女装小説家・菅野美雪①「女になれる薬とは、いかに」

女装小説を書いている私が、女装小説家の話を書きました。
因みに、モデルは、私ではありません。彼はプロ。私はアマです。
読んでくださるとうれしいです。

==============================

暑い夏の日のことである。
女装小説作家・菅野美雪・32歳・男子は、
6畳の部屋にごろんとしていた。
「何か、いいネタないかなあ。
 もう、ネタ使い切っちゃったよ。」
と独り事を言った。

女装小説を書くあたり、彼も女装愛好家である。
赤いミニの肩見せのワンピースを着ている。
一応女性のショーツを履いている。
暑いのに、かつらを被っている。
ブラは手抜きでしていない。
男のあれも、股に回して押えるなんてしていない。
メイクはリップだけ。
かなり、手抜きな女装愛好家であった。

一昨日、ネタがないので、占い師のところへ行った。
薬屋の外壁を使い、テントを張ってやっている。
夜なので、一応の女装をして行った。
メイクもがんばって濃い目にした。

男性の75歳くらいの占い師は、
大きな虫眼鏡で、美雪の掌を見て、
「ははん。あなたは、女性の身なりをしているが、男性じゃな。」
と言った。
(あたしを見りゃわかるでしょ。)と突っ込みたかったが、黙っていた。

「ひょっとして、苦しんでおられる。」
(だから、来てるの!)
とまた、心の中で突っ込んだ。
「それは、ネタが浮かばないという苦しみじゃな。」
(お。けっこうまともな占い。)
「いい女になれないという苦しみもあるな。」
(そうそう。でも、それ、あたし見て言ってんのね。)
「苦しみから逃れたいと思っておるな?」
(ふつう、そうでしょう!おじさんレベル落ちて来たよ。)

「では、あなたにネタが浮かび、いい女になる道を授ければいいんじゃな。」
「そ、そうです。でも、無理でしょう。」と美雪。
「道がなくもないが、あんたは、信じないでしょう。」
「え?あるの。今、ワラでもつかみたい気持ちなの。」
「これじゃよ。」
と占い師は、二つのビンを出した。
一つは、青い錠剤。もう一つは、白い錠剤。
「青い錠剤を呑めば女になる。白を呑めば男に戻る。」
とおじさん。

美雪はがっかりした。
「おじさん、そう来ると思った。そういうのさ、もう古いの。
 もう30年前のネタなのよ。やめてくんない。」美雪は言った。

「ほら、あんたは信じないと言ったでしょう。
 ワラをもつかみたいと言ったから、取って置きを出したのに。」
「何言ってんの。『取って置き』なんて言って、
 女装マニアが来るなんてわからないでしょう。

 おじさんは、恋に悩む乙女がきたら、
 恋愛が叶う薬じゃよ…と言って、その同じビンを出す。
 金がなーいって客が着たら、金の出来る薬じゃよ、
 といって青か白のどっちかのビンを出す。
 なんでも、都合のいい薬なんだから。見え見えですよ。」

「じゃあ、やめようかの。」おじさんは、ビンをしまおうとした。
「だめ。買う。」と言って美雪はおじさんの手を止めた。
「なんだ。買う気あったの。じゃあ、ごちゃごちゃ言わなきゃいいのに。」
と占い師は、美雪を上目遣いに見た。
「えへへ。一応言ってみたの。」と美雪は舌を出した。
「いくら?」と美雪。
「5万円。」
「うそー!」
「どっちで驚いとるんじゃ。高くて?安くて?」
「安い。だから、今あるの全部ちょうだい。」
「6セットあるが、30万円ぞい。それほど信じるのかい。」
美雪は、そんな気がして、大金を持っていたのである。

「こういうストーリーってさ、疑って『捨て金でーい』みたいに1セット買ってさ、
 家に帰って試したら、正真正銘本物!で、すぐにもっとと買いに行ったら、
 おじさんは、もうそこにいない。こうなるに決まってるんだよね。
 だから、あたしは、そんな馬鹿をしない。全部買うの。
 はい。30万円。見料は、込みでいいでしょ。」

「あんたも、変わった人だねえ。」
「賢い…と言い直して。で、一錠で何時間効くの?」
「24時間。」
「寝てる時間、もったいないね。」
「あんたも、細かいの。彼と一晩を共にする。
 朝になって男にもどっとったら、具合の悪いこともあるじゃろが。」
「あ、なーるほど。おじさん、ナイス説得力。」

美雪は、紙袋に6セットの錠剤を入れてもらい、ほくほくと家に帰った。
帰ったものの、すぐに呑みはしなかった。
パソコンのそばに置き、1日待った。

そして、昨夜と同じ時刻に、自転車を走らせ、
おじさんを見に行ったのである。
すると、おじさんのテントの明かりは消えていた。

「ほーら見ろ。こうなんだよ。本物だとわかって再び来てみると、
 ああ、もうおじさんは影も形もないのでした。
 あははは。全部買っておいたぼくは、勝負に勝った!」
と美雪は、興奮したのだった。
(おじさんにも、定休日がある。
 そんな、発想は、美雪にはないのだった。)



おじさんがいなかったことに安心し、
美雪は、なんと次の1日、30万円も出した薬のことを忘れていたのである。
そして、気がついたのは、その翌日の昼、
暑くて、6畳間でごろごろしていたときである。
はっ。あの薬をまだ試していない。
美雪はとび起きた。
パソコンの横の紙袋から、青いビンを取り出した。
小机を寄せて、その上にビンを乗せた。
そして、正座をして、ビンと対面した。
美雪は、本物であることを少しも疑っていなかった。

そうか、と気がついた。
女になるだけじゃだめ。いい女にならなくては。
美雪は、古今東西の女装小説、漫画の中から、
いい女になる方法の記憶を手繰っていた。
一つあった。あの話。
それは、いい女の写真を見ながら呑むことによって、
その女になれる。
これだ、と思い、美雪は、女性のファッション誌を取り出した。

美雪の大好きなモデルさんがいる。
この人。見つけた。
坂井ミユさんなんだよね。うふふ。
夏の号で、ちょうど彼女も夏のスタイルをしている。
美雪は、コップに水を用意した。
坂井ミユさんを見る。
薬の蓋を開ける。
薬を呑むとき、手がぶるぶると震えた。
口の中に入れる。
水を口に入れて、一気に呑む。
目をつぶって、静かに待った。

胃に入った薬が、腸に入り、吸収され始める。
15分がたち、もういいころかな?
怖くてたまらない。
一度に鏡を見るなんてできない。
薄目を開けて、手の甲を見てみた。
爪を見た。
おおお。女の子の爪だ。指が細い。女の子の指だ。
期待に胸が爆発しそうだった。

目を閉じて、胸を触った。
おおお。ある。女の子の胸がある。
ほんとだ。本当にある。

美雪は、立ち上がって、鏡をのぞきにいった。
ドレッサーの前に立ち、あごから見て、鼻、目と見て行った。
鏡には、大好きなモデル・坂井ミユさんと
同じ女の子が映っている。
髪までが長くなり、それをポニーテールにしている。

美雪は、赤いワンピースを脱いで全身を見た。
身長163cmくらいか。
抜群のスタイルの女の子が映っていた。
喜びが胸の奥から湧いてきた。
美雪は、それをそのまま言葉にして言った。
バンザーイ!!


つづく(次回は、「坂井ミユになって」です。)




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1. 無題

とっても楽しく読ませていただきました。
文章に勢いが感じられ、その勢いに載せられるままに、あっという間に読み終えちゃいました。

5万円?
jun絶対に買わないw
で買わないで後悔しちゃう(´∀`)

美雪さんに少しだけでもおすそわけしてもらいたい~(TωT)

あ~、続きが早く読みたいですぅ♪


P.S.
昨日のなうで「3日分書いた」とおっしゃってたのゎこのお話だったのでしょうか。

そうだとしたら、文章の勢いもそんなところからきたのかナと思いました。

2. Re:無題

>junさん

コメントありがとうございます。
文章に勢いがあると言ってくださって、とてもうれしいいです。(この勢い、だんだん失速していきます・汗)
3日分って、このことです。しかし、2回くらいでバテました。

このお話は、junさんが、前に、お薬で女の子になれるようなお話が好きだ…っておっしゃっていたことをヒントに書きました。だから、始めを書けただけでも、junさんに感謝です。

本物だったら、5万円、安いですよね。
私も欲しいです。

3. 無題

そんな薬あったら、絶対買うやろな、きっと…。
1日だけの女の子、私の無理な夢であります。

4. Re:無題

>亜里沙さん

買いますよね。5万円でも。
そんな薬は、夢でしかないので、
せめて、小説に書きました。
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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