超能力者・高島忠男①「忠男ピアニストになる。」
気分がイマイチで困っています。ほんのちょっとだけ書きます。
読んでくださるとうれしいです。
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超能力者・高島忠男①「忠男ピアニストになる。」
金曜日の午後。一番うれしい日である。
高島忠男は、女装もぜずに高級ホテル街を歩いていた。
すると、あるホテルのガラスの壁に、あるピアニストのポスターが、
ずらりと並んで貼ってあり、その前に、花束を持った女子学生が、
すごい人数並んでいる。
忠男は、誰のピアノかなと、そばによった。
江原哲夫という、まだ30代の若いピアニストだ。
イケメンである。
これでは、女子大生が並ぶはずだ。
その内、1台のリムジンがやってきた。
女の子達が、キャーキャーと騒ぎ始める。
やがて、イケメンの江原哲夫が、降りて来た。
その途端、女の子達は、哲夫に押し掛ける。
このとき忠男の立っている位置が悪く、女の子に押されて、
江原哲夫のところへ、押された。
そのとき、哲夫は、忠男の肩をポンポンと叩いたのである。
すると、女の子の群れが、忠男の方に攻めて来た。
「え?え?何?」
と思っているうち、忠男はガードマンに囲まれて、
ホテルの中に連れ込まれた。
中に入ろうとする女の子を、ガードマンが押し、やっと女の子達があきらめた。
忠男は、何もわからず、ホテルのガラスを見た。
「はあ~?」
と忠男は、再び驚いた。
自分が、ピアニスト江原哲夫になっている。
持ち物も違う。楽譜が入っている。
江原哲夫とチェンジしたのか。
何のために。
忠男の頭に音楽が流れ始めた。
それを弾いている自分の指がはっきりイメージできる。
もしも、ここにピアノがあったなら、
すぐにでも、演奏できる。
能力もチェンジしたのか。
他にチェンジしたものは何か。
江原哲夫は、高島忠男の姿となり、女の子の群れを抜け出して、
えへへと笑った。
演奏会まで、いろんな人間に会うのは、実にうんざりだ。
それまでは、この人物になり、静かにしていよう。
財布を見た。1万5千円。
ビジネスホテルに泊まり、のんびりして、
夜は、おいしいラーメンを食べに行こう。
江原哲夫の姿じゃ、どこもいけやしない。
哲夫は、自由に動ける夜を思って、うきうきとした。
哲夫は、ふと、頭の中に音楽が鳴っていないことに気が付いた。
音に合わせて、鍵盤を弾くように指を動かして見た。
動かない。しまった。演奏技能をアイツの中に置いて来たのか。
まあ、いいか。何千回と弾いて来た曲だ。
江原哲夫も、超能力者だった。
(次回は、「売名演奏か?」です。)
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読んでくださるとうれしいです。
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超能力者・高島忠男①「忠男ピアニストになる。」
金曜日の午後。一番うれしい日である。
高島忠男は、女装もぜずに高級ホテル街を歩いていた。
すると、あるホテルのガラスの壁に、あるピアニストのポスターが、
ずらりと並んで貼ってあり、その前に、花束を持った女子学生が、
すごい人数並んでいる。
忠男は、誰のピアノかなと、そばによった。
江原哲夫という、まだ30代の若いピアニストだ。
イケメンである。
これでは、女子大生が並ぶはずだ。
その内、1台のリムジンがやってきた。
女の子達が、キャーキャーと騒ぎ始める。
やがて、イケメンの江原哲夫が、降りて来た。
その途端、女の子達は、哲夫に押し掛ける。
このとき忠男の立っている位置が悪く、女の子に押されて、
江原哲夫のところへ、押された。
そのとき、哲夫は、忠男の肩をポンポンと叩いたのである。
すると、女の子の群れが、忠男の方に攻めて来た。
「え?え?何?」
と思っているうち、忠男はガードマンに囲まれて、
ホテルの中に連れ込まれた。
中に入ろうとする女の子を、ガードマンが押し、やっと女の子達があきらめた。
忠男は、何もわからず、ホテルのガラスを見た。
「はあ~?」
と忠男は、再び驚いた。
自分が、ピアニスト江原哲夫になっている。
持ち物も違う。楽譜が入っている。
江原哲夫とチェンジしたのか。
何のために。
忠男の頭に音楽が流れ始めた。
それを弾いている自分の指がはっきりイメージできる。
もしも、ここにピアノがあったなら、
すぐにでも、演奏できる。
能力もチェンジしたのか。
他にチェンジしたものは何か。
江原哲夫は、高島忠男の姿となり、女の子の群れを抜け出して、
えへへと笑った。
演奏会まで、いろんな人間に会うのは、実にうんざりだ。
それまでは、この人物になり、静かにしていよう。
財布を見た。1万5千円。
ビジネスホテルに泊まり、のんびりして、
夜は、おいしいラーメンを食べに行こう。
江原哲夫の姿じゃ、どこもいけやしない。
哲夫は、自由に動ける夜を思って、うきうきとした。
哲夫は、ふと、頭の中に音楽が鳴っていないことに気が付いた。
音に合わせて、鍵盤を弾くように指を動かして見た。
動かない。しまった。演奏技能をアイツの中に置いて来たのか。
まあ、いいか。何千回と弾いて来た曲だ。
江原哲夫も、超能力者だった。
(次回は、「売名演奏か?」です。)
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