和円流・中川靖男④「ジェンダー・クリニック」最終回

なんとかお話を終えることができました。ほっとしています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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和円流・中川靖男④「ジェンダー・クリニック」最終回


靖男は、啓子の行ったジェンダー・クリニックに行くことにした。
予約をした日に、学校を早退し、祖父の雲竜と出かけた。
診察にいくのだからと、靖男は、胸の膨らみがやや目立つ格好でいた。

電車はすいていた。
「ねえ、お祖父ちゃん。お祖父ちゃんも、昔、女の子になりたかったんでしょう。」
靖男は聞いた。
「ああ、そうとも。」
「いつ治ったの?」
「治るものか。ああいうのは、一生ものだ。」
「じゃあ、今でも。」
「ああ、今でも、毎日女の子になりたいと思っている。」
「そうなんだ。」
「わしが、このまま女になったら、お祖母ちゃんになるが、
 できるなら、若い娘になりたい。
 だが、これは、ない物ねだりじゃな。あはははは。」と雲竜は笑った。

「お祖父ちゃんがいてくれてよかった。」
「わしは、いつでも靖男の味方で、応援している。」
「女の子になれるように?」
「どっちでもかまわん。靖男が、幸せになれればそれでいい。」
雲竜は、そう言って、靖男ににっこりほほ笑んだ。

ジェンダークリニックは、小さな病院くらいの大きさだった。
受付の後、質問表に記入するように言われた。
靖男は待合室にある小さなテーブルに座って記入した。
記入しながら、感心した。
質問は、急所のようなことばかり聞いている。
『異性の服を着たとき、性的な興奮が訪れますか?』
という質問には、思わず赤面した。

質問表を出して、しばらく待っていると、名前を呼ばれた。
靖男は、診察室に入って、小さな驚きを持った。
女医先生だった。しかも、若くて、とても可愛い人だった。
靖男は、うれしくなり、いっぺんでくつろいだ。
先生は、「加納晴美」と名乗った。

「質問表で、靖男さんのことは、大体わかりました。」
そう言って、先生は、靖男をやさしい目で見て、言った。
「私もね、男の子として生まれたの。これは、内緒ね。」
「ほんとですか?!」と靖男は目を丸くした。
「そうなの。だから、ジェンダー専門の医者になったの。
 だから、私には、あまり恥ずかしがらず、答えてくださいね。」
「はい。」
「次回、ご家族に来ていただいて、靖男さんの説明会を持ちますが、
 あなたが私に言ったことで、ご家族に知られたくないことは、内緒にします。
 私には、守秘義務がありますから、
靖男さんが、ダメと思うことは、ご家族にも秘密にします。」
加納医師の言葉を聞いて、靖男は安心した。

その後、先生と20分くらい話をして、
身体について、様々な検査をした。
その後、心理テストを3種類して、
再び、加納医師とお話しをした。
「何か、ご家族には内緒にしておきたいことがありますか。」
そう聞かれた。
「はい。女の子の格好をすると、性的に興奮してしまうことは、
 はずかしくて、知られたくありません。」靖男は、言った。
「よくわかります。」と加納医師は、微笑んだ。

「私の考えですが、靖男さんは、高校の3年間くらい、
 女性として生活してみるといいと思います。
 性別に関して、寛容な高校が、いくつかありますから、
 安心してください。
 靖男さんは、男性として15年の生活経験があるのですから、
 女性としての生活もしてみて、男女どちらで生きて行くか、
 二十歳ごろに、結論を出してもいいと思います。
 二十歳になれば、戸籍の性を変更できます。」
「あ、はい。それは、うれしいです。」
靖男は、そう言って、心がうきうきとした。

帰りに、祖父雲竜に、大筋を報告した。
「女子として、高校に行くとよいと、先生は、おっしゃったのか。」
「うん。そう言われた。」
「それは、わしの夢じゃった。靖男、よかったなあ。
 家族に反対するものは、おらんな。
 いたら、わしが説得してやる。」
「うん。やっぱり、お祖父ちゃんがいてくれてよかった。」
靖男は、雲竜の腕に抱き付いた。



2年後。
誰が見ても女の子の部屋。
朝、靖子は、起きて、すぐ鏡を見る。
長い髪が、背中の真ん中まで伸び、
全体に緩やかなウェーブがある。
靖子は、前髪を整えた。

洗面に行こうと階段を下りていると、
ばたばたと後ろから、
「あたしが、先。」と言って、妹の美奈が追い越していく。
「美奈、何よ、あたしが先にいたじゃない。」と靖子。
「えへ。お姉ちゃん、どんどんのろまになっていくね。」
「美奈が、ずるいだけよ。」と靖子。

2年間で、身長が165cmになった。
胸は、Cカップに近づいている。
ノーメイクでも、目を見張るほどの美少女になった。

高校の制服を着て、朝食を摂る。
靖子は、きちんと脚をそろえて座り、背筋を伸ばしている。
美奈が、ジロジロと靖子を見ている。
「美奈、なあに?あたしを見てるわ。」と靖子。
「お姉ちゃんが、こんな女女した子になるとは思わなかった。」
「『女女した子』ってどういう意味?」と靖子。
「ほら、そのちょっとすねたような表情。わあ~、『女』って感じ。
 どこか、1本抜けてて、可愛いけどね。」美奈。
「1本抜けててってどういう意味?」靖子。
「ほら、その表情。お姉ちゃん、女の子超合格よ。」美奈。
毎朝、靖子は、美奈にからかわれる。
だが、靖子は、それが少しも嫌ではなかった。

「なんだな。女子が2人になると、賑やかでよいな。」と雲竜。
父の武史と母の郁恵がくすくすと笑った。

正門から、高い並木道になっている。
大学のように広いキャンパス。
この高校には、トイレや更衣室に男女の別がない。
ただ、「トイレ」「更衣室」と表示されている。
GIDや性の発達障害の生徒が、大勢いる。
男の子の格好をしていれば、男子。
女の子の格好をしていれば、女子となっている。
服装は自由であるが、大半の女子は、女子高生の制服を好んで着ている。

背が高い方である靖子は、教室の後ろの方に座っている。
啓子は、隣のクラスだ。
美少女の靖子は、教室では、女子に人気がある。
いつも、5、6人の女子に囲まれて、外に遊びに行く。

6時間目が終わると、数人の男子がやってくる。
あまりモテないタイプの5人だ。
「中川、今日カラオケ行くぞ。」と言う。
みんな一人では、抜群の美少女である靖子を誘う勇気は、とてもないので5人で来る。
「いいわよ。」と靖子は、明るい返事をする。
「お前の分は、おごりだ。」
「そんなのいいわよ。ワリカンにして。」
「ああ、わかった。」

教室の別の隅で、3人の男子が話している。
「なあ、吉井。お前、中川にああやって誘えるか。」
「そんな度胸、とてもねえよ。そば寄るだけで、俺、固まる。」
「お前は?」
「俺もカチンカチンに固まる。無理。あいつらは、5人のパワーで誘ってる。」
「俺たちも3人のパワーで行くか。
中川は、誘って嫌な顔見せる女じゃねーぞ。」
「そうだな。性格いいしな。」
「今度、3人で言ってみるか。」
「あ、ああ、その内な。」

正門への並木道を、6人が歩いて行く。
「中川。お前ほどの美少女が、どうして俺たちに付き合ってくれるんだ?」
一人が聞いた。
「だって、誘ってくれるの、あなた達だけだもん。」と靖子。
「誘ってくれれば、誰でもいいのか?」
「そんなことないわよ。あなた達は、顔に『いい人間です。』って書いてあるもの。」
あはははとみんなで笑った。

「中川、安心したよ。」
「何が?」
「中川は、1本抜けてるけど、一応、人を選んでいることをだ。」
「1本抜けてるって、朝も妹に言われた。こら、近藤め!」
靖子は、拳を上げて、近藤を追いかけた。
追いかけながら、靖子は思った。
挙げた拳も、追いかけている走り方も、みーんな、女の子になっている。
なんだか、うれしい!



夜、靖子は啓子にメールを打つ。毎夜のことだ。
「啓子。今日も、女の子を満喫したよ。
 男の子達にちやほやしてもらって、とっても幸せだった。」

「靖子、よかったね。今の靖子は、最高に魅力的な子だよ。
 明日もいい日でありますように。お休みなさい。」





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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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