スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

続・美雪と瞳③「由希という男子生徒」

美雪の演奏は人気となって、
美雪が次に演奏する日を、2、3年生も聞きに来るようになった。
そこで、女子達は貼り紙をした。
「大塚美雪の演奏 △月△日 昼休み。曲目『・・・・・・・』」。

すると、クラスのみんなの特権だった、椅子に座って聞けることがなくなり、
学年を越えて、先に来て座って待っている生徒が増えてきた。

美雪が、「ハンガリア狂詩曲2番」を弾くと貼り紙があったとき、
すごい評判で、弁当を早く食べて駆けつける生徒が大勢いた。
そして、20人ほどの先生達も、先に来て椅子に座っていた。

「ああ、同じクラスなのに、あたし達、立ち聞き?見えるかなあ。」と新藤初音が言った。
隣で、背の高い石井未来が笑っていた。

「ハンガリア狂詩曲2番だって、こりゃすげーや。」とある3年生が言った。
「指だって長くはないだろうに、どうやって弾くんだろう。」と隣の3年生。
「楽しみだなあ。あの子は、いつも聞かせてくれからなあ。」と3年生。

椅子の人。立ち聞きの人。廊下の人。
聴衆は、120人を越えて、学校中の生徒職員が来ていた。

美雪は、やがてやってきた。
すごい拍手を受けた。
美雪は、礼をして、ピアノについた。
美雪が一番好きで弾きこんだ曲。瞳と一番時間をかけて練習した曲だ。
美雪は、ピアノに関しては、人前で上がるということはなかった。
弾き始めると、深く曲の中に入っていけた。

美雪がピアノにそっと手をかけると、
会場はもの音一つしなくなった。

やがて、演奏が始まった。
低く重いメロディーから、高くて繊細なところ、
低い音の迫力も満点。高いところの羽根のような音も満点。
スピード感も満点。踊るようなリズムも満点。
120人余りの聴衆は、完全に魅了されていた。

美雪が、最後の音を叩いたとき、音楽室の観客は、全員立ち上がって、
スタンディング・オベージョンをした。
「すごい、これはすごいよ。」と誰かが言った。
「もう、完全に聞かせられたわ。」
「あの子、まだ1年生だぜ。すげーなあ。」
そんな声が方々でした。
聞いている生徒も、音楽一筋にやってきたような優秀な生徒ばかりだった。
しかし、美雪は、その中で特に秀でていた。

美雪は立って、礼をした。
新藤初音たちがやってきた。
「美雪、すごい。あんたって人は。」
「もう、憧れちゃったわよ。」
「ハンガリア狂詩曲だもん。もうビックリよ。」
と交互に言った。
美雪は、去年までの自分を考えていた。
死ぬことまで考えたのに。
死ななくてよかった。こんなうれしい日が来るなんて・・・。

「みんな、ありがとう。」そういうと美雪は泣き出してしまった。
「だれだって、感激するよ。」と石井未来が言った。
「それも、あるけど、美雪は、いろんなこと思い出していたんだと思う。
 辛くても、がんばってきて、よかったね。」と新藤初音が美雪を抱きしめた。

先生達は帰りながら、
「いやあ、いいですなあ。こういう盛り上がり、私は大好きですよ。」
「なんか、学校が1つになった感じで、うれしいですなあ。」
「うちの学校の生徒は、ジェラシーというものを知りませんな。驚くべきことです。
 全員、興奮して、喜んでましたよ。」
「しかし、あの子は、宝石ですな。楽しみなことです。」
と、笑いながら、こんなことを言い合っていた。



初登校の日から、2週間が過ぎた。
美雪は、始めから一番後ろの席の校庭側にいた。
美雪は、授業中、ある視線を感じていた。
それは、悪意のあるものではなかった。

美雪と同じくらい小柄で、とても幼く見え、
可愛い顔をしている朝田由希(ゆうき)という男子だ。
髪は、男子としては長髪。
席は一番後ろの廊下側で、横を向けば美雪が見える。
その彼、朝田由希が、時々美雪を見ていて、
視線が合うとすぐに目を伏せてしまう。
朝田由希は、自分に何か話をしたがっている、
でも、内気な性格で、それができないのだ、
美雪はそう思っていた。

そこで、ある20分休みに、朝田由希のところにそっと行き、
「廊下にちょっと。」と声をかけた。
由希が廊下に来た。
「あの、人のいないところへ行かない?」と誘った。
「うん。」と由希は言った。

そんな様子を新藤初音や、石井未来が見逃すはずはなかった。
二人が後をつけて行くと、後ろに押上拓也がいた。
「なんで、あんたがついてくるのよ。」と初音が言った。
「なんか俺がいた方がいい気がしたんだよ。」と拓也。

美雪と由希は、校舎の影に行った。
ついて来た三人は、校舎の角で聞いていた。

「朝田君、あたしに何か話したいのかなって感じたの。
 もしよかったら話して。」美雪は言った。
「ありがとう。ボクが勇気ないから、大塚さんの方から声かけさせちゃった。」
由希はそう言った。
「ねえ。言って。」と美雪が言った。

「ぼく、大塚さんが、クラスに来たとき、すごくうれしかった。
 あのとき、新藤さんが言ったじゃない。
 見かけが例え男みたいでも、心が女の子なら、その子は女の子だって。
 あの言葉聞いてうれしかった。」
「うん。あたしもそう思う。」
「ぼくね。」
「うん。」
「ぼく、君と同じなの。心は、女の子。
 君は、可愛くてステキだし、ピアノで学校のヒロインだし、憧れてる。
 大塚さんみたいに、みんなにカムアウトして、みんなから女の子として見られたいって、
 ずっと思ってたの。

 授業中、大塚さんを見ていると、まぶしかった。
 ボクの夢を叶えていて、勇気があって、つらい思いにもめげないで、最高だなって思って。」
由希は、そこで声を詰まらせた。
「ボク、大塚さんみたいになりたい。女の子になりたい。もう我慢できない…。」
由希は、そう言って泣き出してしまった。

美雪は、由希の涙が痛いほどわかり、自分も涙がわっと出てきて、由希を思わず抱きしめた。
「わかる。すごくわかる。朝田君、女の子になろう。あたし、どんな力にでもなる。」
「ありがとう。」と由希は泣きながら言った。

そのとき、3人が出てきた。
「ごめん、聞いちゃったの。」初音が言った。
「あたしにもできることあったらしたい。朝田君、めちゃ性格いいもん。」と未来が言った。
「朝田あ。何で男同士、俺に言わねーのよ。
 こういうときのために、GIDの俺がいるんでしょうよ。」と拓也が言った。
由希は、顔を上げた。
「ありがとう、みんな。ボクうれしい。」
そう言った。
美雪は、由希が女の子になったらきっと可愛くなると思った。

「今日、みんなでうちに来て。朝田君、一度女の子になってみよう。
 あたしと由希君、身長同じくらいだし。」と美雪は言った。
「ほんと?ありがとう。」と由希は、また泣きそうになっていた。


(次回は、「由希、女の子になる」です。)

今回の美雪の演奏した曲「ハンガリア狂詩曲2番」by Alice Sara Ott

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

リンク
最新記事
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧

自己女性化愛好症

御中根 蕗菜 です

女装子動画 Japanese crossdresser porn

enma’s blog

瞳のセルフヌード

毎日が日曜日

女装子&ニューハーフのペニクリ&アナルマンコ

MadameM【秘密の手帳】

川*´v`*川し

復讐の芽 ***藤林長門守***

橙の電車
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。