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自選・優秀作品②「催眠術師VS栗林真吾」後編

催眠術士VS栗林真吾(後編=完結編)


真吾は、夢中でドレスを見た。
セーラー服があった。それが、まず真吾の夢であった。
箪笥の引き出しを引くと、女子の下着が詰まっている。
ブラを付ける。
ショーツを履く。
スリップをかぶる。
鏡を見る。
ああ、心が躍る。
女の子になっていく。
そして、ついにセーラー服。
何着かあった。
自分の通っていた中学のものに一番似ているものを選んだ。
セーラー服の女子を見て、どれだけうらやましく思ったことだろう。
着てみれば、びっくりするほど、自分にジャスト・サイズだった。
白のスカーフをセーラーに差し込んで、前でリボンに結び、
靴下を履いて、出来上がり。

かつらがあんなにある。
真吾は、いちばん乙女チックな、ロングのボブヘアーをかぶった。
前髪を少し分けておでこを見せた。

せっかくあるので、化粧品も使った。
チークと、そして、ピンクの口紅を薄く引いた。

鏡を見た。
ああ、女の子だ。中学3年生くらい。
可愛い。びっくりした。
真吾は喜びに震えた。
ずっと自分を見ていたかった。
うれしさと同時に、性・的・興・奮も訪れていた。

治療室を見た。
一人の女性が、治療を受けていた。
真吾はその間、ずっと鏡を見ていた。
ときどき立って、くるっと回ってみたりした。
スカートがパラシュートのように膨らみ、
広がって落ちる髪が、頬を撫でる。ああ、ステキ。
鏡に向かって、小さな声で、女の子のお話をした。
「ね、あなた、だれ?」
「あたしは、ルミよ。どう?あたし、可愛い?」
「うんと可愛いわ。とってもステキ。」
「うれしいわ。」
などとやっていた。

そのうち、女性が帰った。
真吾は先生のところへ行かねばならないと思った。
暗示にしたがうと、次は先生に抱かれることになっている。
抱かれることは、嫌ではない。自分が女装をしている限り、抱かれることは喜びだ。
真吾は、先生のところに行った。

「先生。あたし女の子だから、この服にしたの。これで、いい?」
「ああ、いいとも。とっても可愛い。お名前は。」
「ルミっていうの。」
「そう、いい名前だね。
 君があんまり可愛いので、抱きしめてもいいかい?」
「ええ。抱いて。」
先生は、立って、真吾を抱いた。
「もっと強く抱いて。」
先生は、強く抱いた。
『ああ、うれしい。心の中まで女の子になっていく…。』真吾は思った。

「先生。あたし、変なの。ここに男の子のものがある。
 それが、すごく大きくなってて、恥ずかしいの。」
「そう、じゃあ、先生がなんとかしようか?」
「ええ。お願い。」
「じゃあ、向こうへ行こう。」

真吾は、先生に抱きかかえられ、隣の部屋のベッドに寝かされた。
『先生の暗示通りにやっている。ぼくは、変・態・先生を利用している。』真吾は痛快だった。
先生は、真吾のスカートをめくり、ショーツを下げて、
真吾の大きくなったものを、口腔内に含み、
やさしく口を上下させた。

真吾は、初めて味わうような陶酔の中にいた。
自分で処理するときとは、全然ちがう。
人にされるのは、これほどまでに気持ちがいいものかと思った。
そのうち、痺れるような快感に襲われ、
耐え難くなり、真吾は、女の子の声をたくさん発して果てていった。
天にも昇る気持ちだった。



真吾は、セーラー服を着たまま、先生の前に再び座った。
「もう一度催眠をかけるからね。」
と先生は言った。
『ははあ…。』と真吾は思った。
先生は、今のことをぼくの記憶から消去するつもりだ。
あるいは、ぼくが、またここに来て、女になりたがるよう、暗示をかけるのだろう。
『先生、残念ながら、ぼくは暗示にかからないのです。』
そう心で言い、真吾は、先生に対する優越感に浸った。

他に患者はいなかった。
先生は、銀製の万年筆をキラキラと真吾の目に反射させた。
「はい。君はもう催眠の中にいます。」
先生の声が聞こえた。
『全然、かかっていませんよ。』真吾は心の中で、にやりとした。

「手を上に上げてごらん。あがらないから。」
先生の声に、真吾は膝に乗せていた手を、試しに少し上げてみた。
あれ?あがらない。どうしてもあがらない。真吾はあわてた。
ここで、先生の催眠にかかったら、ぼくは何をされるかわからない。
今、催眠にかかっちゃいけない。
しかし、手は指1本もあがらなかった。

真吾はそれから、深い催眠に落ちて行った。
先生の声が、神のように聞こえた。

「君が女装したくなるのは、日曜日だけです。
 他の日は、女装のことを忘れます。
 大学受験が終わったら、また元にもどり、毎日女装のことを思います。
 それと、君は集中力があります。今催眠にかかっているのが、その証拠です。
 自分を信じましょう。君は、今から勉強にも集中できます。
 では、目覚めたら、とっても気分がさわやかです。
 さあ、目覚めます。はい。」

真吾は、ぱちっと目が覚めた。
さわやかな気分が胸に満ちていた。

「これで、終わりです。今日からの君は、少し違うと思いますよ。」と先生は言った。
「先生。ぼく、今セーラー服着てます。女の子になってる。なぜですか?」
真吾は、自分の願いが叶ったとはいえ、やはり先生を糾弾せずにはおれなかった。
「それは、君の意志でやったことです。君が理由をいちばんよく知っているでしょう。
 私に、たまたま女装の趣味があったので、私の物を君に貸しました。」
真吾はたじろいだ。その通りであったからだ。
「ぼくをイかせてくださったのは、先生ですか。」
「そうだよ。私は、女装した男の子が好きなので、つい、してしまった。ごめんね。」
「いえ。求めたのは、ぼくだし、うれしかったです。」と真吾は正直に言った。

「先生は、ぼくが女の子になりたいってこと、どうしてわかったんですか。」
「それは、催眠のとき、君が自分で言ったんです。」
「先生。ぼく、催眠にかからなかったんです。
 かかった振りをして、女装をしました。」
「君がかからなかったのは、5円玉を使った2度目の催眠です。
 私は、君に催眠をかけた振りをしたのです。
 だから、君にかかるわけがありません。

 1度目に私は自分の眼鏡を小道具に、君に催眠をかけました。
 そして、君の気が散る原因は何か、思うことを言ってもらいました。
 そのとき、君は女装への思いを語りました。
 その後、私は、その1度目の催眠を君の記憶から消したのです。
 だから、君は、かからなかった2度目の催眠を、初めての催眠だと思ったのです。」

「じゃあ、2度目のニセの催眠の意味はなんですか。
 そんなことしなくても、ただ『女装していいよ。』と言ってくだされば、ぼくは喜んでしました。」

「そうかな?私に恥ずかしがらずに、身も心も女の子になれたでしょうか。
 服を着て、カツラをかぶるくらいは、できるでしょう。
 しかし、初対面の私を前に女言葉を使い、女の子の振る舞いができたでしょうか。
 初めてのときは、照れくさくて、自分を『あたし』と呼ぶことさえむずかしい。
 2度目のニセ催眠で、君は、催眠にかかったふりができました。だから、
 私の前でも、恥ずかしくもなく、女の子として振舞えたのではないでしょうか。
 私は、2度目のニセ催眠で、君に『身も心も女の子になる口実』をプレゼントしたのです。
 聡明そうな君のことです。私のニセの暗示をきっと利用すると思いました。

 もし、私が、本当に催眠状態にある君を、暗示で女装させ、抱きしめ、
 性的行為を行ったのなら、これは、犯罪です。
 君は、私に抱かれることも、私に、ベッドでされたことも、
 すべて、自分の意志で受け入れたことだと思います?
 嫌なことなら、君の意志でいつでも拒否できたのですから。

 今回、君の一番の幸運は、私も女装マニアだったことです。」
先生は、微笑んだ。

『そうだったんだ…。』と真吾はすべての謎が解けた思いでいた。
そして、自分より何枚も上手であった先生に対し、感謝と敬意の念を抱いた。

先生は言った。
「そんなことより、君は、日曜日になると女装をしたくなると思います。
 そのときは、ここにいらっしゃい。あの部屋を使い放題使っていいですよ。只です。
 そして、可愛いナースの服を用意しておきますから、できるなら、
 君が受付のアルバイトを2、3時間やってくれるとうれしいです。
 もちろん、アルバイト料は払います。
 私は、治療代を自分の手でもらうのは、治療士として、ちょっとはずかしいのですよ。」
先生は少し照れた笑顔を見せた。
「はい。わかりました。受付のお仕事、させてください。」
と真吾は、うれしそうに言った。

学生服に戻って、治療院を出た真吾は、
ナース服を着た自分を思い浮かべて、うきうきとした。
「あ、女装のこと考えてるけどいいのかな。」とふと思った。
いいはず。今日は、女装の解禁日、日曜だった。


<おわり> 

=====お知らせ=========================

実は、このお話は、エピローグとして、真吾がナースになって先生とえっちなことをするところがあります。
こちらです
これも読んでくださると、うれしいです。

=====ひとこと==========================

私は、中学3年生のとき、真吾と同じ理由で、親に内緒で、催眠治療を受けに2度いきました。このお話は、そのときのイメージで書きました。
とってもオープンなところで、私は、一人の女性と並んで、いっしょに催眠治療を受けたほどです。

私が学んだところですが、催眠術を使って、女性を裸にしたり、その趣味のない青年を女の子にすることは、できません。催眠中と言えど、かかっている人の理性は常に働いていて、自分や回りを観察しています。そして、自分に不利なことだと判断した暗示は、その暗示にかからないよう身を守ります。
よって、催眠治療は、安全で、怖いものではないと、私は認識しています。


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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