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則子になった孝一⑤「則子の怒り炸裂」

物語は、今日、次回辺りが佳境です。
読んでくださると、うれしいです。
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則子になった孝一⑤「則子の怒り炸裂」


則子は、内心ニマッとして、
胸のボイス・レコーダーをONにした。

ボスの梅子が早速脅しにきた。
「則子、あんた何よ。あたし達に絶対勉強しないって約束したのに、
 それやぶったね。あんたが、3位を取らなきゃ、あたしが3位だったのよ。」
「あたし、なんにも覚えてないわよ。」
「また、あたしたちと遊ぶ?」
「遊ぶって、なんだっけ?」
「へ。道子言ってやって。」

道子が出てきた。
「トイレの水飲むとか、便所用のモップをしゃぶるとか。」
「何よ、それあたしだけがやらされたんでしょ。
 あんた達は、見て笑ってただけじゃない。」と則子。
また、梅子が言った。
「マットに包んで人間サンドバッグってのもあったわね。
 則子、あたし達に蹴られるの大好きで、
 もっとやってってよがってたわよね。」
「完全ないじめじゃないの。」則子は言った。

「それは、感じ方の違いじゃない?
 それが嫌なら、お金でもいいけど?」
「1年のとき、3万円ずつ4回もゆすったじゃない。
 全部で12万円よ。」と則子。
「今度は、3年生になったから、10万円、一回でいいよ。」
「それで、1年間、あたしに何にもしない?」

「1年間とは言ってない。少しの間は何にもしない。
 だが、勉強だけはゆるせねー。今日からやらせない。」
「1年間何もしないなら払う。パソコン買いたいから、今お金もってるし。」則子。
「今払えるのかよ。よし、特別に2ヶ月何もしないでいてやろう。
 2ヶ月たったら、また払えよ。」

則子は、胸内ポケットから10万円の入った封筒を渡した。
梅子は、思わぬ金が簡単に手に入ったと、ほくそ笑んだのだった。
梅子は、中を改め、ニヤリとして、制服の内ポケットに入れた。」
「もう、行っていい?」則子は聞いた。
「ああ、いいよ。また声かけるからな。」

則子は、体育館を抜け出し、急いで職員室の担任の元へ行った。
担任の佐野浩介は、32歳の頭の切れる頼れる担任だった。
「先生。あたし今、3年生の女子3人に脅されて、10万円を取られました。」
「だれだ?」
「吉井梅子、鮎川道子、神戸美佐の3人です。
 10万円はピン札で、私の指紋が着いています。
 今すぐ、取り上げれば、証拠になります。
 お金は吉井梅子の内ポケットです。」則子は言った。

佐野浩介は、
「よし!」と、立ち上がった。

佐野は、家庭科のベテラン教師、河本冴子を頼み、
通り道である職員室横の廊下で、体育館からやって来た3人を捕まえた。
「吉井梅子、制服の内ポケットを改めるぞ。」と佐野が言った。
3人は、ひーと顔を引きつらせた。
河本冴子が、吉井梅子の内ポケットから、10万円の封筒を見つけ、取り上げた。

佐野は、3人をにらんで、言った。
「お前ら、わかっているのか。これは、恐喝といって、
 立派な刑事犯罪だ。もし、このお札から、元の持ち主の指紋が見つかったら、
 お前らは、犯罪者だ。後で、呼ぶから学校内で神妙にしていろ。
 場合によって、警察に行くことになるぞ。」

3人は、佐野の言葉に震え上がった。
警察という言葉が、頭の中にがんがんと響いていた。

教室に帰りながら、思っていた。
3人は、まさか、まさか警察なんてありえない。
親がなんとかしてくれる。
お金は、返せばいい。
学校もうまく納めてくれると思いながら、
やや安心をして、3年生のクラスの3階へ来た。
3人は、真ん中の教室であるC組の向こうだった。

進もうとすると、則子が立っていた。
吉井梅子は、則子のそばを通るとき、チラリとうらみがましい目を向けて、
「へん、お前のせいで。」と捨て台詞を口にした。
そのとき、則子に、燃えるような怒りが湧き上がった。
則子は、完全に理性を失った。
ぐいと梅子の胸ぐらをつかんだ。

すごい力だった。
梅子の目の前に、則子の顔がある。
孝一時代、サッカーの全国大会で、
ライバルとボールを取り合うときに見せる気迫や眼光は半端なものではなかった。
それに、1年半のヤンキー時代の恨みも重なった。
則子の燃え上がるような怒りの目が、吉井梅子の両目を射抜いた。
則子は、吉井の胸ぐらを、さらに、ぐいと引き寄せた。

梅子は、初め薄ら笑いを浮かべていたが、
やがて真顔となり、目に恐怖の色を浮かべた。
そのうち、目に涙を潤ませた。
一歩後ろにいた道子も美佐も同様におののいて、体をこわばらせていた。

梅子は、そのうち体を震わせはじめた。
心の底から、恐いと思い、目をそらせたかったが、それが出来なかった。
梅子は思った。
『自分はどうしてこんな恐い相手をいじめたり出来たんだろう。』
『どうしてこんな恐い相手から、お金を巻き上げることができたんだろう。』
梅子の唇は真っ青になり、恐怖に歯をガチガチと鳴らしていた。

3年生はほぼ全員、集まって来ていた。
後ろの生徒は前の生徒から内容を聞いていた。

「さっき、なんて言った。もう一度言って!」
と則子は言った。
梅子は、涙を流しながら、
「へん。お前のせいで、と言いました。」と蚊の鳴くような声で言った。
「あたしのせいで、どうなったのよ?」と則子は言った。
「先生にお金を取り上げられました。」
「それが、あたしとどう関係があるのよ。」
「あなたを脅してとった10万円です。あなたの10万円です。」

梅子なボロボロと涙を流した。
一時も則子の目から目をそらすことができなかった。

梅子の足はガクガクとなり、立っていられず、膝を折っていた。
それを、則子は腕の力で、梅子を引き付けていた。

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」と梅子はくり返した。
「ほかに。何がごめんなさいなのよ。」則子は言った。
「1年生のとき、あなたを脅して、勉強させませんでした。」
「なぜ!」
「あたしが、1番になりたかったからです。」
「それで!」
「あなたを、ツッパリにさせてしまいました。」
「それで!」
「12万円脅し取りました。」
「ほかに。」
「あなたの体をマットで巻いてバットで叩きました。」
「ほかに。」
「トイレの水を飲ませ、あたしのオシッコを飲ませました。」
則子の胸に、どんどん悔しさがあふれてきた。
則子は目に涙を潤ませていた。

「それだけか!」
「ほかにも、いっぱいやりました。」
「先生をごまかせてもさ、いじめられた本人は、全部知っているのよ。」
「はい。あなたには、隠せません。」
「あたしが、ヤンキーやった1年半を、どうしてくれるのよ。
 友達も誰もいないで、あたしが毎日楽しかったとでも思っているのか!」
則子は、涙をこぼした。

「『お前のせいで。』なんて言わなければさ、こんなことしなかったわよ。
 あたしにこんなことさせたのは、あんただからね。
 わかってるの!」
「はい。あたしが悪かったです。あたしが馬鹿でした。ごめんなさい。」
梅子は歯の震えで、すでに言葉になっていなかった。

則子は、梅子の胸を離した。
道子と美佐は、梅子そばに飛んで来て、則子の前に這いつくばった。
そして、ごめんなさいを、何度もくり返し始めた。

「もう、いいわよ。裁くのは、あたしじゃない。
 校長先生なり、警察だからね。」
則子はそう言った。
その後で、則子は、集まっている3年生に大きな声で言った。
「みなさーん。校長先生や、警察が裁くまで、この3人に手を出さないで。
 普通にしていて。お願い。まだ、容疑者の段階だから。」
「ああ、わかった。OKだ。」
というみんなの声が聞こえた。

これで、3人がやったことの一部が、全3年生に知れてしまった。
「お前のせいで。」という吉井梅子の一言で、大きな結果を生んでしまった。
梅子は思った。
則子に「お前のせいで」なんて、どうして言えたのだろう。
脅したのも自分、お金を巻き上げたのも、全部自分だったのに。
なんであんな捨て台詞を口にしたのだろうと、
梅子は、いくら後悔しても後悔し切れなかった。



給食の後、則子は、担任の佐野に、ボイスレコーダを渡した。
佐野は、その録音を聞いて、
「この録音とお札の指紋が君のものと照合すれば、
 これで、決まりだな。」と言った。
則子は、もう一つ、元の則子が書いた「いじめられた記録」を渡した。

佐野はそれを見て、
「ずいぶんひどいことをされたね。
 未成年だからといって、許されるものではない。
 君島もよく耐えて、復活したな。
 だれもが出来ることではないよ。」
とねぎらってくれた。
則子は、心の中の氷が少し解けていくように思った。


■次回予告■

いよいよ学校会議室に関係保護者、本人達が集まります。
3人の処分は、どうなるのでしょう。則子は最後の言葉を述べます。



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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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