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新ヒロイン・柳沢聡子③ 『支配人とその家族』完結編

完結編まで、どうにか書くことができました。
一生懸命書きましたので、読んでくださるとうれしいです。
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新ヒロイン・柳沢聡子③ 『支配人とその家族』完結編


ホテルグリッツ・レストランのオーナー河村英吉は、
極めてフランクな好人物であり、聡子は好きであった。
50歳ほどで、髭をたくわえていて、
黒い背広をすらりと着こなしている。

オーナー室に入ると、河村は聡子を見て、
「なんだ、聡子さんなの。じゃあ、松村君は、聡子さんに捕まったのか。」
「はい。」と松村は小さい声で言った。
河村の前に松村が座り、松村の横に聡子が座った。
松村だけが、ガチガチになっていた。
「聡子さんは、コーヒーだったね。松村君もコーヒーでいいな。」
河村は、コーヒーメーカーから3つのカップにコーヒーを注いだ。
河村がソファーに戻った。
「じゃあ、松村君。最初にやった悪いことを言ってみなさい。」

松村は、聡子を女装の人と見て、離れ小島に座らせたことを話した。

「バカだなあ、君は。そのために、次々罪を重ねることになったわけだ。」河村。
「はい。」松村は、うつむき、コーヒーに手を付けなかった。
「イチロー選手ほどのスーパースターが来たら、
 客は、女装の人より、もっと、もっと見るぞ。料理を味わうどころではないよ。
 そこで、君は、客が料理に集中できるようにと、
イチロー選手を、今日聡子さんを案内した席に、
 壁に向かって座らせる度胸があるかい。」
「とても、ありません。」
「な。そこに君の偏見があるのよ。女装の人を見下していたわけだ。
 君は、料理漫画を読んだことはないのか。
 コーヒーを飲みなさい。命令だ。」
松村は、コーヒーにやっと口をつけた。
聡子は、そういう河村が好きであった。

「『ザ・シェフ』(剣名舞、加藤唯史)なら、読みました。」松村。
「読んだのか。感動しただろう。」
「はい。私がレストランで働きたいと思わせてくれた漫画です。」
「あのシェフは、どんなえらい人間にも、どんな貧しい子供たちにも、
 同等の情熱をこめて料理する。
 私の説教より、あの漫画を読み返す方が、よっぽどいい。
 もう一度、読み返しなさい。
そして、偏見を一つ一つ捨てていきなさい。

 あ、そうだ、聡子さんへ謝らなくては。
 あんな席にお連れして、本当にすいませんでした。
 このオーナーの不徳の致すところです。」
「オーナーにそう言われると、もう怒れませんよ。」と聡子は笑った。

次に、松村は、聡子を女性トイレに行かせなかった罪を言った。
「松村君は、女装の人が来たら、どうすればいいか、
 知らなかったんだな。
 私は、この聡子さんに教わった。松村君に教えておくんだったなあ。」

聡子は言った。
「それは、ソムリエの小杉礼子さんに教えました。
 松村さんは、礼子さんから教わってください。」

次に、松村は、予約表を偽装した件を話した。
「松村君は、また悪い癖が出たのか。なかなか治らんか。
そうだ、ソムリエの礼子さんと、ボーイの小沢君を呼んで、
知恵を借りよう。今日は水曜日で、そう忙しくはないだろう。」
と河村は電話をして、二人を呼んだ。

二人は来て、オーナーの隣に並んで座った。
震えている松村を見た。

松村は、ガチガチになりながら言った。
「私は、子供の頃から、嘘ばかりつき、
 それが、ばれぬよう、また嘘を重ね、
 さんざん皆から嫌われてきました。
私は、最低の人間です。
大人になっても、
自分が少しでも不利になると、嘘で逃れて来ました。
でも、嘘はつき通せるものではなく、方々で追い出されました。
このレストランの支配人になれたとき、絶対嘘はつかないと誓いましたが、
柳沢様にまた嘘をつきました。
もう、ほとほと自分に愛想がつき、消えてしまいたい気持ちでおります。」

河村オーナーは、改まった顔をして、姿勢を正し、聡子に言った。
「聡子さんは、もう知っていると思いますが、
私には、変な意地があり、優秀な部下だけで身を固め、
 何かを成功させても、あまり喜びを感じないのです。
 これは、私のうぬぼれですが、私は、松村のような、
 どこかいびつで、何か心に困難の有る人達といっしょに、
 互いに助け合いながら、仕事をなんとかやっていくことを、
 人生の目標にしています。
 ゴツゴツした小石でも、いくつかが集まり、その凸凹がうまく噛みあえば、
 固い一つの大きな石になれるかもしれないと、日々考えています。
 そこで、聡子さんにお願いです。」

河村は、ソファーを後ろに下げ、床に両手を突いた。
「お願いです。松村を許してやっては、くださらないでしょか。」
松村が、急いで河村の隣に来て、両手をついた。
河村は、続けた。
「松村は、偏見がありましたが、聡子さんをあんな席に案内した理由は、
 意地悪でも欲でもなく、一応は、お客様のために自分の考えで、
 したことです。そこに私は、ただ一つ救いを見ます。
 どうか、この通りです。松村をお許しください。」
河村は、深く頭をさげた。
松村は、泣きながら頭をさげた。

礼子と小沢は、驚いて見ていた。
「もうどうぞ、ソファーにおかけください。」と聡子は言った。
二人は、ソファーに戻った。

聡子は言った。
「松村さんは、お仕事では、幾度か違反なことも
 なさって来たようですが、こういう方に限って、
 お家では、いいパパであることが多いのです。
 家でいいパパになれるなら、仕事の場でも、きっといい職員になれると、
 私は信じています。
 そこで、松村さんのお宅にお電話をかけ、
 松村さんがどんなパパか、ご家族に、聞きたいのです。
 そして、いいパパなら、そんな家庭を崩したくありませんし、
 今後の松村さんを信じて、今日のことは忘れたいと思います。」

「なるほど。」と河村は言った。
ソムリエの礼子とボーイの小沢は、松村が好きではなかったが、
よいパパであることを、祈った。

松村は、スマホで家に電話をかけた。
「ああ、芳子、俺だ。レストランの方が、家での俺のようすを、
 お聞きしたいようなんだ。電話を替わるよ。」
聡子は、電話をかわった。
「もしもし、柳沢聡子と申します。
 あの、決して悪い意味ではなく、
ご家庭での、松村さんのご様子をお聞きしたいのです。
 松村さんは、いいお父様でしょうか。」
「あ、はい、いい夫ですし、いい父親だと思います。」
電話の先方の声が、みんなによく聞こえる。

「例えば、どんなところでしょう。」
「そうですね。子供とよく遊んでくれます。
 家事も手伝ってくれますし、約束を守る人です。」
「そうですか。上のお子さんに代わっていただけますか。」
「はい。佳子です。」
「柳沢といいます。お父さんは、どんなお父さんですか。」
「やさしいお父さんです。
めったに怒りません。
 怒っても謝ればすぐ許してくれます。
よく遊んでくれます。
 あたしの学校の話を、よく聞いてくれます。
 夕食のとき、みんなを楽しくしてくれます。」
「ありがとう。下のお子さんに代わって。」
「はい。勇気です。」
「柳沢と申します。
お父さんは、いいお父さんですか。」
「はい、そう思います。」
「どんなところが、特にいいお父さんですか。」
「いっぱい、遊んでくれます。
キャッチボールをしてくれたり。
おもしろいし、みんなを笑わせてくれます。
 それから、約束をまもってくれます。
「ありがとう。下のお子さんに代わってくださいますか。」

「もしもし。1ねん2くみ まつむらゆうたです。」
その声を聞いたとき、松村の目に、こらえていた涙がどっとあふれた。

「柳沢と申します。お父さんのこと好きですか。」
「はい。大好きです。」
「どんなところが好きですか?」
「おもしろいところです。あと、いっしょに遊んでくれます。
 約束も守ってくれます。」
「お父さんに点数を付けるなら何点ですか。」
「100点です。」
「そう。いいお父さんでお幸せですね。」
「はい。」
「では、皆さまによろしくね。さようなら。」
「さよなら。」

松村は、涙に暮れていた。
ソムリエの礼子も小沢ももらい泣きしていた。
河村も、目を潤ませていた。

「こんないい家庭のいいお父さんを、訴えたりはできませんね。」
聡子は、言った。
「ありがとうございます。心を入れ替えてがんばります。」松村は言った。
「一番下のお子さんが、100点をくれたじゃないか。
 これは、大変なことだぞ。自信を持ちたまえ。」と河村。
「はい、がんばります。」松村は、何度も頭を下げた。

「じゃあ、聡子さん。これで、解決としていいでしょうか。」河村。
「はい。訴えません。」聡子が言ったとき、礼子と小沢は、思わず拍手をした。

そのとき、ドアをノックする音が聞こえた。
「柳沢様のお相手の方が、見えました。」とソムリエの声がした。
松村が、頭を下げて、「失礼します。」と飛んで行った。

松村は、ソムリエと一緒に、窓側の2番のテーブルに、
聡子のパートナーを案内し、やって来る聡子を案内した。
「遅れて、すまなかった。」とパートナー。
「いえ、どんぴしゃりのタイミングよ。まあ、綺麗な夜景だこと。」
「そうだね。ここは、最高のテーブルだね。」
「そうね。」と聡子は、にっこりとした。

オーナー室を去るとき、礼子と小沢は、河村に聞いた。
「あのう、支配人が、いいパパでなければ、どうなったんでしょうか。」礼子。
「聡子さんは、松村がいいパパだという、確信があったから、電話をしたんだよ。
 その確信がなければ、他の方法を考えただろうね。」河村。
「他の助ける方法をですか。」小沢。
「その通り。」河村。
「あの方は、一体どんな方なんですか。ただの方とは思われません。」礼子。
「いや、専業主婦だよ。」と河村。
「まさか。」と礼子と小沢。
「ま、不思議な方なんだけどね。」と河村は、にこっと笑った。

廊下に出て、少し歩いて、小沢は言った。
「ぼくも、いびつな小石です。」
「あたしだってそうよ。」礼子。
「ぼくが、大失敗したときも、オーナーは、ああやって謝ってくれるでしょうか。」
「謝ってくれるわよ。でも、オーナーの前に、
 今度は、支配人が体を張って、謝ってくれると思う。」
「あ、そうですね。」
小沢と礼子は、互いに笑顔を見せた。



翌日から、支配人松村は、2つのことを変えた。
まず、部下を呼び捨てにせず、「くん」や「さん」を必ず付けて呼んだ。
ホールでは、部下に対しても、丁寧語を使った。
それを、皆が習うようになり、レストランには、
より和やかな空気が流れるようになった。


<おわり>

(次回は、未定です。)

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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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