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専業主婦・柳沢聡子「町の洋食店・リヨン」

平凡なお話です。1話完結です。
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専業主婦・柳沢聡子「町の洋食店・リヨン」


昼になった。
聡子が階段から降りて来て、夫の義男に言う。
「あなた、昼は、町のレストランにいきましょう。
 小早川くんにまた、少し頼みましょう。
「町のレストランなら、この格好でいいかな。」
義男はよれよれのズボンに、ジャンパーを着ている。
「まあ、いいでしょう。」
一方の聡子は、昼でも、一分の隙もない恰好をしている。

義男のビジネスホテルから、10分くらい歩いた商店街に、
「洋食店・リヨン」と書かれた店がある。
入り口は、がっちりした木のドアである。
中に入ると、カウンター席と、4人掛けのテーブルが3つある。
聡子たちが入ると、ソムリエ風の20歳を少し超えたくらいの女性がいる。
聡子が座ろうとすると、椅子を下げて、座らせてくれる。

「この町にレストランがあるとは、知らなかったね。」と義男。
「ええ、昨日、ここへ来てみて、びっくりしましたのよ。」と聡子。
「何を、びっくりしたの?」
「おいしくて。」
「私は、なんでもおいしいけどね。」義男はにっこり笑った。

「今日は、ハンバーグ定食にしてみません?」聡子。
「もう、大好物だよ。」
聡子は呼んだ。
「ハンバーグ定食を。」
「ハンバーグ、かしこまりました。お飲物はいかがなさいますか。」
聡子は、ドリンク表を見た。
ワインが20くらい並んでいたが、なかなかのものである。
「あなた、昼にワインを飲んでもいいかしら。」
「聡子さんは、たくさん飲まないから、いいんじゃないかい。」
「じゃあ。」といって、聡子は、ドリンク表の1つを指さした。

「まあ、お客様、これは、当店で一番の高いワインでございます。
 お値段が張りますが。」ソムリエは言った。
「気になさらないで。恐らく、こちらのハンバーグにぴったりだと思いませんか。」
「実は、超高級ワインですので、飲んだことがございません。」
「そうですか。では、なおさら、このワインを。
 夫には、カリフォルニアのロゼを。」と言って、聡子はにっこりした。

ソムリエ絵里奈は、厨房に入り、50歳くらいの父隆に言った。
「ああ、聞こえていた。昨日も来てくださり、
 俺の、カキフライを誉めてくださった。只の方ではない気がする。」

絵里奈は、ワゴンに2本のワインを載せて、まず義男のグラスに、
少量カリフォルニア・ロゼを入れた。
義男は、ちびりと飲み、口に含んで、
「ああ、けっこうです。」と言った。
次は、「ルビーの湖」とあだ名のある超高級ワインを聡子のグラスに注いだ。
1本10万円である。
聡子は、口の中でワインを転がし、
「ああ、ステキだわ。これで、けっこうです。」
と嬉しそうに言った。

聡子は、絵里奈に言った。
「ソムリエさんは、近くにソムリエのお友達がいらっしゃいますか。」
「7人で、いつも、ワインの飲み比べなどやっています。
 一人では、高級ワインを買えませんから、7人で買うんです。」
「まあ、そうですか。」と聡子。

その内ハンバーグが来た。
「あなた、お箸も置かれているわ。」
「それは、気が利いてるね。」
「あなた、食べる前に、この美しく色どられたお料理を見て。」
「そういえば、すばらしいね。食欲をそそられるね。」
聡子も、フォークで一口入れた。
「まあ、おいしい。こんなハンバーグめったにいただけませんわ。」
と聡子は、心配そうに見ている絵里奈に聞こえるように言った。
「ああ、これは、おいしいな。どこがちがうんだろう。」
「ほら、まず素材が違いますわ。
 きっと特別なところから仕入れている。
 こね具合も、ここというところで止めている。
 それに焼き具合。これをあと10秒余計に焼いてしまったら、
 焦げすぎ苦くなってしまう。絶妙なとこで、上げてある。
 お見事だわ。」

義男は義男のワイン。叔子は、「ルビーの湖」を飲んだ。
「やっぱり、ワインは、カリフォルニア・ロゼに限るな。
 俺も、1本覚えたよ。」

昼でもあり、1本全部飲むのは過ぎる。
聡子は、絵里奈を呼び、他に客がいなかったので、シェフも呼んだ。
「昨日、カキフライを、今日は、ハンバーグをいただきました。
 2日共、まあ、なんとおいしい、堪能致しました。」
「それは、うれしいです。」隆は言った。
「私は、シェフは超一流の方と見ました。
 どこかで、長い間、修行をなさいましたか?」
「実話、レストラングリッツで、長い間シェフをしていました。」
「まあ、どうりで。」
「妻は、この店で、レストランをしていました。
 その妻が亡くなりました。しかし、店を閉じるのは悲しく、
 私と娘で、続けているようなしだいです。」

「そうですか。さぞお悲しみだったことでしょうね。
 そうだ、本題に進みます。
 私は、柳沢聡子と申します。」
「え?あの柳沢聡子様ですか?」シェフは目を丸くした。
「そんな、大したものではありません。
 私は、雑誌「月間レストラン」で、私が何を書いてもいいコラムを持っています。
 そこで、次号のコラムで、ぜひ、こちらの「洋食店・リヨン」のことを、
 書かせていただきたいのです。写真も入れます。
 そうすれば、お店の宣伝になるのではと、思うのです。
 こちらは、あくまで、庶民のメニューで、しかし、どのお料理も、
 とびきりにおいしい。
 そんなレストランは、ステキだなあと思いました。」

「それは、うれしいことです。
 実は、ほとんど客が入らず、娘とどうしようかと思っていたのです。
 コラムに乗せていただければ、大きな宣伝になります。」
「あと、半月で雑誌がでます。それまで、耐えてえくださいませ。
 もっとも、わたくしたちは、毎日、昼と夜にきますが。

 あ、そうそう。このワインルビーの湖ですが、昼に全部飲むわけにはいきません。
 残りを、ソムリエさんにさしあげたいのですが。
 もちろん、お代は全額お支払いします。
 お父様とお二人で飲むのもよし、ソムリエ仲間さんと飲むのもよし。
 さきほど、まだ、飲んでいないとおっしゃっていましたので。」

聡子は、ソムリエの絵里奈にコルクをするようにいい、差し出した。
「お父さん、いいのかな?」と絵里奈は父を見た。
「いただいておきなさい。そして、仲間と飲みなさい。」
「ありがとうございます。」と絵里奈は、深く頭を下げた。
隆は、何から何までありがとうございますと聡子に頭を下げた。

「月間レストラン」の発売日となり、
その日の夜に、8人の客が来た。
次の日の夜には、満席になった。
それから、満席の日が続いた。
隆は、生き生きしていた。
ソムリエの絵里奈もうれしい悲鳴だった。

店が終わったとき、
隆は言った。「絵里奈、暇だったときが懐かしいんじゃないか。」
「お父さんと同じ気持ちよ。お母さん、天国で喜んでいるよ。」
「ああ、そうだな。」

聡子は、毎晩、洋食店リヨンの賑わいを見て、
幸せな気持ちになるのだった。

<おわり>

<次回は未定です。>

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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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