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続・美雪と瞳⑤「由希、家族へのカムアウト」

玄関を明けると、両親が迎えに出てきた。
由希の母信子は、背が高く体格もよく、肝っ玉母さんのようだった。
父則夫は、逆に小柄で細く、優しそうだった。

母信子は、女装している由希を見て、
早、察したのか、大きなテーブルのある客間にみんなを案内した。
由希の後ろに横4人、みんな座布団に座った。
テーブルを挟んで、母信子と父則夫が座った。
信子は、どうどうと座っていた。

由希は、今死ぬほどの勇気を振るっているところだった。
やがて、口を切った。
「あの…お母さん、お父さん。
 世の中に、体は男だけど、心は女だったり、
 体は女なのに、心は男だったりする人がいるの知ってると思うの。
 ボクは…ボクは、そんな一人なの。
 小さい頃から、女の子になりたかった。」
由希の声が、涙声になっていた。
由希は、言葉を続けた。
「そして、もう、男として生きていけないの。
 今日大塚さんが、ボクに女の子の格好をさせてくれた。
 うれしかった。」
由希は、声をしゃくりあげながら続けた。
「お母さん、お父さん、ぼくは、女として生きて行きたい。
 女としてじゃなければ、もう生きていけない。
 お父さん、お母さん、そんなボクを認めてください。」
そこまで言って、由希は、大声で泣き始めた。
美雪始め3人は、もらい泣きしていた。
母も父も涙を浮かべていた。

やがて、信子が言った。
「由希、よく勇気を出して言えたね。
 お母さん、それが、うれしい。
 知っていたのよ。
 いっしょに暮らしていれば、わかるもの。
 だけど、こっちから尋ねることは、しなかったの。
 由希は、勇気が足らなくて、いろんなこと言えずにきたでしょう。
 でも、自分の一生のことくらい、
 勇気を出して、自分で言うべきだと思って、待っていたの。
 ちょっと待って。」
と信子は言って、4、5冊の本を持ってきた。」
「由希、これを見て。」
信子は言った。
それは、全て、性同一性障害に関する本だった。
「お母さん。」
と由希は、涙の目を拭いて、母を見上げた。

「これ全部読んで、いざというときが来てもいいように、勉強したの。
 お父さんとは、とっくに話し合って、覚悟をしていたの。
 だから、由希。明日クリニックに行って、
 女の子の洋服をたくさん買いに行きましょう。
 由希が、死ぬほど勇気を出してカムアウトしたご褒美。
 由希は、今からあたし達の娘よ。」
「お母さん。」と由希は言って、立って信子の元へ行き抱きついた。
そして、父にも。
「今まで、辛い思いをしたな。もう大丈夫だよ。」
父の則夫は泣きながら言った。

美雪、拓也、初音、未来もハンカチを出して泣いていた。

信子は、後ろの4人に言った。
「由希が勇気出せたのは、みなさんのお陰だと思います。
 どうも、ありがとう。大塚さんはどちら?」
美雪は、「はい、あたしです。」と言った。
信子は「ありがとう。由希を女の子にしてくれて。」
美雪は、「あの、あたしも同じなんです。GIDです。」と言った。
拓也が出てきて、
「俺もそうです。由希さんと逆ですけど。
 俺や、美雪さんがいるから、クラスは完全にGIDへの理解があります。
 安心してください。」
と言った。
「そう、それは安心だわ。」と信子は喜んだ。

由希は、5人兄弟で、いちばん上だった。
母信子は、弟や妹達を呼んだ。
4人がやってきた。
信子は、
「みんないいかい。由希お兄ちゃんは、今日から女の子になったの。
 だから、お姉ちゃんって呼ぶんだよ。」
下の中学生の久美が言った。
「うん。お兄ちゃん、女の子みたいだったから、思い切り女の子した方がいいと思ってた。
 お兄ちゃん、あ、お姉ちゃんか。お姉ちゃん、可愛いよ。女の子にしか見えない。」
他の弟、妹たちも、
「うん、いいよ。お姉ちゃんって呼ぶ。
 もう、お兄ちゃんに見えないもん。」
そう言った。
由希は顔を上げて、
「みんな、ありがとう。お兄ちゃん、これから、自分のこと『あたし』っていうからね。」
そう言った。

美雪、未来、初音、拓也が帰るのを、家族中で見送ってくれた。
美雪は、洋服やカツラを、しばらく貸すことにした。

朝田家を離れた4人。
「ああ、よかったなあ。俺も家族に言うとき、死ぬほど勇気いったよ。」と拓也は言った。
「あたしも。言いながら、泣いちゃった。」と美雪。
「由希、よかったなあ。そうだ、これから由希(ゆうき)のこと、由希(ゆき)って呼ぼう。」
と、初音が言った。
「『ゆうき』でも、女の子ありだけど、『ゆき』だと、まず女の子だもんね。」
と、未来が言った。
「それが、いいね。」とみんなが言った。

日が暮れて、空が紺色に染まっていた。
美雪は、今の由希の家のようすを想像していた。
きっと、みんなで賑やかに、
由希の女の子としての誕生を祝っているだろうなと、美雪は思った。



朝田由希は、ジェンダー・クリニックに行き、GIDの診断が下りた。
両親と由希は、すぐ学校へ出向き、校長に診断書を提出し、
女子としての登校を願い出た。
それは、すぐに受理され、由希は、女子生徒の制服で、通えるようになった。
由希は、美容院にすぐいき、髪を、女の子風にカットしてもらった。
洋服もたくさん買ってもらった。
クラスでも、美雪がしたように、カムアウトをした。
そうして、新藤初音、石井未来、美雪の3人に加わり、4人の仲良しグループになった。
押上拓也もしょっちゅうやってきた。
大人しかった由希は、とてもおしゃべりな子になった。


つづく(次回は、「美雪、ピアノコンクールへ」です。)
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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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