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KDDのハプニング②「二人のがんばり」最終回

KKDの頂点にいた野原と中村の突然の引退は、
全国のファンに衝撃を与えた。

記者会見では、森下と野原、中村が出席し、森下から出来事が伝えられた。
グループの鉄則である「ジェラシーは禁止」というものにケチをつける発言を野原がして、
中村がそれにうなづいた。
同席していた、野原と中村は、森下の言葉に少しも間違いはないと言い、
全ては自分たちが悪く、辞めさせられて当然だと思っていることを述べた。

記者の一人が発言した。
「たった一言で、また、それに相槌を打っただけで、除名というのは、
 少し厳しすぎないかというファンの思いもあると思いますが、どうですか。」

森下が答えた。
「KKDは、36名からなるグループです。
 みんな、一人でもいい、追い抜きたい、
 トップに立ちたいと思っている子ばかりです。
 そういう子36名を維持して行くためには、
 鉄則がなくてはなりません。
 いままでも、その鉄則を破ったものは、除名してきました。
 それによって、今のKKDがあるのです。
 この二人は、トップに立つまでに、
 何人もの先輩を抜かしてきたのです。

 しかし、抜かされた先輩達は、どんなに悔しくても、
 それを言動に出さなかった。
 だから、足を引っ張る子もいなかった、
 嫌がらせをする先輩もいなかったのです。
 そういう先輩達の我慢の上に今の二人はいるのです。
 もし、無法地帯のようなKKDなら、この二人は先輩達の嫌がらせで、
 とっくに自分から辞めていたかもしれません。

 野原と中村は、こと先輩の意地悪については、
 苦労知らずにきたのです。
 しかし、その陰で泣いていた先輩達の姿を、
 忘れてはならなかったのです。
 その先輩達の思いを知るならば、
 今回のような言動は取らなかったでしょうね。」

記者B。
「ついうっかりということもあるのではありませんか。」

森下。
「記者さんともあろう方が、何をおっしゃるのです。
 大臣だって、一つの失言で辞任されるではありませんか。
 それは、その失言が本音なのだろうと国民が見るからです。
 野原の発言は、ついうっかりではなく、本音だろうというのが、
 一般の味方なのではないでしょうか。
 私も本音であったのだろうと思っています。」

記者C。
「野原さん、その発言は、本音だったのですか?」

野原は、泣き始めた。
「はい。厳しい規則に対する反発が自分にあったのだと思います。
 しかし、その厳しい規則のお陰で、
 自分が今の立場に立てたのだという認識が、
 自分に欠けていました。
 今回除名と言う処分を受けて初めて、先輩たちが
 私を妬ましく思っても、
 一切口に出さずにいてくれたことを思いました。
 私は、増長していました。傲慢でした。いくら反省しても足りません。
 ここで、もし私が許されたりしたら、
 今まで規則を破って除名された先輩たちに、
 私は、会わせる顔がありません。」

記者D。
「中村さんに聞きます。相槌を打っただけということですが、
 除名は厳しいのでは。」

中村。
「除名されたとき、厳しすぎると思ったり、
 私に話しかけた野原さんを恨んだりしました。
 でも、あれからよく考えて、
 私は、野原さんと同じだけ悪いと気が付きました。
 野原さんに同意してしまえば、2人の勢力になります。
 これは、すでに1人より強いので、
 この2人に意見できる人はいなくなります。
 それが、やがて3人になり、あっという間に、
 全員を仲間にしてしまいます。

 私が、中学校のとき、ひどいいじめがありあましたが、
 この通りだったのです。
 だから、話しかけられた人が、しっかりしていれば、
 グループは崩れません。
 私は、野原さんから話しかけられたとき、
 『しー!』と反応していれば、
 野原さんもはっと気がついてくれて、
 こんなことにならなかったと思っています。

 森下先生は、『相槌を打っても同罪』とこれまで、
 何度もおっしゃいました。
 そのわけも何度も聞いていながら、
 自覚のなかった自分は、除名されて当然だと思います。」

記者E。
「森下さん。二人は、立派に反省していると思いますが、
 それでも除名でしょうか。」

森下。
「それは、さっき申し上げたとおりです。
 すでに、規則を破って除名された子たちが何人もいるのです。
 ここで、二人を許したのでは、
 先に除名された子達に何と言えばいいのですか。言葉がありません。」

記者F。
「しかし、年末のライブ・ツアーですが、
 この2人無しでは、興行成績に差し支えませんか。」

森下。
「差し支えますとも。
 完売するはずのチケットが、2割以上残るでしょう。
 私など、今、腹をぐっさり引き裂かれて、
 どくどく血を流していますよ。
 この二人をこれだけにするのに、
 プロダクションは一体いくら宣伝費を使ったか。

 彼女たちが、プロダクションに利益をもたらしてくれるのは、
 これからだったのですよ。
 この二人には、そんな自覚はなかったでしょう。
 全国のファンのみなさんがどれだけがっかりするか、
 その自覚もなかったでしょう。

 泥を被るのは、私ですよ。
 私は、この二人から、損害賠償をとるわけではない。
 この私こそ、この二人に、どうしてくれるんだと、
 詰よりたいくらいです。
 どんな大きな犠牲を払っても、鉄則は守らねばなりません。」

記者G。
「今、二人の除名を知って、
 KKDに戻してくれるように署名が行われていて、
 今、20万人、そのうち100万人を超えると見込まれていますが、いかがですか。」

森下。
「署名はいくらなさってもけっこうです。
 しかし、これまで申し上げたように、二人の復帰はありえません。
 彼女達の契約は、あと1年あります。
 この一年、プロダクションは、二人に仕事をあたえず、ただ遊ばせます。
 契約が切れた後で、再契約はありえません。

 ですから、1年後に、署名された方々が、
 二人に芸能活動を希望されるのはご自由です。
 また、どこかのプロダクションが、彼女たちと契約を結ぶこともご自由です。
 ただ、芸能界とは厳しいところで、3ヶ月活動を休止しますと、
 忘れられて、もう人気を得るのは、むずかしくなります。
 余程実力があり、個性をお持ちのアーティストなら別ですが。

 1年経っても、まだ、彼女たちを応援するという方の署名なら、
 二人にとっては、喜ばしいものでしょう。
 その署名運動は、是非1年後にやっていただきたいものです。
 果たして、何人の方が署名されるでしょうか。
 プロダクションへの売り込みに、
 何人の人が彼女達のために動いてくれるでしょうか。
 それは、ご想像にお任せします。」

記者H。
「ファンの中には、二人が許されるまで、テレビを見ない、
 ライブチケットも買わないという、
 言わば、ボイコットの意志を見せてもいるようです。
 それについていかがでしょうか。」

森下。
「一向にかまいません。
 しかし、それは、彼女たち二人を苦しめるだけではないでしょうか。
 自分達の犯した過ちの傷を深くするだけで、
 残ったメンバーにそれこそ合わせる顔がなくなりませんか。」

記者I。
「では、どんなことがあっても、二人の除名は撤回されないということですね。」

森下。
「はい。この記者会見は、放映されると聞いています。
 ファンのみなさまは、この記者会見をご覧になってから、
 書名なり何なりをお考えいただきたいと思います。」

森下のこの言葉で、記者の質問は途絶え、記者会見は終わった。

翌日に、記者会見の映像が3つの局から放映された。
その後、ファンの運動は、一気に勢いを失った。
ほとんどのファンが、森下の言葉に納得したからだった。
また新聞は、いじめの構造に関連させ、
KKDの森下の方針を絶賛した。
こうして、野原、中村の復帰の可能性はゼロに等しいものになった。



それから、1週間たったある夜、
野村有香と中村里美は、森下の部屋を訪れた。

有香が言った。
「お願いにきました。私達を、練習組に入れてはくださらないでしょうか。
 ただ、遊んでいるだけでは、つまらなすぎます。
 これからの人といっしょになって、自分を高めたいんです。」
中村が、
「できるお手伝いならします。
 もう、KKDに出して欲しいとは思っていません。
 私は、踊りや歌をもっと習いたいのです。
 基本からやり直したいんです。
 雑用ならなんでもします。」

森下は、うーんと考えた。
隣にいたコーチの杉田に聞いた。
「いいんじゃないですか。
 KKDを除名しただけで、プロダクションから除名したわけではありません。
 今まで除名した子達もそうですよね。
 二人は、練習組の子達の実力と比べたら、段違いだし、
 コーチの代わりに、マンツーマンで後輩を教える。
 二人は、何かしら、KKDにつくしたいんですよ。
 反省して、何か一つでも、役に立ちたいと思ってるんですよ。

森下は、
「記者会見でも言ってしまったので、二人の再契約はない。
 二人が、練習組に来て、腕を磨きたいと言うのなら、
 ダメだという理由もない。
 君達のファンも、二人がKKDのために尽くしていると知れば、
 喜ぶだろう。
 同時に、演技の勉強もしておきなさい。
 ここで、力をつけて、他のプロダクションンに
 入れてもらえるようがんばりなさい。」

わあ~と二人は飛び上がった。

以後、二人は、練習組で、模範となる行動をとった。
一番に着て、モップで床を全部拭き、先回りして、長机を出したり、
お弁当運びもやり、麦茶も毎日作った。
その片付けもやった。
コーチの指示で、後輩に踊りを教えることもやった。
うまく振りができないでいる子を、練習が終わってから、
マン・ツー・マンで出来るまで教えた。
本当によくやったのである。

ファンは喜び、プロダクションの許可を得て毎日のように写真をとり、
ブログで、「有香、里美の練習便り」を立ち上げた。
そして、毎日更新し、二人の活動を、熱く報告した。
有香、里美からの直接の書き込みも、どんどん入れた。

ブログでは、驚異的なアクセス数を記録し、それが続いた。
こうして、二人の人気は、ピークからある程度横ばいを続けることができたのである。

KDDの除名から、1ヶ月ほどたったとき、練習組のコーチに呼ばれた。
コーチは、名刺をくれた。
「来週から、金曜日、ここへ行って演技の勉強をしなさい。
 これは、プロダクションからではなくて、
 森下先生の特別な計らいだよ。二人がよくやっているからね。」
二人は飛び上がった。

1年後、契約が切れ、他のプロダクションから声がかかった。

契約の最後の日、二人は、森下に挨拶に言った。
演技教室のお礼を言った。
「この1年、よくがんばったな。
 あれだけの根性と気力があれば、
 どこへいっても大丈夫だ。
 おめでとう。」
と森下は、温かい笑顔を見せた。
二人は、泣いてしまった。

二人は、歌えて踊れる女優として、活躍していくことになる。


第一部<おわり>

※次回は、「女装小説家・菅野美雪」です。




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1. 初めてのコメントです。

初めてコメントをさせていただきます。
ブログを見つけてから、ここ数日仕事の合間にも夢中でアメリカ編を時には涙しながら読んでました。
男 何割、女 何割、のところが私と一緒だって思ちゃいました。
でも違うのは、私は瞬間しか女に見えないこと。

遅くなりましたが、私も女装をします。
これからも楽しみに拝見させていただきます。
初めてで思ったことをコメントするのは難しく可笑しな文章になってしまいました。

2. Re:初めてのコメントです。

>相楽耀さん

こんばんは。
初めての方のコメントは、とてもうれしいです。
アメリカ編は、自叙伝なので、昔を懐かしみながら書きました。読んでくださる方がいて、とってもうれしいです。

身体も心も、100%男だとか、女だとかという人はいないと思っています。性のあり方は、男女の2通りなんて、無理なことだと思っています。

同じ女装仲間ですね。こちらこそ、よろしくお願いいたします。

3. 無題

はじめまして、あれ?アメーバIDがなくてもコメント出来る?と、思いドキドキしながらコメントさせて頂きます。
アメリカ編のころはじめてラックさんのブログを拝見し、それ以来ずっと一日の楽しみになっています
最近では 「オーロラ姫は、男の子」っていうタイトルも、一目見てなんて可愛いんだろう!と感激しましたし、他のお話も毎回何度も読み直しています

いつもコメントされているjunさんがおっしゃる通り、書籍化されたら私も、絶対買います

ほぼ毎日の更新、本当に大変な事と思います
寒くなって来たので、カゼなどひかれませんように、ご自愛下さいね


4. Re:無題

>まみさん

はじめまして!
初めてのかたのコメントは、とってもうれしいです。
私は、アメンバー以外の人も入れる設定にしていますので、コメントもOKなんです。このときお名前をお忘れなく。

アメリカ編の頃から読んでくださっているなんて、感激です。私も、アメリカ編は、懐かしくて、よく読み返ししています。
「オーロラ姫」は、子供のころ、はまりにはまった、ディズニーアニメ「眠れる森の美女」がベースになっています。

書籍化…なんて、まだまだとんでもないです。プロの作品を読むと、自分のつたなさを思い知ります。
今日から、女装小説家そのもののお話を書きますので、読んでくださるとうれしいです。

寒くなってきました。お大事に。
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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