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コロッケ男爵③「店を囲む行列」最終回

最終回として、とても長くなりました。
お時間のあるときにでも、読んでくださるとうれしいです。
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コロッケ男爵③「店を囲む行列」最終回


長蛇の列ができることを期待して、
列にかかるお店には、前もって、挨拶の品物を配る。
店の人も上機嫌で、
「いっしょに、売れたりするんですよ。」と言ってくれる。

オムライスのときは、雑誌発売日には、14、5出たほどだ。
コロッケ男爵では、7つ出た。
「半分にしておくべきだったかな。」
と加藤は言ったか、他の皆は、「強き、強気。」と声をかけた。
いよいよ明日日曜日が勝負だ。
ジャガイモは、男爵イモ。偶然ではなく、昔のコロッケは男爵イモだ。
本当は、ふかした熱々の芋で出したかったか、それは、無理。
冷蔵庫に入るだけの下ごしらえをした。
揚げ物用の槽があるが、間に合わないときは、フライパンを使う。

日曜日の朝早く、コックの3人は早く来て、冷蔵庫のコロッケを出して、
常温にした。
「これが、全部出てくれると、オムライス並ですね。」大木が言った。
油に火を入れ、三人は静かにまった。
開店の10時まで、あと30分だ。

勉、佐和子、加奈子の3人は、1時間前に来て、
ソースの確認、表の表示の確認、椅子、テーブルをそろえた。
エプロンをして待った。
開店、15分前である。
3人のソムリエは、祈る気持ちで、入り口をあけて、客を見に行った。
「わあ~。」と佐和子が言った。
客は、店から並び、一つ店の角を曲がり、次の曲がり角まで続いていた。
3人は、飛んで行った。
「前回どころじゃないですよ。2つ角を曲がって列が続いています。」と勉。
「それは、すごい。どうしよう。」と小林が言った。
「やるっきゃないですよ。」と加藤。

その頃、リヨンの方も、大変な行列だった。
「お父さん。前回の2倍。」
「近所に、お菓子を配っておいてよかったな。」と隆。

両店がオープン。
皆さん、相席OKである。
オーナーと支配人が見に来て、
「オーナーの後の予想が当たっていましたね。」
「私は、いい方に考えるタチでね。」

「昔のコロッケは、固いから、手で持てるという訳ですな。」
「そう言えば、昔は、手で持って食べましたよ。」
相席になった人通しで話している。

午前の11ゴロである。
リヨンの店に、コロッケ男爵が、マントに帽子眼鏡の姿であらわれた。
「わあ~、うれしい。」とみんなが大騒ぎをした。

「絵梨香、どうしたんだ?」と隆。
絵梨香は、にこにこして、
「コロッケ男爵が来てくれたんですよ。」
「わあ、それはすごいや。」
男爵は、並んでいる客から、サイン攻め、カメラ責めにあっていた。

「みなさん。昔のコロッケはおいしいですよ。」
「固いので、ぜひ、手で持ってたべてください。」
と男爵は言って歩く。

午後になり、男爵は、シャトレの方に来てくれた。
並んでいる人々は、興奮しての声をあげた。
「どうしたの?外が盛り上がってる。」と小林。
「男爵が来てくれたんですよ。コラムの写真と同じ格好で。」
ソムリエ3人が、飛び上がらんばかりに言った。
「うお、それ最高。俺も見に行きたい。」と加藤。
ここでも、男爵は、サイン攻めにあい、写真責めにあった。
みんな、男爵と並び、ピースをして、写真を撮っている。

「あ、教授だ!コロッケ男爵は、教授だったんだ。」
と男爵の大学の学生がいたらしく、叫んだ。
「わあ~、大学の先生だったんですか。」
「へ~え。すごい、ステキ。」
「お茶目な、先生なんです。その時代の紛争で授業をなさるんです。」
「教授、大学で、明日1日で、広まりますよ。」と学生がにっこり言った。
「コロッケのためなら、なんでもします。」と男爵は言い、みんなを笑わせた。

そのとき、二人の背広の30歳くらいの二人がやってきた。
「お父さん。遅くなりました。」
「名古屋から、飛んで来たんです。」
一人の方が、
「みなさん。はじめまして。コロッケ男爵Jr.1です。」
「同じく、Jr.2です。」と挨拶した。
すごい握手が起きた。
「じゃあ、コロッケ食べて元気出そうよっておっしゃったのはJr.2さんですか。」
「はい、あれは実話です。いいこと言うのは、みんなぼくです。」
みんなが笑った。

「わあ、また盛り上がってる。今度は何?」と小林。
「コロッケ男爵の、息子さんが、お二人駆け付けてくれたんです。」と加奈子。
「わあ、それ、サイコー!」加藤が言った。

こうして、ほのぼのした中で、店は、閉店になった。
シャトレのみんなは、オーナーから、また「大入り袋」をもらった。
1、 5倍の人が来てくれた。

今回は、リヨンと合同で、「ご苦労様会」をシャトレで持つことになった。
テーブルをぐるっと四角にした。
聡子がまた、寿司を頼んでくれていた。
小林が、ささっとオードブルを作り、コロッケも載せられていた。
主役は、コロッケ男爵と2人の息子さんだと、誰もが思っていた。
聡子と義男も参加していた。

オーナーが初めの言葉を言った。
「前回、ママのオムライスのとき、初めて多くのお客様を迎え、
 活気ある一日を過ごすことができました。
 それが、また今日も思い出に残る日を送ることができました。
 福の神は、柳澤聡子様のコラムです。
 前回の主役は、当レストランの小林シェフだったと思います。
 そして、今回は、コロッケ男爵こと小早川宗雄さんと、
 お二人の息子さんだと思います。
 お言葉は、後ほどいただくことにして、
 まずは、お疲れ様の乾杯をしたいと思います。
 お近くのワインをお取りください。
 では、乾杯!」

みんなの元気な声がこだました。
「ではしばらく、お寿司など召し上がりください。
 これは、柳澤様のお志です。」とオーナー。
みんなは、聡子に拍手をした。

時が過ぎ、コロッケ男爵こと小早川宗雄が立ち上がった。
一同は、食事をやめて、耳を向けた。

「えー、昔のコロッケを探しにレストランをめぐっておりますうち、
 リヨンの隆シェフに巡り合うことができ、それが、
 まさか、こんなに多くの人が集まってくださり、
 コロッケのために、尽力してくださいました。
 本当にありがとうございました。
 今日一日夢のような気持で過ごすことができました。
 妻が、この光景を見ましたら、さぞ・・・。」
と、小早川は、声を詰まらせた。
「さぞ喜んだと思います。
雑誌をいただきましたとき、一冊をお仏壇に置き、
 亡き妻と、いろいろに語り合いました。
 一家で、海も山もいきましたのに、
 思い出すのは、コロッケパーティのことばかりで、
 毎回子供たちは大きくなり、そのときの喜びばかりでした。
 今日のような日がくるとは、思いもよりませんでした。
 みなさま、本当にありがとうございました。」
みんなの大きな拍手があった。

次に、長男の小早川健一が立った。
立った途端、健一はどっと涙を流した。
「父が一人で淋しい思いをしているのではないかと、
いつも心配していました。
父から雑誌を送ってもらい、弟と読んで、涙いっぱいになりました。
 これは、行かねばならないと、新幹線で駆け付けました。
 私は、静かなレストランで父と3人で、
懐かしいコロッケを食べている光景を胸にいだいていました。
 それが、お店に来ましたら、ビルを囲むほどお客様にあふれ、
 みなさん、コロッケだけを食べに来たのだとお聞きして、
 喜びで胸がいっぱいになりました。
 しかし、あれだけ多くのコロッケを作られ、厨房の方は、
 死ぬほど大変で、ソムリエさんは疲労で倒れそうになられたことと思います。
 我が家にとって、最高のプレゼントをいただきました。
 父は、もう淋しくないと思います。
 ありがとうございました。」
健一は、涙を浮かべて、座った。大きな拍手。

次男、小早川洋治。
皆さま、どうもありがとうございました。
今日の日に、参加できましたことは、一生の思い出です。
母が亡くなり、葬儀のあと、3人でうなだれ、悲しんでいるとき、
「コロッケを作って食べよう。」と言ったのは、私で、事実です。
それを、柳澤様が、月刊グルメに書いてくださったので、
今日、私は、もてもてでした。
(みんな笑い。)
「ね、コロッケを作って食べようよ。」と言った方でしょう?
と多くの人に言われ、なんだか、ヒーローになった気持ちでした。
(みんな、笑い。)
父は、お茶目ですが、恥ずかしがり屋です。
その父が、「コロッケ男爵」の姿でいることに驚きました。
父は、「心のコロッケ」を皆さんが食べに来てくださり、
よっぽどうれしかったのだと思います。
リヨンのシェフ様。昔のコロッケをありがとうございました。
また、厨房の方ソムリエさん方、
本当にお疲れ様でした。
ありがとうございました。」

洋治は座った。
大きな拍手。

会が終わり、リヨンの隆と絵梨香は、
気持のよい風を受けながら、帰っていた。
「ね、お父さん。2つのレストランが手を組んで、
 あんなにたくさんのお客様がきてくれるって、
 他に、絶対ないと思わない?」
「思うよ。1つは、母さんで結ばれてる。
 もう一つは、柳澤さんで、結ばれてる。」
「そうね。これだけ、仲良くなっちゃったから、
 この先も続くね。」
「だと、いいね。」
二人は、空を見た。
やっぱり、明るい星が、
二人にまたたいているのだった。

<おわり>

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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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