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スーパー洋子「私立桜台女子高校」①「洋子、新担任になる」

スーパー洋子「私立桜台女子高校」①「洋子、新担任になる」


写真記事が続きましたので、再投稿ですが、スーパー洋子を投稿します。
これは、2012年の作品で、「則子になった孝一」を書いた頃に書いています。
私のお気に入りなので、一度再投稿しているかも知れません。
スーパー洋子のイメージがやっと固まった頃で、倉田洋次が出て来ています。
学園物、痛快風なお話で、全4回で終了です。(1回が少し長いです。)
読んでくださると、うれしいです。
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スーパー洋子「私立桜台女子高校」①「対決TOP3」


いつものように、上司近藤百合子にさんざん説教をされ、
洋次は、参っていた。
お腹の調子が悪い。
朝一番からこうだ。いやだなあと思いトイレに立った。
トイレの個室で休むのが、洋次の目的だ。
この頃、トイレに行くのも、楽じゃない。

ぼちぼちがんばるかと、トイレのドアを開けると、ここは出版社ではない。
自分の格好を、鏡に映してみると、
紺のジャンパースカートに、丈の短い上着。
「うわ~、これ女子高生の卒業式の服みたいじゃない。」
 髪も乙女チックな頬までのストレート。前髪あり。
 これでは、益々、女子高生だ。背も低い。」
洋子になった洋次は、がっくりきて、
下唇を出して、ふーと前髪に息をかけ、前髪の一部を飛ばした。

ちゃんと、スーパー洋子になってくれてるのかな、
と洋次は心配になった。

トイレから出ると、女子高生達がいる。
ここは学校か。
そばにきた、女の子に聞いてみた。
「ねえ。ここ、なんていう学校?」
「はい、桜台高校です。」
まさかと、洋次は思った。
あの天下の女子高の名門、桜台高校か。
1学年80人しかいないのに、
毎年T大に40人近く入るという恐ろしい学校だ。
中には、すごい子がいるだろうなあと思った。
天才的な子もいるかも知れない。

洋子(以下、洋子)がそんなことを考えていると、
「あ、倉田先生。校長との打ち合わせお願いします。」と事務の人に言われた。
えええ?自分は、先生なの??。ここのお???
こんな名門校の?それは、いやよ、と洋子は思った。
だったら、もうちょっと大人びたスーツかなんか着ていたい。

校長室に入ると、頭の半分はげた校長にソファーを勧められた。
「えー、倉田先生に半年の契約で担任をお願いしたいのは、
 3年生のA組なのです。B組より1ランク優秀な生徒のクラスです。
 毎年、T大にほぼ全員合格していますのは、このクラスです。
 
 しかし、大変問題のあるクラスでしてねえ。
 お恥ずかしい話、我が高校の正規の職員に担任の持ち手がなく、
 仕方なく、外部からの講師の先生に担任を受け持っていただいて来ました。
 ところが、この半年、どの先生も1ヶ月ともたず、辞めていかれました。
 中には、即日お辞めになった先生もいます。」
校長は汗を拭き拭き話していた。

「しかし、桜台高校と言えば、天下の名門ではないでしょうか。
 何が問題なのでしょう。」
と、洋子は聞いた。
「それが、学年で成績トップ3の3人組がおりまして、
 その3人が、担任降ろしをするんですなあ。
 先生に難問をつき付け、困らせる。
 こんな問題が解けない先生は、教師の資格はない、
 などと先生を非難し、追い出してしまうんですよ。
 高慢ちきで、生意気極まりないヤツラでして。
 あ、申し訳ない。教師たるもの、言葉が過ぎました。

 それで、倉田先生には、それを覚悟の上で臨んでいただきたいのです。
 決して、生徒の挑発に乗ることなく、
 上手く身を守っていただきたい。
 そんな事情で、先生には、時間給6000円という、
 高額をお支払いしている次第です。」
「トップ3の3人ですか。この桜台で・・。
 それは、大変なことです。天才だと困りますけどお・・。
 あ、あたしみたいな小娘につとまるんですかあ?」
と洋子は、中学生みたいな口調で言った。

「面談で、引き受けてくださったのは、倉田先生お一人なんです。」
「あ、あたし、面談なんかしていたんですかあ?」と洋子。
「はい。引き受けてくださると。ただ、3人の生徒のことは、初耳かと…。」
「初耳ですとも!」
校長は小さくなった。
あらまあ~と洋子は思い、前髪をふーと吹き飛ばした。

しかし、洋子は悟った。自分が変身するのには、必ず使命がある。
その3人をどうにかせよというのが、その使命かと思った。
「はい、わかりました。若輩者ですが、やらせていただきます。」
洋子は言った。
「ああ、ありがたい。1日でも長くお続け願いたい。」校長は言った。
「1日でもですかあ?」とまた洋子は中学生のようないい方をして、
校長を覗き込んだ。
「いや、今のは、より長くという意味でして…。」
校長は、また汗を拭いた。
「はあ~?はい。」と洋子は言った。

洋子は職員室の先生に紹介され、挨拶をした。
先生達は、洋子の若さに驚いたようだった。
「だいじょうぶかな。」
「新米のほやほやにみえるし。」
「1日でも、もってくれたらいいな。」
そんなささやきが、洋子の耳に聞こえた。
(洋子は、耳もスーパーである。)

そして、3年A組の「家庭調査票」をパラパラと目を通した。
(これで、全情報と生徒の顔と名前が頭に入った。)
出席簿を持って、教室に行こうとした。
「倉田先生、気をつけてください。」
「無事を祈ります。」
「生徒のペースに乗ってはだめですよ。」
と何人かの男の先生に言われた。
「はい。」「はい。」「はあ。」
と洋子は答えた。

はあ~、これはめんどくさそうだなあ…と洋子は思った。

洋子は教室に入った。
教室は静かで、みんな、受験用の問題集など出して勉強している。
「なんだ、おとなしいじゃないの。」と思った。
しかし、後ろに三人だけ、立って話をしている。
その話が、洋子には聞こえた。
「うわあ、見てアイツ。まるで中学生じゃない。」
「あれじゃあ、あたし達にやられて、1日ね。」
「朝のホームルームだけで、終わりよ。」
三人は、にやにやして、洋子を見た。

クラスは、洋子の姿を見て、かすかにざわざわとしたが、すぐに止んだ。
ほとんどの生徒が勉強に夢中だ。
担任が来たのに、勉強をやめようとしない。
3人は、席に戻ろうともしない。
「私は、倉田洋子です。本日よりこのクラスの担任です。どうぞよろしくね。」
と洋子は言った。
「出席をとります。名前を呼ばれたら、手を上げて、『はい!』と言ってね。
 手が挙がらない子は、欠席としますよー。いいでちゅかあ。」
洋子は、生徒がこちらを向かないので、あえて幼稚園児に話しかけるように言った。

ほとんどの生徒が洋子の言葉を聞いていない。
洋子は、むかっと来たので、40人の名を、すごい速さで呼んだ。
(おー、やっぱ、スーパー洋子になってる、と安心した。)
たまたま洋子の言葉をしっかり聞いていた生徒、12人が何とか手を上げ、はい、と言った。
「今日の出席12名。欠席28名。あらあら。
 はい、朝のHR、これで終わりでちゅよ。時間がくるまで、自由にちてね。
 私は、28名の家庭に、欠席の確認の電話をしに行きまちゅからね。
 28人か。うんざりでちゅう。」
そう言って、教室を出ようとした。

すると、5人位が、手を上げた。そのうち、一人が言った。
「先生、あたし手を上げませんでした。だけど、います。出席にしてください。」
洋子は言った。
「だめでちゅ。あなたは、私が説明をしているとき、
 T大の入試問題の世界史の問題を解いていたじゃありませんか。
 朝は、出席をとるのでちょう。どうして、返事をしなかったのでちゅ?」
「すいません。自分の勉強をしていました。」とその生徒。
「だったら、学校なんか来ないで、家で勉強すればいいでちゅ。」
と洋子。さらに、
「私は、一生懸命私の目を見て聞いていて、なおかつ私の言う速さについて来れない子なら、
 ゆっくりとその子に対してだけお名前を言います。
 あなたは、そういう子でちゅか。」
「ちがいます。」その子は言葉なく座った。

別の生徒が立ち上がった。
「先生は、どうしてそんな赤ちゃんに話すような話し方するんですか。
 私達バカにされているみたいです。」
洋子は答えた。
「みなさんが、幼稚園児並みのマナーしか知らないからです。
 担任の先生が来て、何か話をするときは、最低先生に顔を向けて聞くべきです。
 小学校1年生でもできますよ。
 人の顔を見ないで話を聞く。失礼なのは、あなた方です。
 28人に電話をします。そのときに聞いてみますね。
 ご家庭で、そういうマナーを学んでいないのですかと。
 天下の桜台の生徒も、地に落ちたものでちゅね。」

そう言って、洋子が教室を出ようとすると、欠席扱いのほとんどが、洋子に詰め寄ってきた。
「先生。お願いします。家庭連絡だけはやめてください。これから、ちゃんとやります。」
と一人が言う。
「どうして?」
と洋子はとぼけて言った。
「家で、叱られます。」
「だって、私の話を聞いてなかったんでしょう。家で叱られて当然でしょう?
 はい、私を通して。28件も電話があるのよ。私の身にもなってよ。」
洋子は言った。

「先生、あやまります。明日からちゃんと先生の顔を見て、お話を聞きます。
 だから、今日だけは許してください。」
生徒達がそこまで、言った。
「全員ですか。ふてくされている人は、手を上げなさい。」
すると、3人手を上げた。

「あらまあ。いるの。全員じゃなきゃ、だめです。」
洋子は全員を、座席に返した。
不思議なことに、その3人を非難する生徒がいない。
3人さえ、謝れば、自分達は助かるのに。

言わば、この3人は、クラスのボス的存在なのかと、洋子は見た。

大村夏子、木下朱実、加藤ユカ。
写真入の生徒カードを見ておいたので、洋子は全員の名を知っていた。
『ははあ、この3人か…。』洋子は思った。

「大村さん、なぜ、ふてくされてるの?」
洋子は優しく聞いた。
「先生の資格がない人に、先生ヅラされるのが、嫌だからです。」
と大村は、横を見ながら言った。
『早速来たか。』と洋子は思った。

『挑発してるつもりなのかもしれないけどね。』
と洋子は、心でにんまりとした。
「じゃあ、木下朱里さん、加藤ユカさんも、同じ考えなの。」
二人は、「はーい。」とふてくされたいい方をした。

洋子は、相手の手の内を見たくて、にこにこして言った。

「じゃあ、大村さん、どうすれば、私に教師の資格があるかどうかわかるの?」
と洋子は聞いた。
「私の持ってきた問題を解いてください。」
と大村は言う。
「科目は?」
「数学の問題です。」
「いやーね、私の専門は英語よ。でも、まあ、なんでもいいか。」
と洋子は言った。

洋子は、まだまだにっこりして言った。


■つづく(次回は、「夏子、痛恨のミス」です。)


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プロフィール

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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