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春樹はキューピッド③「春樹はキューピッド」最終回

すぐ最終回になってしまいました。次の回のことほとんど考えてないんです。
読んでくださるとうれしいです。

================================

次の日曜日、遊園地で、会うことにした。
午前10時に。
佐和子は、春樹を特別に可愛くしたかった。
前々から、取っておきのお姫様服を着せた。
白とピンクが織り成したワンピース。
すべて肩見せで、吊り紐は、背中でクロスしている。
ロングのウィッグ。下が緩くカールになっていて、可愛い。
白いサンダル。白い小さなバッグを斜に掛ける。
分からない程度にメイクをした。
ファンデーションに、ピンクの口紅。ピンクのチーク。
上まぶたにピンクのシャドウ。
そして、ネットの白い帽子。
「春樹どう?」と佐和子は聞いた。
「すごく可愛い。うきうきしちゃう。」

「今日会う人はね。春樹のお父さんなんだけど、
 女性として暮らしているの。」と佐和子は言った。
「うん。すごく会いたい。お父さんってだけで会いたいのに、
 女性として暮らしているなんて、もっと会いたい。」
春樹は言った。

よく晴れた日だった。
佐和子と春樹は、先について、遊園地の入り口で待っていた。
来る人来る人、あれが、そうかな、ちがうかなと春樹は言った。
「春樹、男の人じゃないの。女の人として来るのよ。」
佐和子に言われ、
「あ、そうか。」と春樹は言った。
そのうち、向こうから、まるで春樹のお姫様服を占ったように、
そっくりな服を着た人が来る。
バッグを斜にかけ、ネットの白い帽子も同じ。
白とピンクのワンピース。膝丈のスカート。

その人は、佐和子と春樹をみると、帽子を取ってその手を振った。
「お母さん。あの人。あたしと同じ服着てる。」
佑香がそばに来た。
春樹は、キラキラとした瞳で佑香を見た。
佑香がしゃがんだ。
「あの、お父さん?」
「うん。そう。」
「すごく、可愛い。」と春樹。
「ありがとう。」
そういう佑香の目から涙がこぼれた。
「春樹、会いたかった。」
「あたしも。」
そう言って二人は、抱き合った。
佐和子もそばで、涙を流した。

「お父さんって呼びにくい。お姉さんって感じ。
 そう呼んでもいい?」
と春樹が言った。
佑香は、佐和子と目を合わせた。
「いいわよ。」と佐和子はにこにこして言った。
「わあ、うれしい。」と佑香。
「お姉さん、大人になっても女の子の声出せるの?」と春樹。
「うん。これは、3ヶ月くらい訓練したの。」
「胸は、本物。」
「本物よ。触っていいわ。」
「わあ、ほんとだ、すごーい。」
「お姉さんは、いつもそういう可愛い服着てるの。」
「うん。可愛いのが好きなの。」
「あたし、お姉さんみたいに綺麗になりたい。」
「もう綺麗じゃない。春樹は、妖精みたいにステキよ。」
「ありがとう。」

もう春樹は佑香にべったりで、佐和子はジェラシーだった。
「春樹。お母さんにも、べったりして。」と佐和子。
「お母さんには、毎日べったりしてるじゃない。
 お姉さんとは、今日だけなんだもん。」と春樹が言う。
そのとき、佐和子はふと思った。
3人で生活できたら、きっと毎日がもっと楽しい。
佑香が、女友達であり、夫だったら。
夫と別れたのは、女装のことだけだった。
雅彦(=佑香)は、優しくて、おもしろくて、賢くて、ステキな人なのだ。

春樹は、1日、佑香と夢のように楽しい時間を過ごした。
春樹は、佑香が家族だったら、どれだけいいかと思った。

遊園地からの帰り、レストランに行った。
レストランでも、春樹は、佑香の隣に座った。

食事をとっているとき、春樹がぽつんと言った。
「佑香お姉さんとお母さん、もう一度結婚してほしい。」
「春樹、それは・・・・。」と佐和子は口ごもった。
「お母さんは、お父さんが、女の人になるのが、
 許せなかったんでしょう。今もそうなの?」
佑香はうつむいていた。
「あたし、お父さんの気持ちがわかるもの。
 女になりたいって気持ちわかるもの。
 女になっても、女の人が好きって気持ちもわかる。
 お父さんは、女になっても、お母さんを愛していたと思う。」
佑香は、思わず、ハンカチを目に当てた。
今、春樹が言ったことは、自分が春樹のために無理解な人へ言う言葉だった。
春樹は言った。
「お母さんも、あたしと二人だけでは、淋しい時があったでしょう。
 ときどき、お母さん泣いてたもの。
 仕事で、悲しいことあったんだと思った。
 そんなとき、あたしより、お父さんがいてくれたら、
 お母さんも、心強かったと思うから。」
佐和子は、泣いた。声を上げて泣いた。
「結婚しなくても、3人で暮らせたら、あたし、うれしい。」
そこまで言って、春樹も泣き始めた。
3人は、3様に泣いた。



3週間後。
佑香の4LDKのマンションに佐和子と春樹は越して来た。
引越しの片付けも終わった。

夕食のとき。佐和子と春樹はうれしそうにテーブルに座っていた。
佑香が、盛んにフライパンを振るっていた。
佑香は、可愛いワンピースを着て、エプロン、頭にバンダナを三角に付けている。
「お母さん、ラッキーだね。ママがお料理上手で。」
「ほんと、こんなにうれしいことないわ。」と佐和子は言った。
春樹は、佐和子をお母さん、佑香をママと呼んだ。
テーブルに豪華なお料理がならんだ。
「じゃあ、いただきます。」
「いただきまーす。」と明るい声がはずんだ。



夜も更け、二人の寝室。
下着姿で、佐和子と佑香は、毛布にもぐった。
「あたしが女でも平気?」と佑香は聞いた。
「あたし、自分がレズビアンだってやっとわかったの。
 春樹にしたように、男の子を女の子にするのが好き。
 女の子にして、うんと可愛がってあげたい。」
「じゃあ、あたしを可愛がってくれるの。」
「その後で、あたしを可愛がるのよ。」
「いいわ。もう、たっぷりね。」

春樹は、すっかりファンシーに飾った自分の部屋で、
可愛いパジャマに着替え、毛布に入った。
今日の夢でも、また可愛い女の子になれますように。
そうお祈りして、瞳を閉じた。



春樹は、ジェンダー・クリニックで性同一性障害の診断を受け、
ホルモン治療を始めた。
中学は、GIDや性のマイノリティに特別の理解がある私立中学に、
女子生徒として通うことになった。
そこは、各階に、男女共用のトイレがある。
もっとも女子のトイレに入っても、誰から何も言われなかった。
そういう教育が徹底した学校だった。

高校生になった春樹は、ほぼ完全な女性体形を得た。
脚が長く、抜群のプロポーションで、オシャレをいっぱい楽しんだ。

佐和子と佑香は、いつまでも若くて、春樹が二人に追いついていくようだった。
春樹が高校2年になると、もうお母さん、ママとは呼ばなくなった。
お互いに、佐和子、佑香、春樹と呼び合って、3人娘のいる家庭になった。
「佐和子と佑香だけは、夜一つのベッドに寝てずるい。」
と春樹はよく言っていた。

そんな春樹に洋介という彼ができた。
ジェンダー・クリニックで知り合ったFtMの好青年だ。
春樹は163cmで、洋介は、168cmだった。
ベッドのなかで、春樹は、洋介に言った。
「あたし、男の子を好きになるとは思ってなかったの。」
「オレは、ずっと女の子好きだったけど、
 春樹みたいな女の子に出会えると思ってなかった。」
「あたし、洋介となら、劣等感なしでセッ・クスができる。」
「オレも。」
二人は、目と目を合わせた。そして、微笑んだ。
いつの間にか、唇と唇が重なっていた。


<おわり>




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1. 無題

「あたし、お父さんの気持ちがわかるもの。
 女になりたいって気持ちわかるもの。
 女になっても、女の人が好きって気持ちもわかる。」

この言葉、ラックさんの声でjunの耳に届きました(いつかの動画の声を思い出しました)。

jun、この言葉すっごく共感しました~ヘ(゚∀゚*)ノ

2. Re:無題

>junさん

コメントありがとうございます。
私のあの動画の声で届いたのでしょうか。
ちょっと恥ずかしいような…。
あの声、ちょっとカエル声であった気がしてるんです。恐いので、2度聞かないようにしてます。(笑)

共感してくださって、すごくうれしいです。
我が子がそう言ってくれると、うれしいですよね。

3. こんばんわ(^○^)

>ラックさん
私も聞こえたょヾ(@⌒ー⌒@)ノ
私も感動しました。
また三回くらい読みました自分の親なら難しいかな?でも応援するかもだょ…何とも言えない…三回ともなりきって読み楽しかったですm(__)m

4. Re:こんばんわ(^○^)

>美咲ちゃん

こんばんは。

3回も読んでくださったのですか。
それは、感激です。
なりきって読んでくださったのですか。
うれしいコメントをありがとうございました。
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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