鷺の院 洋之助の妻・知恵④「巫女からの文」

知恵が、主人公だったのですが、いつのまにか夕月が、
主役になってしまったようです。お詫びいたします。
今日は、少し短いです。(次回、最終回です。)
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鷺の院 洋之助の妻・知恵④「巫女からの文」

ムサシと通、洋之助はその夜に帰り、竜太と知恵が翌日も残った。
竜太と百々は、翌日、熊本の港に客船を見に行った。
「百々ちゃん、研究所に、正助くんという、百々ちゃんより1つ年上の子がおる。
 彼も百々ちゃんに負けない天才なんじゃ。
 彼は、研究所の一番大切な設計室に一人いて、いろいろ考えちょる。
 百々ちゃんは、恐らく、その設計室で、正助くんと一緒に考え、
 設計をしていくと思う。」
「そんな、あたしみたいな新米が、設計室なんて、無理です。」
「正助くんだって、来て、1週間で船のことを覚えた。
 百々ちゃんも同じくらい早う、覚えると思う。」
「そんな、認められてからですよね。」
「もう認められちょる。」
「みなさんに、お会いしてもないのに。」
「実は、わしが決めたら、決まりなんじゃ。
 わしゃあ、研究所では、ちと、えろうて、所長なんじゃ。」
「わあ、すごい。ほんとですか?」
「わしが認めんでも、みんなもすぐ百々ちゃんを認める。
 研究所では、年令とか、順番とか関係ない。
 すぐれたものは、みんなで認めるという約束じゃきに。」
「わあ、天国みたいです。」
「ああ、わしにも天国なんじゃ。」

(百々はその後、竜太の言った通りの待遇を受け、
正助と名コンビとして活躍していく。)

その日の午後である。
夕月の道場に1通の文が届いた。
「氷室神社巫女雀宮(スズメ)」とあった。
文は丁重に包まれていた。
夕月は、それを読み、紗枝のところに飛んで行った。

大よその文面は以下のようであった。
夕月に、神社抱えの武士10人と木刀による立ち合いを願いたい。
場所は、神社付属の剣道場。
10人は、一度にかかる。
夕月の実力に応じて、寸止めをするので、夕月が怪我をすることはない。
これは、夕月に藩を救っていただきたいがためのもので、
決して、悪意をもってのものではない。
立ち合いは、当藩の実幸若君もご覧になる。
何卒、願いたまわんことを。

書面には、翌日夜の7時に、迎えの籠をよこすとあった。

「どう思う?」と夕月は紗枝に聞いた。
「本気だと思う。本気で、夕月の助けを乞うている。」
「10人を一度に相手とある。あたしのことがバレているのかな。」
「それは、ありえない。夕月のことを知っているのは、昨日来てくれた人達だけだもの。」
「なぜ、巫女様からなのだろう。」
「氷室神社の巫女の雀宮様は、80歳に近い方よ。
 風水で、夕月が『救い人』だと言い当てたのかも知れない。」

夜になり、皆が帰って来た。
「母さんの剣には、特別な力があるのかも知れない。」と百々が言った。
竜太は、知恵と子供たちと遊んだ、箱の底打ちのとき、
7打を打った夕月が、只ならぬ人と思っていた。
10人を相手の立ち合いはあり得ると思っていた。

知恵は、さらにわかっていた。
夫・洋之助から、夕月のいきさつを聞いていた。
城主実篤は、今、心の病に臥せっている。
小次郎を失った自責の念。
理由があるなら、それしかないと思った。
それにしても、夕月を言い当てる巫女は、老齢にて見事と思った。
「これは、拒めぬし、行くしかない。
 幸い城内ではなく、城の外だ。私達もこっそりついていって、
 何かあれば、夕月殿を助けるのみじゃ。」知恵は言った。
「ああ、そうですな。」竜太が言い、ことは決まった。

明くる日の夜、金銀に飾られた籠が、夕月道場の前に来た。
担ぎ手の周りに、5人の護衛がいた。
夕月は、白い上着と袴を着て、木刀を持ち、籠に入った。
その後を、紗枝、百々、竜太、知恵が、こっそりとついていった。

(次回、最終回です。)
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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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