美佐枝と美加⑤「美加の未来」最終回

3話完結のつもりが、長くなりました。
今回は、えっちがありませんが、読んでくださるとうれしいです。
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美佐枝と美加⑤「美加の未来」最終回


美加が、美佐枝のマンションに来るようになって、4年がたった。
美加は、19歳になった。
中学生で、家出をしてきたときから、
大人になり、ずっと綺麗になった。
美佐枝は、美加の女性としての美貌は、奇跡だと思った。

美佐枝は、自分のニューハーフの店で美加を働かそうとは、
思わなかった。
美加を独占したいという気持ちがあったことはあった。
だがそれより、美加には何かの才能があり、
その方面で、生きて行って欲しかった。

3月になってのある夜、美佐枝は、いつものように夜中の3時に帰宅した。
そこには美加がいて、メイクを落としてもらい、バスに入って、
美加の用意してくれた服を着る。
その日は、赤いワンピースだった。自分の年より若い服だ。
しかし、美加に髪を下ろしてもらい、可愛いボブヘアーにして、
薄くメイクをしてもらうと、美佐枝は、若くなった。
「美加は、マジシャンだわ。」と美佐枝はいつも言う。
「美佐枝のこと研究しているから。」と美加。

いつものように、家庭用バーに座った。
美加はバーの中で、飲み物を作ってくれる。
マティニーを作ってもらい、飲もうとしたとき、
「ママ、これ。」と言って、美加が、小さ目なホールケーキを出した。
「まあ、どうして?」と美佐枝は言った。
美加は、ケーキにろうそくを立てながら、
「美佐枝、お誕生日でしょ。ハッピーバースデイ!」
と言って、美佐枝に微笑んだ。

「まあ、まあ。」と美佐枝は感激した。
「もう、何年も誕生日なんて忘れていたわ。
 誰も、祝ってくれなかったし。美加、ありがとう、うれしいわ。」
ケーキを飾りながら、二人でドリンクを飲んだ。

「もう一つ。これは、あたしのことだけど、美佐枝に報告があるの。」
「何、何?」と美佐枝は、身を乗り出した。
美加は、ハードなカバーが付いた、見開きのものを出して、美佐枝に見せた。
美佐枝は開いてみると、それは、卒業証書だった。
何の卒業証書かと見てみると、NKK放送学園とあった。
「美加、放送学園を卒業って、高校を出たことになるの?」
美佐枝は、驚いて聞いた。
「うん。美佐枝が働いているとき、せっせと勉強していたの。」
「知らなかった。放送学園を卒業するなんて、大変なことよ。
 100人に一人いるかいないかだと思うわ。」
「あたし、家出したけど、中学のとき、けっこう勉強できたの。」

「美加が、頭のいい子だって、気が付いていたわ。
 あ、ちょっと待って。高校卒業っていうことになるのよね。
 だったら、大学受験ができるじゃない。」
「一応、そうなの。」
「だったら、大学にいきなさい。大学なら、男だの女だの、うるさくないわ。
 学費は、あたしが、全部出すわ。」
「美佐枝が、毎月たくさんのお小遣いくれたでしょ。
 4年間貯めたから、学費はあるの。」
「それは、貯金しておきなさい。で、何を専攻したいの?」
「笑わないでくれる?安く行ける国立の医学部。」
「まあ、大変。予備校に1年行く必要があるわ。
 じゃあ、その授業料は、出してあげる。」
「美佐枝、笑わないの?医学部よ。」
「笑わないわ。美加は、不思議な子だから、可能性を感じる。」

二人は、祈りを込めて、美佐枝の誕生日のケーキを食べた。
美佐枝は、「美加が、受かりますように。」と祈った。
美加は、「美佐枝とずっと一緒にいられますように。」と祈った。

次の日の夕方、美加は、実家の妹のエリに電話をした。
家族は、夕食時のはずだった。
美加は、これまで、月に1度は、エリに電話をしてきた。
そして、両親の自分への気持ちを確かめて来た。
この頃、両親は、だんだん、考えが柔らかくなってきていた。

「あ、お姉ちゃん。」とエリは言った。
ずっと前から、自分をお姉ちゃんと呼んでくれている。
エリは、美加の高校卒業を聞いて、
「わあ、すごい。おめでとう、」と言った。
「お父さん、お母さんは、どんな感じ?」と美加。
「前よりはずっといいよ。その内理解するんじゃない?」
「そうだといいけど。」
「勉強、がんばってね。」
「ありがとう。」
簡単に電話を切った。

エリは、父の義男と母の妙子に言った。
「お姉ちゃん、放送学園卒業したって。
 それで、大学受験するんだって。」
「え?お店には、出ないのか。」と義男。
「うん。大学に行きたいって。」エリ。
義男は、伏し目がちにいった。
「放送学園を卒業とは立派だ。正志(=美加)に言っておいてくれ。」
「結局、大学受験まで、がんばったのね。えらいわ。」と母の妙子。

「もう、わかってあげたら?お姉ちゃんは、この道しかなかったのよ。
 あそこまで女の子みたいだったら、中学卒業するのなんて、無理だって。
 お兄ちゃん、どれだけ、からかわれたか、知ってるの?」とエリ。
「ああ、今は、わかっているつもりいだ。」
「だから、お兄ちゃんは、誰とも顔を合わせずにすむ、放送学園を選んだのよ。」
「けなげだわ。私、正志に合わせる顔がないわ。」妙子は言った。
「お父さんも、お母さんも、お姉ちゃんは、『美加』だからね。
 よく頭に叩き込んでね。」エリは言った。
エリは、あと一押しだなと思った。

美加の予備校が始まってから、美佐枝は、美加の家政婦の仕事をすべてなくし、
美加を完全にフリーにした。美加の生活も、昼型にした。

予備校で、美加を男の子と見る学生はいなかった。
女の子が話しかけて来て、仲良しもできた。
美加は、学園長にいって、「美加」の名前を使わして欲しいと言った。
正規の学校ではない予備校は、すぐにOKをした。
美加が座っていると、隣に来るのは、必ず女の子だった。
女の子は、女の子の隣に座りたがる。
こうして、美加は、自分が女の子だという自信をつけて行った。

美佐枝と顔を合わすときが、ほとんどなくなった。
しかし、美加は、必ずオードブルを作り、冷蔵庫の中に入れておいてくれた。
そこに、必ず、一言メッセージがあった。

「美佐枝。今日もお疲れさまでした。
今日は、模擬試験がありました。全然できませんでした。」
別の日。
「今日は、模擬試験の結果が出ました。
 国立医学部の合格率は、15パーセントでした。
 かなり、へこみました。」

7月になった。
「美佐枝。お疲れさまでした。
今日、二回目の結果が出ました。合格率25%でした。
 『まだまだ、学力が足りませんが、可能性は、少しあります。』
でした。またまた、へこんでしまいました。」

美佐枝は思った。
国立医学部に、25%というのは、相当すごい成績ではないかと。
受験者の全員の順位では、上位10%に入っている。

11月に至り、美加の合格率は、とうとう50%になった。
受かるかもしれないという数字だった。

そして、年を超えて、受験日である。
T大の医学部は、恐ろしいので、
美加は、もう一つの国立医学部を受けに行った。

朝が寒く、美佐枝は、この日ばかりは、美加に付き添った。
美加に手袋をして、カイロを持たせた。
美佐枝は、朝からずっと美加を待った。
美加の姿が見えたとき、
「どうだった?」と真っ先に聞いた。
「う~ん。すごく難しかった。」と美加は言った。
もう一日試験があった。
美佐枝はそれにもついていった。

「昨日より、よかったかな。」と美加は言った。
「美佐枝、ありがとう。2日間、寝不足でしょう。」と美加は言った。
「ううん。家で待ってるなんて、耐えられないから。」と美佐枝は言った。

美加は、マンションにつき、妹のエリに電話した。
「お疲れ。大変だったでしょ?」とエリ。
「うん。疲れた。」と美加。
「お母さんが話がってる。話す?」エリが言う。
「うん。」と美加。4年ぶりの声だった。
「美加?」
「お母さん。」
美加の声を聞いて、妙子は、目に涙を一杯ためた。
「いままで、ごめんね。」と妙子はいった。
「迷惑かけたのあたしだから、あやまるのは、あたしの方。」
「いいえ。美加をずっと理解しなかった。ごめんね。」と母は言った。
「今日、試験が終わったの。結果は、期待しないで。」
「受けただけでも、えらいわ。お父さんに替わるね。」
父の靖男が出た。
靖男も、涙声だった。
「美加。よくここまでがんばったな。父さんが悪かった。
 お前に辛い思いをさせた。すまなかった。」
美加は、涙でいっぱいになった。
あの、頑固だった父が・・。
「あたしを、『美加』って呼んでくれてありがとう。」
「いつでも、帰っておいで。」
「うん。ありがとう。合格してたら帰るね。」
「不合格でもいいよ。帰っておいで。」
「うん、ありがとう。」
美加は、電話を切った。

そばで、美佐枝が涙ぐんでいた。
「やっと、わかって、くださったのね。」と美佐枝。
「うん。うれしかった。でも、あたしは、美佐枝のところにずっといていい?」
「もちろんよ。それが、一番うれしい。」美佐枝は言った。

合格発表は、パソコンでわかる。
いよいよ、発表の当日。
美佐枝と美加は、パソコンの前にいた。

大学のホームページへ行って、
「合格者発表のページを開いた。」
「まって、今、気持ちを落ち着けるから。」と美佐枝は言った。
発表のページをスクロールしていく。
やがて、中井正志という名が出た。
美加が、「わあ~。」と飛び上がった。
「美佐枝『中川正志』ってあたし。」
「そうか、本名で出るものね。じゃあ、じゃあ、美加合格したの?」
「うん、そう。」
「わあ~。」と美佐枝は、美加を抱きしめた。」
「すごいわ、すごいわ。お医者様になれるのね。」
「うん。そうなの。美佐枝、ありがとう。」と美加は、涙いっぱいに答えた。

美加が家に電話した時、母も父も、大変な喜びようだった。
「お姉ちゃん、おめでとう。すごいよ、すごい。」
「ありがとう、エリ。」
美加は、喜びに浸った。

高層ビルの最上階のレストランで、美佐枝と美加は、食事を楽しんでいた。
美加の合格祝いだ。
「美加は、お医者様になるのね。」と美佐枝。
「あたし、精神科になって、あたしみたいな子の専門家になりたい。」
「そう、ステキだわ。美加も、私の家を巣立っていくのね。」
「あたしは、美佐枝と、いつまでもいっしょよ。
 前にそういったじゃない。」
「でも、開業するでしょう。」
「あたしは、医者になったら、美佐枝と同性婚するの。」
美佐枝は笑った。
「美加とあたし、18も違うのよ。」
「美佐枝を、メイクで、いつまでも若くしてあげる。」
「言葉だけでもうれしいわ。」
「あたし、1度口に出したことは守るの。
 美佐枝と二人、ウエディングドレスで、結婚するの。
 みんなは、女同士の同性婚だと見るでしょうけど、
 ほんとは、男同士の同性婚。
 これ、洒落になってて、愉快じゃない?」
「そうね。」
美佐枝と美加は、顔を見合わせて、くすくすと笑った。


<おわり>


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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