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実話『ニューオーリンズのニューハーフさん』

実話『ニューオーリンズのニューハーフさん』


私はアメリカの大学に入って、しばらくは寮にいました。
しかし、車がありません。
休日、唯一行けるところは、バーボンストリートでした。
大学がバスの終点になっていて、それに乗って30分くらい揺れると、
やがて、ディザイアー通りに来ます。
そこで降りて、一つ通りを上ると、「バーボン通り」です。
そこは、ジャズホールとストリップ劇場とレストランが、
1軒ごとに並び、ジャズホールは入り口をみんなオープンにしており、
通りから、店の中を覗けるし、ジャズもきけます。
そして、ストリップ劇場も、扉を開けているので、中を覗けます。
こんな、サービスの良さで、アメリカで1、2を争う観光のスポットになっています。

私が、初めて「バーボン通り」に来たとき、
きっと女装の店があるはずだと思い探しました。
すると、すぐに見つかりました。おじさんが、
「フィーメール・インパーソネイター。女に扮した少年のショーだよ。」
と、呼び込みをしています。
私は、迷わず中に入りました。
中は、細長い舞台と、それにかぶりつきで見られるカウンターがあります。

3ドルのドリンクを頼み、私もかぶりつきで見ました。
出て来る女装の人ですが、残念なことに、それほど美女ではありません。
女装の人は、自分の番が来たとき、自分が歩く音楽のレコードを持っていて、
それを、ポータブルのレコードプレアーに掛けて、出てきます。
自分でレコードをかけて出てくるのは、あまり様のよいものではありません。
私は、せめて、「音楽係り」の人がいればいいのにと思いました。

何度もこの店に来ました。
あるとき、私はカメラを持っていました。
ステージの女装子さんは、あまりきれいじゃありませんでしたが、
店の奥をみると、赤い水着のようなものを着て、
その上から、ミニのスカートを履いている人がいました。
ブロンドで色が白く、体がぽやぽやと柔らかそうな人がいました。
見た限りでは、男性の部分がなく、普通誰が見ても女性でした。
しかし、女性が一人でこんな店にいるわけがありません。
私は、思い切って聞きました。
「あのう、あなたの写真撮ってもいいですか。」
「そうねえ。」と彼女は言い、そのとき、少し長身の女性が来ました。
その人も、まるで女性で、男の影がどこにもありません。

「二人で、10ドル(2000円)くれればいいわよ。」と長身の人がいいました。
そして、写真のために、上の服を脱いで、青いビキニになってくれました。
赤い人は、スカートを脱いでくれました。
このとき、赤い人は、股間に少し出っ張ったものを股の下にまわしました。
それで、二人は、ニューハーフさんだと、私は、確信しました。
二人は、いろいろなポーズを取ってくれて、私は、パチパチと取りました。
お店の人達が、みんな見ていました。

私は、1本フィルムを取り終わり、
プリントが出来たら差し上げたいので、住所と電話番後を教えて欲しいといいました。
すると、すんなり、教えてくれました。

私は、二日後、できたプリントを見ました。
フラッシュで撮ったにかかわらず、二人は、まず女性に見えました。
「やっぱり、プロは違うなあ。」と思いました。

私は、二人に電話し、都合を聞いて、写真を持って行きました。
車がなかったので、バスと路面電車をつないで、二人のアパートにいきました。
アパートは、高級ではありませんでした。
私は、少し胸を弾ませ、ドアをノックしました。
二人は、私が、本当に来たことに、感激していました。

丸いテーブルにクッキーがあり、私は、オレンジジュースを出してもらいました。
二人は、ノーメイクでしたが、十分に女性に見えました。
二人は、写真を見て、キャー、キャー言っていました。
「これ全部、プレゼントします。」と私。
「そうなの。あたし達、自分の写真をもらえたのなんて初めてかな。」赤の人。
「自分の売り込みように、写真館で撮ったくらい。だから、うれしいわ。」青の人。

好奇心旺盛の私は、このときとばかり聞きました。
私「ね、二人はステージに立たないの。」
赤「安いのよ。半日がんばって、15ドル(3000円)かな。」
私「じゃあ、何して、生計立ててるの。」
青「そりゃ、男を相手にして。」
私「路地に立ってたりするの?」
赤「まあね。あのときの店で、客を待っていることもある。」
私「二人なら、女の子に間違われるでしょう。」
赤「それは、棲み分けがあるのよ。
  女装の子が立つのは、ここらへん。
  純女が立つのはここらへんってね。」
私「そんなの知らない人が来たら、間違えられるでしょう。」
二人は、笑って、
青「何度も間違えられたわよ。」

私「そういうとき、どうするの。」
赤「ベッドで、裸になったとき、『君は、男だったのか。』って、
お客さん驚くわ。怒る人もいる。
で、あたしみたいの受け付けないって人なら、
そこで、さよなら。気前のいい人は、間違えた自分が悪いのだからって、
何もしないで、10ドルくれる人もいる。紳士ね。」
私「ね、場所はどこでするの。」
青「あの辺のホテルを、半日くらい借りておいて、そこを使うの。」
赤「そんな用意ができないときは、車の中でやる。」

私「ね、女の子とニューハーフの人と、どっちが有利なの。」
赤「それは、女の子の方が得よ。あたし達の5割増しくらいかな。」
私「ボクにとっては、ニューハーフの人の方が、断然いいけど。」
青「そう言ってくれる人が、もっと増えて欲しいわ。」
三人で笑いました。



もっと、たくさん聞いたと思うのですが、
よく思い出せません。
私は、写真を感謝されながら、帰りました。
その後、二人を訪問することはありませんでした。
今、考えると、もっと遊びに行けばよかったと思っています。


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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