物語『MF』⑤ 「MFたちの青春」

めちゃめちゃ長くなっています。たいしたストーリーもなくて、恐縮です。
これでも、精一杯書いています。
あと、2回ほどで、終わりにしたいと思っています。
どうか、お付き合いくださいますように。
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物語『MF』⑤ 「MFたちの青春」


希望の森学園高校は、1週間の時間割を自分で決めるので、
クラスは、ばらばらである。そこで、クラスルームという教室が決まっていて、
みんなそこへ行って、昼を食べる。もちろん外食をしてもいい。
しかし、みんなクラスという居場所が欲しかったので、  
ほとんどは、ここへ来る。
制服はないので、みんなまちまちに個性的な服を着ている。
ユキや邦子は1年C組。同じクラスだった。石井隆子も同じ。

その日、MFっ子が固まって食べていると、
みんなから「モモ」と呼ばれ、変わり者だと思われている女の子が、
まっすぐ邦子のところにやって来た。みんなが見ていた。
モモは、背が155cmくらい、おかっぱにしている子だ。
「はい、邦っぺ。」といって、チケットをくれようとしている。
「え?あたしに?」と邦子は、モモを見つめチケットを受け取った。
「わあ、これMF30のライブチケットじゃない。
 抽選だからめったに手に入らないのに。くれるの?」

「その代わり、あたしと、いっしょだよ。」とモモは、もう1枚のチケットを見せた。
「どうして、あたしといっしょなの?」
「決まってるじゃない。邦っぺは、あたしのお気に入りなの。」
「そうなの?」
「うん。」
邦子は少し考えた。モモのことは、嫌いじゃない。小柄で可愛い。
「あたし、モモといても、今みたいに女よ。スカート履いて行くし、
 メイクもしていくし、女そのものよ。」
「そこが、いいの。」
「そうなの?じゃあ行く。モモと行く。ありがとう。」と邦子が言った。
モモは、ニっと笑って、席に戻った。
クラスの生徒が、おおおおおと言いながら、拍手をした。
みんなにこにこしていた。
「あたし、MFっ子の中では、女度1、2番に高いのよね。
 そのあたしが、女の子にモテるなんて、ありえる?」邦子は言った。
「モモは、邦子のこと、男とは思ってないって。」
横にいた男子が、邦子の肩に手をかけた。
「あ、なるほどね。」と邦子は、そう理解した。

「あたしも、はい。」と隆子が、ユキにチケットを渡した。
「あたしも、2枚当たったの。」
「わあ、ほんと?あたしは、外れたからうれしい。」とユキは言った。
「あれえ?隆子は、ユキなの?」とある男子。
「隆子に見合うの、ユキしかいないじゃない。
ユキに見合うのも隆子しかいない。」とある女子。
「俺、ユキは女だと思ってるし、女同士、もったいねーよ。」
「どういう意味?」
「ほら、2人のいい女が別れれば、二人の男が助かるじゃね。」
「そうなっても、あんたは、選ばれないよ。」とある女子が言って、
みんなで笑った。

この頃は、MF男子と相性のいいMF女子がいることを、みんなは知らなかった。
後で、分かることだが、モモも隆子もMF女子だった。

ネットの世界で、もう10年前から、「ネット学会」というものが、あった。
いちいち学界を開いて、世界中の学者を集めるのではなく、
インターネットで、実験結果等を世界に流す。
1つの論文に質問もできる。

宗雄と杏子は、<MF女子の存在>と題して、次のような論文を投稿した。
「MFの影響は、YだけでなくX染色体にもあり、これにより、MF男子と同じく、
 MF女子というものがあり得る。(MF女子の見かけは、顕著ではない。)
 そして、MF男子とMF女子は、互いに引かれ合う関係にあると思われる。」
(その下にラットの研究結果が示されている。)

この「MF女子」の存在の可能性を提唱したのは、
小早川宗雄、桜井杏子のコンビが、世界初であった。
・それは、すごい。考えても見なかった。
・これで、ひとまず、種の保存への心配は少なくなったと言えそうですね。
・喜ばしいことだ。MF男子同士の同性婚への心配が、減りますね。
 同性婚は少しも悪くないが、人数が多過ぎます。
など、同様のコメントが、多く集まった。

杏子は言った。
「今考えれば、当然とも言えることなのに、世界初の提唱だったなんて。」
「MFの子達が大きくなって来たからこその発見だったと思うよ。
 MFの子達が、思春期になってわかることだから。
 それにしても、盲点だったんだよ。杏子さんのお手柄だ。」宗雄は言った。

モモが堂々と邦子にライブチケットをあげたことは、
クラスにとって、少なからず、大きな刺激だった。
みんな仲はよかったが、それ止まりだった。
それが、モモがはじめて告白レベルの行為を見せた。
一番刺激を受けたのは、MF好きの女の子(後のMF女子。)
MFの子に告白するのは、レズビアンのような気がしてためらっていた。
だがモモを見て、多くの子がMFの子に告白した。
そして、ノンMFの女子とノンMFの男子も、カップルができていった。
ユキと隆子は、密かに第1号だった。

隆子は家に帰り、夕食が終わると、
自分の部屋で、You Tube で、ユキの歌ばかり聞いていた。
ユキは、「上を向いて歩こう」とか「オブラディ・オブラダ」とか、
「白い色は恋人の色」などの昔のカバー・ソング。
そして、自作の2曲を入れている。
どれも、ミニスタジオで、本格的に録画したものだ。
隆子は、ユキがお茶目な表情で、立って歌っている「オブラディ・オブラダ」が、
とくに好きだった。
ルックスは、隆子が惚れ惚れするほどであるし、声も心地よいビブラートがあり、
絶対人気が出ると思っていた。
5つの映像のアクセスは、みんな2万代を超えている。
だが、ユキの人気が出れば、自分にとって遠い人になる気がして、
それが、少し淋しくもあった。

季節は、夏休みの直前。
「MF30」ライブ当日である。
ユキは、朝から何を着て行こうか迷っていた。
ユキは、隆子といると、つい男言葉が出てしまう自分に気が付いていた。
相手が、女の子だからだ。本能的に男が出る。
ユキは、隆子に、あくまで女装子としての自分を好きになって欲しかった。
だから、最高に女っぽい服を考えていた。
「ユキ、なあに?朝から、服を考えているじゃない。女の子みたいよ。」
姉のユカがからかった。
「思い切り女の子の格好で行くの。」とユキ。
「じゃあ、これ。それに、髪はポニーテイルにすると、
 最高に女の子よ。」
ユカが選んだのは、ノースリーブのクリーム色のミニのワンピース。
スカート部は、膝上15cm。
姉に、ポニーテイルにしてもらう。ドレスと同じ色のシュシュ。
前髪とコメカミの髪を降ろす。
空いた胸に、銀のネックレス。耳にも銀のピアス。
メイクをした。
つけ睫毛を付けて、
ピンクのリップを引く。

鏡のユキを見て、ユカが言った。
「ふぁ~。ザ・女の子よ。脚がめちゃ長いのね。
ジェラシーだわ。」
父の道夫は言った。
「男の子とデイトか?」
「違う、女の子と。だから、おめかししてるんじゃない。」ユキは言った。
「そうなの?やっぱり女の子が好きなのね。
 だったら、男っぽい恰好すればいいのに。」と母の美雪。
「そこがね。」とユキは、笑った。

ユキは黒いパンプス、黒いバッグを肩から下げて出ていった。

渋谷で待ち合わせだ。
隆子は、赤いミニのワンピースを着て、ばっちりメイクしていた。
ミニの隆子を見るのは、初めてだ。
ユキは胸が、ときめいた。
隆子も、ユキを見て、胸がキュンとなった。
ものすごく可愛くて美形だ。
「わあ、ユキ最高。すごく脚が長いんだ。いつも、ミディ履いてるから、
 知らなかった。」
「わざと、女の子っぽくしたの。」
「どうして?」
「隆子といると、つい男っぽくなっちゃうから。」
「どっちのユキも好きよ。」
ユキと隆子は、ショーウインドウに来るたびに、自分たちを映して、
「女の子2人。」と思ってうきうきとした。

(次回は、『結ばれる二人』です。)


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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