女の実の里⑥「重なるおめでた」最終回

長いお話を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次回の話は未定ですが、読んでくださるとうれしいです。

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月日が過ぎ、12月の中旬になった。
奥の方と、4側室は、こぞって月の物が途絶えた。
これは、もしやと、城かかえの医者が、各部屋を伺った。
奥の方を診ていた医者は、付きの方に、にこにこと言った。
「奥の方様は、ご懐妊でございます。」

知らせを廊下で待っていた城代家老は、付きの者より、それを聞いた。
家老は、殿の元に飛んでいき、
「奥の方様、ご懐妊であらせられます。」と言った。
実篤は喜び、扇子で膝をたたき、
「そうか、めでたい。」と言って立ち上がり、奥の間に向かった。
その間、家老は、
「奥の方様、ご懐妊。」と城中に言って回った。

その間、側室の方を診てい医者は、
「側の方様、ご懐妊であらせらえます。」と言った。

そして、残り3人の側の方も懐妊であった。
城の中の家来腰元の喜びようは尋常ではなかった。
「これには、腰元どもの、なみなみならぬ努力があったと聞くぞ。」
「腰元も、大手柄じゃのう。」
「これからは、一目も二目も置かねばならんのう。」
そんな家来達の声も聞こえた。

夕月がほとんどの腰元に囲まれた。
「みな、でかした。これで、無事ご誕生となれば、
 我らは、一大事をなし遂げたと言えましょうぞ。」
と夕月が言った。
「あとは、奥の方様と、側室の方様のご安静を、
 我らが命がけで守らねばならん。喜びと共に、一層の気を引き締めよ。」
夕月はそうも言った。

家来達の大宴会がはじまり、腰元どもは、大忙しであった。
やがて、夜も更け、家来たちが、飲み倒れていたころ、
実篤は、燐室に腰元たち集め、言った。
「本来であれば、そち達に一番に宴会を持ちたいところじゃが、
 役目によって、一番忙しく働いてもらうことになった。
 すまぬことじゃ。許せよ。
 また、日を決めて、暇をとらすによって、それで、勘弁してくれい。
 城は、同日にして、4人の懐妊の奥や側を得た。
 これは、一重にそち達のお陰である。礼をいうぞ。
 
 また、これにより曲者の侵入は、倍に増えるであろう。
 そちらは、皆、忍びの術を心得しもの。
 奥や側の近くにいて、守ってくれい。
 そちたちが、いちばんの頼りじゃ。」
「はああ。」と腰元たちは、平伏した。

実篤の言葉を聞いて、腰元たちは報われた。
そして、一層のはたらきをしようと、気を引き締めた。



出産までの7ヶ月、女の実の忍者15名(里のほとんど)が、城に忍んだ。
腰元らは、奥、側室の部屋付きのものと共に、各部屋に1人。
雪之は、忍術の腕を見込まれており、5部屋の要になるところに、いた。
家来達は、廊下、庭、城壁に2人ずつ立った。

こうして、鉄壁の守りのなか、予定に違わす、
赤子の声が、次々に聞こえた。
奥方は、男子。第一側室、男子。第二側室、第三側室に女子が、それぞれ産声を上げた。
家老が、言って回る声が、喜びで上ずっている。
実篤は、知らせを受け、
「そうか、でかした!奥は男子とな?」
と言い、
「はい、第一側室の方も、男子でおわします。」
「うん、後は姫じゃの。姫もよいものじゃ。」と言った。
そう言って、実篤は、みなの部屋を回った。

「奥、でかした。男の子じゃそうな。苦しかったであろう。大儀であった。」
こうして、各部屋を回った。

「じい(家老)、余は、果報者よの。
 家臣らが、皆身を呈し余を助けてくれる。ありがたいことじゃ。」
実篤は言った。

「それは、すべて、殿のお人柄によるもの。
 みな、殿のためには、命をもいらぬと思うておりまする。」
家老は言った。

腰元部屋は、大変な騒ぎだった。
抱き合い、飛びはね、転がったり。

仕切りの襖をあけて、夕月が言った。
「みな、大手柄じゃ。すべてが順調にいったは、
 みなの願いと、努力の賜物である。
 今日は、いくら喜んでも、足りぬな。
 おめでたいことじゃ。
 わたしも、皆にまぎれ、抱きおうてみたいところじゃ。」
「夕月さま、そういたしましょう。」
そばの腰元がいい、夕月を仲間に入れて、皆が抱き合い始めた。
夕月も幸せそうだった。

今度は、小遣いが3両、3日の暇が与えられるという。
腰元たちは、くじを引いて、どの日に暇をもらうかを決めた。

7月初めの緑の美しいとき、
雪之は、城へ来たときの着物に着替え、
風呂敷きを腕に抱えて、城下の賑やかな道を歩いていた。
すると、向こうから素浪人がくる。
雪之は、腕に覚えがある、気にせず、素浪人の前に来たとき、
その浪人は、「えいっ」と横一文字に雪之めがけ刀を振った。

雪之は、ひゅんとジャンプをし、素浪人の刀に乗ると、
片方の足で、素浪人のアゴを思いきり蹴った。
男は、後ろにもんどりうって倒れた。
「おおお。」と周りの見物人が、騒いだ。

男は上半身起き上がると、
「おお、痛てえ。雪之。俺だ。権太だ。」と言った。
「なんだ、権太だったの。なんの真似。」
「お城勤めで、雪之の腕がなまっていないか、確かめてみたのよ。
 相変わらず、強いのう。」
「あはは。あたしは、夜中に起きて、一通りの修行を毎日していたのよ。
 権太のウソん気の剣など、なんでもないわ。」
「いや、かなり本気でやってみたんだがなあ。」
と言って、権太は笑った。

見物衆は、笑っていた。
「お二人様。見物料に、お団子召し上がってくださいまし。」
と赤い毛せんを長椅子に敷いてある店の主人が言った。

「お、それは、かたじけない。」と権太は言った。
「城はいいの?」
「ああ、蝉丸にたのんである。」
「それなら、安心ね。」

「雪之がいるし、夏に小さな、祭りをしてやりたいの。」
「あたしは、お小遣いもらったから、たくさん菓子を買っていく。」
「俺は、じじ様、ばば様に饅頭をたくさん買って行く。」
「それに、太鼓と笛があれば、もう祭りだね。」
「ああ、楽しみじゃの。で、夜は雪之と一つ布団じゃ。」
「まあ、大きな声で。」

 団子を食べながら、二人は空を見た。
「こんな真っ青な空を見られるのは、年に何回かの。」権太は言った。
「さあ、1回かな。」
「ああ、そうだな。」

二人は、むくむくと上ぼる雲の上を、
子供のような澄んだ目で眺めていた。


<おわり> ※次のお話は、未定です。




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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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