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則子になった孝一③「サッカー・則子の実力」

今日は、もうサッカー一色です。こういうの書くの好きですので、
ついつい乗ってしまいました。物語は、やっと中盤です。
読んでくださると、うれしいです。
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則子になった孝一③「サッカー・則子の実力」


サッカーができると、うきうきしながら、則子は教室に帰った。
席にすわっていると、なんとなく、クラスメイトが、自分を取り囲んでいる。
やがて、クラス委員をしている佐藤百合という生徒が、恐る恐る話しかけてきた。
「あの…則子、あたし見た。あなたのシュート。感激した。」
周りのみんながうなずいていた。
「オレ、女の子があんなシュートするの見たことない。」と藤井忠男という生徒が言った。

「ごめんね。」と阪井美紀という子が言った。
「昨日からの則子、ちがってたのに。あいさつされて、返事をしただけで、
 話しかけなかった。休み時間も、則子を一人ぼっちにしちゃった。」
竹田慧という子が言った。
「則子がツッパッているとき、ただ遊んでいるだけだと思っていたけど、
 きっと、がむしゃらにサッカーやってたんだね。」と今井敬子。

「あたし、則子がツッパリになった理由知ってるから。
 則子が、どれだけがんばったかわかる。
 ごめんね。何もしてあげられなかった。」
小柄な、佐伯敏子が、則子の手を取った。
「ありがとう。心配してくれてたんだ。」則子は、敏子の手を、ポンポンとたたいた。
「まだ、ちょっと則子が怖かったから、話かけられなかったの。
 ごめんね。でも、これから、則子を一人ぼっちにしない。」佐藤百合が言った。

則子は、うれしかった。
正直、休み時間一人でいるのは、惨めで淋しかったのだ。
則子は、ふと涙を見せた。
「みんな、ありがとう。淋しかったけど、仕方ないことだと思ってた。
 みんなの言葉、うれしい。ありがとう。」
則子は、そう言って、こぼれる涙をふいた。

「サッカーの人達ともお友達になれそうだし。
 今日は、あたしにとって、すごくいい日。
 今日、放課後、サッカー部の練習に参加できるの。」
則子が言うと、
「え?じゃあ、オレ見に行く。部活は2年でおしまいだしさ。」
「あたしも、行く。則子のプレーみたい。」
私も、オレもで、クラスのほとんどが、見に行くといい出した。
則子の学校は、受験校だった。
そこで、3年生で部活を引退する部が多かった。
「うん。大勢が見てくれるとうれしい。
 部の人達もやる気出るんじゃないかな。」
と則子は言った。



待ち遠しかった放課後になった。

則子が孝一だったときは、サッカー部は強く、
全国大会のベスト8に入る実力だった。
そこのキャプテンだった孝一は、上手いなんてものではなかった。
ただ、則子の体がどのくらい動くか、それが心配だった。
様子を見ながらやろうと思っていた。

則子は、下はジャージ。上は半袖のTシャツ。
おへそが見えると恥ずかしいので、TシャツをINにした。
両脇の髪をゴムで束ねた。

校庭に行くと、2年生が、
「先輩、女子だから、ひざ当てと肘のパッド付きのサポーターしてください。」
と、持って来た。則子はそれを着用した。

クラスメイトは、みんな、グランドから少し離れたところに、
横に並んで見ていた。中には、学生カバンの上に腰を下ろしているのもいる。
これは、なんだと、他のクラスの3年生も、注目し始めた。
「則子が、練習に出るのよ。」と、佐藤百合が言った。
「上手いの?」
「昼休み、オーバーヘッドシュート決めたのよ。」
「うへえ。ほんとかよ。ちょっと見て行こうぜ。」
と観客が観客を呼び、いつの間にか、200人近くが集まっていた。

「お、おい、なんだよ。あの見物人はよ。」
背の高い、後藤が昌司に言った。
「多分、君島の人気じゃね。」と昌司は笑いながら言った。
「うへー、オレ、やる気200%。彼女見てるかなあ。」
「3年生、ほぼ全員だよ。」と昌司は言った。
昌司も気づかなかったが、職員室の先生達も、ほとんど見に来ていた。
ツッパリの則子が、普通にもどり、サッカーをやるという。
これは、先生達も見たかったのである。

サッカー部は、準備運動を終え、
3年生対1、2年で、コート半分での練習試合をすることになった。
キーパーは、3年の後藤が、固定で両方ともやる。
昌司は、ミッド・フィールダーで司令塔。
則子は、左のフォワードだった。

笛がなると、すごい声援が起こった。
則子は、走った。
体が軽い。これなら、いくらでも走れる。
そうか、ツッパリのとき、則子は、どこかで走りこんでいたのだ。
柔軟と筋トレもやっている体だ。
よし!思う存分出来そうだ。

早くも、ボールが来た。
高いボールを、足で軽くゴロに変え、猛烈に走った。
それだけで、観客は、うおおおおおと声を上げた。
ディフェンスを、簡単に1人、2人抜いた。
そのたびに声援がすごい。
3人抜いて、シュートかとゴールキーパーが出てきたときに、
シュートの体制から、ひゅっと、センターにパスした。
キーパーのいない、ゴールになんなくボールは、転がった。

「うおー!」と観客のすごい声援が起こった。
昌司は、則子のプレーを見て、全身が震えた。
『すごい。どうして、そこまで、出来るんだ。』
その思いは、他の部員も同じだった。
1,2年生は、
『あの人は、すごい。男以上だ。』と思っていた。

昌司は、則子の実力を出来るだけ見たいと思い、
則子にチャンスボールをどんどん出した。

そのチャンスボールが来た。
ゴールまで、まだ距離があった。
則子は、ボールを少し運び、まだ遠いと思われるところから、
大きく、山なりのシュートを打った。
観客の誰もが、あの距離じゃ無理。キーパーに楽勝で取られてしまう。
則子、判断を誤ったか、と思っていた。
しかし、3年生の部員は一同に、『君島、すげえ。』と思っていた。

楽勝でキャッチできる山なりボールに見えて、
このボールは、落ちる。
3年の後藤はわかっていた。
キャッチ・ポジションから、二歩前に出た。
ところが、ボールは、アーチの山を過ぎた頃から、
信じ難い角度で、急降下し始めた。
「もっと前か!」とキーパーの後藤があわてて前に出たが、
ボールは、キーパーの手前でバウンドし、
キーパーの頭を超えて、無人のゴールへ転がって入った。
後藤の読みをはるかに凌ぐ、豪快なドライブ・シュートだった。

「キャー、ステキ!」と観客達は、最高に興奮した。
「信じられない角度で落ちたわ。」と言っていた。

3年生は、嬉しさに、6人固まって、喜び合った。
「君島、お前って奴は。」
「どれだけ、テク持ってんだ。」中田。
「オレ、落ちるってわかってたんだぜ。」と後藤。
「めちゃ、興奮したぜ。」上野。
そう言い合った。
則子は、うれしかった。
もう、男女関係なく抱きあった。

観客の数人は言った。
「いいなあ、君島と同じクラスのやつ。」
「ヤンキーかと思っていたけど、あれが本当の君島なんだな。」
「オレ、1年のとき君島好きだった。」
「今日の君島、最高だな。」
「ああ。」

昌司は、最後に、ファンサービスをしようと思った。
ゴール中央が混戦していた。
その端に則子がいた。
ボールが弾かれ、中央の昌司に来た。
今だ!
昌司は、そこから、山なりの大きなボールを則子に送った。
「君島!」と昌司は叫んだ。
則子は、ゴールを背に、昌司を見ていた。
その山なりボールは若干低く、オーバーヘッドは、むずかしいと思われた。
しかし、則子は、やってきたボールを、一度胸で弾き、
真上に2mほどボールを上げて、
瞬時にキーパーの位置確認、
そこで、オーバーヘッド・シュートを放った。
ボールは、見事にゴールネットを揺らした。

「ついに、見たー!」
「わあーー!」と観客達は飛び上がって喜んだ。

3年生は固まって、則子を讃えた。
「アシスト低すぎたと思ったんだ。
 そしたら、胸で一度ボールを上げるんだもんなあ。
 ほんとに、恐れ入ったよ。」昌司は言った。
「もう、今日は、最高のプレーを見た。満足だ。」清水。
「君島が女子とは思えねえ。」
と言い合った。

昌司は、則子は、ここで止めた方がいいと言った。
初日だから、これ以上は無理だと。

サッカー部員立ちは、観客に向かって、横に並び、礼をした。
「君島さんは、初日だから、今日はここまでです。」と昌司は大声で言った。
観客達が大きな拍手をした。
「感動した。」
「ありがとう。」などと言葉を残し、去って行った。

先生達は、職員室に歩きながら、
「君島は、もう安心ですね。」
「ええ、君島にとって、長い1年半だったでしょうからね。」
「よかった、ほんとに、よかったわ。」
と、家庭科の年配教師・河本冴子は、涙を浮かべた。

則子は、部員のみんなを前に、
「ありがとうございました。」
と頭を下げた。目に涙を浮かべていた。
「俺達も、最高に楽しかった。ありがとう。」と昌司は言った。
則子のヤンキー時代を知る3年生たちは、目を潤ませていた。
「次の、練習も来てくれるよね?」と昌司。
「はい。」と則子は、大きな声で言った。

一陣の風が吹き、皆のシャツをはためかせた。


■次回予告■

中間テストに向けて、猛勉強する則子。
また、あのいじめの3人が来る予感。
そんなとき、驚く人物からメールが来ます。



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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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