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続・女塾③「悠子のカムアウト」

この物語は、悪い人、意地悪な人、嫉妬深い人は、
一切出てきませんので、安心して読んでいただけます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
時間は、5時半だった。
喫茶店の終了は、8時。
淳一と話がしたい。8時まで、こんなところで待てない。
悠子は、思い切って喫茶店に入って行った。

一つのソファに座った。
淳一が、トレイに水を持ってくる。
「いらっしゃいませ。」と淳一に女の子のような声で言われた。
「オレンジ・ジュースを。」と悠子は言った。
「あ。」と淳一は気がついた。
「なぜ?」と淳一は小声で聞いた。
「ごめんなさい。淳一君のこと知りたかったの。」
「ナイショにしててくれる。」
「もちろん。」と悠子は言った。

淳一の作詞のノートがある限り、することはあった。
悠子は、スケッチブック型の5線譜を出して、
淳一の詞を見ながら、曲を書いていった。
『すばらしい。曲が簡単に出てくる。』と感激した。
いつもの自分なら、曲を作って、それに言葉を当てはめていく。
そういう方法もあるが、詞があってそれに曲をつけるのが基本だ。

悠子は、集中していた。
淳一が、オレンジジュースを持ってきた。
「お待ちどうさま。」と声を聞いてやっと我に返った。
客と無駄口を利かないのが、店の決まりだ。
淳一は、それだけ言って行ってしまった。

悠子は、家に電話をした。
友達の家でオール(泊まり)をするから、帰れないかもしれないと言った。

閉店の8時までに、悠子は5つの詞に曲をつけた。
悠子は、もう8時かと思い、店を出て、惇一を待った。
淳一は、黒いコットンパンツに、黒いサマーセーターを着て出てきた。
手に提げている紙袋は、カバンと制服だろうと思った。
「夕食のために30分、お話ができるよ。」と淳一が言った。
たった、30分でも、悠子はうれしかった。

二人で、コーヒーとホットドッグが食べられる店に行った。
「淳一君、働いていたんだね。」と悠子は言った。
「うん。9時から12時まで、もう一つ働くんだ。」と淳一は言う。
「だから、学校で、5分休みも勉強してたのね。」
「うん。宿題だけは、やっちゃわないとね。」
「えらいなあ。」
「高橋さんも、お仕事しているんでしょう。」
「そう見える?」
「あの3人がすぐ帰っちゃうって嘆いていたから。」
「うん。でも、自宅でできるから、淳一君の方がたいへんだよ。」

二人は、コーヒーとホットドッグを口に入れた。
「淳一君の詞、もう、5つ曲がついたよ。」
「ほんと?見せて。」
淳一は、悠子の5線譜を手に取り、それを開いた。
淳一は、曲を読むのが、ものすごく早い。
「わあ、すごい。うれしいな。高橋さん、すごい才能だね。
 だって、書き直ししてない。モーツアルトみたい。
 全部、気に入っちゃった。」

「あの、あたし、曲作って売ってるのね。
 で、淳一君の名前作詞者で入れるから、そういうふうにしても、いい?」
と悠子は、核心に迫ることを、言った。
「うん、それ光栄だよ。じゃあ、そのときは、僕の名前『Jun』にして。」
「うん、わかった。」
30分があっという間だった。

「じゃあ、いかなくちゃ。」淳一は席を立った。
「じゃあ、あたしも。」悠子も立った。
喫茶店を出て、「じゃあね。」と言って淳一は走って行った。
悠子は、別れたふりをして、淳一のことを追いかけた。
淳一のことを最後まで知りたかった。

淳一は、どんどん走り、新宿通りを曲がり、
人々が「ゴールデン街」と呼んでいる、
怪し気なお店がたくさんあるところに入って行った。
悠子は、怖かったけれど、淳一が入っていくお店を認めた。
お店の前に「ラーメン」と書かれた、提灯があった。
ラーメン屋さんかなと思った。

悠子は、この一画の雰囲気が怖かった。
淳一はこんなところで働いているのか。
淳一は、12時までと言っていた。
そんな遅くまで、制服姿で、こんなところで待てっこない。
悠子は、店の近くをうろうろしていた。

そのとき、一人のホステスが出てきた。
真っ赤なカクテルドレスをきて、金髪の髪。
長いつけ睫をつけ、紅い口紅を引いていた。
ホステスは、店の外灯りをつけに出てきた。
で、ふと、悠子を見つけた。

「高橋さん。どうして?ここまで、ついてきたの?」
そのホステスが、淳一だと、悠子は、やっとわかった。
「淳一君?ごめんなさい。淳一君のこと最後まで知りたかったの。
 その、ドレス、淳一君、とってもステキ。」悠子はそう言った。
「だめだよ。ここは、そんな制服の高校生が来るとこじゃないよ。
 じゃ、お店入って。」と淳一は言った。

中に入ると、35歳くらいの美人のママがいた。
従業員は、淳一との2人らしい。
「あら、ナナのお友達。」とママ。
「うん、学校で並んでるの。アタシのことが知りたくて、ついて来ちゃったんだって。」
「じゃあ、お店手伝ってもらおう。奥の部屋で、ワンピース着て、
 あなた綺麗だから、メイクはリップだけでいいわよ。」とママは言った。

淳一は、奥の部屋で、悠子に黄色いワンピースを出して、オレンジ系のリップも渡した。
「靴は、これを履いて。」
と黄色いハイヒールを出した。
「あの、メガネかけてていい?とると何にも見えないの。」と悠子は言った。
「ママ、メガネないと見えないそうです。OKですよね。」と淳一はOKを取った。

お店に立った。
悠子は、実はうれしくてたまらなかった。
水商売風の衣装を着たのは初めてだった。
背中が大きく開いている。
それより、可愛いアメリカ人形のようでいる淳一が可愛らしくて、
何度も見惚れてしまった。
男の子の淳一もステキだが、女装の淳一もステキで好きだ。
悠子が男の時代何度も憧れていた世界だ。

淳一の隣に立った。
悠子は、すごい時間を今過ごしているなあと思った。
客がくる。
新人はちやほやされる。
淳一は、綺麗な衣装を着ているのに、
氷を割ったり、洗濯したお絞りを巻いたり、
裏方の仕事をたくさんしていた。

11時になって、客足がとだえた。
ママが、
「今日は、もういいわ。悠子ちゃんを送り届けて。
 それから、悠子ちゃんにそのワンピースと靴、貸してあげて。
 この時間、制服で町にいられないでしょう。」と淳一に言った。
「そうですか。すみません。」と淳一。
「すみません。」と悠子は言った。

悠子は、学生カバンと制服を入れた紙袋、
淳一も、紙袋に同じものを入れていた。
「高橋さんは、無茶するんだなあ。」と、外に出たとき淳一は言った。
「だって、淳一君に興味があったから。」
「どうして?」
「それは…。」(好きだから)という言葉を悠子は呑み込んだ。
「喫茶店に入ろう。お話が足りないみたい。」淳一が言った。
「うん。」悠子はうれしかった。
家には、オールだと言っているし。

今度は、地下の大きな喫茶店に入った。
ボックスが広くて、落ち着き、プライバシーがある。

二人ともコーヒーを頼み、それが来たとき、淳一が言った。
「僕のこと知りたいって、それで、あんな姿見られてしまって、幻滅したでしょう?」
「全然、全然、そんなことない。」
「どうして?」

「あ、あたし、小さいときから、女の格好した男の人大好きだったから。
 ウエイトレス姿の淳一君見て、可愛くて、胸がきゅんとしたし、
 スナックでのお人形みたいな淳一君見て、胸がときめいてしまった。」
「ほんと?高橋さんみたいな女の子いるんだ。まるで偏見がないんだね。僕うれしい。」

「どうして、毎日お仕事してるの?」と悠子は聞いた。
「僕の家、裕福で、僕にピアノの英才教育してくれたくらいなんだけど、
 僕が、中3のとき、父が、脳梗塞で倒れちゃって、今は、車椅子から立てない。
 会社の役員だったから、役員手当てみたいのくれるけど、
 それだけじゃやっていけない。
 妹二人いるし、だから僕が働いてる。」

「ピアノのお仕事しないの。」
「仕事をつないで行くのがむずかしいんだ。昼になることもあるし。
 高校は出たいから。
 今の典子ママのところの方が、安定収入あるから。ママすごくいい人だし。」
「えらいんだね。みんな淳一君のことガリ勉って言ってるけど、とんでもないよね。」
「女装して働いてるから、それがバレるよりガリ勉の方がいいよ。」
「女装するの好き?」

「うん。子供のときから、なぜか、女の子の格好するのがうれしかった。」
「すごくよくわかる。」
「え?」と淳一が反応した。
「あ、いえ。私が女装の子好きっていうのと似てるかなと思って。」
「なるほど、そうだね。」と淳一は子供のような笑顔を見せた。

悠子は、ここで、ジュリアであることを打ち明けようと思った。
淳一の秘密を知った以上、そうするべきだと思った。
「淳一君の秘密を知ってしまったから、あたしも一つ秘密を打ち明けるね。
 秘密、2つあるんだけど、もう一つは、絶対言えないの。何人かの将来を崩してしまうから。
 だから、1つだけでいい?」悠子は言った。
「うん。」淳一は、真剣な顔で答えた。

悠子は、左右2つ結びしているゴムをはずした。
首を振って、長い髪の毛を、ストレートにした。
そして、黒縁の眼鏡をそっとはずして、惇一を見た。
「すごい、美人なんだ…。」淳一は、悠子に見とれていた。
「だれかに、似てない?まだ、あんまり有名じゃないけど。」悠子は言った。
淳一は、悠子の顔をじっと見ていて、やがて、
「まさか…。」と言って、口をぽかんと開けた。
「ほんもの?ジュリア?高橋さん、ジュリアなの!」
悠子は、うなずいた。

「わあ、どうしよう。じゃあ、僕は毎日学校でジュリアと並んでいるの?
 ジュリアにわからないことを教えたり、
 音楽室で、いっしょに歌ったの本物のジュリアだったの?
 ジュリアが僕の詞を見て、曲を付けてくれたの?
 わあ、ど、どうしよう。」
淳一は言った。

「幻滅、してない?」と悠子は言った。
「するわけない。グレイトだよ。今、最高に感激してる。」
「よかった。もしかしたら、嫌われるかも知れないって思ってたの。」
「どうして嫌うの?感激以外の何ものでもないよ。」
「絶対秘密よ。」
「うん。わかるよ。秘密守るから。」

「あの、さっき詞で困ってるって言ったの本当なの。
 そして、淳一君の詞なら、曲が出てくることもほんとなの。
 明日にでも、事務所に行って、
 淳一君の詞を使っていいか聞いてみる。
 もちろん、作詞者として淳一君の名を入れる。
 私は、シンガーソングライターって売りだから、
 作詞のところが崩れるけど、それで、いいか聞いて見る。」

「わあ、僕、高橋さんが作るの、自作のCDだと思った。
 メジャーのCDなんだ。『恋の雫』の次のシングルのこと?」
「うん。事務所の人がOKくれたら、淳一君と共作になる。」
「そうなったら、いいなあ。僕、今日眠れないよ。」
「あたし、OKが出ること祈ってる。」


つづく(次は、「作詞家Jun誕生」です。)
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非公開コメント

1. 無題

ラックさん、おはよぉございます。
先日までの暑さとゎうって変わっての涼しい土曜の朝です。

淳一 → Jun → 純。。。
新宿で詩を売って、夜ゎゴールデン街で働いていたころのラックさんの自叙伝を思い出しました。

ラックさんの優しさ、温もりの感じられるお話でjunゎ好きです。

2. Re:無題

>junさん

コメントうれしいです。
あはっ。何かと言えば、ゴールデン街の
「典子ママ」のところを使っています。
(それ以外はあんまり知らないので。)
そこで働くのは、純、加奈の2通りなんです。

junさんのお言葉、いつもうれしくて、元気がでます。明日の分はかいてありますので、あさっての分これからがんばります。

3. うんうん

>ラックさん
私もそう思ったょd(^_^o)
良い話で良いょねえ
私もラックさんの話の中に入り楽しみにしてます楽しいょねd(^_^o)

4. Re:うんうん

>美咲ちゃん

いつもありがとうございます。
毎回、上手く書けたかなと、冷や冷やして書いてます。だから、誉めてくださると、うれしいです。
今度のちょっと長くなりそうなのですが、読んでくださるとうれしいです。
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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