女塾⑧「悠子のデビュー」<悠子合宿編>最終回

今回で、<悠子・合宿編>をひとまず終了しようと思います。
ここまで、読んでくださり、ありがとうございました。

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九月となり、合宿所に来て、2ヶ月がたった。
この時期になると、1ヵ月後の活動に向けて、
実地の訓練に入っている。
有紀と梨奈は、AKDに入ることになり、
すでに、メンバーと行動を共にしている。
AKDから2名が辞めるらしく、そのポジションができるよう
ダンスや歌の練習している。

悠子に来る有紀のメールは、とにかく大変だとばっかり言って来る。

悠子は、大滝と共に、九月1日発売予定のシングルの製作に入っていた。
悠子の弾き語りのバラードと、バックバンドを入れた、速い曲。
コーラスも入り、豪華な曲になる。どちらも、悠子の作曲だった。

バックバンドとコーラスはしあがり、CDが送られてきた。
あとは、合宿所のそばにある音楽スタジオで、悠子の声を入れるだけだった。

九月から始まる、オシャレな推理ドラマのエンディングに流す。
曲名は、とりあえず「恋の雫」とし、本命である。

ドラマのエンディングの撮影と、
プロモーション・ビデオの撮影との計画が今進んでいる。

その日、CDジャケットの写真を撮りにカメラマンが来た。
悠子がピアノを弾いている姿をとる。
黒い周りに、悠子の黒いドレス、顔と髪だけが、写るように撮影された。
「彼女、絵になりますね。」とカメラの安田が、大滝に言った。
「そうだろう。これで、歌もいいんだよ。最高に魅力的に取ってよね。」と大滝が言った。

1ヶ月が瞬く間に過ぎ、大滝から、出来上がったCDをもらって見たとき、
悠子は、涙が出るくらい感激した。
名前は、「ジュリア」という苗字なし。
ジャケットの表は、ピアノを弾いている悠子の顔。
そのほかは、ピアノの角、黒いワンピースのしわ、
黒と白が絶妙のバランスで写っていた。
裏は、バックバンドと髪を振り乱しながら、踊っている姿があった。
中に、悠子のアルバムが入っていた。
サービスたっぷりなCDである。
悠子は、余分に3枚もらった。

明日、放送のドラマのエンディングで流れる。
ドラマは、今人気一番の推理作家の「金曜日には赤いバラを」。



3ヶ月の合宿が終了した。
しかし、終了式に集まれたのは、
3人だった。悠子と、モデル志望の唯と愛美。
一応形式どおり式を終えた。

悠子は、唯と愛美に抱き合って別れを惜しんだ。

家に帰れることになった。
ドレスが一杯たまり、大きな紙袋を2つ借りた。
今日は家族とゆっくりできる。
明日から、学校へ行けるように、
母が、性適合手術終了の証明書をもって、
戸籍の変更と、名前の変更(悠子)を終えてくれている。
そして、入学できる学校を探してくれた。
元の学校では、素性がわかってしまう危険があった。

悠子は、自分のCDのことは、一切家族の内緒にしていた。
その方が、サプライズで楽しいと思った。



バスは発ち、3時間をかけて、元女塾のあったところへ着いた。
悠子は、水色のワンピースを着ていた。
手術後初めて着た、記念のワンピースだ。

午後5時になっていた。
悠子は、家に電話した。
そして、荷物があるから、タクシーで帰ると言った。

悠子の高橋家では、みんな心臓を高鳴らせて、悠子の帰りを待っていた。

悠子も、タクシーの中で、心臓を高鳴らせていた。
みんなが自分を見て、なんて言ってくれるだろう。
ああ、もうすぐ家に着く…と悠子は生きた心地がしなかった。

タクシーにお金を払い、両手に荷物を下げ、インターフォンをならした。
「悠子?」と母の声。
「はい。ただ今。」
みんながドアを開けて出てきた。
妹の紗江が、一番に飛んできた。
「わあ、お姉ちゃん、綺麗、美人、すごーい。」と拍手をしながら喜んだ。
紗枝は、すぐ荷物をもち、悠子は、父母の前で言った。
「お父さん、お母さん、ただ今。悠子になって帰ってきました。」
父和明は涙ぐんでいた。
母信子は、悠子を抱き、
「綺麗よ。ステキな女の子になれたのね。よかったね。」と涙を流した。
「お母さん。ありがとう。」と悠子は涙をこぼした。
「お父さん。ご心配かけました。」と悠子は言った。
「うん、うん、よかった。よかった。」と和明は、涙を流した。

食卓には、ご馳走が用意されていた。
みんなで盛大に乾杯した。
話は、尽きることがなかった。

父和明は言った。
「それで、明日から1年間、学校が終わったら芸能活動するんだろう。」
「それがね、ある程度家に居られることになったの。
 あたし、テレビもでないし、雑誌の取材もしないし、
 作曲だけしていけばいいの。それは、パソコンのファイルにして送ればいいし、
 ただ、年末にライブをさせてくれるの。そのときは忙しいと思う。」
悠子は言った。
「お姉ちゃん、それ、ZARDみたいじゃない。なんかベールに包まれてる。」
と紗枝が言った。
「そうなの。ZARDとちがうのは、ライブがあることだけなの。」
「かっこいいな。シンガー・ソング・ライターだよね。」紗江が言った。
「うん、まあ、そうなの。」と悠子。

時計が、8時になった。
紗江があわてた。
「テレビ。あれだけは見よう。『金曜日には、赤いバラを』。今日からよ。」
「ああ、あれだけは、見るか。」と父。
「そうね。ぜったいおもしろいから。」と母も言った。
悠子は密かにほっとしていた。
みんなが、見なければ、CDのことを自分から言うつもりだった。

みんなは、ソファーの方へ移った。
ドラマは始まった。
驚くほどおもしろい推理ドラマだった。
悠子は、エンディングをみんなが、聞いてくれるかドキドキしていた。
でも、我家はエンディング曲まで、きっちり聞くことを知っていた。

ドラマが終わり、CMを挟まずすぐエンディングの曲になった。
『ああ、みんなが、気に入ってくれますように。』
悠子は、祈った。
暗い感じの塀に字幕が流れ、そのうち、暗い中、ピアノを弾いて歌っている悠子の映像が流れた。
みんな、歌に聞き入っていた。
悠子の映像が終わって、また塀の映像になった。
「今のだれだ?紗江知ってるか。」と父。
「知らない。でも、超いい。」と紗枝。
「人気出るわね。」と母。
悠子は、ハンドバッグの中から、自分の3枚のCDを出してきた。

「お母さん、ジュリアって人だよ。曲は『恋の雫』。」紗江が言った。
エンディングが終わり、
『ジュリアのCD本日発売』という短い映像と文字が出た。
「この人いい。それに、すごい美人。」と紗江が言った。

そのとき、悠子は、3人にCDを1枚ずつ配った。
「みんな、ほめてくれて、ありがとう。」悠子は、にっこり笑ってそう言った。
3人は、CDと悠子を見比べて、
「あ、あ、うそ!今の、お姉ちゃん、お姉ちゃんなの!」
と紗江が叫んだ。
「じゃなきゃ、悠子がもってるわけない。うわー、すごすぎる!」
と父も叫んだ。
「まあ、びっくりだわ。もう、CDが出てるの?」
「お姉ちゃん、これ、大変なことよ。あの作家のドラマ、すごい視聴率なんだから。
 そのエンディングよ。わあああああ、大変!」紗江が言った。
「紗江、学校でだまっててね。」悠子は言った。
「うん。ベールで包んでおくんでしょう。でも、言いたい。自慢したいなあ。」
と紗枝はいった。

悠子のサプライズで、みんなは、また盛り上がり、テーブルについて、
飲み物を飲み始めた。



ジュリアの「恋の雫」は、ドラマのあったその日に、完売し、
初め8000枚作成だったものが、次は、30万枚作成された。
それも、3日で完売し、100万枚に向けてうなぎ上りに売れた。

取材やテレビ出演以来が相次いだが、
マーネージャーの大滝は、秘密主義をあくまで貫いた。
それは、ストーカーの被害を避けるためであると言った。
『歌手が高校生をしているのではなく、高校生が歌手をしているのです。
 だから、彼女の高校生活を脅かすようなことは、止めてください。』
と大滝はいい通した。
 取材陣は、渋々帰っていった。

 こうして、悠子は、ストーカーの被害にも遭わず、
 家庭で、穏やかに、学校の勉強と、作曲の仕事に励んでいけた。
 悠子のいちばん安らかな日々だった。

 ライブは、12月。そう遠い日ではなかった。
それまで、14曲。
 「さあ、やるか。」悠子にやる気がもりもりと湧いた。


<女塾・悠子合宿編 完>

※長々、だらだらしたものをここまで、読んでくださり、ありがとうございました。
 次について迷っています。新しいものを書こうか。悠子・学校編を書こうかです。
 その前に少し休憩いたします。

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1. 無題

女塾をすっかり楽しませていただきました。
ありがとぅございました。

やっぱりjunゎえちなシーンが大好きで「女塾①」「女塾⑦」がよかったです(///∇//)

「女装③」でゎ、カムアウトに3つの手段がありましたが、junの女装のカウムアウトに置き換えて考えてみましたが、自分にゎどれも無理かナと思いました。

junの場合、永久的な女体化でゎなく自分の都合のいいときに好きな女性に変身でき、好きなときに現実に戻れる、みたいな都合のいぃ設定が好きかもです。

もし、いつかラックさんがそんな感じの小説を書いて下さったらうれしぃです。

自分勝手な感想ばかりになってしまったことを御容赦ください。
次回作、楽しみにしています。

jun

2. Re:無題

>junさん

こんにちは。
女塾を全部読んでくださって、感謝感激です。
もう長くなっちゃって、どうやって収めようかと、苦労しました。
私もえっちなシーンが好きですので、書いていてたのしかったです。

junさんのおっしゃる、好きなときにパートタイムで変身できるっていうの、いいですね。いつか、その設定をお借りします。例えば、スーパー洋次が、トイレのたびに、洋子になれるとか。いいですね。

今、一通りの女装小説のパターンは書いてしまった気がしているので、少し休んで、心機一転しようと思っています。
また目にしてくださると、うれしいです。

ありあとうございます。
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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