教室は私の部屋⑥「女の子弘美・圭吾に対面」

日曜日の、午後の6時に決まった。
いっしょに夕食をということになった。

当日、弘美は、朝からそわそわしていた。

妹の由佳には、全てを話した。
由佳は、
「圭吾先生なら絶対いい。
 学校中で一番人気の先生だったよ。
 他の学年からも人気あったもの。
 お姉ちゃん、上手く行くといいね。」
と言った。

午後になり、約束の時間が迫って来ていた。

弘美は、服を迷って、由佳に聞いていた。
「これ、どう?」と弘美。
「お姉ちゃん、大人な女として会うんだから、
 もっとシックなのがいいよ。」
「じゃあ、これ?」
それは、エンジ色のワンピースだった。
袖なし、光沢のある生地。胸が開いている。
スカート丈は、膝下。
「うん、それがいい。それに、金のネックレス。
 金のピアス。」
「うん、そうね。」
「ちょっと大人なメイクを薄くしていった方がいいよ。」

弘美は、エンジ系のシャドウを薄く入れた。
リップも、同じ色のを、薄く引いた。
髪の毛をよくブラッシングした。
前髪から、額が少し見えるようにした。

「いいかな。」
「うん、かなりいいよ。お姉ちゃん、美人だなあ。」
「ありがとう。ああ、心臓が止まりそう。」
「そりゃそうだよね。」
と由佳は、優しい眼差しを送った。

一方、圭吾は、男の弘美に会うんだからと、
あまり緊張はしていなかった。
しかし、清潔な格好だけは、していこうと思った。
身長180cm以上かあ。
どんなになっているんだろうなあ。

そんなことを考えながら、
約束のファミリーレストランに30分ほど前に来ていた。

約束のファミレスは、学区域から、少し離れたところに決めていた。
そこなら、学校関係の保護者もいない。

圭吾は、コーヒーだけを頼んで、それを飲んでいた。

弘美は、時間ぴったりに行こうと、
途中速く歩いたり、遅く歩いたりしていた。
胸がドキドキして、逃げ出したいくらいだった。

弘美は、レストランに入った。
圭吾を見つけた。
圭吾は、ちらっと弘美を見たが、
待っているのは、長身の青年であるためか、
目を、他の場所に移した。

弘美は、高鳴る胸を抑え、
圭吾の座っているソファーの近くに立った。

「先生。」と言った。
圭吾は、弘美を見た。
そして、目を大きく見開いた。
「弘美?」
弘美はうなずいた。
圭吾は、驚きで、ソファーから立って、弘美の前に来た。
「あ、じゃあ、じゃあ、もしやN子さんが、君だったの?」
「うん。」
「身長180cmの弘美なんていないの?」
「いないの。あたしの嘘だったの。」
「じゃあ、ぼくの仮想の女性・弘美は、実際に目の前にいるの?」
「うん、そう。先生のイメージと違うかもしれない。」
圭吾は、目を潤ませた。
「小学校出てからも、辛い思いをしたね。」
「うん。辛かった。」弘美の目が潤んできた。
「そうだったんだ。」

圭吾は、思わず弘美を抱きしめた。
「そうか、どんなに辛かったか。何もしてあげられなくて、ごめん。」
圭吾は、たくさんの涙をこぼした。
弘美は、辛かった日のことを思い出して泣いた。
しかし、今、圭吾に抱かれて、幸せだった。

店の中の客が、みんな見ていた。
「あ、いけない。座ろうか。」圭吾は言った。
「うん。」
と弘美は言って、圭吾と対面に座った。

夕食を注文した。

「俺の仮想の弘美より、目の前の君の方が、きれいだよ。」
「ほんとですか?」と弘美は笑った。
「じゃあ、メールで、俺の君への気持ち、全部バレてるんだ。」
「はい。最高にうれしかったです。」
「うれしいと思ってくれるの?」
「はい。あたしも先生のこと大好きです。恋愛感情ですよ。」
「じゃあ、俺達は、今、お互いに告白したってこと?」
「はい、そうです。」弘美は笑った。

「おお、やったー!俺の夢でしかなかった弘美が、実際にいて、
 今俺の前にいてくれるなんて。俺、神様に感謝する。」
「先生が最後にくださったメール、うれしくて、泣きました。」
「あれに、書いたこと本心だよ。」
「先生は、嘘は書かない人です。」

「あのさ、俺達、恋人同士って言っていいのかな。
 だったら、先生はやめて、圭吾とか圭吾さんって呼んで。
 それに、丁寧語はやめよう。友達言葉にしない。」
「いいわ。じゃあ、元先生だから『圭吾さん』って呼ぶ。」と弘美は笑った。
圭吾は、その弘美の笑顔が、たまらなく可愛いと思った。

二人で、昔話をした。
弘美は、圭吾といると、中学での辛いことも、忘れてしまうようだった。
先生としての圭吾も、恋人としても圭吾も、変わらなかった。
「弘美は、6年生のときの弘美と変わらないね。」
と圭吾は言った。
「少なくても女になったことは、変わっているでしょ?」と弘美は聞いた。
「うん。それは、大きな違い。俺が言うのは、
 弘美のそばにいると癒されるってこと。もってる雰囲気。少しも変わらない。」
「誉められてるの。」
「そうだよ。」
「圭吾さんも何も変わってない。やさしくて、おもしろい先生だった。
 今も、同じ。」
「年はとったでしょう。」
「うん。だけど若くみえる。22歳くらい。」



「あのさあ。気になることを早く済ませちゃわない?」
「どういうこと。」
「これから、俺の家に言って、オヤジとおふくろに会ってみない?」
「今日?これから?」
「気になることは、早く済ませちゃおう。
 弘美は、俺の親の反応、気になるでしょう。」

弘美は、びっくりした。
圭吾の両親にどう思われるかというのは、弘美にとって一大事だった。
それが、一つの大きなハードルだった。
もっと何回か、デートをしてからという気がした。
しかし、圭吾の言うように、大きなハードルを今越えてしまえば、
安心して、これからお付き合いができる。
今日、圭吾に会いに、大きな勇気を奮い、自分の姿を見せた。
その勢いで、圭吾の両親と会うというのは、悪くないと思った。
それに、圭吾が自分を親に会わせるというのは、
圭吾の自分への意思表示でもある。

「うん。お会いする。」と弘美は答えた。

二人は、食事を終えて、タクシーを拾った。


つづく(次回は、『弘美、圭吾の両親に会う』です。)

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1. 無題

圭吾と弘美の何年ぶりかの再会。
しかも男の格好でゎない女弘美としての再会。
そして2人の思いが通じ合ったことを確認。

このシーンゎどれだけ長くなってもいいから2人の甘いひと時をもっともっと読みたかったですぅ(TωT)イヤーン

2. Re:無題

>junさん

コメントありがとうございます。
「もっともっと読みたかった」と言ってくださって、とてもうれしいです。

今日、ずっと先を書いていたら、限りなく長くなってしまい、どうしようかと思ってしまいました。
前は、第3話くらいで終わっていたのに、長々書いちゃうのは、年のせいでしょうか。一応手順を踏まないと気がすまなくなってしまって、困ったものです。

3. 無題

ラックさん、こんばんは。

弘美がお洋服を選んだりしている時の、由佳とのガールズトーク、良いですね。
由佳は弘美が辛い思いをしているのを知っているからこそ、お洋服を選んだりメイクの話をしたりする何気ない事がとっても嬉しくて幸せに感じるのかなぁ、と思います。
圭吾との再会は感激しました。
辛い思いをした事をわかってくれる、しかも久しぶりに会う、そして女の子の姿で会うのは初めての、自分の好きな人が…。
しかも圭吾は、先に両親に紹介してくれる…内緒のままお付き合いをして、弘美が気にしたり悩んだりしてしまわないよう考えてくれての事かな、と思いました。
やっぱり優しい!
ますます楽しみです。

4. Re:無題

>まみさん
こんばんは。

いつもコメントありがとうございます。

弘美と由佳のガールズトークのところ、私より深く読んでくださって、感激しました。
まみさんの解釈を拝見して、私の方が、ふむふむ、なるほどと納得してしまったりしました。まみさんのおっしゃる通りです。

圭吾と弘美の再会は、この物語の1つのクライマックスですので、味わってくださって、こちらこそ感激です。
圭吾が、その日に両親に弘美を会わせるのは、まみさんのおっしゃる通りです。弘美に少しでも負い目を抱かせないようにとの圭吾の思いです。そうなんです、圭吾はやさしいんです。

次回は双方の親に会うところです。
楽しく読んでくださると、うれしいです。
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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