スナック・アユカ⑤「株主総会」前編

すごく長くなっています。そろそろ最終回です。
「株主総会」が長くなり、前後編に分けました。
読んでくださるとうれしいです。
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スナック・アユカ⑤「株主総会」前編


株主総会が1週間後にせまり、
彩花は、社長である米倉正雄に言った。
「社長。今まで、ありがとうございました。
株主総会で、あたしが社長としての承認を得たいと思っています。
 そこで、社長は辞職なさり、後継として、
あたしを社長として推薦していただきたいんです。
 社長がお辞めになったあとですが、今住んらっしゃる父の家に、
 家政婦一人を置き、そのまま住んでいただければうれしいです。
 いずれは、社長のものになるようにいたします。
 もう一つ、新宿ゴールデン街の小さなお店を、社長にプレゼントしたいのです。
 社長が一番生き生きできる場ではないかと考えました。
 社長が、お店の収入だけで生活ができますよう、
ある人にちょっとお願いしてあります。お楽しみに。」
彩花は、言った。
「彩花さん、あなたは、なんと欲がなく心の綺麗な人なのでしょう。
 ホームレスだった私を拾ってくださり、
社長として1人前の給料をくださいました。
このご恩は一生忘れません。」
「父が他界しました後、社長のことを父と思ってきました。
 ずいぶん無礼なことを言ったと思います。お詫びいたします。
 ずっとご縁がありますよう願っています。お店にも遊びに行きます。」
社長は、涙して、彩花の両手を取った。
彩花も目を赤くして両手で握手をした。

株主総会を3日後にして、高橋健三と側近の大原進は、
99%の勝利を確信しながら、
1つ、スナック・アユカの正体をつかめないことが、不安の種だった。
計算からいくと、49%の株を持っていることになるが、
そんな大株主ならわかる。スナックならば、持ち株は知れている。
表の通り5%なのだろう。
当日、来るかもあやしい。他に大株主がいないとも限らないが、
名簿に名前がないものは、対象外だ。
これなら、楽勝もいいところだ。

ようやく、株式総会の日が来た。
高橋陣営は、どっさりと(無罪を証明する改ざん)帳簿を持って来た。
司会は、総務部の中村という40歳代の男。
中村を中心に、コの字型に机が並んでいた。
中村に向かって右側に高橋と彼を支持する重役たち。
合わせて、12人。
向かって左側に、彩花、社長、そしてスナック・アユカの朱美の3人。
朱美は、赤い花柄の派手なワンピースを着ていた。

高橋は、その人数を見て、隣の大原とくすっと笑った。

「只今より、2016年度、株式総会を始めます。」中村。
みんなが拍手をした。
「本日の案件は1つです。次期社長を決めることです。
 現仮社長米倉正雄様、ご提案をお願いします。」中村。

社長「私は、この株主総会をもって、社長職を辞任いたします。
   そこで、次の社長に現在第一秘書の武田彩花さんを推薦いたします。」
中村「わかりました。では、他に社長を推薦される方、
   または、立候補なさる方、挙手をお願いいたします。」
大原が手を挙げた。
中村「どうぞ。」
大原「私は、販売部長の高橋健三さまを推薦いたします。」
中村「もうありませんか。
   では、自由討論でかまいません。推薦の理由。
   または、相手が不適切だという意見、挙手をどうぞ。」
重役1「高橋健三部長は、実績もあり、人望もあって、
    他の部の社員からも相談を受けるなど、人間的にも優れた方です。
    社長にふさわしい方だと確信いたします。」
中村「はい、どうぞ。」
重役2「第1秘書の武田彩花さんですが、失礼ながら、
    ほとんど仕事の出来ない方として、社内で評判です。
    そんな方が、社長になれば、会社は一気に傾くでしょう。」
朱美が「はい。」と手を挙げた。
中村「スナック・アユカさま。」
高橋と大原は、「来ましたね。ザ、水商売ですね。」と笑っていた。
朱美「おい、そこの二人。私語をつつしめ!
   私語をする奴など、社長の資格はないぞ!」

 重役たちが、朱美を非難して、ざわざわとしゃべった。
朱美「どうも、悪い奴らが、私語をするなあ。」
朱美は、よく響く声で言った。
この一言で、重役達は静かになった。(後ろめたいからである。)
朱美「あ、あたしの意見ね。
   第一秘書が、いくら無能であっても、
   会社の金で私腹を肥やす人間や、それにくっついて、
   おこぼれをいただく輩よりかは、ましでしょう。」

高橋「誰のことを言っとるんだ。暴言は許さんぞ。」
朱美「私に言われて、怒る奴ほどあやしい。」
大原「高橋部長のどこがいけない。根拠があるものなら、見せてみろ。」
朱美「誰も高橋さんとは言ってないわよ。墓穴を掘ったわね。
大原さん、ほとんどあんたがやって来たんだから、
   あんたが、帳簿を持っておいでよ。一目でも見たいもんだ。」
大原「いいですよ。そういう言いがかりを避けるために、
   一点の曇りもない帳簿を見せましょう。」
大原は目で高橋の諒解をとった。
大原が、帳簿を持って来た。

朱美は、帳簿を手にして、中をパラパラと見た。
朱美「なるほどね。一点の曇りもないわね。ご立派だわ。
    でも、大原さん。あんた、会計士の資格持ってるんでしょう。」
大原「もちろん持っていますよ。」
朱美「じゃあ、言うけどさ。プロの会計士なら、真っ先に日付を見るのよ。
   あたしだって、そのクセが今も抜けない。
   おい、大原、あんたは何やってんだ。
   こっち来て、帳簿の日付を見てみろ!」
朱美は、ドスの利いた声で言った。
大原は、ぷりぷりしながら、朱美のところに来た。
朱美は、大原に帳簿を向けた。
大原「あ!」と言って固まった。
朱美「2年前の帳簿見せて、なんになるのよ。」
大原は、ページをめくって、記入の最期の行を見た。
すると、最後の10日間だけ、今年のデータが記入されている。
つまり、2年前の帳簿を、今年の帳簿と思い込み、そのまま気づかず、
10日間、自分が記入していたことに気付いた。
しかも、裏帳簿と思い、10日間の表に出せない数字を書いてしまった。

高橋が出て来た。そして、帳簿を見た。
あ、と声を上げ、一緒に持って来た他の3冊の日付を見た。
心臓が飛び出しそうで、手が震え、2冊も床に落とした。
すべて、2年前のものだった。
高橋はショックで、椅子に戻り沈んだ。
一同は静かになった。

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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