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柳沢聡子①「フランス語レストラン」(2話完結)前編

新作です。聡子をシリーズにときどき書きたく思います。
物語に出てくるようなフランス語レストランは、昔、
2軒あったそうです。今もあるかは、わかりません。
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柳沢聡子①「フランス語レストランの巻」(2話完結)前編


聡子と義男は、ビジネスホテルを久保坂に任せ、
夏の避暑として、人気の別荘エリアにいた。
「聡子さん。ここは君の別荘かね。
 豪邸じゃないか。」と義男。
「あたしのであるわけありませんわ。
 友達が、1週間貸してくれたのよ。」と聡子。

中に入ると、従業員がいることにビックリ。
みんなで、出迎えてくれている。
「よろしくお願いします。」と聡子は優雅に礼をする。

そこで、3食昼寝付きの涼しい日を送り、
4日目のこと。
聡子は、夕食をシェフに断った。
「セレヌ・ド・パリ」に行ってみようと思いますの。」
「ああ、あそこは、ここ1番のフランス料理店ですが。」
「ですが、なんですの?」
「少し、気どったところです。シェフは超1流です。」
「じゃあ、その『気どり』も楽しんできますわ。」聡子はいった。

義男の一張羅のスーツとネクタイは、よれよれであるが、
クリーニングにちゃんと出しており、清潔であるので、聡子は文句を言わない。
脱いでパッとどこにでも置くのが、義男の悪いクセなのだ。

「セレヌ・ド・パリ」は、近くであり、二人は歩いて行った。
瀟洒な建物であり、レストランとしては、1流を感じさせる。
二人が、着いたとき、新婚風の若い夫妻が、
ぷりぷり怒りながら出て来た。
「まあ、どうなさったの。」と聡子は言った。
夫の茂夫は、誰かに怒りをぶちまきたかった。
「ここ、ボーイもウエイトレスも日本人なのに、
 フランス語しか使わないんですよ。
 メニューも全部フランス語。日本語の添え書きがない。
 私が怒って何を言っても、フランス語でしか対応しないんです。」茂夫は言った。
「こんなのかっこつけてるだけですよね。あたしも、ものすごく腹が立ちました。」
妻の愛子が言った。

「あたしも腹が立って来たわ。私が、レストランの人達をやっつけますから、
 それをご覧に、4人ご一緒にいきませんか。」と聡子。
「どうやって、やつけるのかね。」と義男。
「フランス語には、フランス語でやっつけます。」と聡子は、胸を張った。
「聡子さんは、不思議な人だから、楽しみに来るといいよ。」
と義男は、新婚夫妻ににこにこしていった。

4人は、レストランに入った。
小柄な支配人と見える人物が、頭を下げ、何やらフランス語で挨拶した。
聡子は、フランス語で、ぺらぺらと言葉をまくしたてた。
「さきほど、このお二人が、怒って出て見えましたので、
 私が、なだめ、もう一度お連れしました。
 ここは、全部フランス語だそうですが、まさか、私達同士の言葉まで、
 フランス語でせよとは、いいませんわよね。
 このお二人を怒らせたお詫びに、一番いいテーブルに案内してください。」
それは、早口のネイティブが話すフランス語だった。
それだけではない。

フランスに12年いた支配人大沢は、フランス語が堪能と自負していたが、
背の高い女性の言葉が、全くわからなかったのだ。
他の国の言葉ではない証拠に、少しだけ分かる言葉もあった。
「いいテーブル」というのだけわかった。
大沢は、言葉が分からなかった負い目で、分かった言葉の通り、
いちばんいいテーブルへ案内した。

そこは、美しい庭の見える、VIP用のテーブルだった。
「まあ、ステキ。綺麗なお庭だわ。」と愛子がいった。
「ほんとだね。フランスに来た気がするね。」と夫の武夫がいった。

「聡子さん。フランス語ペラペラなんですね。」と愛子は言った。
「私もびっくりしたよ。聡子さんは、やっぱり不思議な人だね。」と義男。
「あら、あなた知らなかったの。あたしの父は、フランス人、
 母は、日本人。あたし混血ですのよ。
 それより、今日頼むのは、オムレツだけにします。
オムレツが一番むずかしいのです。
 ワインも飲みやすい物。従業員を悩ませるのが目的ですから。」

黒いミニスカートのウェイトレスが来た。
白いエプロンをし、白いレースの髪飾りをしている。
「俺たちのところへ来た、ウェイトレスです。」
と茂夫は小さな声で言った。
ウェイトレスは、フランス語で、
「ようこそ、いらっしゃいませ。」
と頭を下げて、メニュー表を配ろうとした。」
聡子はメニュー表をそっと押し返して、フランス語で、
「4人みんなオムレツです。玉子は、吾妻産吉川地鶏玉子でね。
 ワインは、カリフォルニア産のオブジェ・ド・ディホンの3年物のロゼにして。
 以上よ。」

吾妻産吉川地鶏玉子というのは、ここ近辺で最高の卵で、言わなくても、
近辺の一流レストランでは、この卵を使うのが常識である。
だが、聡子は、その言葉を滑らかなフランス語に乗せて言ったので、
日本語とは全くわからなかった。

ウエイトレス村岡奈津子は、全く聡子の言葉が分からず、
密かに困惑した。
奈津子は、パリに5年いた。
それでも、今の客の注文が、全くわからない。
聡子が言った卵の日本語も、全くわからなかった。
こんな経験は初めてだった。

だが、注文はとらないといけない。
厨房は、注文待ちをしている。

奈津子は、恥を忍んで、聞いた。
「申し訳ありません。もう一度ゆっくり言ってくださいませんか。」
聡子は、仏語で、
「嫌です。
 分からなかったなら、なんで自分が一番得意な言葉で聞かないのです。」

奈津子は、その聡子の言葉もわからなかった。
おどおどして、「少々お待ちください。」とフランス語で言って、
下がってしまった。

聡子はすぐ、「こう言ってやったのよ。」
と、支配人から、今のウエイトレスに言った内容を、3人に話した。
愛子は、「わあ、うれしいです。胸がすーとしました。」と言った。
「ぼくもです。」と茂夫もうれしそうに言った。

「聡子さん。でも、何のマジックを使ったの?」と義男が聞いた。
「うふん。」聡子は、小さい声で、
「フランス南部のね。なまりがめちゃめちゃキツイ地方の言葉でしゃべってるの。
 日本で言うなら、東京から一番遠い鹿児島弁ってとこ。
 私達、日本語のネイティブだから、鹿児島弁わかるでしょう。
 でも、外国の人なら、まずわからない。その逆をやってるの。」
「あーあーあ。」と3人はうなづいた。
聡子はにこっとした。
「わあ、おもしろい。これからが楽しみ。」愛子は大喜びした。

奈津子がべそをかいて戻ってきたので、ボーイやソムリエが取り囲んだ。
「奈津子、どうした。」
「お客様のフランス語が、まるで分らないの。」
「うそ、あなたパリに5年もいたんでしょ。それならわかるわよ。」
と、ホールの長でもある、ソムリエの冴子が言った。
冴子は、12年パリにいた。
フランス語レストランを始めて、3年になるが、言葉で困ったことはない。
「おかしいな。フランス語ならわかるはず。
 多分、ブロークンなフランス語使って、あたしたちを困らせてるのかな。
 よし、あたしがいくわ。」
ソムリエの冴子は言った。
冴子は、前髪をきちんとオデコに留め、聡明な額を見せていた。

「No .1が来たわ。」聡子は、皆に、小声で言った。


(次回は、後編「アランの言葉」です。)


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プロフィール

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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