2代目スーパー洋子④「保護者会終わる」

「では、始めましょう。」と校長が言い、
担任の上原が事の経緯を説明した。
4日間にわたり、4人が陽一を床に押し付け、
嫌がる本人を無視して、
下半身を露呈させたこと。
今日初めて、陽一をある女子と間違えて、
自分達のしていることにブレーキを掛けたこと。

その他、上原は、学級での話し合いで、
被害にあっているのが、だれであっても、
加害者の罪は同じであること。
見ていて止めなかった生徒も、
罪は同じであることを確認したこと。
それらを報告した。

「被害者である坂井陽一君、また、お父様。
 何か前もっての説明がおありですか。」
校長が言った。

陽一の父が手を挙げ説明した。
「私達夫妻の長男陽一ですが、
 小学校6年生のとき、性同一性障害の診断を得ています。
 陽一は、身体的には男子ですが、心は、女子なのです。
 これまで、小、中と学校の理解があまり得られませんでしたので、
 家の中でのみ、このような心の性に合わせた服装と生活をさせております。

 陽一にとって、体の中にたくさんの劣等感の元になるものがあります。
 胸に乳房がありません。ヒップが女子のようにありません。
 その数々の劣等感の中で、
 陽一が最も苦しみ、辛く悲しいものは、下半身の男子の証です。
 トイレの度に嘆き、入浴の度に、絶望し、
 自分では、見たくもない、触りたくもないという、
 体の部分なのです。

 この度のことで、妻は言いました。
 無理矢理に下半身を見られても、
 自分のものが一般の女子と変わらないものだったら、
 まだ、救いがある。
 しかし、陽一のような体をもし自分がしていて、
 自分の最大の劣等感であるものを、
 人に露呈されたら、もう生きてはいけないと。

『やーい、女なのに、オチ△チンがあらあ。』
 こうからかわれることが、どれほどの屈辱であるか、ご理解願いたい。
 ご出席のお母様方、もし、この今、ご自分の体に男の証があり、
 今この場で、暴力によって、その部分を、
 みなさんに露呈されたら、どれほどの恥辱であるか、
 ご想像ください。
 お父様方は、もしご自分に乳房があって、それを無理矢理露にされたと
 ご想像ください。

 陽一を家では陽子と呼んでいます。
 陽子は、17歳です。
 一番デリケートな乙女心を持った年齢です。
 今回の4日間にわたる性的暴行が、
 陽子にとってどれほど辛いことだったか、
 ご理解願いたいのです。」

長い沈黙がつづいた。
母親のほとんどが、涙を拭いていた。
みんなうつむいて何か考えていた。

「では、こちらの方にも伺います。
 高井さんのお父さん、いかがですか。」
校長は言った。

高井の父は、目に涙を浮かべていた。
「今、坂井さんのご説明を聞き、
 息子のしたことが、どれだけ大きな罪であったか分かりました。
 はじめ、この保護者会に来ましたとき、
 パンツを脱がすくらい、たかが男同士のおふざけではないか、
 こんな、夜に保護者を集めて、何を大げさなと思っていました。

 しかし、ご両親といっしょに
 入ってこられた陽子さんを見たとき、驚きました。
 こんな清純な、可愛いお嬢さんに、
 息子があんなことをしたのかと、いっぺんで考えが変わりました。
 うかがえば、性同一障害でいらっしゃるとか。
 それならば、息子のしたことは、女の子にしたよりも罪が重い。
 それが、坂井さんのご説明でよくわかりました。

 息子のしたことは、犯罪です。
 もちろん、この会の後、息子を叱り飛ばしますが、
 息子は、法的に罰を受けるべきだと思います。

 坂井さんご夫妻、陽子さんには、
 私達は、頭を下げ、謝罪するしかありません。
 本当にすみませんでした。」

そのとき、高井の息子、明雄が、立った。
明雄は、泣きはらしていた。
そして、声を詰まらせながら話した。
「すいませんでした。
 ぼく達が、陽一君にしたことはそれだけではありません。
 陽一君は、トイレで立って用を足すことができません。
 今考えたら、あたり前です。女の子なんだから。
 だから、いつも個室を使っていました。
 それをぼく達は、個室にのぼり、上から覗いてからかいました。
 陽一君は、個室も使えなくなって、学校に1つある車椅子のトイレに行きました。
 それを、ぼく達は、先回りして、中に入らせなかったんです。

 陽一君が、トイレに行けなくて、苦しそうにしているのを、
 ぼく達は、見て、楽しんでいました。
 陽一君は、しかたなく、無断で家に帰るしかなかったんです。
 次の日に、無断早退で、先生に怒られるのを、楽しんで見ていました。
 そんな事を、何回もしてしまいました。

 今考えたら、こんなひどいことは、人間のすることじゃありません。
 悪魔がすることです。
 この4日間のことも、人間のすることではありませんでした。
 陽一君、ごめんなさい。
 何回謝っても、許されることじゃありません。
 警察で罰があるなら、受けます。
 ごめんなさい。心から謝ります。ごめんなさい。」

明雄は、最後は、号泣に近い声を立てながらあやまった。
それを、聞いていた、他の3人も、顔中涙にして、
いっしょに立って、謝った。
みんなが泣いていた。陽一の家族も、した方の家族も。

高井と妻と明雄は、3人が立って揃い、机を動かし、
坂井家の三人の前で、床に手をついて謝った。
それに、習って、あとの3家族も、手をついて謝った。
坂井夫妻は、手を上げてくれるよう、みなに、何度も言っていた。

4家族がテーブルに戻ったとき、担任の上原が陽一の父と話をした。
父信夫は、陽一と、妻美咲に尋ね、上原に答えた。

「今、坂井さんご夫婦そして、陽一さんのご意向をうかがいましたが、
 誠意ある謝罪をいただいたということで、被害届は出さないと。
 よって、この事で、4人に、法的な罰は成立しません。
 示談という形になります。」

4家族は、深々と頭を下げた。

校長が言った。
「性同一性障害についての学校の方針が不十分です。
 早急に職員で話し合いを持ち、陽子さんの女子の制服の着用、
 トイレ、更衣室、また、体育での女子の扱い、また呼び名の扱い等について、
 対処したいと思います。
 もちろん、このことについて、学校生徒の理解をはかるよう、
 職員一丸となって、説明に力を入れるようお約束いたします。
 それでは、他に何かございましょうか。

 では、本日の保護者会をこれにて終了いたします。」

4家族は、そろって、陽一一家に頭を下げ、出て言った。
陽一一家も、担任や、校長らに、頭を下げて行った。
みんな、すっきりした気持ちだった。

「お父さん、最後に校長先生のおっしゃったこと、よく分からなかった。」
と陽一は聞いた。
「つまり、陽子は、女子の制服で通えるということ。
 体育は、女子の中でできるということ。
 トイレは男子トイレを使わないで、女子トイレを使えるかも知れないこと。
 授業中は、『坂井さん』とか『陽子さん』と呼ばれること、とかね。」
「わあ、それすごい!」と陽一は飛び上がった。

「ほんと、よかったね。」と女の子の声。
「わあ!洋子いたの?」
「うん。どうなるかなって、見ていたの。」
「お父さん、お母さん、この人洋子。
 あたしの救いの神なの。洋子がいてくれる限り、あたしは、絶対大丈夫なの。」
「まあ、それは、よろしくお願いします。」と母は言った。
「そうか、今回のすべての仕掛け人は、洋子さんだね。」と父信夫が言った。
「うん、ずばりそうなの。」と陽一は言った。

もう、すっかり夜だったが、外灯が明るく感じた。
夜風が気持ちいいと感じたのは、久しぶりだった。

つづく(次回は、「上原の推理と番長動く」です。)




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1. おはようございます

まだ途中だけど今までのブログ全て見ました(^_^)vブログこれから残り全て見る予定です^^
見た物語全て本当の事に思え登場人物も本当にいるような・・・見ているとどんどん物語に引き込まれていきラックさんのお話もっと読みたいといつもワクワクしながらみてます^^/私はスーパー洋子好きです(≧▽≦)特に不良の^^
これからもずっと読みます^^
頑張ってくださいо(ж>▽<)y ☆

2. Re:おはようございます

>なるみさん

なるみさん。コメントうれしいです。
今までのをほとんど読んでくださったんですか!それは、感激です。
アメリカや新宿の「純」は、ほとんど実話なんですが、それからは、フィクションになっています。

物語をほめてくださって、ものすごくうれしいです。あはっ。スーパー洋子、私も書くのが一番楽しいんです。でも、あんまり書くといけないので、間に作品をはさんでいます。
これからも、どうぞよろしく!
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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