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広報委員長・沢田美津子②「佐和子、ほぼ完治する」

広報委員長・沢田美津子②「佐和子、ほぼ完治する」


クリニックから帰って来ると、美津子は、佐和子をソファーに座らせ、
イヤホーンがあったので、音楽を聞かせた。
こういう時の音楽は、
元気が出るようにと、ポップな音楽は、禁物だ。
心が落ち着く、ヒーリング音楽がいい。
それとも、スローなジャズのようなもの。

同じ環境にいるのがいい。
気分転換にと、外に連れ出すのは、よくない。
本人にあまり話しかけるのも、よくない。
本人が話しかけてくるときだけ、答える。
スマホは、善し悪しだが、相手がいるメールのようなものは、よくない。
綺麗な景色や、動物の写真を見るのは、可。

美津子は、佐和子が、音楽を聞いているのをときどき確かめながら、
洗濯、お掃除をすませた。
簡単に食べられる軽食を作り、キッチンテーブルでいっしょに食べた。

「今、あたし、最高に幸せ。全部美津子さんがやってくれて、
 あたしは、じっとしていればいいんだもの。」と佐和子は言った。
「その内、じっとしているのが苦痛になるわよ。
 そのとき、治ったと言えるのよ。」
「ああ、そうか。じっとしてるのが嬉しいときは、まだまだなのね。」
「そう。だから、今は、たっぷりじっとしているの。」
「うん。わかったわ。」

今、佐和子は、よくなっている。
この時期が一番危ない。
取り返しのつかないことをやってしまう。
うつ病が重いときは、そんな元気もないが、
少し良くなって来た時に、
急激に落ち込むことがある。
そのとき、大それたことをしてしまう。
美津子は、今の佐和子から、片時も目が離せないと思っていた。

食後、美津子は、スマホから紀子にメールを打ち、
ことの一切を知らせた。

紀子からの返信。
「わかった。佐和子さん、知ってるわよ。ずばり、あたしのタイプ。
 あたし、昼間、美津子のヘルプに行っていいかな?
 『片時も目が離せない。』というのは、大変でしょう。』

美津子から。
「それ、助かる。ぜひ来て。女でね。
 ここ、10日くらいが、山だから。」
紀子。
「OK。」

昼過ぎに、紀子がやって来た。
美津子が紀子を紹介した。
紀子も、佐和子が大好きである。
そういう思いというのは伝わるのか、
初対面で、佐和子は、とても嬉しそうにした。

3時を過ぎたとき、隆が帰ってきた。
玄関に出向いた佐和子を見て、隆は、うれしそうににっこりした。
「お母さん。顔色いいよ。少しよくなったの。」隆は言った。
「そうなの。朝よりもずっとね。」
「わかるよ。
 となりにいるのは、沢田さんのおばさんでしょう。」
「そうよ。知っていてくれたの。」と美津子。
「うん。お母さんが、とっても可愛い人って、いつも言ってる。」
「まあ。」と美津子は赤くなった。
「お母さんは、美人よね。」と美津子。
「うん、まあ、そう思う。隣のおばさんは?」
「紀子っていいます。沢田のおばさんのお友達。」紀子は、言った。

「わかった。お母さんを助けに来てくれたんですね。
 よろしくお願いします。」と隆は言い、
「じゃあ、二人もおばさんがいるから、ぼく、遊びに行ってくるね。」
隆はそう言って、ランドセルを玄関に置いて、外へ、飛び出していった。

「隆は、だから、ここ10日ほど遊びに行かなかったんだわ。
 あたしのこと、見てくれていたんだわ。」
佐和子は、そう言って、涙を浮かべた。
「いい子ね、やさしい子だわ。」と紀子は言った。
「隆君、うれしそうだったわ。お母さんの笑顔見て。」と美津子。
「ええ。」と佐和子は、美津子と紀子に、涙の笑顔を見せた。

その日は、子供が大好きな、カレーライスにした。
美津子と紀子で、いそいそとやっている。
佐和子は、キッチンテーブルに座って、うれしそうに二人を見ていた。
洗濯物は、もう乾いていて、取り込んで畳んである。

6時に隆が帰って来る。
「わあ、今日はカレーライス?」という。
「そうよ。誰でも好きでしょう?」と美津子。
「お母さんが、少し良くなったお祝いかな?」と隆は言った。
「そうとも言えるわね。」と紀子はいった。

テーブルに椅子が5つある。
紀子も同席しることにした。

やがて、7時を過ぎて、夫の靖男が帰ってきた。
美津子と紀子がいて、賑やかになっていることに、靖男は驚いた。
その真ん中に、佐和子がいた。
「あなた、お帰りなさい。」と、佐和子はにっこりした。
「佐和子、君・・・。」と佐和子の笑顔に靖男は喜んだ。
「そうなの。後で話すけど、少し元気になったの。」
「ああ、よかった。どんなマジックが行われたの?」
靖男は、玄関を上がった。
美津子は、紀子を紹介した。

靖男は、背広を脱ぎ、ホームウエヤーに着替えて、テーブルについた。
「わあー、今日はにぎやかだねえ。」と隆が嬉しそうにいった。
食事をしながら、佐和子が、一日のことを話し始めた。

「え?沢田さんが、広報委員長を1年間やってくださるの!」
「そうなの。あたしの心の一番の重みだったことを、
 引き受けてくださったの。
 そうでなければ、あたしは、
1年も2年も治らないところだったと先生が、おっしゃってた。」

靖男は、美津子に向かって姿勢を正し、
「こんなことを代わりにやってくださる方なんて、ふつういません。
 佐和子が、一番気に病んでいたのは、広報委員長のことだと、
 思っていました。でも、私には、どうすることもできませんでした。
 それを、引き受けてくださる方がいるなんて、思ってもみないことでした。
 ありがたいです。ありがとうございました。」
靖男は、言いながら、涙を。ぽたぽたと落とした。

「そう言ってくださると、うれしいですが、私にとってもチャンスなんです。
 あたしは、子供がいませんので、学校というところで、
 いろいろな奥様達と、親しくなりたいという気持ちもあるんです。
 ギブ・アンド・テイクですわ。」と美津子は言った。

いち早く、カレーライスを3杯も食べた隆が、
「テレビ見に行っていい。」と言って、抜けた。

そこで、美津子は、小声で言った。
「私、この病気の体験者なんです。
 それによりますと、よくなって来た時が一番危険なんです。
 あるとき、急にどかんと気持ちが落ち込んでしまい、
 取り返しのつかないことをしてしまいます。
 すごく、重いときは、そんなことをするエネルギーすらありません。
 そこで、この10日間くらい、私と紀子で、佐和子さんから、
 絶対目を離さないようにします。
 夜は、ご主人と交代いたします。
 そこで、ご主人と隆君で、
佐和子さんから目を離さないようにしていただきたいんです。」

「わかりました。私が読んだ本にも、そのことが書いてありました。
 何から何まで、行き届いたケアをしてくださり、ありがとうございます。
 よろしくお願いいたします。」靖男は頭を下げた。
「だから、紀子さんも、応援に来てくださったのね。
 ありがとうございます。あたしは、果報者です。」
佐和子は言った。

3日後、佐和子は、見違えるほど元気になった。
抗不安薬の副作用で、少し眠いという程度だった。

1週間後、クリニックに行った。
先生は、まだまだ、無理をしてはいけないといって、
決してがんばったりしないようにと言った。

1か月後、佐和子は、美津子の監視の下で、
家事の一切をできるようになった。
テレビも楽しめた。
新聞も読めた。

そして、1か月半後、クリニックの先生は、
もう美津子の監視はいらないだろうと言った。
後は、徐々に、薬を減らしていくだけだと言われた。

佐和子と美津子は、診察室を出たとき、抱き合って喜んだ。
「よかったね。」
「ええ、うれしい。」
と、二人で言った。

隆は、6年生になった。
4月の第3週目。
美津子の広報委員長第1回目の仕事が始まった。


(次回は、「美津子広報委員長発動」です。)


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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