スーパー洋子④『洋子の元に帰って来る貴子』

もう少しで最終回にいたします。
読んでくださるとうれしいです。
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スーパー洋子④『洋子の元に帰って来る貴子』


洋子のスケジュールに白井貴子の分が空いた。
恵美にとっては、ラッキーだった。
安田が、洋子に伝えると、洋子は、
「いいんじゃない。これで、コーチ同士の戦いにもなるわね。いひひ。」と笑った。

安田は、世界1のコーチといわれるジャクソンコーチを見に行った。
大がかりなピッチング・マシーンを作り、
投げる手首に、自転車のチューブを抵抗にして、白井貴子に筋肉強化をしていた。
一言ずつアドバイスを与える洋子とは、大変な違いである。

その内社長が来て、飲み物を持って来た。
「さすが、ジャクソン・コーチですな。
 ライバルの倉田コーチとは、えらい違いです。」と言った、
そのとき、ジャクソンが顔色を変えた。
「このミス・タカコのライバルのコーチは、ミス・ヨーコ・クラタなのですか。」
「はいそうです。でも、ジャクソン・コーチの足元にも及びません。」
「何をいいます。私は、大リーグ1.ミス・ヨーコは、地球1です。
 スーパー・ミラクル・コーチです。「神」ですよ。
 私なんか、遠く足元にも及ばない。
 申し訳ないが、私は、逃げます。失礼。

ジャッキー・コーチは、大掛かりな装置をそのままに、
逃げるように、行ってしまった。

安田は見ていて「あらあら。」と言った。

白井貴子は、社長の前で、泣きながら抗議していた。
「だから、はじめから、あたしは、倉田コーチと言ったんです。
 最後まで、倉田コーチと言ったのに、社長は、外国の人の名前をとった。
 一度、断ってしまったら、倉田コーチはもう見てくれません。」
白井貴子は、そう言って泣き崩れた。
社長は、ただ困った顔をするほかはなかった。

その夜。
貴子は、ほとんど口も聞いたことのない、稲村恵美に、
思い切って電話をした。
「白井さんね。あたしのライバルになる人ね。」
「稲村さん、今、いくつ投げてるの?」
「やっと白井さんに追いついたかな。130よ。」
「ああ、やっぱりね。」
「何かあったの?」恵美は聞いた。
白井はそこで、ことの次第をすべて話した。
「ひどいコーチね。あなたをほっぽりなげて。
 でも、大丈夫。倉田コーチは、また見てくれると思う。
 あたし、今、白井さんが抜けた練習時間もらっているの。
 それを、白井さんに戻せばいいんだもの。
 社長と行った方がいいわ。あなたに責任はないもの。
 最後まで倉田コーチって頼んだんでしょ。
 社長は怒られると思うけど、あなたは、平気よ。
 野球の出来る格好で行って、アップしてから行った方がいいと思う。」
「そうね、ありがとう。」
「あたしね、あなたと社長が来る前に、貴子ちゃんは最初から最後まで、
 倉田コーチがいいって言い張っていたこと、倉田コーチに伝えとく。」
白井貴子は言葉をつまらせ、
「ありがとう。あたしあなたとおしゃべりもしたことないのに、
 今日どうしていいかわからなくて、あなたに電話してしまったの。
 恵美さんは、ものすごくいい人なんだと思う。
 やさしくて、思いやりもあって、
 あたしの持っていない所、全部持ってる。
 だから、憧れてるのかな。」
「貴子さん。性格って変わるよ。
 あたし、貴子さんと、全国野球部の旅っていうのやりたいの。
 あなたとあたし、対照的じゃない。だから面白いと思うんだ。」
「わあ、それ「鶴瓶の家族に乾杯」みたいなの?」
「そうそう。思い切りパクリだけどね。NHKなら怒らないでしょう。」
「わあ、NHKなの?全国野球部の旅、いいね。すごく元気が出る。」
「じゃあ、明日ね。安心しておいでよ。」
「うん、ありがとう。」

貴子は元気が出た。恵美の魅力は、これなんだと思った。

日曜日。朝1番に、恵美は洋子に、貴子の気持ちを伝えた。
やがて、中村監督の家に、白井貴子と社長が来た。恵美もいた。
社長へのお説教は、安田に頼んだ。
洋子は、恵美と貴子を連れて、外に言った。
「あの、私も教えてくださるんですか。」と貴子。
「そうよ。社長と関係ないもの。あなたの気持ちは恵美が朝一で言ってくれたし。」
貴子は、恵美を見て、涙を浮かべた。
洋子は、貴子の投球を見るために、1球なげさせた。
そして、貴子のフォームを、ちょいちょいと直し、
もう一度投げさせた。
貴子も見事に、1回で、すべて会得する。
「いいわよ、貴子さん。じゃあ、二人で、135kmへの道行きましょう。

10分の練習の最後である。目指すのは、140km。
恵美が先に投げて、140.2km。
恵美は、飛び上がった。
貴子は、気を集中させ投げた。気持ちのいいくらいボールは飛んだ。
「わあ~~拍手。140.4です。」と洋子が言った。
「ほんとですか?」と言って貴子はしゃがんで泣き始めた。
「うれしい、うれしい。」と貴子は繰り返した。

30人くらいの拍手の音。
「とうとう、140ですね。俺ら、うれしいです。」
「二人で、いいライバルですね。」
「貴子さんも来られるようになったんですね。」
「中学のとき、女子野球のエースだったでしょ。俺、かなり憧れていました。」
「そうですか。うれしいです。」貴子。
「記録、社長に内緒がいいわよ。
 他のことで使われちゃうから。」恵美。
「そうですね。」と貴子はくすっと笑った。
「さあ、安田さんの社長へのお説教、終わっているかな。」と洋子。

応接間にあがってみると、和テーブルを挟んで、
安田の前で、貴子の社長は、小さくなっていた。
外国のコーチの件と昨日倉田コーチが、恵美さんの社長に言っていたこと、
ばっちり伝えておきました。」と安田は、にっこりした。
「ありがとうございます。」洋子は、安田に拝んだ。
相当怖かったのだろうと、洋子は、思った。

この調子で、貴子と倉田洋子での契約書を結んだ。
これで、貴子に八百長ができなくなる。

次の日、恵美と貴子は、そろって152kmを投げた。
二人は、うれしくて、抱き合って喜んだ。
野球部の連中が50人はそばで見ていて、150km突破の瞬間、
大きな拍手をした。
「すごいなあ。俺まだ150km投げられていない。」
「目標達成、おめでとうございます。」
「大変なことですよ。ほんとにすごい。」
「俺ら、これから先も、お二人のこと応援します。」
二人は、「ありがとう、」と涙に暮れた。

それから、中村監督の打球の練習があった。
毎回130kmの球を打てるように、洋子が球をなげた。
中村は、細身の貴子に、半一本足打法を教えた。
すると飛距離がどんどん伸びた。
恵美は、そのままのフォームで、微調整をしていった。
150kmのボールはまだ無理なので、130は確実に打てるようにした。
二人は、抱き合って喜んだ。
「さすが、監督ですね。」と洋子は言った。
「二人のフォームすごく綺麗ですよ。」と安田。
「5人の競争大会、楽しみだね。」と監督が言った。
「10日後だそうですよ。」安田。
「さすがに、安田さんは、情報が早いね。」
「いや、電話して聞きましたから。」
「あそうか。」とみんなは笑った。

(次回は、「本番5人の投げ比べ」です。)

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プロフィール

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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