スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

女塾②「家族の理解」

昨日の予告と違った内容になってしまいました。すみません。
家族へのカムアウトが先なので、それを書きました。

=============================

「女塾」のビルを出ると、外は暗くなっていた。

悠太はすぐにメールを入れて、今から帰ると伝えた。

親を説得できるだろうか。
いままで、女の側面を隠し通してきた。
でも、女の子になりたい。
一生男で暮らすなんて地獄だ。
女の心を持ったままで、結婚なんかできない。
何もかも親に言おう。
それさえできれば、高校の休学の問題は小さなことに思えた。

受付の女性は、悠太が帰るとき小さなパンフレットをくれた。
すると、そこには、「親にカムアウトする方法」などが書いてあった。
悠太は、それを、大事にカバンの中に入れ、家に帰った。

ちょうど、夕食の時刻だ。
父と母と中2の妹の紗江が、もうテーブルについていた。
いつものように「いただきます。」をして、
いつものように、和やかにお話をした。
いつものように「ごちそうさま。」をした。
和やかな会話のある温かい家庭だ。

『ああ、とても言えない。』と悠太は思った。

悠太は、自分の部屋へ入り、「女塾」のパンフレットを見た。
「親にカムアウトする方法」のところを初めに見た。
そこには、こう書かれていた。
『入塾するのに、いちばんのハードルは家族へのカムアウトです。
 その方法をいくつか述べます。
①外で女装をして、そのまま帰ってくる。
 驚く家族の前で、そのままカムアウトしてしまう。
②自分が女装した写真を、さり気なくテーブルの上において学校へ行く。
 家に帰って、両親の詰問がある。そこでカムアウトする。
③上の2つともできないときは、親へカムアウトする内容の手紙を書く。
 それを、テーブルにさり気なく置いておく。親がそれを見て、後で詰問されたとき、
 自分の意志をはっきりと伝える。

いずれにしても、入塾には、親の承諾書がいるので、
家出をすることはできなかった。

悠太には③の方法しか残されていなかった。
女装の道具も服もなかった。
悠太は、手紙を書いた。封筒に、お父さん、お母さんへとして手紙を入れた。

次の朝家を出るときに、それを女塾のパンフレットにはさんで、
母のドレッサーの上にさり気なく置いて、家を出た。

母が、悠太の手紙を見つけたのは、午前10時ごろだった。
母信子は驚き、待ったなしだという気がして、
夫の会社へ電話を入れ、一刻も早く早退して欲しいと言った。
夫和明は、30分で帰ってきて、悠太の手紙を読んだ。
悠太の手紙には、女になることを許してくれないなら、
自分は生きていけないと書いてあった。

「その女塾へ行ってみよう。パンフレットに地図がある。
 信用の置けるところかどうかこの目で見よう。」和明はそう言った。

二人は、駅近くの女塾へ言った。
カウンターに、近藤久美がいた。

「ポスターにあるような変身が、現代医学で可能だとは思えません。
 ポスターは、偽りではないのですか。」和明は言った。
「もし、私共が信用が置けるとご判断のときは、
 悠太さんの承諾証にサインをいただけますか。
 企業秘密をこれから見ていただこうと思っております。
 それを見て、やはり入塾させないでは、私どもは、秘密を守れません。」
久美はそう言った。
和明と信子は、少し相談した。
「悠太は、もう男として生きていけないと言っているのよ。
 自殺をするかも知れない。
 企業秘密まで見せていただいて、納得できたら、ノーとは言えないわ。」
信子の言葉に、和明は反論しなかった。
二人は、久美にうなずいた。

久美は、二人を靴のまま案内して、
ベッドルームの隣の扉を開けた。
そこは、エレベーターになっていた。

久美は、二人を2200年の未来社会へ連れて行ったのだった。

和明と信子は、全てを見た。
そして、納得をした。

元のビルに戻って来たのは、1時間後だった。

「一つ聞いてよろしいですか。」と和明は聞いた。
「はい、どうぞ。」
「どうして、こんなビジネスをなさっているのですか。」

久美は答えた。
「あの町をご覧になってお分かりかと思いますが、
 2200年では、いくらでも簡単に整形ができ、
 若返りも可能です。
 つまり、誰もが美女であり、ハンサムです。
 こうなると、可愛いことや、美しいことが価値をもたなくなります。
 ですから、私達は、そういう物が価値を持っていたこの時代でビジネスをしているのです。」
「男の子から女の子になりたい子に限定しているのは、なぜですか。」
「それは、例えば、若くなりたいという女性の願望を叶えることもできます。
 しかし、性同一性障害の青年の願望を叶える方が、
 より急務であると思っているからです。
 同障害の女子よりも幾分男子の方が深刻です。
 まだ、私達は、ビジネスの端緒についたばかりです。
 より価値のあることから、初めているのです。
 また、このビジネスのことは、今の社会では、タブーに当たることと思います。
 絶対のプライバシーが守られなくてはなりません。
 そこで、塾生を10人という小人数でやっています。」
久美は言った。

和明も信子も納得した。



悠太は、その日、なかなか家に帰れずにいた。
両親は、あの手紙を読んだだろうか。
家に帰ったら、父の拳骨が待っているのだろうか。
母や妹の紗江が、泣きわめいているだろうか。

悠太は、その事態が恐くて、町で油をつぶした。
夜7時になり、家にメールを入れた。
「遅くなったけど、今から帰ります。」
「気をつけて、帰っていらっしゃい。」
母のメールの文は、いつものようだった。
まだ、自分の手紙を読んでいないのだろうか。

悠太は、勇気を出して、家に帰った。
チラリと、母のドレッサーの上を見た。
自分の書いた手紙が、女塾のパンフの間に挟まれていた。
悠太は、食事のテーブルについた。
みんな、いつもの穏やかな顔をしていた。
(手紙は、まだ見られなかったんだ。)
悠太は思った。

「いただきます。」をした。
しばらくして、隣の紗江が言った。
「お兄ちゃん。あたしは、気にしないよ。
 お兄ちゃんが、女の子になっても。」
悠太は、ドキンとして、紗江を見つめた。

「悠太。母さんと二人で、塾に行ったんだ。
 信頼のおけるところだとわかった。
 だから、塾で、悠太の願いを叶えてもらいなさい。」
そう父が言った。
「手紙を書くのに、勇気が要ったでしょう。
 今まで、私達にも言えなくて、辛い思いしたわね。
 ごめんね、今までわかってあげられなくて。」
母を見ると、母が涙を浮かべていた。
みんなの眼差しが温かかった。
悠太の目に、涙があふれてきた。
「みんな、ありがとう。
 ぼく、うれしい。ありがとう。」
悠太は、泣いた。思い切り泣いた。


つづく(次は、「女塾開始」です。)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

リンク
最新記事
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧

自己女性化愛好症

御中根 蕗菜 です

女装子動画 Japanese crossdresser porn

enma’s blog

瞳のセルフヌード

毎日が日曜日

女装子&ニューハーフのペニクリ&アナルマンコ

MadameM【秘密の手帳】

川*´v`*川し

復讐の芽 ***藤林長門守***

橙の電車
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。