合気流・高木啓子の巻③『親善試合始まる』

あまり長いのも・・と思い、次回を第1部の最終回にいたします。
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合気流・高木啓子の巻③『親善試合始まる』


木下合気流道場では、館長の木下藤平がいる。
段は9段であるが、海外を渡り歩き、実質10段以上の実力者である。
その木下のところに、8段の大杉武夫師範が来た。
大杉は、長身で、がっちりしている。42歳。
「中学生の男子が、和円流と親善試合をやりたいと言っています。」と大杉。
館長木下は、にやりとした。
「和円流なら、勝てると思ってのことだろう。」
「その通りです。中でも武道館で1位になった五十嵐進が増長しており、
 周りの連中も、生意気になっております。
 この際、和円流で、コテンパンにやられてくるのも、彼らのためかと。」
「では、大杉君に引率をたのむ。私も見に行きたいくらいだ。」
と、木下は笑った。

こうして、木下道場と和円流道場の親善試合が5日後に決まった。
親善と言っても、希望した中学生達は、「道場破り」と思っていた。
出場は10人。木下道場は中学生だけで、顔ぶれがそろう。
大杉師範は、生意気な順に10人を選んだ。
もちろん五十嵐進は、真っ先に選ばれ、勘違いしてか、ガッツポーズをした。

和円流道場は、全員で8人であるので、2人メンバーを呼ぶ必要があった。
そこで、靖男は、啓子に出場を頼んだ。
「あと、一人なんだ。」と靖男。
「いるいる。あたしの妹。小学3年生。」
「大丈夫かな。」
「今、3級だけど、5、6段の人をポンポン投げるよ。」
「わ!すごいね。」
「うん。あの子は、6年生までに10段になると言われてる。」
「それは、すごいや。」と、靖男。

和円流道場では、館長の雲竜が、道場生に声を掛けた。
「木下道場の中学生の皆さんが来るんだよ。
 中学生に勝ったら、えらいぞ。お菓子をあげるから、がんばりなさい。」
道場は、中学生が靖男ともう一人、1年の女の子。あとの6人は、みんな小学生だった。

啓子もミミと一緒にやってきた。
「お兄ちゃんとやりたーい!」とミミが真っ先に飛んで行ったので、
ミミに靖男を譲った。
靖男とミミは向かった。
靖男は、手刀を作り、打ち込みに行った。
ミミは、その手を取って、ズバン!と投げた。
「わあ、すごい。技が見えなかったよ。」と靖男はミミに言った。
ミミは、有頂天。
今度は、ミミが手刀を作り打ち込みに行った。
ズバン!技が見えなかった。
ミミは、目をくりくりして、
「お兄ちゃん、やっぱすごいね。うれしーい!」と飛び跳ねた。
結局、靖男は、ミミに独占され、啓子は小学生の相手をしていた。

稽古の途中、雲竜がミミを呼んだ。
雲竜はしゃがんで、ミミの耳のそばで、
「投げようとする方向だけを見てはならん。
 後ろから、相手の脚が来るかも知れんだろう。
 だから、相手の顔くらいを見て置く。
 すると、視野の両端の前と後ろも見える。
 で、怖い物なしというわけだ。」
ミミはうなずき、感激して、
「わあ~い、神様から教わった!」と喜んで、ぴょんぴょんした。

「じゃあ、今教わったことの練習だよ。」
靖男は、ミミに言って、投げられに行った。
空中で、脚をミミの顔に絡めようと攻撃した。
ミミにはそれが見えた。
首を引っ込め、靖男の脚をいなして、そのまま靖男を投げた。
「ぼくの脚が見えたの?」
「見えた!目の端っこで見えた!」とミミ。

「わ~い、わ~い、見えた、見えた。」と大喜びで、
ミミは、道場中を飛び回った。
靖男は、啓子のところへ来た。
「ミミちゃんは、大天才だね。」と言った。
「うん。ちょっとジェラシーだけどね。」と啓子はにっこりと言った。



親善試合の日が来た。
木下合気流は、引率の大杉武夫を先頭に、道着を着てやってきた。
初段から袴を履ける。3年生4人が袴、あとの6人は、柔道着でやってきた。
和円流は、袴を履かないので、全員柔道着である。
それを、木下道場の中学生は勘違いした。
「おい、袴がいないぞ。」
「楽勝だな。」とにまにました。
「ほとんど小学生だぞ。勝っても自慢できねえ。」
「道場破りに来たんだ。相手は、弱いほどいい。」
そんなことを言っていた。

10人の内、五十嵐進が、道場正面に近い、大将の座にいた。
和円流は、靖男が大将、その隣に副大将の啓子がいた。
ミミは、特別に強いので、年齢を超えて、下から7番手にいた。
8番手は、中1の百合。細身で弱そうに見えるが、
道場で、靖男の次に強い。
残りの二人が、啓子と靖男である。

試合前に、名前と段級の自己紹介をした。
合気流の3年生は、初段1人、2段1人、副大将の安田が3段、
五十嵐の4段が一人だった。

和円流は、段級がないので、全員無段無級であると靖男は述べ、
名前だけを言った。啓子もミミも「和円流」としては、無段無休だったのだ。

その後、館長の中川雲竜が言葉を述べた。
「合気流も和円流も、『試合をした後仲良くなる』というのが、
 最も大切な精神です。この親善試合もそうなるよう励んでください。」

この雲竜の言葉のあと、大杉武夫がルールの説明をした。
勝ち抜きではなく、1対1の9試合の後、大将戦のみ3試合があること。
3試合は、2点先取ではなく、0勝でも3回行うこと。
こんなルールであった。
審判は、大杉がやる。

第1試合。小学1年生の井口紀夫:中学2年小杉道夫2級。
小杉は、背もあり体重もある。1年生が勝てる相手ではないと思われた。
道場正面を背にして井口、正面に向かって小杉。
正座をしてお辞儀をし、両者は立った。
1年生の井口は、ちょろちょろと小杉に向かって行った。
小杉が向かおうとしたとき、顔色が変わった。
小杉は、そのまま、棒のようになり畳へ倒れ始めた。
その小杉の背中を、1年生の井口が、両手で押した。
バタンと小杉は、畳に倒れた。

「和円流、井口紀夫」と審判の声がした。

「わーい、わーい、勝った、勝った。」と、井口紀夫ははしゃいだ。

「井口君。喜ぶのは、礼が終わってからにしなさい。」
と、大杉に言われ、井口は急いで礼をして、万歳の続きをしていた。
和円流のみんなは、最年少の井口に、拍手喝采である。

小杉が帰って来た時、
「小杉、どうして負けた、何があったんだ。」とそばの連中が聞いた。
「出そうとした足の親指を踏まれたんだ。」
「『踏み足』か。」
「ああ、考えもしなかった。」
合気流のみんなは、しばし、シーンとなった。

合気流の悪夢は、それから続いた。
6人連続、小学生に負けたのである。
負けた6人は、応援する気にもなれず、うなだれていた。

しかし、次はやっと3年生である。
合気流は、1級から初段になるのが、最も難しい。
よって、初段は、1級と比べて、遥かに強い。
初段に小学生が勝てるわけがない。
だが、7番手の依田は、相手が悪かった。

「7番、依田圭介 初段 対 高木ミミ 無段。」と審判が言った。
依田は、相撲取りのような大きな男だった。

ミミは、待ってましたとばかりに、立ち上がり、
相手を見て、燃えていた。

(次回は、「親善試合のおわり」第1部最終回です。)

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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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