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カウンセラー高杉和也⑥「ミサからの一言」

多重人格障害という大きなテーマに取り組んでしまいました。そこで、若干説明が長くなっています。
これまで、読んでくださった方、ありがとうございました。明日が最終回です。読んでくださると、うれしいです。

===============================

弘は、4人で、丸テーブルを囲んで座るようにいった。
「和子は、もうわかっていることなんだけど、
 ルミは勉強のため、コアラは自分のため、ちょっと説明するね。

 コアラは、自分の中にもう一人、ミサという名の女の子の人格がいます。
 こういうの、解離性同一性障害、また多重人格障害とも一般にはいうのね。
 コアラは、コアラとミサの2人だから、今『二重人格障害』なのね。

 これは、こんな仕組みで起こってしまうの。
 3歳くらいのAちゃんが、大人から、死ぬほどのひどいことをされたとする。
 くり返し、くり返し。毎日。
 3歳だから、逃げることもできない。次、また、されるのが死ぬほど恐い。

 そして、その恐さで、Aちゃんの心が壊れちゃいそうになる。
 そのとき、自分の心を守るために、Aちゃんは、Bちゃんっていう人格を作って、
 自分の意識を、Bちゃんに移す。記憶は移さない。
 すると、Bちゃんには、恐いことされた記憶がないから、
 明るく過ごしていられる。

 Aちゃんがまた、ひどいことをされそうになると、
 さっとAちゃんに意識をもどして、Aちゃんとして、そのひどいことに耐える。
 で、それが終わったら、また、Bちゃんに意識をもどす。
 Bちゃんは、何も知らないで元気。Aちゃんには、つらい記憶だけがどんどんたまっていく。
 Aちゃんがどんなに辛い経験をしても、意識はBちゃんにあるから、平気なんだよ。
 こうやって、死ぬほどつらいことをしのぐんだね。

 さて、Bちゃんは、その後、大きくなっても、自分に辛いことがあると、
 また別の人格を作って、そこへ逃げる。これをくり返していると、
 人格がどんどん増えていき、多重人格になってしまうわけ。
 多い人は、200も、300も人格を作ってしまう。

 ふつう、この障害の人は、6~9人くらいの人格をもっているの。
 そして、この障害には、一人神様のような全知全能の人格がいる。
「自己内救済者(ISH)」て呼ばれてる。この人は、完全なる味方です。
 多重人格の人の場合、このISHは、人の形をしているのが普通。
 コアラとミサにとっては、4年生くらいの女の子マリア。

 例えば、8重人格の人を考えてみるね。
 セラピストとISHでがんばって、
 8人格をまとめたり、消去したりして、2人格にするまでは、成功する場合が多い。

 でも、最後の2人格、コアラとミサ、この2人を一人にするのは、
 至難のことなの。
 なぜか。それは、さっきのミサが言っていた通り。
 Aちゃんは、いつも辛い役。Bちゃんは、何も知らずにるんるん。
 Aちゃんから見て、Bちゃんを許せないよね。
 Aちゃんは、Bちゃんを憎んでいる場合が多い。
 だから、むずかしい。

 そこで、2人を1人にしないで、『共存』って形でいくこともある。
 2人が1つになることを、『統合』って言うんだけど、これが叶ったら最高。
 ミサは、死ぬほど辛くて恐かった記憶を持ってる。
 『統合』したら、その記憶がコアラに流れてくる。
 コアラがそれに耐えられるかどうかが、問題。
 それは、マリアに聞いて見ないとわからないのね。」



「ぼくは、そのBちゃんなんですね。そして、ミサがAちゃん。」
そう言って、コアラは、目に涙をためた。
「何にも知らなかった。ぼく、ミサにずっと悪いことしてきた。」
と泣き出した。

「コアラ、もし二人が1人になれたら、コアラの楽しかった思い出が、
 ミサにも全部流れるの。ミサを幸せにできる。」
弘が言った。

和也は、コアラの肩を抱いて言った。
「だから、これから、どうすれば、2人は1人になれるか、
 みんなで、考えようとしてるんじゃない。
 セッ・クスの後で、ミサが出てきたでしょう。
 あれは、すごい進歩なんだから。ね、弘子そうよね。」

「その通り。そして、ミサは、あれだけのことを話してくれた。
 ものすごい進展だよ。」と弘は言った。

コアラは、やっと少し笑った。



ミサは、自分を恨んでいる。
そのミサの気持ちを、少しでも和らげること。
コアラは、今までミサがしていたつまらないこと。
それを全部、自分がしようと思った。
そして、楽しいことを全部ミサに譲ろうと思った。

それから、ミサへ、大学ノートに毎日メッセージを書こうと思った。
返事など、もらえっこない。だけど続けようと思った。
ミサは女の子だから、家では女装をしようと思った。
ミサが出てきたときその方が喜ぶから。

ミサは、性的虐待を受けた。
だから、やさしい愛情のあるセッ・クスを何回も経験する必要があった。
そのために、和子のマンションや、ルミのアパートへ行って、
セッ・クスを重ねることを頼んだ。

2週に1度、催眠治療院へ言った。
毎回、和子が来てくれた。ルミもいた。



コアラは、リサイクル・ショップへ行って、
ほとんど只のような、女の子の服をたくさん買ってきた。
家では、女の子として暮らそうと思った。

朝一番、女の子の服を着て、母の朝食作りを手伝った。
「あら、どうしたの。その格好。ミサかと思った。」と母が言った。
「うそ!母さん、ミサ知ってるの?」コアラは驚いて言った。
「だって、毎朝手伝ってくれるもの。」と母が言う。
「ぼくと、ミサと区別がつくの?」
「つくわよ。近づいてくるだけでわかる。」
「そうなんだ。」コアラはそう思った。

「ミサはお料理が上手?」と聞いた。
「毎日食べてるくせに。」
「お母さんが作ってたんじゃないの。」
「あたしは、お料理下手だもの。ミサの手伝いをしてただけ。」
「今日、ぼくが作るからね。」
コアラがそう言ったときに、意識を失った。

気が付くと、朝食ができていて、自分は、テーブルに座っていた。
『この朝食は、ミサが食べるべき。ミサ、ここで出て来て、朝食を食べて!』
コアラは、目をとじて念じた。
だが、いくら念じてもミサは出てこなかった。



学校へは男子の制服で行く。

20分休み、トイレに行こうとした。
すると、男子トイレにいた数人が、コアラを通せん坊した。
「コアラ、お前は、女子だろう。」という。

コアラには、はじめての、ことだった。
そうか、こんなとき、ミサが出てきて、自分の代わりに嫌がらせを受けたんだ。
コアラは、そう察した。

コアラは、1階に行って、静かな男子トイレに入った。
ふと思いついて、個室の方に入った。
もし、リサが出てきたとき、立ってしていては、恥ずかしいだろうと思った。
そして、思った。
『さっきは、ミサが出てこなかった。』
やった、辛いことを1つ、自分が受けることができた。



昼休み、コアラは、男子の激しい遊びは苦手なので、
教室の窓から、ぼんやり校庭を眺めていた。
そのとき、ふっと意識がなくなり、
気が付くと、20分休みが終わっていた。
『あ、今、ぼくは、ミサだったんだ。』
そう思った。

学校で、ミサになれたのは、あと1回。
音楽の時間に意識が飛んだ。
音楽の時間によくこうなる。
ミサは音楽が好きなんだと思った。

学校からかえって、ワンピースに着替えた。
そして、赤ちゃんを乳母車にのせて、子守りをしていた。
弟、妹達が寄ってきた。
「なんだ、今日は、お姉ちゃんじゃないんだ。」
と弟妹達がいった。
「ぼくじゃ、だめ?」とコアラは言った。
「お姉ちゃんの方が、やさしいよ。」
と妹が言った。
そのとき、コアラの記憶は消えた。

夕食を作ろうとしたが、朝と同じ、
気が付いたら、テーブルに座っていた。
ミサは、出てこなかった。
コアラが食べた。

夕食が終わって、家族みんなで、お笑いのテレビを見た。
『こんな番組を、ミサに見て欲しい。』コアラは、強く思った。
みんなで、ゲラゲラ笑っているとき、コアラの意識は飛んだ。
気が付くと、テレビを見ながら、2時間経っていた。
ミサが見ることができたのかな。
それならば、うれしい。コアラは思った。



その夜、コアラは、ミサへのメッセージを書いた。
『ミサへ。
 今日は、ミサの仕事をしようとがんばってけど、全然、ダメだった。
 ごめんね。学校で、女の子扱いされ、嫌がらせされた。
 今まで、あんなとき、ミサが出てきて、嫌がらせを受けてくれたんだね。
 ありがとう。
 今日テレビを見ているとき、意識が飛んだ。
 ミサが、テレビを見られたのだったら、うれしい。
 じゃあ、今夜はこれで。
 おやすみなさい。 コアラ 』

ミサからの返事は、一度もなかった。
自分を恨んでいるミサにとって、それは、あたり前だとコアラは思った。
しかし、コアラは書き続けた。



それから、3か月余りが過ぎた。
もう9月の中ごろだった。

コアラは、努力を、毎日続けた。
ミサの出てくるときが、少しずつ増えてきた。

朝起きたら、真先にノートを見るのが、コアラの習慣になっていた。
一度も返事があったことがない。
それでも、期待して、見た。

そして、ある朝、コアラは、見た。

『コアラへ ありがとう。 ミサ。』

コアラの目にいっぺんで涙が、あふれた。
ミサが…ミサが…と思い、コアラは、声を上げて泣いた。


つづく(次回は、「コアラとミサの統合」最終回です。)
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1. 最後の、

ミサが出てありがとうって言葉は良かったょd(^_^o)
ラックさんなかなか良いの書きましたねヾ(@⌒ー⌒@)ノ
良いですょd(^_^o)
統合まで大変だけどコアラの事ねラックさん頑張って書いてくださいねラックさんの楽しみにして待ってますねヾ(@⌒ー⌒@)ノ

2. Re:最後の、

>美咲ちゃん

今日、だらだら書いちゃったかなって、気にしていたんです。
コメントくださってうれしいです。
明日のが、まだ書けていなくって、今、あせってます。
明日、出かける用があるので、ますますあせっています(汗)。

3. 御名は存じあげておりましたが、、

こんばんは。訪ねたの初めてだけど、面白かったです。明日の最終回、楽しみに待ってます。

4. Re:御名は存じあげておりましたが、、

>ともさん

ごめんなさい。前のコメ見ずに、勝手なこと書きました。あす以降でも、気長に更新、待ってます。失礼いたしました。

5. Re:Re:御名は存じあげておりましたが、、

>ともさん

はじめまして。
長々としたのを読んでくださり、
ありがとうございます。
今日は、急用が入り、書けそうにありません。
明日は、投稿できると思います。
読んでやってくださいませ。

6. 多重人格

ラックさんの物語は、いつも全然予想と違う展開で驚きます。

AG(だと私は彼をそう思っていますが)と多重人格を絡めてテーマに扱うなんて。

私はダニエル・キイスの本が好きで、
彼の「24人のビリー・ミリガン」を少し思い出しました。

私は多重人格の人と触れ合ったことがないですが、
本当に多重人格の人ってガラリと変わるらしいです。

これから最終話を読みに行きます。

7. Re:多重人格

>みすりんさん

コメントありがとうございます。
「24人のビリー・ミリガン」をお読みになったのですか。私は読んでいないので、ちょっと引け目なのですが、今回、多重人格をテーマにしてしまいました。

多重人格の人は、ほんとに性別や年齢を越えて、違う人格をもっていますね。
そして、幼少期に必ず、死に値する恐怖の経験を持っていますので、悲劇性が高く、ほんとに私なんかが書いていいのかと迷いました。

でも、最後は「統合」してハッピーエンドにしたくて書きました。
読んでくださって、とってもうれしいです。
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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