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和円流・中川靖男②「二人のお手柄」

和円流・中川靖男②「二人のお手柄」


啓子は、ぴゅーんと飛んでいき、
男の子の両脇をすくって抱き上げ、店の中に入った。
すれすれ、男が来るのに間に合った。
ひったくり男は、その辺から、ナイフを出して、
「どけー、どけー、切るぞーー!」とわめきながら、
ナイフを振り回し始めた。
目が血走っていて、正気とは思えなかった。
通りの人は、みんな車道に避難したり、店に隠れたりしていた。
そして、見ていたのである。

男が走る前方に、白い服を着た女の子がいる。
避けずに、歩道の中央に立って、男を見ている。
「ああ、あの女の子、どうしたんだ。」
「怖くて脚がすくんでるんだよ。」
「やべ~、だれか、あの子を助けてくれ!」
店から顔を出して3人の学生は、叫んだ。

ひったくり男は、目の前の少女に、
「どけー、どけーーー!」と怒鳴りながら近づいた。
そして、とうとう少女に突っ込んだ。
「わあ!」と、見ていた大勢が、目を覆った。
その後見たのである。

男との衝突の刹那、女の子はさっと左に体(たい)を交わし、
その途端、男の体は水平になり、腹這いに宙に浮いたのだった。
靖男は、左に持った男のナイフの軌跡を読み、
男の左手首をくいっとひねり、男の背にねじり上げ、
男のスピードを利用して男を浮かした。

女の子が、宙に浮いた男を地面に叩き付け、
ねじった腕で男の背を抑えた。それを見て、人々は、
「わあああああ。」と歓声を上げた。
そして、集まって来た。

数人が男を抑えるのを手伝い、人々は、ただ感嘆していた。
「君、すごいね。怖くなかったの?」
「はい。」と靖男は、ニッコリと言った。
「何か、武道をやってるの?」
「ええ、少しだけ。」
啓子がやって来て、
「靖子、さすが。」と言って、男が握っているナイフを取り上げ、
ひったくったハンドバックを取った。
「ありがとうございます。」と若いお母さんは、何度も頭を下げた。

気が利く人がいて、すぐに110番してくれたのか、
パトカーがすぐにやってきた。
刑事一人と、巡査2人が出て来た。
刑事がすぐに手錠をかけ、巡査が、男をパトカーの中に連れて行った。
「この白い服のお嬢さんが、一人で、男をやっつけたんです。」
「男が、ナイフを持っていたのに、すごかったです。」
「この水色の服のお嬢さんは、歩道に立っていた男の子を助けました。
 やってくる男に向かって行くことになるのに、大変な勇気でした。」
靖男と啓子が、何も言わなくても、周りの人がみんな言ってくれた。

「警察より感謝状が出ると思います。
 名前と学校名を教えていただけますか。」
と、ボードに鉛筆を持った巡査が来た。
靖男は、そのとき初めて、自分が女装をしていることに気が付いた。
これは、まずい。
「学校名を言わなくてはだめですか?」靖男は言った。
「それは、こういう賞状は、学校に送られて、
大勢の前で表彰されることが多いからです。」
巡査が言った。
靖男は、巡査の耳元で、
「実は、ぼく、今、女装をしていて、ほんとは男なんです。」と言った。
「え?そうなの!」と巡査は、靖男をしげしげと見た。
「だから、賞状は警察署でいただけませんか。」靖男は言った。
「わかりました。」と、巡査はにっこりした。
靖男は、男名前とスマホの電話番号を伝えた。
啓子も、聞かれた。

靖男と啓子は、集まった人に拍手をもらいながら、その場を去った。

「靖子、スマホで撮っていた人大勢いるから、新聞に出ちゃうかも。」
と啓子は言った。
「でも、新聞記者いなかったじゃない。」
「警察暑に新聞記者が、待機してるから、パトカーが出ると、
 追いかけて来るのよ。」
「でも、取材されなかったから、大丈夫だよ。」と靖男は言った。

「啓子の腕を抱くの、中断しちゃったね。」靖男は恥ずかし気に言った。
「そうね。どうぞ。」啓子はにっこりとした。
靖男は、嬉しそうに、啓子の腕を抱いた。
「男のときなら、絶対こんなこと啓子に頼めない。」靖男は言った。
「靖子は、今、女の子なのよ。女同士なら平気でしょ。」
「うん。やっと女の子気分になってきた。」
靖男は、女の子気分に酔い、啓子は、美少女の靖男を抱きしめたくなっていた。

中川家の夕食時、靖男は、まだ女装の余韻が残っていて、
なんとなく、にまにまとしていた。
「お兄ちゃん、何かいいことあったの。にこにこしてるよ。」
妹の美奈が言った。
「ううん。なんでもない。」
靖男は言ったが、にまにまが収まらなかった。

テレビがかかっていた。
みんなは、なんとなくテレビを見ながら、お話をしていた。
そのとき、テレビからニュースが流れ、靖男は、ドキンとした。

『本日、○○町、××通り、14時20分ごろ、
男が、女性のハンドバッグをひったくり、
ナイフを振り回しながら歩道を走って来きました。
そこに、中学生とみられる女性二人が、見事、惨事を防ぎました。
たまたま撮影していた方の映像をお借りしました。
ご覧ください。

まず、青い服のA子さんが、歩道に立っていた男の子の元に走り、
男の子を抱き上げ、お店の中に避難させます。
この場合、やって来る男に向かっていくわけですから、大変な勇気です。

=啓子が靖男の元から走り、男の子を救出するまでの映像が流れる=

次は、もう一人の白い服のB子さんが、男を取り押さえるところの映像です。

=靖男が、男を取り押さえるところの映像が流れる=

このように、片手だけで、男を宙に浮かし、地面に押さえつけました。
武道の高段者でなければ、とてもできないような技であるとのことです。
尚、一般の方は、決してこんな真似をなさらないよう、お願いいたします。』

映像の終わりに、ちらっと少女の顔がアップで映った。
大変な美少女だった。

「おお、見事な!」と雲竜が言った。
「お父さん、合気流ですか。」と父の武史が言った。
「ステキだわ。でも、男はナイフを持っている。命がけでしたことかしら。」
と、母の郁恵。
「なあに、わしなら、相手が刀を持っていても同じことだ。
 靖男は小学5年生で、あの技を会得しておった。
 一つ、あの少女に感心するのは、
 左利きの相手に、とっさに反応したことじゃ。」雲竜。
「え、左利きだったのですか。」と3人。
「見ておらんかったのか。」と雲竜。

「アップでちょっと映ったけど、超美少女だったわ。」と美奈。

「靖男、大人しいけど、ノーコメントなの?」母の郁恵。
「え?うん、まあ・・。」と靖男は口ごもった。
「靖男が、大人しいのは、当然じゃ。」と、雲竜が、例の口調で言う。
「なぜです!」と3人。
「あの少女は、合気流に非ず。和円流の使い手じゃ。
 和円流は、全国に我が道場のみ。
 我が道場で、あそこまで使えるのは、靖男しかおらんよ。
 本人であるから、謙虚に何も言わぬのは、当然じゃ。」と、雲竜は言って笑った。
「靖男、ほんと!!」と3人が目を丸くした。
「うん。女装してたから、はずかしくて言えなかった。」靖男は言った。
「はあ~。」と3人は、あの美少女の顔と、靖男の顔を、頭の中で重ね合わせていた。
2つの顔は、重なるのだった。

(次回は、「靖男、ジェンダー・クリニックに行く」です。)


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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