物語『MF』④ 「MFの子への福音」

終わりが、見えていないのですが、もうそろそろ最終回かなと思っています。
もう少しお付き合いくださると、うれしいです。
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物語『MF』④ 「MFの子への福音」


小早川宗雄は、隣室にいる大学院生の桜井杏子を呼んだ。
杏子は、24歳。MF世代ではない。
小早川は、京子を丸テーブルに座らせ、コーヒーを入れようとした。
「先生、コーヒーならあたしが淹れます。」そう言って、京子が立とうとしたが、
「いいの、いいの、私が君を呼んだんだから。」
そういって、京子の前にコーヒーをおいた。

宗雄は、若い院生であっても、対等の研究者として、
こうして相談相手として呼ぶ。
杏子は、助教授のそう言うところが、好きであった。

「今、MF関係で、一番危惧されることは何かな。」と宗雄。
「MF商品がなくなったとき、お母さんたちは、パニックになります。
 今や、MF化粧品なしでは、生きていけなくなっています。
 外部からの女性ホルモンに頼っていると、体が女性ホルモンを、
 生み出すことをしなくなってしまいます。それと似ています。」杏子は言った。
「ありえるね。じゃあ、人類にとっては、どうかな。」
「MFの子達は、女装子、そして、女の子も好きですよね。
 女の子と結婚してくれたらいいけど、女装子同士の同性婚が増えると、
 種の滅亡につながります。MFの子の数が多過ぎます。」
「MFの子は、女の子が好きだが、
タレントや歌手ではなく、日常レベルで、女の子はMFの子に恋をするかな。」
「しますよ。」と杏子は言った。
この言葉に、宗雄は、明るい顔で反応した。

「杏子さん、どうしてそんなに断言できるの?」
「一番下の妹は、15歳でMF世代です。
 妹は、小学校のときから好きになるのは、みんなMFの子でした。」
「偶然じゃないの?」
「はっきり、MF子が好きで、女装したときは、もっと好きだと言ってます。」
その言葉を聞いて、宗雄は、目を輝かせた。
「杏子さん。君は今、どれだけ重要なことを言ったか、分かるかい?」
「わかりませんが・・。」

「神様は偉大だ。これは、仮説だよ。」宗雄は興奮して言った。
「多分、MF配合品は、男の子のY染色体に影響しただけでなく、
 女の子のX染色体にも、若干の影響を与えた。
 つまり、MFの子が好きになるような女の子にした。
 そんな女の子は、50%の確率で生まれて来る。MFの男の子とほぼ同数。
 多分、MFの子は、その女の子達に心惹かれる。」
「わあ、だったらいいですね。種の保存解決です!」
「ほんの解決の入り口に過ぎんが、
ひとまず第1世代はね。早速、ラットを使って実験しよう。」
「はい。」
二人は、嬉々として、実験を始めた。

男女共学「希望の丘高校」は、正門まで、長いポプラ並木になっている。
ユキは、黒のセーターとこげ茶のミディスカートを履き、
ギターケースを肩に下げて歩いていた。
そこに、ささっと足早に追いかけて来た女の子がいる。
「あ、石井さんだ。」とユキはにっこりと言った。
石井隆子。背は、ユキより少し低い。髪の長い綺麗な女の子だ。
「わあ、名前知っていてくれたの。」隆子は言った。
「だって、ほとんどの授業、いっしょじゃない。」
(隆子が、ユキに合わせたのだ。)
「えーと、片桐くん?さん?」と隆子は言う。
「ユキって呼んでくれたらうれしい。」
「じゃあ、あたしは、隆子って呼んで。」
「うん、いいわよ。」
「ギター弾けるんだね。」
「中学から始めたから、まだへたくそ。」
「聞きたいけど。」
「ほんと?聞いてくれるの?聞いてくれる人なんて滅多にいないのに。」
「あ、じゃあ、是非聞かせて。」
ユキは、ケースを開いてギターを取り出した。
脚を組んで、ギターを構えた。
隆子は、ベンチの邪魔にならないところに座り、
前かがみになって、ユキの手と顔を見ていた。
「あたしの好きな、昔の曲。『白い色は恋人の色』。」
「知ってるわ。大好き。」
ユキは、2本指奏法で、前奏を奏で、歌い始めた。

♪花びらの白い色は 恋人の色・・・

下手などとは、とんでもなかった。
歌声も、ステキだった。

その二人の様子を、中学から一緒の、MFっ子の邦子と里菜が見ていた。
邦子は、里菜に、小声で、
「邪魔しちゃだめよ。ユキ今女の子といい感じなんだから。」と言った。
里菜が、うんうんとうなずいた。

歌が3コーラス目に入ったとき、
ユキは低音部に入り、高音部に隆子を誘った。
隆子は、すーと歌に入って来た。
すがすがしい時間が流れ、
曲は終わった。

隆子は、拍手をしながら、
「わあ、すごく、よかった。」と言った。
「隆子、覚えているのね、この曲。」
「少しだけ。それよりユキは、下手なんてとんでもないじゃない。
 声も、すごくステキ。」
「実は、週2回、ボイストレーニングに行ってるの。」
「じゃあ、プロの道進むの。」
「夢だけどね。You Tube で片桐ユキで検索してくれたら、
 あたしの歌出て来ると思う。恥ずかしいけど、教えちゃった。」
と、ユキは照れて、猫の手を作り頭をコンと叩いて笑った。
(隆子は、そのときのユキがものすごく可愛いと思った。)

「きっと、何度も聞くと思う。」隆子は言った。
「あ、バスが来た。あたし行くね。」
手を振りながら、ユキは走って行った。
隆子の胸は、ぽかぽかと温かくなっていた。

隆子は、ユキのことを、
決定的に好きになってしまったと思った。

バスに乗り込んだユキは、かなり心が弾んでいた。
『石井さんに、歌を聞いてもらった。やった!』
そう、心でガッツポーズをして、ギターケースを抱きしめた。



小さなルームの中に、MF食品を食べて育った雄のラットと
MF食品を一切食べていない雄のラットがいる。
そのルームの中に、MF食品を食べている雌のラットを入れた。

宗雄と杏子は、ドキドキしながら見ていた。

すると、ラットは、雄のMFラットのそばへ行って離れなかった。

宗雄と杏子は、にっこりして顔を見合わせた。

次に、MF食品抜きの雌のラットを入れた。
すると、今度は、雄のMF抜きのラットの方へ行って離れない。

その後、全部MFラットでの実験。
全部、ノンMFラットでの実験。
以上を、ラットを代えながら5回行ってみた。

宗雄と杏子は、テーブルに戻って、コーヒーを飲んだ。
「長年の心配が、こんな簡単な実験で解決するなんて。」杏子は言った。
「こんなもんなんだね。京子さんの妹さんのことでわかったんだもの。」
「これで、第一世代が分かったとして、問題は、第2世代ですね。」杏子。
「MFラットの雄雌で、どんなラットが生まれるか。
 これは、怖くて実験ができないなあ。」と宗雄。
「MFは、基本的に優性遺伝子を集めるので、悪くはならない気がします。」
「よ過ぎてもいけないよ。IQ200みたいな子が、どんどん産まれたら大変だ。
優性と優性のかけ合わせで劣勢になることもある。
神様は、『突然変異』なんての作るからね。
 まず、今のMFの子達が安心して子供を作れるように、
 次の世代の子のことだけは、調べておかないといけないな。」
「そうですね。」
「研究の喜びはあるが、こんな冷や冷やする実験、逃げ出したいな。」
「でもあたし、いい時に大学院生になったと思っています。」
「その意気、その意気。」
二人は、顔を見合わせて笑った。

(次回は、「MF達の青春」です。)

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プロフィール

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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