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「則子になった孝一」①「女の子になってる!」

こんな物語を書いていたのかと、発見しました。
2012年の作品で、自叙伝が終わり、物語を書き始めた頃です。
私にとっては、新鮮な作品です。再投稿した記憶がありませんので、
多くの方にとって、初めての作品であることを、
期待しています。7話からなる長編ですが、
1文が短いので、まあいいかなと思っています。
読んでくださるとうれしいです。
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「則子になった孝一」①「女の子になってる!」


朝、目覚めてみると、何かがちがう。
いや、何かが…なんてものではなく、
全部が違う。

オレは別人になったのか。

初めに目に入ったのは、壁に吊るしてある女子高生の制服。
え?
ここは、女の部屋だ。
自分は、ベッドの上。
かぶっている布団は、花柄の模様、腕を出して見ると、
パジャマが、女の柄だ。
布団をめくってみると、ワンピース型のパジャマの裾がまくれて、
2本のなまめかしい脚が目に入った。
わあ、女の脚だ。
綺麗な長い脚だと、とっさに思った。
胸、ある。感激!
ショーツの中、ない!感動!
鏡を見れば、きっと女になったオレが映っていそうだ。

真島孝一は、高校3年。
学年で一番女の子に持てる男子生徒だった。
サッカーは、学校でナンバー1。
ハンサム。身長178cm。
やさしい。いい奴。
勉強、学年で5番以内。
男子の誰もがうらやむ生徒だったが、
孝一の心の中の願望を誰も知らなかった。
孝一は、女の子になりたかったのだ。

「どうか、目覚めたら女の子になっていますように。」
そう何年祈って来ただろうか。

その念願がついに叶ったみたいだ。
多分だけど、ヤッター!
オレは、いや、あたしは女の子になったの!
いや~ん、サイコー!
神様、ありがとう!

と、神様にお礼を言ったまでは、よかったが、
次々と、困難があることに気が付いた。
今までの自分が、そのままの環境で女になったのではない。
どこか、知らないところの女の子になったようだ。
まず、自分の名前を知らない。
家族の名前を知らない。
どこの学校へ行き、何年何組かも知らない。
友達が誰かも分からない。

とにかく自分の名前くらい調べなくちゃ。
孝一は、起きて、学生カバンのなかの教科書を見た。
君島則子。
『「のりこ」だろうな。「そくこ」のはずない。』

則子(以下孝一を則子)は、それから、学校名や、クラスを調べ、
出来るだけのことを調べ、
自分の顔を見ることに気が付いたのは、10分も後だった。
部屋にある鏡を見た。
「はあ~?」
と則子は、口をポカンと開けた。
顔は、すごい美人のようだが、眉毛を完全に剃っている。
ヤンキーの姉ちゃんだ。
あたしは、不良かあ?
長い毛を茶髪にし、ちりちりにカールをかけ、ライオンのようだ。
いやだ、そんなの。
女になったからには、クラスのマドンナになりたかった。

今日は、すぐストレートパーマをかけて、髪を黒に染めてもらおう。
可愛い前髪も作ってもらおう。

まずは、歯磨き。
とにかく、下に行かねばならない。
家族に会うのが恐い。

妹に会った。
「おはよう、美紀。」と言った。
え?と則子は思った。何で妹の名前を知ってるの?
「美紀、ごめん、あたしに半分使わせて。」
と洗面のところで言った。
(女言葉が、ナチュラルに出てくる。どうなってるの?)

ブラを着けて、感動。
制服を着て、感動。
チェックのスカート。
スカートを短くするために、折ったところに折れ目ができている。
則子は、そんなの嫌だった。
普通の長さにして、履いた。それでも、ミニ。
ブラウス、リボン。クリーム色の上着。
ああ、女子高生だ!

そして、キッチンへ降りて行く。
「お父さん、お早う。健太、お早う。お母さん、お早う、あたし手伝う。」
そう言って、則子は、母がもっている味噌汁のお盆をとって、
みんなに配った。
みんなのご飯をついだ。
茶碗を見て、誰のだかわかる。
不思議。まあ、いいか、と思いながら、せっせと母を手伝った。
それが、孝一が思い描いてきた、あたり前の女の子の姿だった。

そのとき、家族みんなが、ぽかんと口を開けて則子を見ていたことに、
則子は気が付かなかった。

席についたとき、則子は初めて、みんなの視線に気が付いた。
「え?何?あたし、どこか変?」と則子は言った。
「則姉(のりねえ)さ、めちゃくちゃ変だよ、今朝。」
と小学6年生の健太が言った。
「どこが?」と則子。
「だって、今まで、朝のあいさつなんかしたことない。
 朝からふくれっ面。
 お父さんは、オヤジ、おかあさんは、オフクロって呼んでたし。
 おまけにお母さんの手伝いするなんて、これ、雪じゃない、アラレが降っちゃうよ。」

則子は悟った。昨日までの則子は、そういう子だったのだ。

「ああ…、それは…あたし、ツッパるの止めたの。
 普通の女の子になりたいの。
 普通に勉強して、普通に遊んで、みんなと話して、家族といる時間を大切にしたい…。」
則子は言った。
見ると、母の恵子が涙ぐんでいた。
父の雄三も込み上げて来る思いを抑えているようだった。
美紀と健太は、則子を見つめっぱなし。

うふふ…と則子は、作り笑いをした。

「まあ、せいぜい長続きしますように。」
と、場を救うように、中2の美紀が言った。
「こら。あたし、本気よ。」
言いながら、則子は笑った。

君島家に新しい風が吹いた朝だった。



さあ、学校かあ。
五月の気持ちのいい日だった。

自然に体が動き、電車を乗り換え、学校へ歩いて行く。
則子は、前の則子の必要な記憶が残っているのだろうと結論づけた。

旭ガ丘高等学校と門に書かれている。
男子生徒の姿がある。
『共学かあ。』と思った。

教室まで、自然に体が動く。
則子は、会う人会う人に「おはよう」と言い続けてきた。
教室は3年C組だった。
自分の席もわかる。

則子は、自分はツッパリグループの一員かも知れないと思っていたが、
どうも一匹狼で、学校にはそんなグループは無さそうだった。
仲間らしいのが誰も来ないし、どこにもいない。

則子は、自分の席に着いて、きちんと座り、
来るクラスメイト全員に「おはよう」を言い続けた。
今朝の家族の反応と同じ。
みんな、信じられない顔をして、「おはよう」と言ってくる。
則子は、だんだん、みんなの驚く顔を見るのが楽しくなって来ていた。

クラスにみんなが登校してきているのに、則子のそばに誰も来ない。
『そうか。則子には、友達がいない。』
そう思った。
まず、今日は、自分からは、誰かを求めて行くまいと思った。

1日勉強してみて、
則子の学力のなさに呆れた。
一体、元の孝一の何が自分に残っていて、何を置いてきたか、
それを、知りたかった。
学力は、どうやら置いてきたようだ。

その日の授業が終わり、部活に入っていない則子は、
校門への道を一人で歩いていた。
運動部の生徒が、着替えているときなのか、
校庭には、まだ、誰もいない。

見ると、サッカーボールが1つ、20mほど向こうの校庭に転がっていた。
その30mほど先にサッカーゴールがある。
則子は、無性にそのボールを蹴りたくなった。
則子は、カバンを置き、校庭に飛び降り、
ボールに向かって一心に走った。
そして、蹴った。
ボールは、唸りをあげ、ものすごい勢いでゴールの中に飛び込んで行った。

「そうか。サッカーは、持ってきたんだ。」
則子は、うれしさに、固く指を組み、空を仰いだ。


■次回予告■
弾丸シュートを、誰かに見られていた。
美少女になる則子。懸命に勉強に取り組む。


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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