園児にでも相手をするように、にこにこして言った。

「じゃあ、大村さん、どうすれば、私に教師の資格があるかどうかわかるのでちゅ?」
と洋子は聞いた。
「私の持ってきた問題を解いてください。」
と大村は言う。
「科目は?」
「数学の問題です。」
「いやーね、私の専門は英語よ。でも、まあ、なんでもいいか。」
と洋子は言った。

洋子は、まだまだにっこりして言った。


<第2話>

大村が、問題を持ってきた。
それを、見せようとしたので、洋子は、

「ちょっと待って。あなたは、その問題の答えを完全に理解しているのね。」
洋子の言葉に、
「はい。」と大村夏子は言った。

「これは、私を辞めさせるためのものなの?
 それとも、私がその問題を解ける教師であることを期待してのものなの?」
「期待してのものです。」と大村は言った。
「じゃあ、私が解けるかも知れない問題なのね。」洋子は聞いた。
「私が解けました。それが答えです。」大村は言った。

「じゃあ、あなたの期待はずれだったら、私はこの学校を辞めるのね。
 大村夏子さん。そういうことなの?」
「そうです。でも、先生がお解きになれば、問題はありません。」
と大村夏子は言った。
『上手いこと言うなあ。』と洋子は、変に感心した。

「これは、場合によって、私にとって仕事を失うという大変なことなのです。
 私は、病気の母をかかえているのね。私の収入がないと、母は病院にも行けず死んじゃうの。
 わかってくれる?
 だから、私は、これからそれだけの覚悟で、大村さんの挑戦を受けようとしています。
 天下の桜台女子高校、成績ナンバー1の大村さんのね。
 いやだけどさ。できれば、逃げ出したいわよ。
 あたしって、お馬鹿だから、挑発に見事に乗ってるわけ。
 だから、大村さんも、それだけの覚悟をしてね。」
洋子は、言った。
「どういうことですか。」大村夏子は言った。

「大村さん。私があなたの問題を解いたら、この学校を辞めてください。
 退学願いを出してね。受理されなくても、学校に来なければいいの。
 あなたと私、勝った方が学校にいられます。
 イーブン・イーブンでないと、不公平でちゅ。」
洋子の言葉に、クラスは、一瞬ざわざわとなった。

大村夏子は、先生が解けないという絶対の自信があった。

夏子は、数学の天才児と小学校のときから言われてきた。
小学生のとき、高校の微分積分などの数学を終了し、
中学を経て高校生となり、T大学の数学科の内容をほぼ理解していた。
数学に関しては、絶対的な自信を持っていた。
その夏子が、先生に突きつける問題に関し、絶対を期した。

夏子の父は、T大の数学教授だった。
その問題は、父が最近やっと解きえた数式であるのだ。
世界ではじめて、夏子の父が解いたかもしれないと学会で発表した。
それを、英語教師がとけるはずもない。
ただ、式の説明をしろと言われると、まずい。
さすがの夏子でも、世界の数学のレベルには達していない。
父の数式は、夏子でさえ、チンプンカンプンである。

自分は、答えを知っているだけで、途中の展開など全くわからない。
だが、かまうもんか。
こんな中学生みたいな教師が答に到達できるはずがない。
必ず途中でギブ・アップだ。
多分、数式を見たとたんお手上げだろう。
だから、説明の必要はない。
朝から、早口で出席をとり、ふざけた幼児語を使う。
夏子はそれも気に入らないでいた。

「あたし、辞めます。先生が解けたら、きっぱり辞めます。」夏子は言った。
「あたしも、夏子の問題を先生が解いたら、一緒に辞めます。」木下朱実が言った。
「あたしもです。一緒にやめます。」加藤ユカが言った。

「ほんとに、いいの?
 あたしが、問題解いたらさ、後から、よくあるのよ。
 夏子さんのせいにしてね、
『夏子、先生じゃ絶対解けないって言ったじゃない。』
『どうしてくれんのよ。』なんてさ。」
洋子は言った。
「そんなことしません。」木下と加藤はきっぱり言い切った。
「ほんとね。人のせいには、しっこなしよ。」
「くどいです。」と木下と加藤は言った。

洋子はさらに言った。
「親がどれだけ謝って来ても、
 校長がどれだけ帳消しにしてくれても、
 私が解けたら、3人は自分の意志で必ず退学しますね。
 後で謝ったり親頼みで謝って来るなんてマネしませんね。
 私は、母の命をかけているんですからね。」

「後で謝ったりしません。親にも謝らせません。」と3人は胸を張った。

「ここをやめたら、あなた達を受け入れる学校なんてないわ。
 桜台で先生いびりをして退学した子を、どの高校が受け入れますか。
 もし、受け入れてくれる学校があっても、
 あなた達は、苦労するわよ。あなた達とは、ぜんぜんタイプの違う子達がいる。
 いじめられるかも知れない。
 あなた達は、中学卒業という学歴になって大学にはいけないわ。
 あ、でも、大検って方法があるか。司法試験という手もあるわ。
 あれは、学歴を問わないから。じゃあ、いいかもね。」
洋子は軽く言った。

「わかっています。覚悟の上です。」夏子は言った。
「木下さん、加藤さんは?」洋子は聞いた。
「何度も言わせないでください。」二人は言った。

「おーい、クラスのみんな聞いたあ?」と洋子はみんなに聞いた。
「はい、聞きました。」とみんなは、言った。
やはり、クラスのみんなは、本心ではこの3人を嫌っている、というより恨んでいる。
洋子はそうにらんだ。

クラスのみんなは、このおもしろい対決に、内職をするものは誰もいなかった。
洋子の余裕に、何かを期待していた。

「では、見せてちょうだい。」
洋子は言った。
夏子は、教卓の洋子のところへ来て、紙を渡した。
洋子は、問題を見て、露骨に、「げっ!」と言う顔をした。
夏子は、にやりとした。
クラスのみんなは、一瞬失望の色を見せた。

数式は、夏子の手書きのものだった。

洋子は、ふーと前髪を吹き上げた。
「なんとまあ。ここまで、やらせるの?」
などと言いながら、洋子は、鉛筆を走らせたのだった。
夏子は、「まさか。」と思った。一瞬、不安が胸をよぎった。

10秒も経たなかった。

「はい、できまちたよ。」
と洋子は、にっこり夏子に見せた。
夏子は、その答えを見て、にんまりとした。

「先生、答えが違っています。」と夏子。
「あってるわよ。」と洋子。
「違っています。」と夏子。
「あなたに、それがわかるの?わかったら大変でちゅ。」と洋子。
「昨日自分で考えてワープロで打ったものがあります。」夏子は言った。
「じゃあ、見ちぇて。」と洋次は、再び幼児語になった。
夏子は、用紙を持ってきた。
ワープロで打ったなんていうのは、とんでもないウソで、
ある雑誌の1ページをそっくりコピーしたものだった。

「わかったわ。で、あなたが私にくれた問題の答えを言ってください。」洋子はやさしく言った。
「X2-ABです。そこに書いてありませんか。」と夏子は誇らしげに言った。
「これには、そう書いてあるわ。
 私が言っているのは、あなたが、私にくれた問題の答えを聞いているのでちゅ。」
洋子は言った。
一瞬、夏子は、きょとんとした。

「問題の数式が違うのだから、同じ答えになるはずがないでちゅ。」洋子は言った。
夏子はまだわからなかった。
「2つの問題をよく比べてご覧なちゃい。」
洋子は言った。

夏子は、不安にかられ、問題を見比べた。
そして、自分の問題の写し間違いに気が付いた。
17番目の文字は、X4であるのに、自分は、X5としていた。
夏子は、真っ青になった。


<第3話につづく>

■次回予告■

夏子、絶体絶命です。

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ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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