FC2ブログ

オーロラ姫は男の子④「巨匠安井民男と対談」((挿入話)

ここに登場する作家安井民男は、誰かをイメージしたものではありません。
ストーリーの調子が変わりますので、「挿入話」としました。
全くのフィクションです。
読んでくださると、うれしいです。
============================

オーロラ姫は男の子④「巨匠安井民男と対談」((挿入話)


安井民男は、むっとした。

安井民男は、今日本を代表する小説家であり、
著作は、方々の国で翻訳され、世界的な作家であった。
ただ一つ、性格的に偏りがあり、独特の正義感を持っていた。

テレビ局から、対談の依頼であったが、
その相手が、16歳の女性推理小説作家だという。
まだ1冊を出したばかりだが、
その売り上げが150万部を突破したとのこと。

「なんで、オレが、そんな小娘と話をしなくちゃならない。」
と安井は言った。

「それが、お偉い方からの、是非にというご依頼で、断れません。」
と書生の金子がいう。
金子明は、安井がただ一人そばに置いている絶対信頼のおける書生だった。
「オレは、対談なんて今までしてないからね。相手がどれだけえらかろうが。」
「30分なんです。その時間だけ我慢してくれませんか。」
「どうしても、断れんのかね。」
「はい、どうしてもです。」

「わからんなあ。どうしてオレと推理小説作家なんだ。テーマは。」
「ありません。」
「じゃあ、どう曲がりくねってもいいんだね。」
「と、思います。」
「ふん。」
安井民男は、返事ともとれない返事をした。

対談が、明日という日、書生の金子が本を持ってきた。
「対談のお相手が書いたものです。」
と言って、置いていった。
安井は本を手に取り、ぱらぱらっとめくり、
ごみ箱に捨てた。
思い返したのか、さっと名前だけ見て、また、ごみ箱に戻した。
「オーロラか。お姫様気取りだな。」そう言った。

当日がやってきた。
テレビのライブ放送だ。多くの国にも放映されている。
司会が、安井民男を向かえることができたことは、
どんなにすごいことかをくり返していた。

その相手が、16歳の推理小説家オーロラとあって、
ユニークな対談であることを、語っていた。

番組は、安井の希少価値とオーロラの人気も加わり、
番組の視聴率は40%を超え、局としては、歴史的なものとなった。
視聴者が、オーロラを映像で見るのは、これが初めてであった。

世界の安井民男に、新進気鋭のオーロラが、
16歳にしてどこまで食いついていけるか、
視聴者の興味は尽きなかった。
二人の対談に対し、100名の視聴者が、スタジオの中にいた。
50人は、オーロラファン。もう50人は、安井ファン。

オーロラがやってきた。
白いふかふかのスカートと上着。
頭に白いベレーをかぶっていて最高に可愛い。
視聴者のほとんどが、すごい声援を送った。
お茶の間の視聴者のほとんどは、本の写真より、数段可愛いと思った。

安井民男が出てきた。
同じくすごい拍手があった。

二人の間には、テーブルがあり、安井のところには、10冊ほど。
オーロラのそばには、1冊だけあった。

司会無しのフリートークだった。
いよいよスタート!

オーロラが、
「先生は…。」と言ったとき、
安井は、
「私は、先生と呼ばれるのは、嫌いだ。
 書生には許しているがね。一般の人からそう呼ばれたくはない。」
「では、安井さんでいいのですか。」とオーロラ。
「そうですね。」と安井は言った。

次に、安井が、
「あなたのようなお若い女性がですね…。」というのを、オーロラは止めた。
「あの、私は、女性ではありません。途上ではありますが。」とオーロラが言った。
「じゃあ、男なの?」と安井が言った。

100人の観客。スタジオにいたほとんどが、
「その言葉はまずい。」と顔をしかめた。
オーロラは、その言葉に少なからず、ショックを受けた。
安井が、自分の本を読んでくれていないことを悟った。
それは、しかたないとして、
完全に女装をしている自分に対して、「じゃあ、男なの?」
という言葉は、あまりにも心ないものに思えた。
悲しく、涙がにじんできた。
オーロラは、こらえきれず、ハンカチを出して、目に当てた。

オーロラ側の50人は、オーロラの涙の訳を痛いほどわかっていた。
安井側の50人も、「じゃあ、男のなの。」は、ひどい言葉だと思っていた。

安井は、オーロラの涙の意味が分からず当惑した。
女性じゃないというから、男なのかと聞いたまでだ。
そう思っていた。
「なぜ泣いているのか、理由を教えてくれたまえ。」
安井は言った。

オーロラは、悲しみの後に、怒りが込み上げてきた。
しかし、安井を迎えた貴重な番組に、自分が、怒りをぶつけていいものか迷った。
そして、ガラスのブースの中のプロデューサーに目をやった。
プロデューサーは、はっきり「言え。」とのジャスチャーをしていた。
オーロラは、意を決した。

「私は、今日の日のために、安井さんの著書をすべて読んで参りました。
 それが、対談する方への最低の礼儀だと思ったからです。
 一冊も読まずに、今日の対談に臨むなど、非礼の極みだと思っていました。

 それを、安井さんは、おそらく私の著書、1つしかありません、
 それも、お読みいただけず、ここにいらした。
 お読みいただけたのなら、私の「女性ではない。途上ではあるが。」の意味を、
 ご理解くださったはずです。」

しばらくの沈黙の後、安井が口を開いた。
「私は、ウソは嫌いだ。
 正直にいいます。あなたの本を読んできませんでした。
 お名前だけは見ました。」
会場に、どよめきが起こった。
プロデューサーは、頭を抱えた。
安井は、そのどよめきは、自分を非難するものと感じた。

「プロフィールさえ、ご覧いただけなかったのですか。」
「わざわざ、あなたのプロフィールを見る必要を感じなかったのです。
 あなたのことを、取るに足らないと思ったのです。」
安井は『嘘は嫌いだ。』と明言した以上、
方便としてのウソもつけなくなっていた。
爆弾発言であることは、わかっていた。
自分がどれだけ窮地に立とうが、事実を正直に発言する姿を、
嘘ばかりで、塗り固めた人種に見せたかったのである。

(つづく「安井退場」です。)


※もし、ポチをくださる方。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



スポンサーサイト
プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

リンク
最新記事
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧

御中根 蕗菜 です

女装子動画 Japanese crossdresser porn

蕗の葉陰にフキノトウ

毎日が日曜日

女装子&ニューハーフのペニクリ&アナルマンコ

MadameM【秘密の手帳】

川*´v`*川し

復讐の芽 ***藤林長門守***

橙の電車
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム