自叙伝・アメリカに来たもう一人の女の子

自叙伝・アメリカに来たもう一人の女の子


私が、アメリカの大学で、卒業までの単位を全部終えたころでした。
毎日優雅に過ごしていました。
そこに、外国人留学生担当のドクター・ベティから電話がかかりました。
「聡子さんていう留学生が来てるの。
 日本人は、ジュンだけだし、少しの間、世話をしてあげられる。」
「わかりました。」
わたしは、待合の寮に車まで行きました。

すると、ロビーの丸テーブルに聡子さんはいました。
眼鏡をかけて、長い髪をぴっちり後ろに結んでいます。
『眼鏡をとって、前髪を作れば、ずっと印象が違うのに。』
そんな事を思いながら、聡子さんのところへ行きました。
「あれ、純は女性なの。男性だと聞いて来たのに。」
「詳しいことは、車の中で説明するね。」

私は、車の中で、女の格好をしているいきさつを説明し、聡子さんのことを聞きました。
そして、レレイというガールフレンドがいることも言いました。
「あたし、ほんとは、南部の大学に来てはいけないの。」
「どうして。」
「キングズ・イングリッシュを覚えて来るように言われているの。」
『あれ、この人は、少し高ピーかな。』と思いました。

私のアパートで、ラーメンをご馳走しました。
彼女は、おいしいと言って食べながら、その間中、ずっとおしゃべりをしていました。
私に、しゃべる隙をあたえません。
私が、少しの隙間に、何か話すと、彼女は、うつむき、
まるで、自分が次に話すことを考えているようでした。
もちろん、私の話に、彼女が相槌を打つこともありません。

彼女は、寮暮らしで、車もありませんでした。
彼女は、この調子じゃ、友達ができない。
私は、レレイに話して、当分聡子を助けたいからと言っておきました。

そんな、私は、土、日の二日間、
隣町のバトンリュージュに行かねばならなくなりました。
私の性別に関する、大切な検査でした。

寮のカフェテリアは、土、日はお休みです。
何か食べたければ、30分歩いて、ケンタッキーかバーバーキングに行くしかありません。
私は、実際そうしていたのですが、聡子さんにそれをさすのは酷です。
そこで、私は、レレイに頼んで、2日間の6食分を持ってきてくれるように頼みました。

聡子さんは、レレイにすごく感謝したそうでした。

レレイも、聡子さんに接して同じことをいいました。
「聡子は、もう少し、人の話を聞くべきだと思う。」
『ああ、レレイにまで、連続おしゃべりをしてしまったのか。』
私は冷や汗をかきました。

忠告は、嫌われるだけだけど、聡子さんの欠点を聡子に言おう。
そう、決心しました。
私は、次の日聡子さんを、アパートに、日本食をご馳走しました。
食べる前に言いました。
「聡子さん。自分の話をするのと、人の話を聞くのと、どっちが楽しい。」
「それは、自分の話をする方。」
「相手だって多分そうだよ。」
「自分のする話を、周りの人が、ほとんど聞いてくれないと悲しい?」
「悲しい。」
「聡子さん、相手のする話聞いてる。」
聡子さんは、うつむいて考えていました。
「うん。中学のときから、あたしのそばに人が来てくれなかった。
 高校も同じ。忠告してくれたの、ジュンがはじめて。
 ありがとう。
 もっとも、あたしが自分で気が付くべきだった。」
「よかった。じゃあ、ご褒美に、あしたから、車の運転教えてあげる。」
「ほんと!うれしい。」

アメリカには、教習所のようなところはなくて、
ペーパーテストに受かれば、即、路上運転が許されます。
教える方は、自分の車を使うので、めったにそんな役を引き受けません。
教えるなら、家族だけです。

次の日から、夕暮れのキャンパスで、運転の練習をはじめました。
間もなく、「やっちゃったー。」とばかり、車を街灯の柱にぶつけました。
べっこり、車の鼻がへこみました。
「ああ、ショック。今日はもうやめよう。」と私はいいました。
「あたし、まだ平気よ。」と聡子さんは言います。
「ショックなのは、君じゃないの。ぼくなの。」
「あ、そうね。」

聡子さんの、この果敢な挑戦で、聡子さんは、2週間ほどで、運転をマスターしました。
そして、実地のテスト会場にいきました。
出て来た聡子さんは、にこにこして、
「ジュンちゃん、あたしやった!
 これで、車があれば、運転できる。」
「よかったねー。早速車を買いに行こう。」

新聞を見て、日本人の奥様が、丁寧に乗った車を500ドルで買いました。
手続きも、その奥様がやってくれました。

「車があると、独立できる。やっと、この国が天国に思える。
 ジュンは、車が、べこべこになっても、教えてくれた。
 ジュンみたいないい人この世にいない。」
聡子は、そう言って、涙を流しました。

私は、出版社にお世話になって、4か月後に、帰国しました。

あるとき、賑やかな声が玄関に聞こえました。
アメリカでは、上品な英語と日本語を話していた、聡子さんが、
顔を見せ、
「純ちゃん。会いたかったんよ。あたし、結婚したん。これが、旦那。」
白人の、細身の優しそうな青年がいた。
「わあ、おめでとう。聡子さん。なまりがあるよ。」
「そうなんよ。アメリカおったら、標準語と広島弁わからんようになってしもて。」

みんなで、アハハと笑いました。


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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