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スーパー洋子・桜ヶ丘高校の巻「青空に向かって」最終回

軽い気持ちで書き始めたのですが、だんだん気持ちが乗ってしまい
今までで、最長の物語になってしまいました。
今日が、最終回です。今まで、お付き合いくださり、ありがとうございました。

============================

その日の夜。

夕食のあと、白川浩二は、妻の信子と冴子に、罪のすべてを打ち明けた。

その後で、浩二は、泣きながら言った。
「俺は、いままで、傲慢の塊だった。
 自分がこの世で一番えらいと思っていた。
 人の助けなど、なしに生きていけると思っていた。

 ところが、最悪の事態となり、頭を下げに行った。
 自分の罪を許してもらった時のありがたさ。
 コンピュータを壊滅から救ってもらったときのありがたさ。
 人の情けのありがたさに触れて、
 俺は、生まれて初めて、心の底から泣いた。

 その情けに応えるべく、俺は、生まれ変わって仕事をする。
 自分の学校だけでなく、共学の私立高校全体のために尽くす。
 もちろん、家庭も大事にする。

 信子にも、冴子にも、今まで、そんな父親であったことを詫びる。
 すまなかった。俺の心は洗われた。いい父親になりたい。
 どうか、ゆるしてくれ。」
浩二はそう言って、涙をこぼした。

信子は、目に涙をためて聞いていた。
「この度のことを聞いて、私も心が洗われました。
 あなたの力に、少しでもなれたらと思います。」
信子はそう言った。
浩二は、「ありがとう。」と泣きながらうなずいた。

「お父さんが、許してもらえて、本当によかった。」
と冴子は言った。そして、
「お父さん。あたし、1週間だけと言われていたけど、
 桜ヶ丘高校に卒業するまでいたんです。」
と冴子は言った。

浩二と信子は驚いた。
「授業が退屈じゃないの?」と母の信子はいった。
「私のクラスは、1日全部、倉田先生が見てくださって、
 倉田先生は、生徒に課題や問題を自分で用意させ、○か×だけくださるの。
 そして、どんな問題でも、瞬時に答えを出して、採点されるの。
 それは、もう素晴らしいの。
 おまけに「英国天才教育アカデミー」の私達の学年の数学の問題を、
 全部お作りになった方だったの。」

「うわあ、それは、すごい。では、倉田先生を困らせることなど、
 ライオンにウサギを向かわせるようなことだったね。」
と浩二が言った。
「ええ、そうね。」と冴子は笑った。
「それで、それだけじゃないの。今のクラスね、
 あたしが全然かなわない天才がお二人いるの。」
「え、それは、本当か。」
「ええ。どんなむずかしいことでも、話に乗ってくれる。
 あたし、どうして、英才教育を受けないのって聞いたの。
 そしたら、健太さんって人が、青春は一回しかないよって。
 そんなに駆け足で通り過ぎちゃもったいないでしょって。

 そして、あたし、昼休みに、ドッジボールに誘ってもらったの。
 青空の下で、気持ちがよかった。
 生まれてはじめて汗をかいた。
 クラスの大勢の人と話せた。
 それが、うれしくて、少し涙が出たの。

 今日、天才アカデミーで、2ヶ月かかっても誰も解けなかった問題を、
 お二人の天才さんと3人で、1時間目から6時間目までかかって、ついに解けたの。
 そのとき、クラスのみんながそばに来て、先生から○をもらったとき、
 みんながすごい拍手をくれたの。
 みんなが拍手してくれるなんて、天才アカデミーでは、あり得ないことだった。
 うれしかった。あたしが今まで知らなかった喜びだった。
 だから、あのクラスで、卒業までいたいと思ったの。」
と冴子は、一気に言った。

「そうか。親子そろって、倉田先生にお世話になるんだね。」
浩二はそういって、妻の信子を見た。
信子は、
「そうね。高校も大学ものんびりでいいわよ。大学院はその後でいいわね。」と言った。
「わあ、じゃあ、今の学校に、卒業までいていいの?」
と冴子は、目を大きく開いて聞いた。
浩二と信子はうなずいた。
「俺が、白之梅学園の副校長で、娘が桜ヶ丘学園の生徒。
 これは、品のいいジョークで通るだろう。」と浩二は笑った。
わあーと喜び、冴子は浩二と信子に抱き付いた。



その翌日、校長室に、理事長、校長、副校長がそろっているとき、
洋子がやってきた。
「実はお願いがあり、皆様おそろいのときをと思いまして。」
と洋子は言った。
「何、遠慮なくどうぞ。」と校長が言った。
「お願いですが、私、今のクラスで、特殊なやり方で授業をやっていまして、
 このままのやり方で、生徒達を卒業させたいんです。
 そこで、私は非常勤の立場ですが、それを延長し、あの子達が卒業するまで、
 見させていただきたいのですが、いかがでしょうか。」
と洋子は言った。

その瞬間、
「やったあ!」と理事長は手を叩いた。
「いいに、決まってる。それはありがたい。」と校長が言った。
「ありがとうございます。それと、おもしろいニュースが。」と洋子は言った。
「何、何?」と3人は、聞き耳を立てた。

「我がクラスの『英国の天才アカデミー』からきた橋爪冴子さんですが、
 お父様とは別姓であり、お父様は、白川浩二さん。
 つまり、白之梅学園の副校長であらせられます。」と洋子は言った。
「ほんとお?」と理事長が叫んだ。
「こりゃいいや。最高のジョークじゃん。」と理事長。
「さしずめ戦国の世なら、『人質をとった』と申せますね。」と副校長。
「これで、両校共によくならないといけなくなりましたね。」と校長が言って、
一同で拍手をした。

この4人での話を、校長は翌日、職員全体に話した。
洋子の契約延長に、職員全員が総立ちになって拍手の嵐を送り、
橋爪冴子の戦国の世の人質のジョークは、全員を爆笑させた。
「つまりは、両校、共に高め合わなければならなくなった訳です。
 みなさん、がんばりましょう。」
と校長が締めた。
先生達から大きな拍手が起こった。
みんな、にこにこしていた。



洋子が、2-Cのクラスに行って、発表した。
まず、2-Cは、学校の実験学級として、
クラス替えなしで、卒業までいっしょであること。
そして、洋子の1ヶ月という契約が延長され、
卒業まで担任でいられること。

クラスのみんなは、わあーと、席から飛び上がって喜んだ。
中には、抱きあっている男子もいた。
健太、奈々、冴子は、目を合わせて、Vサインをした。

洋子は、みんなが持って来る問題の○をつけながら、
誰が何をやって、○だったか、×だったかを、
コンピュータのように全て覚えていた。
そして、学力に偏りが出ると、すぐその生徒に、その部分の問題を作って渡した。
作った問題は、学校のメイン・コンピュータに保存し、だれでも使えるようにした。

体育ももちろんあり、これも普段のように、
みんな好きな運動をやっていいことになっている。

高原芳恵とその友達は、
ラジカセをもってきて、曲に合わせて踊りばかりやっている。
ピッチャーの小林とキャッチャーの勇次は、二人で、キャッチボールばかりやっている。
いちばん多いのが、ドッジボールで、健太、奈々、冴子は、そこ専門である。

あるとき、ジャージ姿の洋子がバットをもって、小林と勇次のところへ来た。
「え?先生、打ってくれるの?」
と勇次は言った。
「たまには、あたしも入れて?」と洋子。
「うへえ、こりゃやる気出るー!」と小林が震えた。
「おーい。洋子先生が打つぞー!」
と誰かが叫んだ。
「え?ほんと?」ということで、全員が集まってきた。

みんな、洋子が来た初日に、小林のボールを、
丸イスで小林の額に打ち返したことなど、忘れている。

「え?先生運動も得意なんだっけ?」
「どうだっけ。体育の時間、ぶらぶらしてるだけだし。」
「楽しみ!」
などとみんな言いあっていた。

「小林、ファイト!」
「先生も、ファイト!」
と声が合唱になった。

小林が振りかぶった。
全力の球。150kmを越しそうな球が、
勇次のミットに唸りをあげて飛んでいく。
「カーン!」
洋子が振った。
白い球が、空に飛んで行く。
「わあー!」
とみんなの目は、白いボールを追った。

ボールは、やがて快晴の空に見えなくなった。

みんなは、まるで美しい現象を見るかのように見とれていた。

その後、「すげー、先生を胴上げだ!」と勇次がいい、
軽い洋子の体をみんなで胴上げを始めた。
洋子は、
「こわい、やめて、もういい。」
と言っていたが、
「先生、俺を窓から放り投げたくせに、
 何言ってんすか。」と元金髪が言った。
みんなが、笑う。

「そーれ、そーれ。」との声。

みんなは、笑いながら、先生を見、
洋子は、にこにこと、遠近する青い空を見ていた。


<おわり>


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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非公開コメント

1. 素晴らしかったです!

ラックさん、おはようございます。

実は今朝早くから、早く最終話でないかな、と心待ちにしていました。
スーパー洋子シリーズ、大好きなので毎回わくわくしながら読んでいました。

毎回とても素敵な、胸のすくようなストーリーに引き込まれました。
それと同時に、ラックさんの巧みなストーリーの構成・展開にすごいなぁと脱帽してました。

最終話、本当に胸を打たれました。
いつものラックさん仕立てのハッピーエンディングだし、心底意地悪な人間は一人もいないとわかっていても、やはり心を打たれました。

本当に涙が出てしまいました。。

最後の白球が空の向こうに見えなくなる・・
そして胴上げ。
こういう、余韻のある終わらせ方って、ラックさんは本当に巧みに書かれますね。お見事です。

また近いうちに洋子にあいたいなぁ・・・
よろしくお願いしますね!


2. Re:素晴らしかったです!

>みすりんさん

お誉めのお言葉を、たくさんくださって、
ほんとにありがとうございます。
すごく、やる気が出ます。

このスーパー洋子は、前に少し書いていて、
イマイチだなあと、ずっと置いてあったものなんです。とくにこれという主人公がいなくて、これでは、だめだなあと思っていました。
そこを、橋爪冴子を登場させることで、やっと物語を書けそうだという気になり、書き始めました。

全体構成などと、お恥ずかしい限りで、明日どうしよう…の連続で、ほんとに泥縄式に書いていました。投稿した部分は、もう変えられないので、「あそこ、ああ書いておけばよかったなあ。」などと、失敗の連続で、いました。

桜ヶ丘の理事長は、私が塾にいたときの理事長で、実際にモデルがいます。ほんとに、あんな感じの人で、私が大好きだった人です。

最終場面ですが、今まで屋内の場面ばっかりだったなあと思いまして、外に出てみました。

全8話と長い話になってしまい、振り返ると、私はかなり物語に入れ込んでいる自分に気がつきました。

なんとか、終わりまで書けて、ほっとしています。

みすりんさんのお言葉、全部うれしかったです。
ありがとうございました。

3. 無題

みんなの暖かいコメント見てて、ラックさんの創作意欲を沸き立たせる源になっていればいいなと思ってます、また次の構想はあるのかどうか私には察しかねますが、休養もしながら書き続けて下さいね、ラックさんの小説は本当に面白い、面白いから私はずっと見続けているので。
これからも頑張って下さいm(__)m。

4. 無題

すごく面白かったです。

桜ヶ丘の理事長の大川純は、以前のジュンちゃん先生の時のジュンさんですか?
すごく気持ちのよい方だなぁと思いました。
洋子先生とジュンさんが一緒ならもう、ハッピーエンド以上のハッピーエンド間違いなしですね。
本当にあっという間の最終回でした。

ありがとうございました。

5. Re:無題

>亜里沙さん

うれしいコメントをありがとうございます。
実をいうと、今回の物語は、全然自信がなくて、ずっと前に一部を書いて、投稿する勇気がなかったんです。ですが、他のネタもなかったので、見切り発車で、投稿しました。
それが、こんな長い話になってしまいました。

コメンをいただくたびに、自信が生まれ、やる気が数倍になります。「面白い」と言って下さって、とってもうれしいです。
適度に休養をとりながら、がんばりますね。
ありがとうございました。

6. Re:無題

>まみさん

そうです!大川純理事長は、ジュンちゃん先生のいた塾の理事長のジュンさんです。
よく気が付いてくださいましたね。
あの(実在の方の)理事長は、実にフランクで爽やかな方で、理事長が好きで、安給料を我慢して長くいる人がおおぜいいました。

これから、学園物を書くとき、理事長は、みんな同じあの理事長のキャラでいくつもりなんです。

私は、自信がなかったのですが、楽しく読んでくださったようで、とってもうれしいです。
ありがとうございました。
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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