スーパー洋子「王様クイズ大会」⑤『最後の5点問題、解くのは誰?』最終回

やっと、最終回です。なんとか自分を励まし書きました。
ここまで、読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
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スーパー洋子「王様クイズ大会」⑤『最後の5点問題、解くのは誰?』


三人の前に、横長のパネルが2枚連結されたものが、運ばれた。
ある数字か文字かが、紙で隠されている。

司会「いよいよ『王様クイズ大会』最後の問題です。
   優勝は、倉田洋子さんに決まりましたが、
   私たちの興味は、この最後の問題に正解する人がいるかどうかです。
   数学の問題です。数学科の竹中君が、少し有利でしょうか。
   私達スタッフは、この問題が、さっきのなぞなぞ問題より、
   むずかしいだろうと、判断しました。
   T大数学科の国生道夫名誉教授を訪ね、
   「何か、おもしろい数式はありませんか。」とお訪ねし、
   この問題をいただきました。
   数字や、記号の写し間違いがないよう、いただいた問題を、
   コピーで拡大しました。
   先ほどの数独の「解なし」のような問題ではありません。
   ちゃんと、解があります。
   また、高校生までの数学記号までしか、使われていません。

   では、行きましょう。時間は特別に5分とします。
   さあ、数式を見てください。」

紙の覆いが、はがされた。
観客の方にも、同じものが記されている。
観客は、その数式の長さに驚き、
「わあ~。」という声が飛び交った。

数式は、1本だが、分数記号などで、上下に幾層にも膨らんでいる。

司会「さあ、5分です。始め!」

解答者の元に、計算用紙と鉛筆が配られた。


数式は、横パネル2枚の端から端まであった。
フラッシュ・リーディングのできる竹中や小野でなければ、
この長い式を、計算用紙に正しく写すことだけで困難である。
√の中の数字が、6桁だったり、それを開くだけで、大変である。

カメラは、竹中、小野の計算の様子をカメラで映していた。
「すごい、4ケタのルートを1発で開いた。」
「微分、積分もあるよ。ひえ~!」
と、観客たちは、二人の計算力に驚いていた。

洋子は、今度はお人形ではなかった。
式を見た途端、あっと口を開け、手で、口を覆った。
それから、長い式を見ながら、親指と人差し指で、
ちょんちょんと式を区切り、うんうんとうなずき、
それから、お人形モードに入った。

「坂田君。洋子またお人形になったわよ。」と百合子。
「計算が、終わったんですよ。」と坂田。
「え?まさか、そうなのかい?」と社長は坂田の袖をまたつかんだ。
「先輩は、今頃、検算をしているんですよ。」坂田。
「暗算で、しているのか?」社長。
「私の知る洋子先輩は、そのくらいできます。」
会社では、坂田は、洋子のとなりのデスクにいる。
洋子のことを、1番よく知っている。

見ている人達に、5分は長いが、
やっている側には、5分は、あっという間に経つ。
竹中は、4分を過ぎたあたりで、「まさか!」とつぶやいた。
それから、腕を組んで、じっと数式を見ていた。
計算の結果を見た。
竹中は、拳をテーブルに置き、うつむいて、目を閉じた。
『数独のときは、勇気が出なかった。
 今度こそ、勇気を出せ!自分を信じろ!』
そう心でいい、パネルに書くためのマジックインキを手にした。

あと15秒。洋子もマジックインキを手にした。

時間である。
司会は、3人の回答を見る前に、話をした。
「えー、私は、何か面白い数式はないかと、
 T大数学科の国生道夫名誉教授を訪ねました。
 そのとき、1枚の数式をいただきました。
 数年前、英国の数学者が、数学遊びとして、
 難しい数式に見えて、答えが1になる数式を作り、
 見せ合って遊んでいたそうで。
 やがて、その3人は、「答えが1になる数式の会」というブログを立ち上げ、
 世界に発信しました。
 そして、多くの数式が寄せられました。
 今日の数式は、その内の1つです。
 一昨年度、最優秀作品に輝いたものです。
 ですから、みなさま、もう答えはおわかりですね。」

パネルがしまわれた。

司会「さあ、この中に、答えを1と書いた、解答者がいるでしょうか。
   パネルを一斉に見せてください。」
竹中、洋子が、1であり、会場は、ものすごい驚きの声が湧き、騒然となった。

驚きの声が止み、
司会「見事1と書かれました竹中君。一言どうぞ。」
竹中「うれしいです。うれしくてたまりません。
   数独の問題のとき、「不良問題ではないか。」と何度も思いました。
   しかし、どうしても勇気が出なくて、そう書けませんでした。
   それを、倉田さんは、見事に「解けない問題だ」と言い切り、
   ぼくは、心から、敬服しました。
   今度は、答えが1になり、まさか、まさかと何度も思いましたが、
   あのときの倉田さんを思い、そして、自分を信じて、
   1と答えることができました。倉田さんのおかげです。」

すごい拍手が、会場にこだました。

司会「互いに相手から学ぶ。素晴らしいことだと思います。
   では、もう一人1と答えました倉田さんそうぞ。」
洋子「えーと、この問題をお勧めになった、国生道夫名誉教授は、
   私が、今日このクイズ大会に出場することを、
お存知なかったのだと思います。
実は、この問題の作者は、私なんです。」

ええええええ???という声が、会場に響いた。

洋子「よって、私は、答えをすでに知っており、
   この問題を解く資格はなかったと考えています。
   ですから、全くのOからのスタートから、1にたどり着いた、
   竹中さんこそ、真の勝者だと、思います。

大きな拍手が沸いた。

司会は、どうするかで、相談員のところへ行った。

A:「解くより、問題を作る方がはるかに難しい。当然正解者でしょう。」
B:「作ると、解くとでは違う。作るのは時間制限はないが、
  解く方には、時間制限がある。その中で解いた竹中君を正解者とするべきだ。
  二人を正解者とすることもできるが、倉田さんの心を考えてみよう。
  倉田さんは、最終問題は、竹中くん、小野君のどちらか、
または両方に解いて欲しかったんだ。

B氏の言葉で、決まった。

司会が中央に出てきた。
「みなさま、協議の結果をお知らせします。
 問題を作ることと、解くことは別物であり、
 問題を作った倉田さんは、また別の場で、賞賛されるべきものである。
 クイズ大会は、解く力を競う場であり、
 0スタートから、正解に至った竹中君こそ、真の正解者と判断します。」

わあ~と声が上がり、全員が立って、竹中に拍手を送った。
竹中は照れながら、立って、皆に頭を下げた。

3人が、それぞれ賞をもらった。
3人は、ブースに戻り、出場者が、感想を述べるときとなった。
時間は、余っており、『たっぷりしゃべって』と書いた紙が見せられた。

司会「では、今日のクイズ大会では、いろいろな思いがあったと思います。
   時間はあります。心置きなく語ってください。では、竹中君から。」

竹中は、しばし、考えていたが、口を開いた。」
「TBBのクイズ大会には、今日を含め、6回も出させていただきました。
 その間、ぼくの生意気で傲慢な物言いに、腹を立て、
 不快な思いをされたかたが多くいらっしゃると思います。
 まず、そのことをお詫びいたします。
 ぼくは、子供のときから、人より少しできたようで、天狗になり、
 人を見下したような態度をとっていました。もちろん友達はできませんでした。
 でも、それは、寂しさの裏返しで、ぼくは、嫌われることが、自分への罰だと、
 そう思うことで、なんとか自己嫌悪から逃れて来ました。

 その癖が、学生になっても出てしまい、
 全問正解して優勝しなくてはいけないというプレッシャーを乗り越えるため、
 生意気な口をきき、自分を追い込むことで、重圧を乗り越えようとしました。
 しかし、そんな僕を見て、小野君は・・。」
そこまで言ったとき、竹中は、ぽろぽろと涙を流し、
声を詰まらせ、片手で両目を覆った。

会場の皆も、多くのお茶の間でも、そんな竹中を真剣に見ていた。

竹中は、目を覆ったまま、やっとの思いで続けた。
「小野君は、やさしいから、そんな生意気なぼくを一人にしないようにと、
 クイズ番組で、生意気で嫌味な人間を演じて、付き合ってくれたのです。
 小野君にお礼を言いたかったのに、なかなか言えませんでした。
 小野君、ありがとう。」

会場から、拍手が起こった。
T大やK大の学生は、竹中と同じ体験をしてきた者も多いのか、
竹中に共感して泣いている学生が多くいた。

小野は、涙を浮かべながら、竹中を見たり、うつむいていた。

「しゃべり過ぎました。」と竹中は、司会を見た。
「時間はあります。どうぞ、どうぞ。」と司会者。

竹中は、やっと目を隠していた、手をとった。
「この番組で、倉田さんにお会いできたことは、ぼくにとって、大きな幸運でした。
 最後の問題で、答えが1になり、
 そんなはずはないと思いましたが、数独での倉田さんを見習って、
 勇気を振り絞り、1と書きました。
 ぼくは、臆病な人間ですが、ひとつ勇気を出せたことがうれしくて、
 これからの自分を少しずつ変えていけるかも知れないと、自信を持ちました。
 倉田さんのお蔭です。心から、お礼をいいます。ありがとうございました。
 そして、こんな素敵な番組に出させてくださって、TBBのみなさまに、
 お礼申し上げます。ありがとうございました。」

大きな拍手があった。

各家庭でも、ほとんどの人が、竹中に拍手を送っていた。

「では、小野君。」
「はい。ぼくは、見かけが可愛らしいので、
 竹中君ほど、嫌われていなかったようです。
(会場、笑い。)
 今日の大会で2つのことが、ぼくの心に大きく残りました。
 1つは、倉田さんが「南島諸語系」の文を見事に訳されたときです。
 ぼくは、『かっこいいなあ。』と思いました。
 またその文『死期を迎えたカラスは、森の奥へと飛ぶ。』というのが、
 とても、素晴らしくて、生きとし生けるものの偉大さを思いました。
 もう一つは、3つの言語で話されたなぞなぞの言語の1つが、琉球語だったことです。
 日本人として、言語学を学ぶ者が、足元の言語を知らなかったこと。
 日本語のルーツに対し、全くの無知であることを、恥ずかしく思いました。
 倉田さんがおっしゃった、芝岡重蔵先生は、日本語のルーツの第一人者で
 おられます。同じ、京都の方と聞き、うれしかったです。
 ぼくは、日本語の研究がしたいと、今意欲満々です。
 このクイズ番組、そして、倉田さんのお蔭です。
 ありがとうございました。

大きな拍手。

司会「では、最後に倉田さんどうぞ。」
洋子「はい。今日は、優勝させていただき、喜びでいっぱいです。
   初めの1点問題ですが、1問も答えられなかったのは、
   私、あがっていたんです。
   カメラを向けられるだけで、石になってしまいます。
   石のまま、気が付いたら、1点問題が終わっていました。
(会場、笑い。)

   2点問題は、幸運の連続でした。
   私の本職である、校正の問題が2問出ました。
   「死期の近づいたカラス・・」ですが、
   実は、芝岡名誉教授のお仕事のお手伝いをさせていただいたことがあり、
   そのとき、書斎のご本を少し覗かせていただきました。
   それなしに、あんな難しい問題、手も足も出ませんでした。

   2点問題を全部正解させていただいて、
   楽屋に行きました。
   クイズ王のお2人から、嫌みの1つ2つ言われて当然なのに、
   初っ端「あなたはすごい!」と竹中さんが誉めてくださり、
   小野さんとお2人で、私が木に登ってしまうほど、誉めてくださいました。
   その後、お2人で、まるで、漫才のようにお話してくださり、
   私は、笑い通しで、完全にリラックスしました。

   最後に、私が作りました長い数式を、
   竹中さんが解いてくださったことの喜びは、言葉に言い尽くせません。
   私にとり、今日一番の幸せです。
   局の皆々さま、ありがとうございました。」
洋子は、四方に礼をした。

ディレクター室。
岡野「ああ、今日のクイズ大会は、特別によかったなあ。」
川田「視聴率30%なんて、信じられますか。」
岡野「途中から視聴率なんて、どうでもよくなった。
   あの3人で、いろんなドラマを見せてくれた。」
川田「岡野ディレクターも、たまにいいこと言いますね。」
岡野「ああ、え?たまにか!」
岡野は、川田に、コチンとした。

床に降りて、竹中、小野、洋子は、握手をした。
洋子は、芝岡教授の住所、電話番号を、小野に教えた。
小野は、京都に帰ったら、1番に訪問すると言った。
洋子は、竹中に言った。
「医学部2年の女性に希来里さんているの。会うといいかも。」
「え、知ってますよ。推理小説も書く人でしょ。俺、4冊全部読みましたよ。」竹中。
「わあ、知ってるの?希来里さん、テレビ見て、竹中君のこと気に入ってるかも。」
「じゃあ、訪ねてみますね。」竹中は嬉しそうに笑った。

竹中と小野はそれぞれの応援席に言って、挨拶をし、大歓迎を受けていた。

洋子が応援席に行くと、百合子が抱きしめて来た。
「もう、あなたって人は、すごいんだから。」
「先輩が上がり症だなんて、知りませんでしたよ。」と坂田。
社長が割り込み、
「倉田さん。もう、会社のイメージ、がんがん上がりっぱなし。
 君みたいな社員がいるとは。」
社長は、社員に向かって、
「夕食は、私のおごりだ。例の中華飯店に行こう!」
「わあ~~い。」とみんなは、喜んだ。

芝岡教授の居間。
叔子「今日、何回、お父さんの名前が出ましたかね。」
加藤「『日本語ルーツの第一人者とまで、小野君に言われましたよ。』
佐伯「教授、すっかり有名人ですよ。」
芝岡「あはははは。この年来て、やっと有名人かいな。
   長生きは、するもんやなあ。」
スマホの音。
叔子がメールを見た。
「倉田さんから、小野君にここの住所と電話番号を教えた。」
とメールが来た。
芝岡「そうか。頼もしい学生が来るな。
   加藤君も佐伯君も、負けたらあかんぞ。」
加藤「教授。学問は、競争やありませんよ。」
芝岡「あはは。そうやった。1本取られたな。」
みんなで、明るく笑った。

T大医学部の教室。
白衣の希来里は、窓辺に肘をかけて、校舎のツタの葉を見ていた。
「竹中かあ。あたしと同類を見つけた。
 推理小説の書き方を教えて、ちょっと小金を稼がせてやるかな?」
希来里は、くすっと笑った。

<おわり>


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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